SSSランクの真価
いよいよ、開戦したわけだが攻守を分けたいと思う
「ドラゴンさんは俺と一緒に来てくれる?」
「もちろんじゃ」
「お待ちくださいマスター! 我々は留守番でしょうか?」
忠誠心が人一倍強い、いや骨一倍強い赤スケさんが反対する事は予想していた
「ドラゴンさんの次に強い赤スケさんにはみんなの指揮と敵の撃退をお願いしたいんだ。コアを破壊されれば俺も死んじゃうからね、信頼してるよ」
「ーーハッ、お任せください……しかし次こそは必ずお側でお守りさせて下さい」
「あぁ、頼むよ、作戦は任せるから」
「必ずマスターの敵を打ち滅ぼしましょう」
本当はダンジョンの奥に引きこもっていたいけど、俺のスキル、略奪者で相手のスキルを奪う為には恐らく自分のダンジョンで殺すか、自分自身で殺す必要がある、ガイウスの名付けはそんな危険を犯してでも手に入れる価値のあるものだ
「さて行ってくるよ」
ドラゴンさんと手をつなぎダンジョンコアに触れる
眩い光が部屋に満ちる、そして転移は完了した
転移先はごつごつした岩が乱雑する谷底の様だ、近くには滝があるのだろうごうごうと音が聞こえる
「なにもないのじゃな」
辺り岩以外には何もいない……その時背後に影がさす
「いきなり殴りつけるとは礼がなっていないの?」
「ーードラゴンさん!」
影の正体はゴーレムだった。しかも周りの岩も動き出し五体迫ってくる
ーーていうか周りの岩、全部ゴーレムだったのかよ!
「ピピィ、敵対生命体……生存、ア号は戦闘を続行します」
ゴーレム達が腕を滅茶苦茶に振り回すが全てドラゴンさんに止められる
「なんじゃ、名前持ちだからもう少し楽しめるかと思えばがっかりじゃ」
ドラゴンさんが腕を一振りすると闇の刃がゴーレム達をバラバラに切断する
腕力上昇LV1を略奪しました
腕力上昇LV1が重複しました
腕力上昇LV1が重複しました
腕力上昇LV1が重複しました
再生LV1を略奪しました
「ドラゴンさんお疲れ様」
この戦闘から俺の略奪者について新しく分かった事がある。まず一つ目は重複するスキルは得る事が出来ないということ、二つ目は鑑定、再生LV1が盗れたことから固有スキルの方が高い確率で盗れるとい事だ
「主よ、まだ一体残っているぞ?」
そんな周りに岩とか何もないからゴーレムはもういないんじゃ?
「おやおや、ばれていましたか、どうも階層主のインビジブルです。以後お見知り置きを……あぁ死んでしまうから意味ないですね」
嘘だろ! ゴーレムが透明になっていたのか
「主、こやつはランクA、ミスリルゴーレムの変異種じゃの。主は我の活躍をしかと見ていて欲しいのじゃ」
「私は名前持ちその実力はランクAを遥かに凌駕してランクS上位に入るでしょう、貴方が何者であろうと勝てはしない」
奴の姿が徐々に消えていき、完全に風景と同化する
「くっ、気配が消えただと!」
不可視の斬撃がドラゴンさんの頬を薄く切り裂く
「どうだ! 何も出来まい、降参するなら命だけは助けてやる」
「クソ、こんな時に何も出来ないなんて」
「気にするでないぞ、主は大器晩成型なのだからの、それに我に秘策ありじゃ」
「秘策だと? バラバラに切り裂いてくれる」
ドラゴンさんに浅い傷が無数についていく、それなのに彼女の笑みは変わらない
「完成じゃ、暗黒竜の吐息 」
禍々しいオーラの力の奔流が敵を呑み込む
透過を略奪しました
略奪したということは倒したのか
「見えない敵だろうと広範囲攻撃で潰してしまえば関係ないのじゃ」
「ごめん、ドラゴンさんにばかり負担をかけて」
これじゃあ、男としてもダメだ
「良いのじゃ、主と結婚する為ならこの程度なんでもないのじゃからな」
何この健気な生物! 滅茶苦茶に可愛いんだが
「ドラゴンさんを守れる様になる為にもガイウスのスキルは絶対に奪う」
残り一階層で恐らくあいつがいるだろう
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