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どこかで見たことがあるような
この光景を知っている気がした
それは昔あったから
さっきの出来事を過去にしてしまったから
もしかして前世での出来事
そんなものはなくて全て僕の妄想
君が微笑んで
僕に手を差し伸べる
大丈夫って
何もないところで転んだ僕に慈悲を
君に気を取られてたからなんて
口が裂けても言えない
この光景は重なる
どこの記憶と重なっているのだろう
前もこんな風に手を差し伸べられた
それっていつ
今さっき
少し前
子どもの頃
前世
前前世
分からないけど知っている
初めてではない
それは繰り返される
スローモーションで
何度も何度も何度も
人々の印象に残るように
名場面だと教える
上書きされていく物語の中で
それだけは消されずに残っていて
読んでいただき、ありがとうございました!