表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/201

-97話ー 出発


アンの従者と言う、残念な魔導士のケイトと言う、


ジュリアナなお姉さんに、


ご飯を食べさせた所、其れは其れは、


良く食べ過ぎて、動けなく成って仕舞った。



「所でモモタロウさん、


如何してこんな海岸に住んで居ますの?


シーワームで危険な地域と聞いて居りますけれど」



「あ~其れね~実は、死に掛けの女の子拾っちゃってね~


動かせる様に成る迄10日程掛かるんだよね~」



「ま~人命救助ですか~モモタロウさん、


まだ少年なのに、良い人なのですね~


普通なら自分可愛さに見捨てても良い場面ですのに」



「いや、其れは人としてダメでしょう、夢に出そうだし」



と、捨てようとした人モモタロウ



「確かにでも、この世の中は大変厳しいですから、


モモタロウさんが危険な時には、


先ずはご自分の命を優先させなさい、良いですね」



「心配してくれて、有難う」



「美味しいご飯のお礼です。そうそう、


此れを渡しておきますね」



ジュリアナちゃんは魔法の袋に仕舞って置いた、


雑納を取り出すと、中から、


金メダルみたいなコインを取り出すと、俺に手渡して、



「私の家の家紋を入れたメダルです。帝国内であれば、


大抵、私の家の威光が通用しますので、


困った時に使って下さい」



「威光?ジュリアナちゃん、そんなに偉いの?」



「いえ、別に私が偉い訳では無いですよ、


私の実家ですね、貴族に絡まれたら、


其のメダルを見せなさい。逃げて行きますから、


商人に見せたら、色々と相談に乗ってくれますね、



私の家の関係者であると言う、証に成ります。


要は、ウィンスレット家の庇護下に有ると言う証ですね、


逆に何かすれば、


ウィンスレット家にケンカを売った事に成りますね、



他にも色々特典が、付きますよ、


私が居る所では直ぐに面会出来るし、


貴族しか利用出来ない施設も使えます。


貴族御用達の高級宿泊施設やレストラン、


貴族街に住めたりとね」



「凄げ~な、印籠みたい?


ブラックカード?ジュリアナちゃんの実家、


そんなに偉いの?」



「お婿に来ます?歓迎しますよ」



「ん~要らない~」



「でしょうね、モモタロウさんなら実力で、


成り上がれるでしょうし、


まああれです。ウィンスレット家が後ろ盾になるから、


仲良くしてねって言う証ですね」



「ふ~ん、メダルの家紋、魔女の帽子なんだ。


宅急便じゃ無いんだね~」



「宅急便?はい、魔法使いの国ですからね」



「でも見ず知らずの男を、


そんなに優遇しちゃって良いの?」



「何を言ってますの?


この魔法の袋の方が、良いのって感じですよ、


私とウィンスレット家を差し出しても足らない位ですわ」



「へぇ~凄いね」



「へぇ~凄いね、じゃ有りません!


此の魔法の袋、杖?扇子?真珠。


間違い無く国宝に指定されます。


私も帰ったら、直ぐにお父様とお爺様に、


相談し無いと、きっと帝国議会が紛糾してしまいますわ!」



「ふぅ~ん、大変だね~」



「ふぅ~ん、大変だね~じゃあ有りません。全くも~


良いですか、此の事は他の人に言ってはいけませんよ、


良い様に利用されて消されるのが落ちですから、


他人事じゃ有りませんからね!」



「は~い、分かりました~」



「う~不安~」



「まあ、バレたら逃げるから良いですよ~」



「私も、そうならない様に、努力はしますけれど」



「宜しく~」



「もう、本当に軽いんですから~


まあ、でも、良いですわ。


ウィンスレット家は、


モモタロウさんを全力で、バックアップしますね」



「は~い、ありがと~」



「・・・・・・・・心配~・・・・」



「所で、動けそう?」




「そうですねお話して居たら、こなれて来ました」



「んじゃ、魔力充填するから手を出して」



「はい」



ジュリアナちゃんと、両手を繋ぐと、



「あら、ぽっ」



「ぽっ、て何?」



「だって、少年と言っても、


殿方と手を繋ぐなんて、は・じ・め・て」



「ふぅ~ん、ダンスとかし無いの?」



「だって眼帯と、包帯だらけでしたから、


皆、逃げて行くんですもの」



「そうでした~ジュリアナちゃん、中二病でした~」



「中二病?」



「まあ、良いから良いから、え~っと魔力を入れるから~」



「いやん、変な物は入れないで下さいね、


入れるのなら優しくねっ、ぽっ」



「う~ん・・魔力が入り出したら体中に、ぐるぐると回す感じでね」



「ぐるぐる、回すんですか~


壊れそうなんですけど~ああ~堪忍して~


初めてなの~私、初めてなの~


・・・・優しくしてね・・・・ぽっ」



「ぽっ、じゃね~よ~妄想は止めて下さい。


人聞き悪いですから~」



「・・・・・・・・御免なさい・・・・」



いい加減前に進まないので、


俺は魔力を少しずつ流し始めた。


するとジュリアナちゃんの体が、


薄ぼんやりと輝き始めて、


徐々に流す魔力量を、増やして行った。



「あぁぁぁぁぁ・・・・


入って来ます。熱いのが、あぁ・・・・


凄い、凄いです。あぁ・・・・


大きく成って、私の中で・・・・あぁ・・


回って居ます~凄く大きいのが~あぁ・・・・


とろけそう・・・・



す、凄いです~私の中で~大きくて、


熱いのが~ぐるぐる回って~


あぁぁぁぁ・・・・とろけそうです~一杯、


一杯出して下さい~あぁぁ~


壊れる~壊れてしまいます~でも、


良い、良いです~あぁぁぁ・・・・いっくぅ~」



「って、言い方~!!」



「・・・・・・・・良かったわ・・


此れで、私は貴方の女ね・・・・ぽっ」



「ぽっ、じゃ~ね~魔力も充填したし、


誤解を招きそうだから、


とっとと、キャンプに帰って下さい~!」



「・・・・す、捨てるのね、


私を散々もて遊んで・・・・酷い人・・・・


でも私は負けない、


何時か貴方を見返して見せるわ!」



「・・・・・・・・」



俺は、ジュリアナちゃんの首根っこを掴むと、


玄関の外に放り投げた。



「御免なさい~許して~放り投げないで~え~ん、え~ん」



俺は、玄関の外に出ると、



「はいはい、分かったから、早くキャンプに帰りなさい。


アンが待って居るんじゃ無いの?」



「・・・・・・・・ハッ!!そうでした!


早く帰らないと、置いてけぼりにされてしまいます!」



「え~っ、置いてけぼりにされちゃうの~?


幾ら何でも其れは無いでしょ~」



「いいえ、アン様なら有り得ます」



「そんなに非情なの~?」



「いえ、そうでは有りません。きっと私の事を忘れて居ます。」



俺は、此の残念な従者の肩を叩いて、



「頑張るんだよ・・・・」



「そんなに、可愛そうな娘を見る様な目で見ないで~!」



追加で魔法の水袋と、


携帯食料をジュリアナちゃんの、魔法の袋に入れてあげた。



「其れではモモタロウさん、またお会い致しましょう。」



ジュリアナちゃんはふわりと、浮かび上がると、


アンが、飛び去った方向に飛んで行った。高らかな笑いと共に・・・・



「お~っほ・ほ・ほ・ほほほ・・・・」



「ん~朝にも見たよね~」



『見たっスね~』



やはり、暫く飛んだ所でシーワームに襲われて居た。



「・・・・・・・・・・!!」



と、中二病のジュリアナちゃんは、何か叫びながら、



≪ゴロゴロ・・・・ピッシャ~ン!


ドゴ~ン!バリバリバリ~!ドッカァ~ン!≫



「おおぉ~暴れとる、暴れとる。・・・・


何を叫んでるんだろ?」



『考えたく無いっス』



「ですよね~」



≪ゴロゴロ・・・・ピッシャ~ン!ドゴ~ン!


バリバリバリ~!ドッカァ~ン!≫



「じゃ、戻ろうか」



『其れが良いっス』



俺が仮住まいの中に戻ると、テーブルにエレンが突っ伏し乍ら、



「モモちゃ~ん、お腹減った~ひもじぃ~よ~」



「あっ、もうお昼回って居るね、直ぐ用意するからねっ」



「うん」



と、笑顔を俺に向けて来た。



「モモちゃ~ん、さっきの娘はだ~れ?」



「ああ、アンの従者だってさ~」



「ふぅ~ん、モモちゃん凄く鼻の下延びてたよ~


別に良いんだけどさ~」



俺は、配膳をし乍ら、



「止めてくんない~幾ら美人でもあんなに、


中二病じゃあね~」




「中二病ってな~に~?」




「う~ん、妄想癖が有るって事かな?


はい、食べよっか~」



「は~い」



「「頂きま~す」」



「「・・・・・・・・」」



「「御馳走様でした~」」



「モモちゃん、


さっきのデザートも凄っごく美味しかったよ~


も~喋れない位~でさ~


私、部屋の中からずっと見てたんだけどさ~


あんなに綺麗な女の人なのに、


何で手を出さないの?



私に遠慮してるなら、


大丈夫だよ~パーティーをずっと組んで居てくれるなら、


私は、最後でも構わないからね」



「ま~綺麗っちゃあ、綺麗なんだけど~ね~


ポンポンのお腹見て色気と言われてもね~


んで、頭の上におっぱい乗せるのやめてくれる?」



「ふ~んそうなんだ。


モモちゃんってひょっとして、男が好きなの?」



「んな訳ね~よ、男とか無理に決まってんじゃん、


おっぱい付いて無いし」



「なら良かった。男が好きとか言われたら、


如何しようかと思って居たんだよね~


流石に私、男に成れないし~」



「何か口調が変じゃ無い?


何時もの、ですわ~口調は?」



「まあ独り言みたいなもんですからねっ


其れではお風呂に入って、


又、安静にして居りますわね」



「独り言は普通の口調なんだ~入っといで~」



「はいですわ」



食休みの後、エレンが部屋に戻ったのを確認してから、


洗濯して、飛行魔法フライの練習だ。


フライの練習を夕方まで続けて、其れが終わると、



洗濯物をと入れて、ひとっ風呂浴びてから、夕食の支度だ。


夕食が終わると、さっさと寝ると言う健康的な生活だ。


そんな生活の中、6日目からリリーにおんぶ紐を作って貰い、



勿論大人用なのだが、元気に成って来たエレンを負ぶって、


フライの練習を始めた。最初の頃は重くて、



「エレン~重いよ~おっぱいのせいじゃ無いの~?」



「私くしが重いですって~


どの口がそんな事を言うのですか~


此の口ですか~此の口なのですね~


こうしてくれますわ~!」



両の人差し指を口に突っ込まれて、びよ~んと、伸ばされて、



「ほめんなさい、ひれいふぁ、ほねえさま~」



「分かれば宜しいですわ。


今夜のデザート2人前で許して差し上げますわ」



「は~い」



こんな感じで、12日目、



「如何?リリ~」



『はいっス、ご懐妊じゃ無かったっス~


目出度く退院っスね~明日から旅を再開するっス~』



「モモちゃん如何ですの?私、不治の病で死にますの?」



「うん、明日から旅を再開しても良いって~」



「やった~今夜は酒盛りですわ~」



「良し、今夜は焼肉だ~!!」



「「いち・にい・さん・だ~っ!!」」



此の日は、遅く迄、飲み明かした。


翌朝・・・・・・・・



「モモちゃん空を飛んでの旅ですので、


出発前に最短コースを、説明いたしますわ」



「うん、うん」



「現在位置は、コッサリア神国の海岸線沿いなのですが、


此のまま暫くは、此の海岸線を進みますわ、


やがてナイロン大河を超えると、


砂漠の国のソリア王国に入ります。



暫く海岸線に沿って進むと、遠くに山脈が見えて来ますわ、


此処で山脈に向かって方向を変えますわ。


ナイロン大河を遡る手も有るのですが、


殆ど手付かずの大河ですので、



水辺には大型のモンスターや


飛行型のモンスターが多数生息して居て危険ですわ。


ですのでヨイ山脈と荒れ地の間を飛行して、


やがてザムド台地に到達しますわ、


此処でもザムド台地と、荒れ地の間を飛行しますわ。



ソリア王国を縦断する格好ですね、


此の間は、オアシスには立ち寄りませんわ、


盗賊が跋扈して居り、


ある意味モンスターよりも危険ですから、


ザムド台地を抜けると、


ナムール大河の支流のヨシノ川に出ます。



此処から下流のアキ湖を目指します。


道行は穀倉地帯と成り、


モンスターの心配も少ないので、


川沿いを進むのが良いでしょう


アキ湖に付きましたらソリア王国側で、


冒険者カードを作りましょうか、


モモちゃん、犯罪は犯して居無いですね?痴漢とか」



「うん、大丈夫だと思うよ、良く痴女には絡まれるけど、」



「なら良いです。


犯罪者は魂に犯罪を刻み込まれていますから、


冒険者では無く、犯罪奴隷に成って仕舞うので、帝都では無く、


鉱山に送り込まれてしまいますわ。」



「怖ぇ~」



「冒険者カードを作った後に、


アキ湖を渡ってルグレス帝国に渡ります。


後は帝都ソラリスを目指すだけですわ、


人が多い地域の移動は夜間に行いましょう。


目立つ行動は避けた方が良いでしょう」



と、エレンはモモの背中におんぶ紐を使って、


おぶさると、片手を掲げると、



「さあ、モモちゃん、出発ですわ~!」



「は~い」



とモモタロウは背中に胸の感触を味わい乍ら、


飛び立つのであった。



「いや~良い感じの旅に成りそうだわ~」



「この~モモちゃんの、幸せ者~ですわ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ