第1節 兄と妹
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読み専でしたが、急に書きたくなっちゃったので、やっちゃいました
処女作になります。
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*作者の勝手な都合で削除する可能性あり
春。
桜前線はまだ到来していないが、寒い冬はすっかり去っていた。庭の梅の花はすでに満開だ。
木漏れ日が心地よく、梅の甘い香りを纏う風が柔らかい。そんな穏やかで暖かな昼時のことである。
「兄貴、見て!」
平陸はリビングにいた。昼食の終えた食器を洗い場に運ぼうという、まさにその時に声を掛けられて立ち止まる。
声の主に目を向けると、少女がモデルのようにポーズを決めていた。
「どう?」
参ったか、と言わんばかりの大仰な態度だ。
黒いハイニーソの上に映える赤いチャック柄のプリーツスカート。紺のジャケットの下には白いシャツにスカートと同色同柄のネクタイが印象的な、今をときめく大所帯のアイドルグループを思わせる制服である。
「おお、それが睦の通う高校の制服か! 可愛いじゃないか!」
彼女は陸の愛しい妹、平睦だ。
妹の睦は今年の4月から高校に進学する。どうやらそこの制服のお披露目らしい。
褒められて気をよくしたのか、大きな瞳を輝かせながらにっと微笑む。
くるりと回って見せると、ポニーテールがぴょんと踊り、スカートの裾がふわりと舞う。
もう高校生だというのに、まるで小学生かと見間違うほど背が低い。何か悪いものでも食べて成長が止まってしまったのではなかろうか、と邪推してしまうほどである。本人は背丈だけでなく身体の色々が成長乏しいことも気にしているようだが、陸としてはむしろそのままでいてほしいと願っている。陸はそんなこと全てを含んだ小さい妹が大好きなのだ。もちろん兄として、である。
食器をテーブルに置いて陸は拍手した。
「ちょっと待っていろ」
そう言って携帯を取り出すと、すぐにカメラモードに切り替える。
撮影会が始まった。
始めは穏やかであった。しかし――
あれこれポーズに注文つけ始める兄。
「そんな格好やだよぉ」
と言いながらも、兄の注文に仕方なしに応える妹。
「いいよ! すごくいい!」
と言いながら、鼻息荒くフォトを撮りまくる兄。
すっかり気を乗せられて、エスカレートしていく注文にもノリノリで応えていく妹――
そんな兄妹を呆れ果てながら見つめる母親の存在に気づくまでたっぷり15分、彼らは夢中になってはしゃぎ続けた。
「いい加減にしなさい!」
母親のお叱りを受けた時の彼らの体勢は、胸元をはだけさして恥ずかしそうに頬を赤く染める妹を、興奮しながら押し倒して携帯を構える兄という図であった。その後、二人が母親からたっぷり説教を受けたのは言うまでもなかろう。
春にはおかしな奴が増えるとよく聞くが、兄妹は元々変だった。