ギルマス奪還編2
娘さんがいると言われた、建物は街の真ん中にある巨大な屋敷で、立派な造りの門には龍を象った彫刻が彫られおり、職人が魂を込めて作ったであろうそれは、値段などつけようもないほど美しい
「すごい……王者の風格をかんじますね。それに、今にも動き出しそうだ」
「いやー、照れるなぁ」
男が頬を赤らめて、照れる様子はちょっと邪神ネート……いや、顔が整っている分、ギールさんのほうがマシだろう
「どうして、ギールさんが照れるんですか」
「だって、その龍、俺だし? 俺龍族の頂点に立つ男だし」
ジトーと、ギールさんを見つめる……カグヤも龍族で人化しているが小さく角が残っているし、鱗も手のひらにのこっている。だが、ギールさんは完璧に姿は人間だ
「……嘘はダメですよ?」
「ーー嘘じゃねぇーよ! 」
全く、困った人だなぁ、仮にも序列四位だというのに見栄を張ろうとするとは
「いゃぁ……あのレイルよ、言いにくいのだがこのお方は確かに高位の龍族じゃぞ。本能が逆らうなと言っておる」
「ギールさん、疑ってすいませんでした」
龍族であるカグヤが言うのだ。間違いないだろう、それに、疑ってしまったのだ素直に謝ろう
「分かればいいんだよ! よし、俺の本当の姿を見せてやるよ。いくぜ、龍ーー」
ーーズドーンと何者かが決めポーズまでしたギールさんの頭を地面にめり込ませる。
「やめてください、クズ親父。街の空気が広範囲に汚れてしまいます」
ギールさんと地面に深いキスをさせた人は、ギールさんを父親と呼んでいた。太陽の光を浴びてキラキラ輝く長い金髪、鼻筋の通って、キリッとした顔立ち、立派な鎧に押しつぶされそうなほど大きな胸、スラリと長い手足を持つ彼女は、なぜかこちらを強く睨んでいた
「あの、俺はレイル、君のお父さんに呼ばれて来たんだけど」
「話しかけないでください。貴方も、あの最低な父親と一緒にいるような男ですから、横の彼女も無理やり手篭めにしたんじゃないですか? 全く汚らわしい」
「キサマァァー! マスターに何という事をこのブラードが許さんぞ」
ブラードが激昂し、臨戦態勢に入る。彼の俺への忠誠心はかなり高い、彼女の言葉を、聞き流すことは出来なかったのだろう。しかし仮にも、ランクSS相当のモンスターが暴れては、周りの一般市民にも被害が出てしまうかもしれない。止めようと、手を伸ばすとカグヤが俺を目で制す。任せろということだろうか?
「我はカグヤじゃ、お主は何というのじゃ?」
「私は、ソニア・ドラゴギア、ギルドでは竜騎士という二つ名で呼ばれています」
「それで、さっきはレイルを汚らわしいと言っておったの?」
小首を傾げ、万人が見惚れような笑顔をしているが、俺には分かる。カグヤは今、物凄く怒っている。目がまったく笑ってない
「少し、昔話をさせてください。私が物心ついた頃、家には父親が居なかった。仮にも、貴族でありながら父親が誰か分からないというのは、子供ながらに不思議に思っていました。そして、偶然母の日記をよんで父親がダンジョンマスターで私が乱暴の末生まれた子供だと知りました」
ギールさんはそこまで悪い人にはみえないんだけどなぁ? それに、ソニアさんの母親がギールさんを恨んでいるなら、どうして門に大きくギールさんの龍化した姿を彫らせたんだろう?
「それが、レイルと何の関係があるのかの? お主は勘違いをしとるが、我はレイルを愛しておる。それに、レイルは乱暴を働くような輩ではない。むしろまだ恥ずかしがって手を出してこぬから、やきもきしているくらいじゃ」
カグヤがフワリと俺に抱きついてくるとソニアはびっくりしたように眼を見開いた
……すいません、童貞の俺にはまだ添い寝が精一杯なんだ
「ダンジョンマスターの男は皆、クズだと思っていましたが、女性を大切にする例外はいるようですね。謝罪します。さぁ、屋敷に入ってください。歓迎します」
俺たちが屋敷に入った後、誤解なんだと叫ぶ声だけが響いていた
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