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建井太輔

作者: 朝霧ゆか




多くの批判と反感により、僕は初めて人を殺しました。




どうやって殺したのかは覚えていません。

でもその人の胸には沢山の刃物が刺さり、とても痛そうにしていました。顔は涙と血でぐちゃぐちゃで、何故か僕も涙がとまりませんでした。



次の日、その人がいなくなったので僕の気持ちは澄み切っていました。

他の人も急に姿を消したものだから、不思議に思いつつも少しずつ僕を認めてくれるようになり、

お母さんに至ってはいい子、いい子と沢山頭を撫でてくれました。僕はいい事をしたのです。



この日から沢山の人から否定される度に、殺せばいいのだと思うようになりました。

こんな簡単な事をするだけで、みんなは僕をいい子だと褒めてくれる。



だから私はその都度沢山の人を殺してきました。



深く刺さった刃物を握り、抉るだけでいい。

もしくはその無数の刃物を抜いてやれば大量出血で死に至る。


そうやって何度も殺しては虚無感に駆られる日々を送ってきました。それはもう、数え切れないくらいに。


だからふと、思うのです。




私は何がしたかったのでしょう。何を目指していたのか。なりたかったもの、なんだったかなぁ。上手く思い出せません。




気付けば私は、沢山の僕を殺していました。




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