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国際公営鉄道(仮題)  作者: 急行 千鳥
列車強盗編
10/23

9.

出向して別の企業に勤め始めました。

出向元より出向先のほうが天職だと感じ始めている今日この頃。

9.


プシュゥゥゥ・・・

「どはぁ~~」

C55-12と俺は同時にため息(ため蒸気)をついた。


「なめてたわ~。通勤ラッシュ・・・」


ただでさえ減便気味の通勤列車。そこに人が殺到するのは当たり前であった。

が、

「ぜって~乗車率200%いってたよ、あれ」

デッキにも人があふれかえり、客車の屋根、ついには最後尾の客車の連結器の上にまで人が乗っていた。


「車掌の女の子は丁寧だったけど、二度とやりたくねぇ・・・」

駆け寄ってきた庫内手の小僧にチップを渡し、C55-12の管理を任せ、俺は身一つでホテルを目指して歩き始めた。


時刻は22時過ぎ。

終列車まではまだ時間がある。

ホテルまで歩いていける距離ではあるが、歩きたくない。

都市交通鉄道メトロに乗っていくか・・・。

そう思って1番線に行った時だった。


「やめて!!」

すでに人が少なく静かな駅構内に女性の大声が響いた。


1番線、俺から100m先、女性ともみあっている黒服黒メガネ2名、指揮官らしき黒服1名。


「協力願えますか?」

後ろからやってきた若い駅員。手には長棒。駅員が治安維持活動時に使用するための物だ。

「もう少ししたら当直助役が増援を連れてきます。それまででもお願いします。」


「あとで報酬はもらいますよ!」

しぶしぶ俺も構えるが・・・


丸腰なんですけど!!


「貴様ら!邪魔するなら鉄道職員とて容赦しないぞ!」

黒服指揮官が叫ぶ。

「うるせぇ!うちの職員スタッフに何してやがる!」

職員スタッフ!?

確かによく見れば襲われている女性やつ、公営鉄道の制服着てるぞ!


黒服が何かつぶやく。

「うわぁあああ!!!」

その数秒後、背後の改札口から駅員の悲鳴が聞こえた。

思わず振り向くと、黒服が大量発生していた。

「な、なんじゃこりゃーーー!!!」

俺も悲鳴を上げる。

「ぜ、全員入場券買っているんだろうなぁああ!?」

若駅員君!?今そこ!?


俺たちは走り出した。

走り出さざるを得なかった。

だって背後から100人以上黒服来てんだもん!

「俺がこのまま突っ込んで隙を作ります。その間に機関士さんは職員スタッフを頼みます!」

「マジかよ・・・」

あーもー泣きたい!!


「鉄道公安法第8条に基づき治安取り締まりを執行す」

バキ!

「るぅぅぅぅ・・・・」

若駅員君、突撃するも黒服リーダーのけり一発で吹き飛ぶ。


オィイイイイイイイ!!

そのすきに黒服リーダーの脇を抜け、職員スタッフを担ぎ上げる。

っていうか職員スタッフ抑えていた黒服弱!!

若駅員君もだけど!


そのまま線路を無断横断し、俺はC55-12まで逃げ帰った。


「何者なんだよあいつら・・・」

全力疾走でC55-12まで逃げ帰り、無意識に抱えていたものを機関室へ放り込んだ。機関車の運転台は高い位置にあり、ステップを登らないとならない。よって“抱えていたもの”を先に機関室へ置かなければ入れないのだ。


「キャッ」

キャ?

何の声だ?


ここで冷静に振り返る。

そういえば“抱えていたもの”って・・・


「助けでくださったことにはお礼を言いますが、何も投げ込まなくても・・・」

「あ、ごめん・・・いつもの癖で・・・」

助けた職員スタッフさんだった・・・。



ゥウウウウウウウウウウウウウー


機関区内に警報が鳴り始めた。

「侵入者!機関区に侵入者ありーーー!」

庫内手が叫びまわる。

公営鉄道公安官が飛び出してくる。

ただでさえ薄暗い機関区構内。黒服との乱戦は混乱状態となった。


「さて、大人しく発車してもらいましょうかね。」

後頭部に何かを押し付けられた。

この筒っぽいもの。

確実に、銃だろう。

そっと支線を横に移すと、助けた職員スタッフも別の人物がショットガンを向けている。


「できれば殺しはしたくないんだ。公営鉄道関係者を殺すと面倒だからね。

だけど我々は、必要とあらば殺すよ。」

男とも女とも判別つきにくい声で俺の後ろの黒服が言った。

「・・・しかし進路が・・・。どの線路に入るかわからんぞ。」

「大丈夫だ。信号所は抑えてある。君はこのまま走らせればいい。」


俺はおとなしく運転席につき、蒸気を上げ始めた。






最近のマイブーム;麦飯

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― 新着の感想 ―
[良い点] 鉄道を軸にした世界観が面白いです。銀河鉄道の夜、バッカーノの鉄道での大立ち回り、オリエント急行の殺人事件。楽しみにしています
2020/02/02 22:44 退会済み
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