-91話ー 冒険者エレン 2
何か嵌められた感は否めないが、
俺はエレンさんを風呂場に案内して、新しく湯を入れて、
シャワー、ボディーシャンプー、シャンプー、
リンスの使い方を教えると、
「こんな感じです。エレンさん。って、
何、もう脱いじゃって居るんですか~!」
「えっ、だって、裸に成らないと、お風呂には入れませんわよ?」
「おっと、先に湯に浸かろうとしない!
先ず体を洗ってから、湯に浸かる様にして下さい~!」
「そうですの?お風呂は、湯船でシャボンを使って、体を洗い乍ら、
入る物ですけれど?まあ、この広い浴槽だとシャボンが、
すぐに無くなってってしまいそうですけれど?」
「え~い!今回だけは、俺が、洗います!」
「まあ、そうですのポッ、嬉しいですわ綺麗にして下さいな。
此の変態さん。でもまあ、女の裸を見ても取り乱さないとは、
色々、経験なさって居りますのね」
「・・・・・・・・まあ、色々とね・・・・」
遠い目をするヤマダタカシであった。
「ご苦労なさった様ですわね・・・・」
「・・・・まあね~」
「と、一緒に汚れた服も洗いたいのですけれど、良いかしら?」
「ああ、服は洗濯機で洗濯するから、こっちに出して」
「あらあら、まあまあ、そんなに女の下着が見たいのかしら?
もお、変態さんには困った物ですわね。
はい、ご覧あれ食べてはいけません事よ」
「うぅ~ぐ~で殴りたい!
誰がこんなかぼちゃパンツに、欲情するかよ~!」
「聞き捨て成りませんわね、こんなんでも私くしの様な、
うら若き乙女が、履き古した下着には価値が有りましてよ。
其れこそ、そっちの趣味の殿方にとっては、金貨が飛び交う位には、
もっとも私くしも、気持ち悪いのでそこ迄はして居りませんが、
何でも洗ってしまうと、無価値に成るとか?」
「考えた事有るんだ~・・・・
う~ん・・・・此の世界でも居るのか?そっちの嗜好者が・・・・
良いから、洗濯物持って行くよ!」
「ちょっと待って下さいな、旅の間洗濯もままならず、
沢山、溜まって居たのです」
と、魔法の袋から、かぼちゃパンツをドバドバ~っと出した。
「ほえ~こんなに溜めてたの~20枚は有るよ~此れ、
シャツも3枚程あるけど~」
「仕方無いじゃ~有りませんか。水が貴重で使えないのですから
飲み水だけでも、幾らすると思ってらっしゃるの?」
「いや、俺魔法の水袋だから、魔石無くなる迄使い放題だから」
「えっ!凄いですわね、魔法の水袋なんて、
其れこそ、一部の大貴族しか持っては居りませんのよ、
もお~羨ましいですわ。
人には絶対、言っちゃダメですからね、命を狙われますわよ。
其れほどの価値が有りますから、気を付けて下さいませ」
「は~い、そ~なんですか~」
俺は汚れた服を、脱衣所に有る洗濯機に放り込んで、(皮は別)
自動で、洗濯を始めた。
エレンの出で立ちは、貴族風のシャツとリボンに、
皮のベスト、皮のマキシスカートに男物の、ももひき?
其れに、何か先っちょがピロピロの皮ブーツだ。
「流行かな?此の先っちょピロピロブーツ?
え~っと、着替えだな。
先ず下着は、黒が良いかな?其れと、金髪ロングヘアーを束ねる、
シュシュは5種類くらい有れば良いか?
服は~っと、
J、Kブレザーにミニスカ、ルーズソックスは、何かの罰ゲームかよ~
じゃあスパッツにすっか、後靴下に、機能優先のトレッキングシューズ。
何かローブ着たら、どっかのホグ〇ーツ魔法学校の生徒だね。
其れにプロテクターっと、後はパジャマで良いか。購入っと、
リリーママゾンで買った装備、補強してくれる?」
『オッケーっス。ハイ出来上がり序でに、ダーリンと、そろいのローブっス』
「おお~うん有難うリリー愛してるよ~」
『・・・・うん・・ポッ』
着替えの用意が終わると再び、浴室へ、
エレンさんは何んか、大人しく待って居た。
「やっとですの~待ちくたびれちゃいました。
も~何をやって居たのですか?・・・・
あっれ~もしかして、私くしの下着の匂いを嗅いで居たのですか~?
もう、モモタロウさんの変態。プ~クスクス~・・・・」
「いや、違うから~エレンさんの着替えの用意してたから、
決っして変な事してないから!」
「へっ?モモタロウ様、女の着替えを持って居るのですか?」
俺をジト目で見乍ら、
「・・・・分りました。ええ良いでしょう。モモタロウ様の、
ご趣味の、着せ替え人形に成りましょう。
ええどんな恥ずかしい、エロイ服でも着こなして見せますわ。
でも、流石に人前に出るのは・・・・もう、此の変態さん。
仕方が有りませんね、
良いですわ、はい分かりました。人前にも出ましょう。
鬼畜な変態さんの為であれば、恥ずかしいのは我慢致しますわ」
何か、ちらっ、ちらっ、と俺を見乍ら、もじ、もじ、する、エレン。
「やっぱりぐ~で殴りたい!
も~!良いから、洗うよ!目を瞑って!」
シャワーで薄汚れた、長い金髪をお湯で洗い流して、
シャンプーで、洗うと、茶色い水が・・・・予想以上に汚れている。
「いや、汚れてるな~こりゃ2度洗いだな」
髪を2度洗いすると、今度はリンスで、良く地肌を揉んで、
暫く放置。その間に体を洗うが、此方も茶色い水が・・・・
「臭いと言うだけあるわ、此方も、2度洗いだね」
「あん・・も、申し訳ないのですわ」
「ハイ出来上がり、下はデリケートだから自分で洗って下さい」
「はい、こうですか?」
「はい、はい、丁寧にね」
「・・・・はいですの・・・・」
体を洗い終わったエレンに、湯船に浸かる様に指示すると、
「じゃあ、俺は此れで、
脱衣所に着替えと、バスタオル置いて有るからね~」
「えっ、変態さんも一緒に入ってくれるのでは無いのですか?」
「俺が入るのは夕方だね、今からは表で日向ぼっこだよ」
「そうですの?あれ?此処は海岸沿いの砂漠では無かったかしら?
此処、凄く快適なんですけれど?」
「ああ、結界に覆われているからね、
結界の外からは見えないから、安心して養生して下さい」
「結界魔法・・・・モモタロウ様は凄い魔法使いなのですね」
「別に凄くは無いさ、俺はヒーラーだからね、
攻撃はレベル1で、その辺の酔っ払いのオッサンより弱いしね」
「ならなおの事、私くしとパーティーを組まなくてはね、
私くし攻撃は出来るのですが、守りが今いちでして、
攻撃魔法は貴重ですのよ、ま~治癒魔法の方が貴重なのですけれど」
「えっ、そうなの?」
「はい、ヒーラーは殆どの人が、教会の管轄の人でして、
冒険者は、とても貴重なんですよ。
どんなパーティでも怪我人は出るので、一々ポーションに頼って居ては、
幾らお金が有っても足りませんわ。其れにポーションは高いですし、
モモタロウ様位の実力が有れば、
金級の冒険者パーティーでも誘いが来ますわ」
「へ~そうなの?で、エレンさんは何級?木?」
「あら、失礼ね私くしは昨日も言いましたが、銀ですわ、
攻撃魔法が使える時点で銀なのですけれど、銀だと、
ギルドの強制クエストが有るので、強制されない様に、
鉄で止めて居りましたら、
護衛のクエストが銀級からしか出来なくて、
仕方なく銀級に上がりましたの、
冒険者ギルドもよく考えていますよね~
私は魔法学校に行きますし、
冒険者で身を立てたい訳では有りませんから、
強制クエストはしたくは無いのですけれど、
背に腹は代えられないですよね~
キャラバンの護衛になる為と、
香辛料を仕入れる資金も欲しかったので、
銀級に上がったのですわ。
私の目標は徹頭徹尾、
女帝様の様な大魔法使いになる事ですからね。」
「ふ~ん、女帝様って強いの?」
「其れはもうお強いですわ、北大陸で唯一のA級範囲攻撃魔法の、
ファイヤーストームの使い手ですわ。皇帝の一族は、
皆魔力の多い、魔法使いの一族なのですけれど、
数百年に、一度大魔法使いが現れて居りますのよ。
女帝の一族なのですが、2代前の女帝様は、
お子様が1人しかいらっしゃらなくて、男子でしたの。
女帝様が亡くなられて、後を御継ぎに成られたのですが、
男子であるが故に魔力も弱く、ご苦労な差って居たそうですわ。
先代皇帝様はとても愛妻家で、子煩悩と言う方で
お妃様との間に出来た皇女様を溺愛なさって居たそうですわ。
其の授かった我が子が、
有り得ない様な魔力を有して居たそうですわ。
皇帝様は其の事を凄く喜ばれて、
その皇女様が成人、成された時に直ぐに皇帝位を、
お譲りなされて、若くしてさっさと隠居されましたの」
「良く其れで、国が滅びないね~?」
「家臣団がとても忠誠心が高く優秀で、問題無いらしいですわ」
「へ~そんな国も有るんだ~」
「ルグレス帝国はとても裕福ですからね、まあ金持ち喧嘩せずですわ。
所でモモタロウ様は、冒険者カードか、身分証はお持ちですの?
此れから先、ナイロン大河を渡って、ソリア王国へ入って参りますが、
ソリア王国は砂漠の国ですので、身分証明は必要有りませんが、
更に海沿いを歩いて行きましたら、
コーラル王国に辿り着きます。此処は海洋貿易の国ですが、
身分証が必要に成ります。コーラル王国を縦断して、
ナムール大河に向かい、其処から船でルグレス帝国へ行き、
河上のアン湖に行って、
其処から陸路で帝都を目指す事に成りますわ。
まあ途中、ラクダが手に入れば、
120~130日と言う所でしょうか?
徒歩ですと半年以上は掛かるでしょう」
「は~約3ヵ月か~身分証も冒険者カードも無いけど~」
「3ヶ月??フ~ン、じゃあ~コーラル王国に入る前に、
冒険者カードを作りましょうか」
「は~い、じゃあ、ごゆっくり~」
「はい、有難う御座いますわ」
おれは、風呂場から出ると、表に行った。
「もう、モモちゃんたら、こんな良い女の裸を見ても、
其の気に成らないなんて・・・・でも、可愛い、男の子だわ・・・・」
・・・・・・・・
俺が表で、日光浴して居ると、素っ裸のエレンさんが来て、
「モモちゃ~ん、着方が分かりませんわ~着付けて下さいな~」
「あ~はいはい、じゃあ、脱衣所に行って」
「は~い、ですわ」
俺が脱衣所に行くと、
「待って居ましたわ、初めて見る物ばかりで、何が何やら」
「はい、はい、分かったから、」
其の後、着付けた。
「まあ黒ですか、こんなパンツが有るのですね、中々エロイですね、
此れは、ほう頭から被って、胸に付けるのですか、此れも良い感じですね、
はあ、ちゅーぶとっぷと言うのですか、どちらも体の線が出てエロイですわ。
此れは?ぱじゃまと言うのですか、此れなら着方が分かりますわ、
と、モモちゃんが、外で寝そべって飲んで居たのは?」
「良く見てるね~あれは、トロピカルドリンクだよ。
って、誰がモモちゃんだよ!」
「あら、モモちゃんはお嫌?じゃあ、変態さんで良い?それとも、
鬼畜様が良いかしら?で、私くしも飲みたいですわ」
「・・・・・モモちゃんで良いです。
あれはお酒だから体が治る迄、ダ~メ」
「ブゥ~ブゥ~」
ストレージからフルーツ牛乳を出すと、
「此れにしときなさい」
「は~い」
栓を開けて手渡すと、
「有難う御座いますですわ、ゴキュゴキュゴキュゴキュ~
プッハ~美味ぇ~!
あら、地が出て仕舞いましたわ御免あそばせ」
「はい飲んだら、髪を乾かして寝る様に」
「は~い、でも一人寝は寂しいですわ、
隣に来て、お話を聞かせて欲しいですわ」
「余計に寝れなく成るでしょう。ちゃんと寝て、
早く治して、旅が出来る様にして下さい」
「は~い其れでは、モモちゃんの言う通りに致しますわ。
お休みなさいませ」
「はい、お休み・・・・ん?素直だね」
エレンさんは、やっと部屋に戻って行った。
「あれ、本当に全治一週間?」
『体力ゲージ殆ど残ってい無いっスけど?
コケて、頭打ったら死ぬレベルっス』
「カラ元気なのかね?」
『それとも、単なるバカっスかね?』
「両方じゃね?」
俺は、洗い終わった洗濯物を持って、表へ行くのだった。