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1st TARGET

(キバ)機刃(キバ)




俺が目を覚ますとそこは暗い外だった。

頭の中にある情報から一致するものとしてこれが夜だというのはわかった。

だが、頭の中の情報と違うのは空……というより、周りが赤い。

いいや、月が紅いのだ。

一致する情報では"紅の月"という魔法により月を染める事が可能……だがこれは、何かにされた、というより元からそうである。

そんな状態だ。

周りを見る限り、生物たちもストレスなどを感じてる様子がなく、騒ぐものや特殊な行動をするものも見当たらない。

少し離れたところに集落があるが、誰1人あの月を気に止める事すらない。

こうなると、異世界移動の際に来たこの未知の世界は日常的に月が紅いのだろう。

俺はベースは人間であれど特殊な改造により、能力を手にしている。

更に魔力の量も通常の人間の数倍ある。

大量の情報が、脳に取り込まれている。

それを利用して最も効率的な魔力の使い方も出来る。

俺は……簡単には負けない。

人間には負けるはずのない最強の兵器(ドウグ)だ。

身体能力の方も改造によりかなり高い。

両腕が義手になっているが、能力との相性(・・・・・・)なのだろう。

ここは砂が多い、砂漠のような地域だが夜なのに気温が低いわけでもない。

少し先に集落を含め、森や野原も見える事から、たまたまここは砂が多い地域だということはわかった。

「とりあえずはあの集落へ行くか。そして、人間の世界へ。」

ズサッ。サッ。

後ろからも音がした。

誰かがいる、この地に1人で来た。

そして、ここで目覚め、それまで誰との接触もしていない。

ほぼ間違いなく味方ではないのだろう。

「何者だ。」

「ちっ、この辺は足場のせいですぐバレちまう。」

鋭いキバに、赤い剣……血で作られた剣か?

奴は血を操っている。

それが能力の可能性もある、警戒態勢へ移る。

両腕の肘から下を剣にする。

「な!?お前、能力者かよ。」

態度からして敵である事を断定、会話の必要はなし。

「抹殺する。」

相手に急接近し、右腕を大きく振り上げる。

それを振り下ろすが、敵は少し左へと飛び、それを回避。

間もなく今度は左腕を右へと振りかぶるが、それをしゃがみ回避する敵。

そのまま振りかぶった勢いを利用し、右足で回し蹴りをする。

敵はそれを腕をクロスし防御する。

「おまっ、紅い月の力でパワーアップしてる俺とやり合えるのかよ。どんな身体能力してんだ。」

会話は無用。

今の発言への返答を不要と判断。

「無視、か。」

相手もかなり気合を入れたのか、動いたのを認識出来なかった。

「どこへ行った。」

辺りを見回していると、後ろから両肩を掴まれた。

「こっちだよ。」

ガブッ。

首筋にキバが刺さった。

キバを使い、相手の血を吸う行為と判断。

データ照合、敵は吸血鬼またはそれに近しい何かと判断。

「!?お前……機械かよ。血がねえ。」

そうだな、俺は俗に言うサイボーグだ。

血などあるわけがない。

俺に被りつく吸血鬼の右の方から砂の柱が現れる。

「ぐはっ。」

ドサッ…ザザザザ。

脆い、弱い、たった1人で来るのだからそれなりの者かと思ったのだが、見当違いのようだ。

「俺だけじゃ手に負えねぇよ。はあ……はあ。化け物じゃねえか。」

血の針の様な物をたくさん飛ばしてくるが、砂の壁が俺を守る。

「哀れだ。今、終わらせてやろう。」


×××


「目が覚めたか?」

「な、俺、生きてるのか。」

「ああ、色々聞かせてもらう。」


俺は吸血鬼を砂で作った柱に顔だけ出るような形で埋めていたのだ。

これがTarget of BLOOD物語の1話目となるお話でした。

自分は外伝を書くと同時にブラコンファンでして。

なので、今回の外伝もかなり集中連載させてもらおうと思ってます。

よろしくお願いします

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