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第六十四話

総合評価が、400を越えました。

うーん、この前まで200だったように思えますが。

評価、ブックマークしていただきありがとうございます! これからも、マイペースに投稿していこうと思います。

「ジェイク=オルフィスか。あたしが知っているジェイク=オルフィスは、もう死んでいる。そっくりさんというだけでは、体から発せられている力の説明がつかない。つまり……ゾンビにでもなって生き返ったか?」

「それだったら、死んだときの姿。老人のはずでしょ」


 メアの言葉に指摘をするメアリス。

 生き返った、というところはあっている。


「わかっている。昔から、転生者という異質な存在がいる。お前も、その転生者の一人ということだろう。あたしが知っている限りでは、大抵の転生者は異世界から来た能力のない一般人や我々の世界のように魔法の存在がある世界からなど。様々な世界から転生してきている。時々だが、体験したことがない記憶が脳裏に浮かぶ者達が居る。そいつらも一種の転生者と言えるだろうな」


 テーブルに置いてあるコップを持ち口に近づける。

 中に何が入っているのかは見えないが、湯気が立っているということは温かい飲み物なのだろう。一番可能性が高いのはコーヒーやミルクだろうか。


「一時期、転生者について調べたことがある。奴らは、色んな種類があってな。死んだその時の姿で転生したり、まったく新しい姿。赤ちゃん後からやり直す者もいるそうだ。中には、魔物などにも転生するのもいる。あたしは実際会ったことがあるからな。実体験だ」

「へぇ。転生者にも色んな種類があるんだね。でも、ジェイクはそのどれにも当てはまっていないよね」


 ジェイクは、別世界に転生したわけではないし。そのままの姿で転生したわけでもない。


「うむ。その通りだ。お前のような転生者には初めて出会った。見たところ十代後半ぐらいだろ? レベルは100のままか? いったいどういう経緯で転生した? さあ、あたしに教えてくれ!」


 ぐいぐいとジェイクに迫ってくるメア。

 それを制したのはユーカだった。

 ジェイクとメアの間に入り、むっと眉を顰める。


「お? どうした、少女」

「少女じゃありません。ユーカ=エルクラークです! メアさん。少し落ち着いてください。まずは、ゆっくり腰を落ち着かせてから話し合ったほうがいいと思います」


 さっきの落ち込みからもう復活したようだ。

 日に日に、打たれ強くなっている。


「そ、そうですよ。立ち話も疲れると思います。あ、そうです。久しぶりに、私の料理を食べませんか? メア様」


 ユーカに続くようにアリスが動く。

 少女二人に守られているというのは、なんとも新鮮だ。いつもは、守っている側なのだが。アリスの提案に、メアは反応した。

 ふむそうだな……と考える素振りを見せ、首を縦に振る。


「いいだろう。腰を落ち着かせられれば話してくれるというのならそうしよう。じゃあ、アリス。この場に居る皆の料理を作ってくれ。簡単なものでいい。あまり凝ったものだと時間がかかるだろうからな」

「は、はい。お任せください」


 と、キッチンへと向かおうとしたアリスにネロが声をかける。


「あ、だったら僕も手伝うよ。二人のほうが早く終わるだろうし」

「え? ネロって……りょ、料理できるの?」


 それは、ジェイクも気になっていた。ネロ最初に出会った印象は良く食べる子。そして、仲間になってからこの数日間旅をしていたが……料理をすることはなかった。

 いつも食べる側。

 だからこそ、自分から料理の手伝いをすると言ったネロに皆が注目する。


「うん、そこそこにね。親共々働き者でさ。僕一人で食べることが多かったんだ。仕事をしていると、色んなところに行くからね。あ、この料理おいしそうだなって思ったものはよく家に帰ってから試しに作っては食べていたよ。おかげさまで、料理スキルがそれなりに上がったかな?」

「……」


 硬直しているユーカにメアリスは近づき肩にそっと手を置く。


「見た目よし。性格よし。戦闘力よし。さらに料理までできる。……完敗ね」

「か、完敗じゃないし……料理だったら私もできるもん」

「玉子焼きぐらいでしょ?」

「玉子焼きだって立派な料理だもん!」


 ユーカは、ネロに変に対抗心を燃やしている。

 どうしてなのかは、ジェイクにもよくわかっていない。もしかすれば、元男に女子力で負けるなどあってはならないと思っているのだろうか?


「あ、あははは。まあ、そういうことだから。アリス。キッチンに案内してくれるかな?」

「は、はい! それじゃ、こっちです」


 部屋から去って行く二人の姿を見つめているユーカの背中は、どこか悲しみを纏っているように見えた。


「うむ。女子同士の戦いもいいものだ。ユーカとか言ったな」

「は、はい」

「ん」

「え?」


 何か元気付けるのかと思いきや、床に置いてある山積みの資料を指差す。


「最近片付けていなかったからな。整理整頓をしておいてくれ。食事前の軽い運動だ」

「えー……」

「その代わりと言っては何だが、マジフォンに今私が考えている新機能を付け足してやろう」

「新機能!?」


 沈んだと思いきや、一気にテンションが上がる。

 無理もない。

 世の中にある魔機のほとんどを生み出したメアの新機能。マジフォンを使っている者としては、自然とテンションが上がると言うもの。


「いったいどんな機能なんだ?」

「ほら、メール機能があるだろ? あれの会話版ってところだ」

「会話版? つまり、遠くの者と会話ができるってことなのか? それは、すごいな」


 文章を送ることですらすごいと思った。

 それが、今度は会話ができる。

 旅の途中で、出会った者達は今どうしているか。それはメールで今は確認できるようになったが。文字だけでは伝わらないこともある。

 声を聞けば、それだけで安心することもある。それが、家族であるのならさらに。


「そうだな。ただ、声を届けるというのは難しいものだ。このあたしでさせ、一年半も試行錯誤を繰り返して、ようやく形になってきたんだからな」

「そ、それを私のマジフォンに?」


 期待に胸が膨らんでいる。

 目がきらきらと新しい玩具を買ってもらえる子供用に輝いていた。メアは、ああっと力強く頷き手を差し出す。


「これは、まだ魔機製造をしている開発者達にも言っていない。つまり、お前のマジフォンが会話機能つきのマジフォン持ち第一号となるわけだ」

「第一号……!」


 マジフォンをユーカは、メアに渡す。そして、すぐに机と向き合いマジフォンを分解していく。

 確かに、すごい。

 だが、ひとつ問題がある。


「会話機能をつけるのはいいけど。同じ機能があるマジフォンじゃないと意味がないんじゃないの?」


 その通りだ。

 ひとつだけ会話機能がついているマジフォンがあったとしても同じ機能がついていなければ意味がない。この場には、メアリスもマジフォンを持っているためそれに会話機能をつければ可能になる。


「なーに。理論はもう形になっている。この場に居るマジフォン持ちに会話機能をつけ、成功すればすぐにでも開発者どもに教えてやる。奴らは仕事は速いからな。お前らが旅をしていれば、すぐにでも会話機能がついたマジフォンが増えるはずだ」


 作業をしながら、メアは何かを投げてくる。

 かなりのコントロールだったため、ユーカは容易にキャッチできた。マジフォンに形は似ている。だが、少し違うように見える。


「これは?」

「そいつは、会話機能だけをつけた試作機。名づけてマジ会話! てところだ。お前達は、とりあえず先に移動していてくれ。機能を付け足したら、こっちから連絡をする」

「なるほどね。そういうことなら、行くわよ。二人とも」

「うーん! どんな風になるのか楽しみだなぁ」


 部屋から出てもユーカのわくわくは止まらなかった。

 当たり前か。

 今までは、文字だけだったがこれが成功し広まれば声が聞けるのだ。わくわくしないというのが無理ということだろう。


「どんな風にねぇ。玄関先のあれと似たような感じじゃないかしら?」

「玄関先の……なるほど。あれも、会話機能の試作機と言ったところか」

「正直。声が聞こえた時は、びっくりしたわ」


 玄関先での出来事。

 あの時、メアリスは冷静そのもので、驚いた素振りなど見せず慣れたように会話をしていた。てっきり、昔からあった機能なんだと思っていた。


「あれをマジフォンでできるんだよね? だったら、ますますわくわくしてきた! ……でも」

「でも?」


 どうしたんだ? とユーカの顔を覗くジェイク。

 すると、すぐにきゅぅっという音がユーカから聞こえる。


「お腹も空きました~」

「忙しいわね、あなたって」

「だって、お腹が空くのは仕方ないことなんだもん! あぁ、なんだかもういい匂いが漂ってきたような……」

「キッチンが近いからね。さ、私達はこっちよ」


 今は、アリスとネロが調理中なのだろう。確かに、空腹なものにはかなり刺激が強いいい匂いだ。これは、どんな料理が出てくるか楽しみでしょうがない。

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