ギルマス奪還編8
ブラードの戦闘回です。ちょっと短めです
ブラードの、相手の男は、巨大な槌を持った豚の面の男、その両手は異常に発達しており、丸太のように太い
「マスターは、貴様を止めろと言っていたが、私はそこまで優しくはなれんのでな、悪いが死んでもらうぞ」
「Aランク冒険者、韻突のオッタル、感謝するぞ! さあ、俺を殺してくれ。悪いが……早く仲間に会いたいんだ」
そんな言葉とは、裏腹に振り下ろされる槌の一撃は魔力が篭っており、当たれば勿論死ぬだろう。そう当たればだが
「ーー吸血手。触れたものは血液を徐々に奪われていく。お前は体が大きいから骨が折れそうだ」
いくらスキルレベルがオッタルの方が高くとも、ブラードとは、基本性能が違うのだ。だから、ペチペチと撫でるように触れていく
ーーガシャン、と槌がオッタルの手からこぼれ落ちる。異常に発達していた腕も今や、ミイラのようにシワシワだ
「頼む……どこかに、俺を動かす為の魔力媒体がある筈だ。それを壊せば、魔法が使えなくて俺を殺せる。だから早く解放してくれ」
動けないオッタルの心臓部に抜手を放ってみるが、すぐに傷が塞がっていく。
「すまん、これでは苦しみが長引くだけだな、奥の手を使うか」
ブラードが強く拳を握り締めると、煙のような血が噴き出してくる
「それは? 一体なんだ。腕に何か付いているぞ」
ドクン、ドクンと脈打つそれは、まさに凶悪の化身と言っても良い
「冥土の土産だ、これは吸血手の本当の効果だ。一定量の血液を摂取する事で3分間だけ、全能力が十倍になる」
大の字に転がる。オッタルがクシャと笑う。目からは一筋の涙がすっと落ちる
「それなら、一発で俺を殺してくれそうだ。俺は案外怖がりでな、ズタズタに体を引き裂かれないと死ねないかと、実は怖かったんだよ……ありがとう」
引き絞った、腕を振り下ろすと轟音と共に、衝撃波が発生する。腕から血の煙が霧散して元に戻る
「そんな、顔して、怖いとか似合わないな……仲間に会えるといいな」
さて、マスターの戦いぶりを見なくては、もし危なそうなら。この体を盾にしてでもたすけなくてはならないのだから
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