-93話ー ちっぱい師匠 アンジュ
俺は何故か、空から現れた飛行少女に、ご飯を食べさせて、
風呂に入れる事に成って仕舞った。
飛行少女と言っても、不良では無い。
何処かの恐らくは、身分の高いお姫様であろう事だけは、
何となく分かる。町娘が風呂に入るのに服の脱ぎ方が、
分からない等と言う事は無いだろうしね、
俺でも其の位は分かるのだ。
脱がせた服は、洗える物は洗濯機の中に放り込んで、
洗えない魔法の皮袋や、皮製品は脱衣籠へ放り込んだ。
「え~っと嬢ちゃん、其れじゃあ風呂に入るか」
すると、少女はちっぱい胸を張って、
「うむ、だが妾は嬢ちゃんでは無い。
アンジュじゃ、アンと呼ぶが良い。お主は?」
「あ、御免俺はモモタロウ、15才で冒険者だ。
まあ魔法使いだが、ヒーラーで攻撃魔法は、一切使えない。
攻撃に関しては、
その辺の酔っ払いのおやじよりもよっぽど弱いぞ」
「胸を張って、自慢する事では無いな。
だが、妾と同んなじ15才かフムフム、まあ良かろう。
しかし、この結界と言い、
上級魔法を一発で覚える事が出来る能力と言い、
ふ、ふ、ふ、ふふふふふふふ・・・・
まあ、何にしても面白い奴じゃの」
「う~ん、こんなにちっぱい娘と、
同じ年なのは納得いかない~」
「ちっぱい言うな!」
「まあ其れは兎も角、
どうせ自分じゃ洗えないんだろう?」
「うむ、当然じゃな」
「う~ん、じゃあその椅子に座って、そうそう、
お湯を掛けるから目を瞑って、はい、良い娘、良い娘」
ザバ~っと頭からお湯を掛けて、
シャンプーで丁寧に髪を揉み洗い。
洗った後に、ダメージケア用のリンスを良く浸透させて、
頭をマッサージすると、
「お~お~気持ち良いのじゃ~」
「かゆい所は、無い?」
「うむ、気持ちが良いぞ」
「其れじゃ、リンスを浸透させている間に体を洗うね~」
「うむ、良きに計らうのじゃ」
「は~い、じゃあ、立ってくれる?」
アンジュを立たせると、
タオルにボディーシャンプーを付けて、
思い切り泡立たせて一気に体を洗い、
最後にシャワーで流した。
自分の子供を洗って居る感じだ。
そう、其処にいやらしさは、一切無い。
そう、一切無いんだ。例え、同じ年齢であっても、
「此のちっぱさでは、変な気には成らないよね~
同い年だけど~」
アンジュは湯に浸かり乍ら、
「ふぁう~気持ち良いのじゃ、お主何か言ったか?」
「いえ、何も・・・・」
「そう言えば、妾はお主に、飛行魔法を教えたのじゃ」
「はい」
「妾は、お主の師匠と言う事に成るの」
「ハッ!そう言えば、そう言う事に成るのかも、
・・・・ちっぱい師匠?」
「ちっぱい言うなバカ者~!アン師匠と呼ぶが良い」
「は~い、アン師匠所で、何で此処の結界が分かったの?見えたの?」
「ん~其れはの~何か、この辺に来ればカニが食べられる様な気がしたのじゃ」
「はい~?」
「お主にご飯を食べさせて貰った時にも、
もっと美味しいかにが有る気がして、
更に其れを食べた後に、
まだ美味しい物が有るような気がしたのじゃ」
「子供の感か~凄いね~」
「女の感なのじゃ」
「はいはい、他に何か感じる?」
「言って良いのか?」
「良いよ~面白いし、」
「此れはお主と言うよりは、リリー殿にじゃが、
オパールアゲハと、トパーズアゲハの服が欲しいのじゃ、
今、洗濯中の感じの物が良いの~赤、白、黒の色違いでローブ付きの」
「ふんふん、其れから~?」
「そうじゃの~魔法の杖と、真珠とティアラかの~」
「其れでお終い?」
「後は武器じゃの~大きい鎌が欲しいの~
・・・・此れ位じゃの~」
「ふ~ん、成程ね~作っても良いけれど、
ふたつ条件が有るんだけど、良い?」
「うん~何じゃ、申して見よ」
「ひとつは此れから俺が、魔法を教えて欲しいと言ったら、
教える事、と言っても攻撃魔法は、一切覚えられないんだけどね~」
「何じゃそうなのか?其れは、不便じゃの~」
「そうなんだよね~けど、俺戦いは基本、
嫌いなんで直ぐに逃げるけどね~」
「戦わなくて済むのであれば、其れに越した事は無いの~」
「でしょ~人の血を見るとか、
俺、無理だからね~」
「何じゃ、此のへたれめ」
「へたれで結構!今まで見た人の死体。どれだけ泣いた事か」
「そうじゃの~人に厳しい世界じゃからの~で、
もうひとつは?」
「此の事を誰にも言わない事だね~」
「言うと如何なるのじゃ?」
「逃げる。唯ひたすら逃げる」
「表には出たく無いのじゃな」
「そう言う事だね~」
「うむ、その条件なら約束しよう」
「うん、じゃ、リリー聞いてた~」
『はいっス~』
「ちっぱい師匠に作ってあげて~」
「ちっぱい言うな~」
『了解っス~はい、作ったっス~ダーリンの、
ちっぱい師匠っスから~
とんでも無い一品にしといたっス~全て、
一点物のフルオーダ~っス。
全部、脱衣所に置いとくっス~』
「うん、有難うリリー」
「リリー殿、感謝するのじゃ」
『良いっスよ~其れと、
ダーリンのちっぱい師匠と言う、魂の繋がりと言う事で、
念話回路繋げたので何時でもダーリンと、
私に念話が出来るっスよ~』
「ちっぱい言うな、と其れは有難いの~
美味しいご飯が食べたくなったら、連絡出来るのじゃ」
『そんで、アンちゃん可愛いから、特別サービスで、
マップ付けて置くっス、此れで自分が世界の何処に居るのかが、
瞬時にわかるっス』
「リリー殿、かたじけないのじゃ、妾は方向音痴なのじゃ」
『良いの、良いのっス~』
「で、ちっぱい師匠お風呂の後、如何する?帰る?」
「う~ん、そうじゃの~配下が探し回って居るじゃろうが、
流石に夜は危険か、魔力も心もと無いし、
今晩は、泊まっても良いぞ」
「は、はあ~リリ~パジャマの用意してあげて」
『心得たっス~可愛いの用意するっス~』
「うむ、リリー殿、感謝するのじゃ」
『感謝、されるっス~』
「じゃあ、そろそろ上がりますかね~」
「うむ、良く温まったのじゃ」
俺達は、脱衣所に行くと、ちっぱい師匠が、装備を手に取って、
確認しようとするので、
「ちっぱい師匠、確認は体を拭いて、
パジャマを着てからね~」
「ちっぱい言うなって、もう良いわ、
早う、体を拭いてパジャマとやらを着せるのじゃ」
「は~い」
もっさ、もっさと大きなバスタオルで拭きあげて、
下着を着せてから、パジャマをって・・・・
「此のパジャマゴ〇ラ?あ〇れちゃん?」
『可愛いでしょダーリン、私達の子供みたいッス』
「・・・・か、可愛い・・・・」
「誰が、私達の子供なのじゃ~妾は成人じゃ~」
と、言いつつ、しっかりフード迄被って居る。
「おお、此のドレスの光沢は見事なもんじゃな。
パパとママの衣装も中々だが、此方の方が遥かに素晴らしいのじゃ」
「パパ?」
『ママ?』
「『プ~ッ、クス、クス~」』
「な、何が可笑しいのじゃ?」
「いや、お父さんとか父とかでしょう?」
『お母さんとか母とかでしょうっス~』
「そうなのか?そうなのか~?」
『其のドレスは黒龍と、赤龍の鱗を繊維状にした物を、
オパールアゲハの絹と、トパーズアゲハの絹を混ぜ合わせて、
糸にした物を、何種類もの布地にして居るっス~
光の当たり方で輝き方が変わるっス、
双方の絹の良い所取りっス~
強度も強靭で、剣や槍で突かれた位では、
傷も付かないっス~
其れに、防御結界の魔方陣を縫い込んで有るっス。
正に、無敵っス~
戦う乙女の鎧っス~其の下着も、色に合わせて、3種類、
各、3着づつ付けて有るっス~』
「此れは?」
と、ハート形のトップ付きの杖を・・・・
「何処の魔法少女だよ~」
『私の趣味っス!何か文句有るっスか?』
「はい、御免なさいでも、幾ら何でも・・・・」
「か、可愛いのじゃ~初めて見る杖じゃが、
凄っごく可愛いのじゃ~」
『うむうむ、アンちゃんは中々分かって居るっスね。
其の杖は龍骨をベースに、トップには賢者の石を、
贅沢に使った一品っス~
賢者の石の魔力増大で、10倍の魔法が撃てるっス~
中には呪文が入って居て、範囲攻撃魔法のヘルファイヤーが撃てるっス。
10発は撃てるッス戦略級、攻撃魔法っス~』
「可愛いのに、凶悪だなおい!」
『可愛い物には、毒が有る物っス~』
「美しい物には、とげじゃ無いの?何か、
だんだん凶悪に成って来て居るんですけど~」
「良いぞ、良いぞ~逆らう者は皆殺しなのじゃ~」
『皆殺し~皆殺し~ウ~キャキャキャキャキャキャ~』
「あっ、リリーが壊れた~」
「此のティアラは?」
『其のティアラも、
オリハルコンと賢者の石をふんだんに使って居るっス、
魔力の貯蔵と、魔力増幅に、
アンチマジック、魔法防御も出来るっス。
まあ、主目的は魔力貯蔵、魔力タンクっス、
普段から、魔力を貯めて置くっス』
「モモ、魔力入れて」
「は、は~い」
師匠からティアラを受け取って、
魔力を注入すると、一杯入った。
「良いのか?此れで・・・・」
『調子に乗り過ぎたっス。御免なさい』
「此の、金のケースに入って居るのが、真珠かの?」
『そうっス、大粒の無傷の真円の物を使用して居るっス。
ネックレス耳飾り、指輪に魔封じのカメオの4点セットっス』
「此の大鎌は?」
『其れは、鎌の部分には竜の牙を使って居るっス
柄の部分は、竜骨を使用して居るので、軽くて丈夫っス
魔力も良く通るっス、ちっぱい師匠でも充分に振り回せるっス。
魔剣ならぬ魔鎌っスね、
此れにも賢者の石と、魔法を埋め込んで有るっス。
切って良し、飛ばして良しの優れ物っス。
因みに埋め込んだ魔法は、爆炎っス~破壊力抜群っス、
世界征服も夢じゃ無いっス~』
「リリー調子に乗りすぎ!」
『はい、御免なさいっスダーリン』
「分かれば宜しい、師匠も悪用しちゃあ駄目だかんな、」
「そんな事分かって居るわ。リリー殿、感謝するのじゃ」
アンが、全部魔法の袋にしまうと、
「良い時間だし、晩御飯にしようか?」
「そうじゃの、お腹が減ったのじゃ」
二人、キッチンに行くと、テーブルにエレンが既に座って、
晩御飯を待って居た。
「あらあら、まあまあ、モモちゃん其の娘は誰ですの?
凄く可愛いし、攫って来たの?ロリコンなの?」
「地平線から飛んで来た。謎の魔法少女?
御飯食べさせて、風呂に入れて来たんだけど」
「あらあら、まあまあ、お風呂ですの?
で、お風呂であんな事や、こんな事をして居たのですか?
ロリコンなの?死ぬの?此の変態さん」
「して無いから、あんな事もこんな事も、此の娘、
お嬢さんみたいで服も脱げない、
体を洗った事も無いって言うから」
「あら、私くしも良い所の悪役令嬢ですけれど、
服も脱げますし、体も洗えましてよ、
何も出来ない幼女を、
ゲヘへへへへお兄さんに任せておきなと言って、
あんな事や、こんな事をしたのですね。
犯罪ですわよ此の変態さん、
おまわりさ~ん此処に幼女誘拐犯が居りましてよ~」
「モモよ、此の嫌味な位におっぱいの大きい娘は誰なのじゃ?
お主の恋人か?それとも嫁か?」
「あらあら、まあまあ、恋人・・・・嫁・・・・
此の娘可愛いのですのね、まあ良いでしょう
私くしは、エレノワと言いますの17才ですわ。
魔法剣士で、冒険者をして居りますのよ、
モモちゃんには、
先日死に掛けている所を助けて頂きましたのよ、
其れはもう、体を洗って貰ったり、
体を洗って貰ったり、体を洗って貰ったりで、
もう、心の妻と言って頂いても差し支えありませんわ」
「おう、其れは其れは、妾はアンジュと申す。
親しい者からは、アンと呼ばれて居る。
モモとは妾が空を飛んで居たら、
カニが食べられそうな予感がしたので、調べて居たら、
モモが出て来て、ご飯を食べさせて貰っての、
お礼に、フライの魔法を教えたのじゃ。
まあ、モモの師匠に成ったのかの」
「えっ!フライって上級魔法では有りませんか。
貴方、魔道士ですの?」
「うむ、そうとも呼ばれて居るの」
「こんな幼い魔導士なんて、聞いた事が有りませんわ。
モモちゃん、本当ですの?
フライの魔法が使える様に成ったのですか?」
「まあ、大分練習しなけりゃならないけどね。
で、魔法使いと魔導士ってどう違うの?」
「魔法使いは初級、中級魔法迄使える者の事を普通、
魔法使いと言いますわ。
上級魔法や、
自分で魔法を作り出せる者の事を魔導士と言いますのよ、
貴方、魔道士なのに知らなかったので御座いますか?」
「ご、御免なさい」
「「・・・・・・・・」」