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そして、始まる

遅くなって申し訳無いです

「話を聞いてくれないならここで死んでやりますからぁぁぁー」


 あろうことか、こちらのダンジョンを荒らしまくってくれた張本人が自らを人質にとった……解せぬ


「もし、目の前で血しぶきあげて、私が死んだら酷く気分を害す事でしょう。さあ、私の話を聞いてもらいますよ」


「いや、別に勝手にすればいいじゃ無いか」


 別に勇者が勝手に死のうが気分は変わりはしない


「ははは、手厳しいですね……では、君たちが困る本当の理由を話すとしましょう」


 飄々としていた顔に鋭さが出てくる。とうとう本性を現したか


「僕の固有スキル、黒死王は僕が死んだときにあらかじめセットしておいたシードが疫病となって、沢山の生命を殺して、手に入った魔力で私は生き返る事が出来るんだ」


 おいおい、そりゃどんなチートだよ……沢山の生命、俺たちにとって弱点ーーまさか!


「その顔は気づいたみたいですね。そう今、シードはドラゴギア領にあります」


 確証は無い、でも万が一にも本当だったとしたら困るのはこちらだ


「話は聞いてやるでよ。早く話すんだな」


 ガバノさんは話を聞くことにしたらしい


「こちらのお願いは一つだけです。破壊者デストロイヤー ドムドム・ダーに連れ去られた孤児院の子供達を助けたい。だから手伝ってほしいのです」


「なんで、勇者同士でいかない? わざわざ俺たちダンジョンマスターに頼むわけはなんだ?」


 レオは、苦虫を噛み潰したような顔で、言葉を絞り出した


「……孤児などにかまけてる暇があれば、もっと神敵を倒せ。くだらない事などするなと上に止められましたよ」


 ひどいな……だが実際、孤児を一人の人間として、見ている偉い人間などいないのかもしれない


「ガバノさん、序列七位はヤバい奴ですか?」


「幼い子供を壊すことを快楽にしているような変態趣味の屑でよ。ただ……十王の中でもトップクラスの攻撃力を誇っているんだな」


 ただでさえ化け物なのに、その中でもトップクラスか……


「……お願いします。あの子達はなんの罪もないんです。私はもう二度と救えないなんて嫌なんですよ」


 レオは、頭を地面に擦り付ける。勝手に勇者はいけ好かない奴だと思っていたが、こいつは子供の為に土下座ができる人間だ


「頭を上げてくれ、子供達の救出に手を貸すよ。選択の余地はこちらには無いしな」


 最後のは完全に俺の照れ隠しなのだが、結局序列七位の子供を欲望のはけ口に壊すのは、悪だと思うのだ


「ありがとう」


「これからよろしく」


 俺たちは固い握手をしあった


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