3話
更新遅れてすみません
おれは、やる気のない夕華を引きずりながら、やっとのことで学校へ着いた。
「やっと着いた!もう一限始まってるな」
「ねぇ、お兄ちゃんお昼一緒に食べよ!」
「はぁ?やだよ」
「なんで!?」
「昼飯ぐらい自由に食いてぇ」
「そっか…お兄ちゃんは夕華のこと嫌いなんだ……」
夕華は、涙目で訴えかけてきた。
もうその手には、のらないぜ!何回もそれで騙されたからな
「おまえも友達と食えばいいじゃんか」
「…………グスッ………」
こいつマジで泣いてんのか!?
「あぁーもうわかった!屋上にいろよ!」
「うん!」
こいつ泣いてねぇ〜!!
「また騙された」
「じゃぁね、お兄ちゃん!またあとでねー」
「おぅ」
「あんまり楓さんたちとイチャイチャしちゃダメだからね!」
「なんでおれがあいつといちゃつくんだよ」
夕華とわかれ、教室に入ると現代文の授業をしていた。
「遅れました!」
その時、白いチョークが飛んで来た。体を右に反らしぎりぎりのところでなんとかよけた。
「あぶねぇー」
だが、これで避けきれたと思ったおれがばかだった。体を元に戻した俺の目の前に、物凄い勢いでチョークが飛んで来ていた。だが、俺に当たるはずのチョークは、跳ぶ方向を変え俺の顔の横を通り過ぎた。
あれ…?今チョークが俺を避けたぞ……!?
俺が黙ったまま考えていると担任の鬼島が声をかけてきた。ちなみに鬼島は女教師だ。
「くそっ!外したか!まぁいい、流道早く席につけ!」
流道とは俺の苗字だ。
そう言うと先生はまた授業を始めた。俺は黙ったまま窓側の後ろから二番目の席に着いた。
「さっきのよく避けられたな!」後ろの奴が席に座った途端話しかけてきた。
そいつの名前は、矢崎凌。身長はあまり俺と変わらないが、顔は相当な美形だ。バレンタインデーにチョコの数で競っても絶対勝てないくらい女子には、人気がある。かなりいい奴だが、時々お節介だったりするそんな奴だ。
「大丈夫?けがはない?血はでてない?」
この妙に心配性なのが、天海優。髪はかなりながく、少し幼い顔している。物静かでとても優しいが、人の頼みを断れないとてもか弱い子だ。一言で言うなら萌えキャラだな。 ちなみに優は隣の席だ。
「あのさ、優!」
「は、はイ!」
優は俺が声をかけたことに驚いたのか声が裏返ってしまった。
「チョークはおれに当たってないんだからそんなに心配することないだろ」
「そ、そうだね…」
「それよりさ、あのチョーク俺をよけなかったか?」
「何変なこと言ってんだよ!おまえがチョークをよけたんだろ!チョークは勝手に動かないって!」
「私も蒼君がよけたように見えたよ…」
「そうか…」
その時チャイムがなった。挨拶をして先生が教室を出た瞬間、教室の前の方からなにかが猛スピードで走って来た。そのなにかは俺の一m前で跳びはね、俺に飛び膝蹴りをしてきた。俺は顔面に蹴りを受け倒れた。「こらぁ!そうちゃん!遅刻しちゃだめでしょ!!」
「イテテ、いきなり何すんだよ!?」
「遅刻した罰だよ!心配したんだから!!」
こいつが俺の天敵の楓、水谷楓だ。明るく活発で世話好き。学年で一二を争うくらいかわいいし、スタイルも悪くないのに彼氏がいない。俺のことをちゃん付けで呼び、いつも俺に付き纏うへんな奴。
「遅刻くらいで心配すんなよ!」
「心配するよ!」
「きりがねぇな、それより楓、そこどいてくれ!おれは、このままでも構わないんだが、さすがに刺激が強すぎる!」
「えっ?」
「だって上むくとおまえらのパンツが見える…」
「えっ!?」
俺は楓に蹴られたせいで仰向けに倒れていた。だから、女の子のスカートの中を覗き放題だったのだ。
「…………………」
スカートを両手で押さえながら二人はあっという間に顔を赤くした。そして、楓は、上半身を起こしていた俺に渾身の平手打ちを炸裂させた。平手打ちは、頬に直撃して、また俺を吹き飛ばした。
「そうちゃんのばかっ!!もうしらない!!」
頬をあからめながら楓はそっぽを向いてしまった。そこで俺はまた気絶した。