ギルマス奪還編1
二章突入します
王国最大の冒険者ギルドが存在するドラゴギア領、人々は皆、活気に溢れ、冒険者達は酒場で1日の疲れを癒し、商人達が道行く人を呼び込む様は実に壮観である
「お兄さん、串焼きでも食べていかないかい? 銅貨一枚だよ」
屋台のおじさんが、串焼きを勧めてくれるが、今は呑気に食べている場合ではない。残念だが遠慮しておこう
「買うぞ! そうだな三十本くれ」
「まいどあり! またご贔屓に」
ギールが勝手に買ってきてしまう。俺の不満そうな顔に気づいたのか、仄かに甘辛い香りのする串焼きをこちらに渡してくる
「まぁ、食べてみろよ? 美味いぞ」
本人は口に一杯頬張って、全く幸せそうである。貰った物を返すのもあれなので、口に運ぶ。すると甘辛い味の後から肉汁の旨味がジワァ〜と染み渡る。これは酒がすすみそうな味付けだ。ブラードとカグヤも黙々と咀嚼している
「美味いですね」
「だろ! 流石に酒は飲まねえが、酒との相性抜群でな、これを食わなきゃここにきた感じがしないんだよな」
何度か訪れている様な口ぶりだな
「そんなに、この街に通ってるんですか?」
「あぁ、だってここのギルマス俺の奥さんだもん」
はい? としか言いようがない。この人は一体、何を行っているんだろうか? 初耳なんですけど! なんで冒険者の長と序列四位のイケイケ、ダンジョンマスターが結婚してるのさ!?
「一体どこで知り合ったんですか……」
ギールは目を瞑ると自慢げに出会いを語り始めた
「俺が彼女に初めて会ったのは、俺のダンジョンの中だった。暇で暇でしょうがなかった俺は、ダンジョンを攻略しようと、恐ろしい勢いで階層を登ってくる美しい少女をコアルームまで通したんだよな」
暇だからといって、自らの生命線であるコアが置いてあるところに敵を招くなど正気を疑うくらいだ
「そうして、敵同士として、俺たちは三日三晩殺しあったのさ。まぁ、勝負は俺の完勝だったけどな。後はまぁ何やかんややって、そうして、俺たちは深い絆で結ばれて結婚したわけさ」
何やかんやって何したんだよ! それに何故だろうか……全く羨ましくない。昔ならいざ知らず。今はカグヤという愛しいパートナーがいるしな
「ステキナデアイデスネ……所で俺たちは今どこへ向かっているんです?」
「ーー棒読みかよ!」
ギールは頭をガシガシかくと、行き先を口にする
「俺の娘のとこだぞ」
ーー娘がいらっしゃったんですね
このギールという男はかなり奔放な性格らしい
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