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早朝
まだ、空が、
闇に引きずられてる中、
僕は、
ゆっくり目を覚ます。
まるで、
数瞬の間、
時が止まったかのように、
世界は静か、だ。
心地好い。
そして、空が、
闇を突き放すまで、
もう、
いくらもないだろう。
少しづつ、
体内の血が、
指先まで行き渡るかの如く、
世界が動き始める。
一日の中でも、
限られた、
ほんの少しの、
貴重な時間。
これを体感出来る、
僕は、
幸福、
なんだろうな。
しかし、
その幸福も、
長くは、
続かない。
すぐそこまで、
現実が、
迫って来ている。
そして、空が、
闇を退けると共に、
僕は、
現実に引き渡される。
長い一日の始まり。
刹那な幸福の終焉。
The Precious Time...