表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/46

"まだ冒険は終わっていない"

「すばらしき銀たぬきの冒険 ~現在、リーネによる朗読中~」



 狼のぼうやを助けに向かった銀たぬきですが、二匹とも霧に飲まれてしまいました。


 赤縞を乗せた隊長からすは、必死に銀たぬきを探しました。けれど、いくら目をこらしても、そのすがたを見つけられませんでした。

 ふかい霧の中、みんなの銀たぬきを呼ぶ声がさみしく響きます。


「……うそだろ? うそだって言ってくれ!! いつものように、ひょっこり出てきてくれよ、銀たぬきの旦那ァ! 旦那ァァァーー!!」


「うるさいぞ、リスめ! ぎ、銀たぬきどのが、この程度の術で消されるわけないだろう!? 今まで彼の何を見てきたんだ!」


「おまえだって翼がブレブレじゃねーか! ちゃんと飛ばねーから、後ろの隊列乱れてるぞ!」


 しっかりしろと、おたがいをしかりながら、赤縞と隊長からすたちは安全なところに避難しました。

 集まった冒険仲間は"りすの赤縞"、"隊長からす"、"泉のねこ"、そして"白雲ひつじ"の四匹です。みんなで、これからどうするか考えます。


「あらためて、知っていることをまとめたい。この術は、昔出会った"白い子へび"が使っていたものだと、銀たぬきどのは言っていた。それは確かなのか?」

「けどよ、いくら呼びかけても返事がなかったぜ。俺様たちの言葉すら、わかってねえようだった。まるで人間だな」

「 それは おかしいですね 」

「おいリス! もっと情報はないのか!? なんでもいい、知っていることを話してもらおうか!」


「わりぃ、みんな……」

 

 顔を伏せていた赤縞ですが、意を決して話し始めました。


「へびの坊主がこうなっちまったのは、俺たちと出会ったことが原因なんだ! あいつは、銀たぬきの旦那に噛み付いて、その血を飲んで術を得た!!」



 ……


「リーネちゃん、どうしたの? おはなしの続きは……?」

「……ううん。何でもないよぅ! もちろん、続きを話すから、少しだけ待っててねぇ」


 それまで淀みなく語っていたリーネの声が止まった。続きを求める聴衆は、不思議そうに彼女を見る。

 

 リーネが絵本として表した"すばらしき銀たぬきの冒険シリーズ"だが、獣たちの行いすべてが子供向けだったとは言えない。時には難解で過激な光景も幻視として、彼女の前に現れる。

 それらを包み隠さず語ったところで、獣をひどく恐れるカーレルの子らは安らげない。ゆえにリーネは、勇敢な銀たぬきの意志と、その仲間たちの活躍を重視して、物語を紡いできた。


 今もそれは変わらない。自分だけに視える"数秒前の過去"に、優しい言葉を当てはめて、即興劇を演じ続けるのだ。


 まずは今後の展望を視るために、リーネはちょっと休憩しよぅ、と言って語るのをやめ、獣たちの動向に心を傾けた。


 ……

 

 これは、物語のベールを纏う前の会話。


 銀たぬきの仲間たちは、目の前の危機に抗うための方策を話し合う。しかし、先導者を失った動揺は深く、苛立ちをぶつけるかのように、白雲ひつじは悪態をついた。


「なんだそりゃ!! 銀たぬきの野郎が元凶なんじゃねえかよ!! あいつ、俺様たちを"術の暴走"から救ってみせるとかほざきやがったくせに。何だよこのざまは」

「銀たぬきどのは、直に"贄姫"を喰らった原初十三獣の一匹。その血に触れたのなら、子へびが強力な術を得たのも頷ける……残念だが、此度の事態を招いたことは、銀たぬきどのの落ち度と言うほかない」


「確かに、あの時の旦那はぬかったかもしれねえ。だがよう、これまで散々世話になっておいて、随分と薄情な言い草じゃねえかぁ? ええ、"白の字"と"白雲"よお?」

「相も変わらず、くそ生意気なリスだな。銀たぬきの子分のおまえとは違って、俺様は理があったから協力してやってたに過ぎん。もっとも、あの情けねえ最期を見た限り、全部無駄足に終わりそうだがな!」

「何だとお、もういっぺん言ってみろ! ぶっ殺してやる!!」


 落ち着け赤縞、と隊長からすは翼を広げて仲裁するも、小柄な獣の怒りはおさまらない。



「おまえら、旦那からの恩を忘れたのかよお!! あんだけ危険な冒険をはじめたのも、全部全部俺たちのためだったじゃねえか! 術は鍛え続けるだけ強くなる。いつか俺たちの、暴走の運命からも"すり抜けられる"はずだって言ってくれた!!」


 変異した獣たちを待つ、破滅の未来。命の限界を迎えた彼らは、自らの魔法に耐えられず、自滅の末路を辿る。

 当事者である獣自身も、避けられぬ宿業として諦めてはいた。しかし、銀たぬきだけは、その運命からの回避を図った。



 ”ともに冒険をはじめよう!!”


 "いつか必ず、貴公らを暴走の運命から自由にしてみせる!"



 銀たぬきの言葉を思い出したか、白雲ひつじは項垂れた。他の仲間にも、彼の語る理想に心躍った記憶がある。だからこそ皆は"冒険仲間"となった。様々な困難や、宿敵との戦いも乗り越えてきた。


 すり抜けという魔法を極め続ければ、暴走という現象からも回避できる。そう信じて巡った、求道と修行の旅路であった。


「……だが、銀たぬきどのは、間に合わなかった。もう命が……長く、なかったのだろう?」

「知っていたのかよ、白の字」


 銀たぬきの魔法は、望む方向に成長しなかった。すり抜けの効果範囲は広がったが、回避できる現象は制御できなかった。


「旦那は、"全部ワガハイが何とかする!"って笑ってばっかだったけどよ。本当は術を解くことも難しくなってんだ。集中しねえと、水や食い物も喉をすり抜ける……もうそこまで限界が来てたんだよ」


 恩義を偲ぶうち、鮮やかすぎる思い出も脳裏をよぎる。なぜ彼一匹に多くを背負わせてしまったのかと、赤縞は悔悟に泣く。まるまるしい銀毛の下に、想像を絶する苦悩があったかもしれないのに。


「 皆様は もう諦めてしまわれるのですか? 」


「急に喋り出すんじゃねえよ、泉のねこ! だって、だってよお……旦那がいないと、俺たちはもう」

「 銀たぬき様の姿は見えませんが あの方が信じた人たちと わたしたち 冒険仲間はここにおります 」


 もう一度、あの日々のように冒険を続けましょう。

 水底から泡が浮き立つように、泉のねこは語りかける。


「 冒険の心得なら 銀たぬき様から教わりました 決して最後まであきらめず、自分ができることをする 自分ができないことであれば、できる仲間にまかせよう そのような考えから わたしたちのような動物に声をかけて 冒険仲間を集められたのです 」


「そうだけどよ。消されるのを待つ以外に、今の俺様たちに何ができるってんだ?」

「 わたしたちにしか できないことをするのです 今から作戦を話しましょう 」


 そうして泉のねこは考えを話し、他の仲間も案を出し、方針を固めた。それは、銀たぬきがいた時と変わらない作戦会議の時間だった。彼の存在がなくとも、共に過ごした日々は互いへの信頼と、行動の連帯感を高めていた。


 新たな指針を胸に、冒険仲間は霧に立ち向かう。

 誰とはなしに呟いた。もし、銀たぬきがこの場にいたら、きっとこう言うだろう、と。



 "まだ冒険は終わっていない"



 ◇ ◇ ◇



 校舎付近まで押し戻された、博士と四人の"魔法少女(略)"。獣たちを庇いながら、途方に暮れたように立ち尽くす。

 もはや話し合いは望めない。説得対象は人の姿を捨て、霧と一体化した。文字通り聞く耳を失ったオータムは、抹消を遂行するだけの現象と成り果てた。


「でも、なんだかんだどうにかなるんすよね? さあ、博士!! いつもみたいに作戦を話してくださいっす!!」


「ごめん、ちょっとこれは……僕でも無理だよ」


 不死者"博士"は震えた声で告げた。


「すでに、オータム先生は人であることをやめてしまった。今の彼は、嵐や地震といった天変地異といっしょなんだよ。言葉が届くような存在じゃない」

「ここまできて、なに弱気なこと言ってるの! 話し合いの場を作るって、約束してくれたでしょう!? 最後まで責任もって考えなさいよ!!」

「オーガスタちゃんの言うとおりだよ、博士。それに、まだ"あの子たち"はあきらめてない」


 羽ばたきとともに、豪風が少女たちの髪を乱す。霧の揺らぎを見極め、たった一羽で飛び立った"鋭羽十字鴉グラアベム"の長。メイの動体視力は、その背に水色のこねこを乗せているのを捉えた。


 我が子を追うかのように、親猫も水でできた巨体を揺らめかせ、悠々と前進していく。水を呼ぶ獣、"液体猫ミャーズ"の親子を中心として、獣たちは結託したように動く。


「ねこちゃんたち……? 何を……する気なんですか?」


「いやはや、まったくもって、わかんないっすね! しかし、みんながやるならわたしもやらねば……よっと!」


 これまで静観を続けていた"重綿山白羊ウルッフメリ"が、少女たちの前に躍り出た。引き寄せられるようにして、ジュディも隣に立ち、毛糸剣を大きく振りかぶる。


「ちょっとジュディ、こんな時にふざけないの!!」

「ふざけるなんてとんでもない! いつだってわたしはまじめに生きてるっす。なんか今は、ひつじの親方がわたしにこうしてほしいって伝えてくるんすよ! なぜかは知りませんけど!」


 よくよく見ると、ジュディの体は羊毛でところどころ結ばれていた。獣はそこから必要な動作を手取り足取り伝えてくる。

 行動の意図を理解しているわけではないが、彼女は毛糸剣を授けてくれた獣を"ひつじの親方"と呼び、信頼していた。その求めに応じて、疑いなく風魔法を放つ。

 

「みんな、まだ私たちに応え続けてくれてるんだよ! オータム先生を本当の意味で見つけ出そうとしてる!!」


 母猫は力の限り水を呼び続け、霧を水と還し、地へ流し続けた。もやの薄まった夜空を、残りの"鋭羽十字鴉グラアベム"たちが飛び抜ける。

 飛翔により生み出された大気の流れは、霧を一点に集約する航路を描いていた。ジュディの風魔法も、霧を圧縮する一助となっている。


 作戦のかなめを担うのは、"液体猫ミャーズ"の、こねこが使う魔法だった。


 まだ幼く、水を纏うこともぎこちない獣であったが、水質を見極める力は秀でていた。

 かつてオータムを構成した水分のみを呼び出し、もとの体を取り戻そうとしている。それができるのも、霧と同化して間もない、今しかない。


「今度は絶対に逃がさない! 何も言わず、私の前からいなくなるなんて許せない!! 博士、先生が戻ってきたら教えて! もう一度私が向こうに……」


「行くんだな、エイプルねーちゃん」 



「ウェザー!!」


 完全に意表を突かれて、皆はどよめいた。声かけられるまで誰も少年の気配に気づかなかった。いくら聡い彼でも、自警団員の目を掻い潜り、皆が籠城する校舎から抜け出せるはずがない。


 毅然と一同を見返すウェザー。その肩に、分裂して小さくなった"極小綿鼠ナノ・セコ"、彼が"ビーノ"と呼ぶ仲間を乗せている。この獣の助けを受けたとしても、脱出できるとは思えない。

 その疑問への回答は、少年自身の手で引きずり降ろされた。


「ほら。こいつ、また俺に憑いてたんだぜ」


 秘匿が破れれば、姿を現すほかない。取り付いた相手に幸運をもたらす獣、"隠密憑依狐アンブラコーン"はウェザーの腕に捕らえられた。持って行けとばかりに、エイプルの前に突き出される。

 金襴たるきつねは、不本意そうに鳴きながらもエイプルに宿った。


「あ、ありがと……って、それよりウェザー!! あんた体は何ともないの!? なかなか起きなかったとき、私、どれだけ心配したか!」

「わかっている。全部わかってるんだよ、ねーちゃん。今は、こんなこと言ってる場合じゃない。行くところが、あるんだよな?」

「……うん」


 博士は無言で、その時が近づいていることを示す。

 霧の粒子から体が再構成され、オータムが人としての意識を取り戻すとき、必ず隙ができる。熟達の戦士といえど、例外はない。エイプルは、その刹那を狩るつもりでいる。

 

「僕も同行するよ。霧を密封し、彼の退路を塞ぐ。そして、最後まで見届けよう」


「わたくしたちは残って、ここを守り続けるわ。あなた単独の活躍を認めます。そのかわり、絶ッ対に帰ってくること!! いいわね!?」

「うまく言えないけれど……これだけはわかります。エイプルさんなら、きっと成し遂げられます!! 戻ったらみんなで、お祝いのお茶会をしましょう? ジュディさんも、お手伝いで忙しいみたいですが、"どうかご武運をおおお!!"と言っています」


「やる気は充分だけど、現実的に見て、オータム先生と接触するのは非常に難しいよ。一瞬を確実に逃さないためにも、君には僕と同じような強化をさせてもらう」


 みんなから激励を受けている時も、博士が何やら術を展開していた。発動すると、エイプルの足元に術式の陣が描かれ、彼女を包むように輝き放つ。


 踏みしめるのは、獣除けの陣と同じ紋章だ。カーレル・シズネ町にいる命たちの魔力を、エイプルにも供給するもの。これで、獣たちの動向も感覚で共有でき、好機を逃さず飛び立てる。


 最終強化を受けるさまは、さらなる状態変化(へんしん)の如く――


 ふわりとした炎の形を表すも、重厚な印象を与える、エイプルの赤と黒の装備コスチューム。導火線のように走る金刺繍伝いに、新たな魔力が流れ込む。浸透する。

 

 灼熱は赤色を越えて、白炎として輝き、エイプルの身を飾る。深紅の髪、瞳も高温に合わせ純白に染まった。背に二対の、炎からなる翼が顕現。これより天蓋へ至ろう。

 

 希望の炎の集約。少女は火輪と化し、黎明の到来を告げる。


 

「これで文字通り、この町の命運は君に託されたね」



 最大まで高まった熱は上昇気流を呼び、上空への飛行は造作もない。しかし、高熱ゆえに供となれる者は限られていた。決戦の舞台へは、不死者"博士"のみが同行する。


 オータムの再来まで残りわずか。見送るしかない者たちは、固唾を飲んでその時を待った。


 そんな緊張感も足蹴にするように、少年の「いってらっしゃい」との声が、エイプルの背に投げられる。

 気負いも背負ったものの重さも、これからするであろう英雄的行為への期待も、すべて取っ払うような……


 魔法少女(略)を、"ただの村娘"に戻す響き。

 見つめ合うエイプル、ウェザーの間にあるのは、ただの平和な日常だ。


「ずっと、俺を守ってくれるんだろう?」

「うん!」


 薄明の空に、大輪の花火が打ち上がった。七色の光の尾を引いて、流星の如く空を駆ける。

 鳥籠の愛鳥が飛んでいく。手中で愛でていた花が、風に舞い上げられる……エイプルを見送るウェザーは、そのような感慨を抱いた。


 "自分のそばから離れないでほしい”

 “どこにもいかないでほしい"


 長年の望みは破られた。現状、最も恐れた事態へ進んでいる。それでもウェザーは、晴れやかな気持ちでいた。

 暗い森をさまよう悪夢は、もう見ない。心のしがらみは解かれているのだ。これから始まるのは、本当の意味で自由な人生。


 固く繋いだ手をほどいても、いつだってふたりは共に在る。



 ◇ ◇ ◇



 理性が溶け落ちるのを、オータムは喜んで受け入れた。はじめからこうすればよかったと、悔やむほどに。

 忌まわしき獣たちと、汚染された土地を選別し、削り喰らうことは本能として刻まれ、自動で実行する。やがてオータムの霧は世界を覆いきり、人類に仇なすすべてを消すだろう。


 "これでいい。この上なく、満ち足りた気持ちだ"


 心は最期にそう告げて、霧散する。目を閉じ、眠りに落ちる時のように、何もわからなくなる……はずだった。



 ドン!!


 全身をビリビリと震わす大音。身体を突き抜ける衝撃と浮遊感。そして燃え上がるような熱――


 オータムは混乱する。わかるのは"自身が打ち上げられていること"だけ。

 誰に? どうやって? そう考えられる意識、肉体があること自体もおかしい。現状のすべてについていけないまま、受け身も取れず、謎の空間に転がった。


万象改変機構(ゼノフラクタ)を起動した」


 最後まで温存していた博士唯一の武装。何にでも形を変える高魔力の塊体は、広大な四面体として展開し、オータムを囲う。

 地上に満ちていた"抹消の白霞"も、大半は彼に付随して、ともに吹き飛ばされ、この透明な箱の中に捕えられた。



 空中の楼閣にて、三つの人影が立つ。全員、揃えてきたかのように、白色を着て向かい合う。だが、各人が背負う意味は、それぞれ違っていた。


 一片の穢れも許さぬ、潔癖の白。


 白き軍服のオータムは、一呼吸の間で現状に順応した。持っていた両手盾を失っているが、それでも幾通りの戦闘技術を修めている。思い通りに攻略が進まず、彼は静かに激していた。


 未知、未開。白紙の未来を表す白。


 博士は白衣をはためかせ、場の中央に降り立った。戦う力はすべて他者に捧げた。今はただ、すべてを見届ける存在として、裁定と収束のときを待つ。


 希望の光の重なり。明るい未来を示す白。


 純白の装いのエイプル。もう迷いはない。破滅に向かう霧を止めるため、恩師の下へ歩みを止めない。

 より良き未来へともに進もうと、オータムへ声かけようとするも、その前に怒気をぶつけられた。


「いい加減にしろ、この軟弱者が!!」

「先生も、さっきからずっと自分勝手が過ぎるよ!!」

「知ったふうな顔して、無責任に寝言など吐くな!! 貴様には十年早い! 身の程を弁えろ!!」


 激昂する姿など、学校では決して見せなかった顔だ。けれど、エイプルには既視感があった。これは彼の側面である"堕天者フォール"を表すもの。軍の鬼教官と呼ばれたころの彼だ。


「言葉も軽い。ろくな経験もない。そんな小娘がこれ以上、邪魔するというのなら、俺も本気で貴様を蹴倒さねばならない!」

「私だって覚悟を決めて、ここに来たの! わかってもらえるなら、なんだってやってみせる!!」


「ならば力で示してみせろ! 薄っぺらな夢や理想では、俺は止まらない。これから最後の稽古をつけてやる……命を懸けてかかって来い!!」


 武器も持たず、魔法も纏うことなく構えて待つ。先手を譲ったオータムに、エイプルはあらためて尊敬の念を抱く。

 そして、自らの考えが正しいと確信する。どこまでも教師として振る舞う彼。そんな優しい大人だからこそ、あの手が通じるはずだ、と。



 深く、息を吸った後、エイプルは"蛍火"の魔法を発現する。散らばった光の粒は、星の如く周囲を照らした。その星々を連鎖爆裂させ、爆風を受けて推進する。

 星座をなぞるような、左右に曲折をつけての助走。しかし、オータムは惑わされることなく、迫りくる拳を掌底でいなした。


 返す手刀は、容赦なくエイプルの喉を狙って繰り出され、少女は身を捩って避けた。広がった白の長髪に穴が空く。ただでは退かないとばかりに、エイプルは蹴りを二、三発繰り出すも、足を掴まれて投げ飛ばされた。


「……やっぱり、オータム先生はすっごく強い人だったんだね」


 吹き飛ぶ最中も、新たな"蛍火"を生成し、各地に設置する。爆発魔法に繋げることを警戒してか、オータムは不用意に追ってこない。

 今の一戦で、互いの実力差を知ったエイプルは攻めあぐねた。大幅に強化を受け、魔法も多用する彼女を、オータムは生身の実力で圧倒している。


 これが大人と子どもの違い。現実を生きる意志力の差。自身が喚いていることは、ただの子どもじみたわがままなのかもしれない。けれど、それでも……


「どうした!? もう終わりなのか!?」


 周囲の"蛍火"が燃え盛り、白炎は形を変える。それはエイプルと似た少女の姿となった。炎の分身たちだ。だが、一斉に飛び掛かられても、オータムに焦りはない。


「エイプル!! 貴様自身が来ないと、稽古の意味ねえだろうが!!」


 蹴りの風圧だけで分身を吹き消し、白炎の手を寄せ付けない。それでも熱と光はオータムを炙り、感覚を鈍らせるはずだが、エイプルは不意打ちすら不可能と断じた。


 余計な刺激を受けぬよう目を閉じ、研ぎ澄ました戦意のみで探知し、反撃する彼。

 本能が警笛を鳴らす。あの分身たちのように、うかつに近寄れば"消される"。


「くだらない。こんなことが貴様の本気なのか? 俺を止めてみせるとのたまった、決意の結果がこのざまか?」

「先生こそ、そうやって獣を見つけしだい、なんでもかんでも消していくんだよね?」

「今更、当たり前のことを」


「じゃあ、私が獣に変異したら、先生は私を消すの?」


「ぐっ……!」


 それは明確な隙だった。瞬時に分身の白炎を集めた拳で、エイプルは渾身の殴打を食らわせた。

 人も獣として変異できる。他ならぬオータム自身がそうだ。愛すべき生徒たちもまた、そうなる可能性はある。


 無垢なる問いと、今の一撃はオータムによく刺さった。


「っ……たしかに、起こり得ないとは言えない。だが!! そうならないうちに、すべての獣を消せばいい。それが世界にとって最善だ! そうだろう!?」

「でもそれ、本当は私たちのためじゃないよね!?」


 蹴り技が冴えを失った。不利になるとわかっていても、オータムは目を開け、光にまぎれたエイプルの姿を探す。


「私、わかるもん! 私もいっしょなこと考えたから。もしも、あの時……森でウェザーが倒れた時、私が、怒りのまま博士と、先生を手にかけてたら」


 あの明るい夜での死闘は、思い出すのも苦しい記憶だ。もしも、ウェザーを失ったと思ったエイプルが、止めようとする仲間たちを傷つけ、博士を完全に破壊し、"堕天者フォール"へ復讐を遂げたとしたら……


 報復の炎のあとに残るのは、仲間からの怯えた視線。博士の残骸。オータムの燃え滓。

 そのような惨劇を見て思うことは、ただひとつ。


「私だったら、"この世界からいなくなりたい"って思う!! 今の先生もそうなんじゃないの!?」

「……はははっ。これは参ったな……」



「ばれてしまったか」



 オータムは抵抗を止め、エイプルの拳が胸を穿つのを、甘んじて受け入れた。

 故意でないとはいえ、部隊として率いた四人の生徒たちを"食べ"、ウェザーを殺しかけたオータム。すべてを思い出したときに、願ったことはただひとつ。


 "消えてしまいたい"


 救世の方法も、成すべき宿願も、ただのでっちあげだ。大人だからこそ捏ねくりまわせた屁理屈。

 本当の本当に消したかったのは、"黒き獣たち"でなく、自分という存在のみ。


「もういいでしょう、オータム先生。こんなこと、もうやめにしませんか?」


 裁定者のように、今まで口も手も出さなかった博士は、オータムに投降を呼びかける。

 白い炎は光量を減らし、倒れたオータムと、それを見守るエイプルを静かに照らす。誰の目にも、勝敗は明らかだった。


 けれども、彼は首を振る。


「いいえ。たとえ、世界が救われたとしても、俺は俺を許せない」


 闘志は消えていた。これ以上、戦う気はないようだった。だからこそ、エイプルと博士は、オータムが飛びのき、二人と距離置くのを許した。

 視界の果て、蒼穹が薄白む。日の出とともに力が弱まる彼には、逃走の手段も、残されていないはずだった。


 オータムは、もうひとつだけ、隠していた本心を教示する。



「本当の過去を思い出してから、生きることが苦しくてたまらなかった。でも、やっと見つけたんだ。俺の願いも叶って、世界の役にも立つ方法が」


 天に手をかざす彼。魔力からなる箱上部には、凝縮された霧の塊があった。夜空の色に染められ、存在を隠されていたのだ。

 オータムは魔法を封じていたわけではない。エイプルたちを町から引き離したときのように、"抹消の白霞"は絶えず発現し続けていた。ゆえに朝日を迎えても、あと一度だけ力を行使できる。


「……無駄なあがきだよ。今更、君にできることはないんだ! たのむから、もう諦めてくれよ!!」

「どうか試させてください。俺は、この渾身の魔法をぶつけて、ここを出る。そして、再び霧に還ろう……本当に身勝手なのは謝ります。ですが俺は、ただで消えてやる気はない」


 "万象改変機構ゼノフラクタ"の壁を、オータムの抹消の魔法で破れるかどうか。

 博士は、不可能だと言えばよかった。だが、機械でできた心身は、いつだって正確な値を示した。


 一瞬でも動揺したこと、それが答えとなった。


「今までお世話になりました、博士。エイプルも、どうか元気で」

「違うんですオータム先生!! 待つんだ! 待て!」



「大丈夫だよ博士、これでよかったの」



 場違いなほど明るい声だった。

 エイプルは博士を優しく引き留め、晴れやかな笑顔を見せる。


「そこで見てて。私ね、こうなるのを、ずっと待ってたんだ」

「わからないよエイプル。この状況で、何かいい考えがあるのかい?」


「信じて」


 その微笑みが、あまりにも普段通りだったから。

 

 理由も尋ねることもできなかった。つい、博士はいつも通り、少女の自由な振る舞いを許してしまった。


「最後まで、私を見届けて」


 身を離して数歩。跳ねるように助走をつけ、エイプルは飛んだ。



「はああああああ! あああああああっ!!」



 この方法に気づいた時から、覚悟は決まっていた。

 以前、濁流の被害から町を救った時のように、エイプルは厄災の源へ特攻する。目的地はオータムの遥か頭上、濃縮した白霧の中。

 最大火力の白炎を宿し、昇っていく姿は火球……いや、太陽と見紛う。


 "熱気をぶつけて、霧を晴らそうとしている?"


 彼女の意図を認識した直後、博士とオータムは凍り付いた。

 両人とも、その挑戦の末路を知っている。


 "それは無理だ"



 水源を蒸発させた時とはわけが違う。時間はかかるものの、濃縮された霧は不死者の魔力も食い破っているのだ。

 エイプルの白炎も同様に、抹消の魔法の前では、何の効果も為さない。命を賭すほどの熱や光も、触れたそばから消されていく。

 いくら炎を発現し続けても、霧に飲まれるのは時間の問題だった。


「だめだ、だめだだめだエイプル!! 止まれ! 行かないでくれ!!」


 オータムの引き際の悪さは、ここでも発揮された。

 魔法の発現を止めるだけでは間に合わない。このままでは、エイプルを助けられない。もう三度も、自分のせいで生徒が傷つくのは耐えられない。


 白炎の輝きが薄れていく。

 少女の命の光が失われる。


 絶望に染まる思考のなか、オータムは足掻いた。

 

 早く、


 早く――



 "あの霧を消さなければならない"




 抹消と、白炎の熱の過負荷を前に、万象改変機構の壁は破られた。

 割れた水晶のように、透明な破片が降り注ぐ。もとの魔力に還るとき、白き太陽の残した光を受け、虹色を振り撒いた。


 極彩の流星雨だ。


 不死者“博士”は、見ていることしかできなかった。

 白炎の光が絶えたことを。自由を手にしたはずの霧が、外部に流れることなく、瞬く間に消失していくことを。

 いなくなった少女の名を叫び、慟哭するオータム。彼が、白の軍服姿ではなく、変異前の色を取り戻しているのを。


 それが意味すること――オータムは、もはや獣ではない。

 救世の策も、特異な術も捨て去った、ただの人間。生徒を守れなかったと嘆く、"一介の教師"である。

 


「君はいま……エイプルを助けるため、自分の魔法を抹消した。獣の魔法で、魔法自体をなかったことにする。それが、僕たちが追い求めていた、"浄化の魔法"。君が実行し、僕が記録した。ゆえに……完成した」


 魔法とは経験の具象化。

 実際に起こった現象を、魔力を用いて再現する術だ。


 とある老狩人の仮説は証明された。(オータム)は力を否定し、魔法そのものを捨て去った。一連の現象は、不死者である"博士"の手によって、新たな魔法として再現できる。


「エイプルの、本当の狙いはこれだったんだ。自ら霧に飛び込めば、君は彼女を助けるため、魔法自体を消し去ってくれる。優しく、生徒思いの君なら、信念を捨ててでも、自分を助けてくれるって、信じてたんだ」


「……やめろ。もう、喋るな」


「そして、不死者の僕が、すべてを観測した。僕はね、一度見た現象なら、確実に記録にできる……魔法に、できるんだよ。だから彼女も"最後まで見届けて"と言ったんだ。おかげで、世界は救われるだろう。獣たちは元の動物に戻れる。汚染された大地も清められる……」


「貴様あああ!!」


 オータムは博士に掴みかかり、拳を振りかぶった。彼女の消失を、喜ばしいことのように語るのが許せなかった。

 だが、その手はどこにもぶつけられなかった。



 博士は涙を流していた。作り物のはずの白皙の顔、灰色の目にあるのは、本物の悲哀だ。

 かつて、研究に不要だとして、切り捨てた感情が蘇る。


 大切な者の不在を悲しむ、”心ある人間"が、そこにいた。 


「……ひどいよ、エイプル。君がいなくなってしまうなら、こんな魔法なんて欲しくなかった。君が消えるところなんて、僕は見たくなかったよ」



 町から霧が退いていく。見下ろせば、霧に飲まれて消失した家屋が、何事もなかったかのように出現しているのがわかる。地上では人々が歓声を上げ、互いの無事を喜んでいることだろう。


 しかし、ふたりの胸にあるのは、絶え難い喪失のみ。



 "世界を救う魔法"は、成った。

 心優しい、ひとりの少女と引き換えに。








 ◇ ◇ ◇





 ――ありがとう

 


 遠く、儚く。それでも間違いようがない。あの少女の声がする。もう会えないと思った姿が、そこに在る。

 これは夢か、幻か。否、どちらでもいい。もはや幻覚でも構わないと、博士ですら非現実的な考えに縋り、オータムは自身の正気を疑った。


 白炎を纏う体に変わりはない。

 音もなく、ただ静かに滞空するエイプル。


 ただ、その存在は限りなく希薄であり、触れられるとすら思えなかった。

 虚空に焼き付いた幻影が、最後の別れを告げに来た……博士とオータムがそう思い込むほど、今の彼女は現実にあるものとは考えられなかった。

 


 ――本当に、ありがとう博士。私を最後まで見ててくれて、嬉しかった


 ――オータム先生も……やっぱり、私を助けようとしてくれたね。先生は優しいから、絶対そうしてくれるって、信じてたよ

 


「エイプル!! ああっ、ああ! すまない!! 全部俺が悪いんだ! この命と引き換えにしてもいい、だから頼む! 戻ってきてくれ!!」 

「まさかこれは、エイプルの魂だけの顕現? 大変だ、急いで仮初の器を作らなきゃ! あっ、大丈夫だからね、エイプル。どんな手を使ってでも、僕が君を現世に繋ぎとめるから!!」


 

 ――え? ちょっ、ちょっと待って!? ふたりともどうしちゃったの? 私ならほら、ちゃんと戻ってきたでしょ? あれ? ……あれれ?



 虚空から還ってきたのは、エイプルだけではなかった。彼女の抱える、三つのふわふわした影たち。その全貌が浮かび上がってくる。


 今まで発現し続けていた、"透過の魔法"が、ゆっくりと解かれていく――


「びっくりさせちゃってごめんなさい! でも私、ちゃんと戻って来れるってわかってたの!! ほら、この子たちのおかげだよ」


 足場を踏みしめて、嬉しそうに微笑むエイプル。もちろん実体もある。さらに、両肩と腕の中に、それぞれ獣を抱えていた。

 丸まった形で抱きかかえられる黒い子犬は"影狼ラルフ"。右肩でふくふくと金毛を揺らし、あくびをしている"隠密憑依狐アンブラコーン"。そして……


 エイプルの肩から飛び降り、愕然とする大人ふたりの前へやってきた、白銀の獣。

 "激走透過狸ステルスポコ"は威風堂々と振る舞い、これ見よがしに、どやあぁぁと胸を張った。


「どうしてこんな危ない真似をしたんだい!? いくらなんでも、無茶が過ぎるよ! どれだけ僕たちが恐ろしかったか。悲しかったことか……」

「本当にごめんなさい。でもあの時、思いついちゃったの。自分を削ってまで世界を救おうとする先生に、考えを変えてもらうには、私も命を懸けなきゃっていけないって」


 自ら濃霧に身を晒すという、具体的なやり方を思いついたのは、霧に飲み込まれた影狼ラルフを、激走透過狸ステルスポコが助けるのを目撃したときだ。

 かの銀色の獣は、死地に飛び込む前に、じっとエイプルを見た。この一瞬、彼が伝えたかったことを、彼女は次のように解釈した。


 "あとで迎えに来たまえ"


 まるまるしい見た目からは想像できないが、激走透過狸ステルスポコは強力な魔法を持つ。

 求めた形に成長しなかったかもしれないが、彼の"透過の魔法"は、白い虚無の中でも冒険仲間を守り抜き、エイプルの帰還をも成し遂げた。


「霧に飛び込んだら、消えちゃうように見えるかもしれないけど。この子が私も守ってくれるから、絶対大丈夫だって知ってたんだよね」

「だからって! あの広範囲の霧の中で、一匹の獣を目掛けて飛ぶなんて、無謀にもほどがあるよ。むやみに探して見つかる確率なんて……あっ」


 改めて右肩の獣を認めた博士は、それ以上追及の言葉が出なかった。

 "隠密憑依狐アンブラコーン"。憑りついた者に幸運を授ける獣。ウェザーからエイプルに託された金襴たるきつねは、宿主の望むまま、奇跡を実現してみせた。


 あまりの展開に、大人たちの情緒がついていけない。エイプルの行動は、たしかに大成功した。


 大成功しすぎた。

 恩師の心を変え、町も守り、世界の危機まで救ってみせた。

 


「ねえ、オータム先生。これでもう、わかってくれたよね?」

「すまないエイプル、俺は……!」

 

「先生は"いつかのために"と言って、私たちに色々教えてくれたよね。すべての獣を消そうとしてまで、私たちが未来へ向かうための、立派な架け橋になろうとしてくれたけど……私の戦う時は、今だったの」


 誰しも、人生を懸けた戦いを迫られる日が来る。エイプルの場合、その機会が皆より早く訪れた。


「みんなが、私のそばからいなくならないでほしい。それが、私の絶対になくしたくない願い。"みんな"の中にはね、博士とオータム先生と、獣たちも入ってるの。この町にいる命、どれか一つでも欠けたら、私の願いは叶わなくなっちゃう。それにね……」


「それに……?」

「恥ずかしいから言ってなかったんだけど……まだ私だけ、将来どうするか決めてないから、先生がこれからも導いてくれなきゃ困るの!」



「ああ。そうだな……」


 力を失い、自身の手による救済が為せなくなってからやっと、オータムはすべてを諦めることができた。

 エイプルの、まだ子どもらしいお願いを聞き、先に散った生徒たちの言葉を思い返す。

   

 ”生き残って、また多くの生徒を導いてください”


 獣としての感性に塗り潰され、思い出せなくなっていた記憶も、今なら、ひとりの教官として回顧できる。

 生きていることがどんなに辛くとも、悲しくとも、彼ら最期の願いは果たし続けなければならない。

 

 現にいま、進路に悩む生徒がいる。

 


 誰にもいなくなってほしくない。そのために始めた魔法少女(略)エイプルの戦いは、彼女の完全勝利を迎えた。


 その偉業は、まず彼女の周囲のものたちを照らし、愛する町を覆い、やがて世界の果てまで広がっていくだろう。

 ちょうど、空の彼方から昇り始めた、美しい朝日のように。

 

 

 カーレル・シズネ町に、新しい朝が来る。









 

 すばらしき冒険を終えたあと、銀のたぬきは満足そうに、天を仰いでいた。



 "我が運命の好敵手、フォークスよ"


 "貴公の遺志は遂げられた"

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ