表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/201

-86話ー タカシ釣り餌に成る


「タカシ君~餌のオ~ク無く成っちゃったからさ~」



「からさ~?」



「オークの代わりに、餌に成ってくんない?」



「へっ?」



サファイアは俺の首根っこをガシッと掴んで、



「ひぃ~~!!お~た~す~け~」



身動きの出来ない俺は、


ウンチとおしっこを振り撒き乍ら、藻掻いて居ると、



「タカシ君観念しなよ、痛いのは最初だけだから」



「勘弁して下さい。まじ、勘弁して下さい。


命だけはお助けを~!!」



「ボクは死を司る女神なんだよね、


助ける訳無いじゃん・・・・ニッコリ」



無慈悲にサファイアは、暴れる俺を張り倒して、


俺がぐったりした所で、でっかい釣り針を口にねじこみ、


ぐにぐにと海老ぞる様に、針を体の中に通して行く、



逆に曲げられた背骨は、其処彼処でバキバキと折れて居るが、


更に力任せでぐにぐにと、


針を通されて行き尻の穴から、針を出すと、


今度は釣り竿で、俺を吊り下げて、


グル~ン、グル~ンと回して、



「そ~れ~天迄、飛んでけ~ヒャッハ~!!」



と、飛ばされた。


俺は深場の海に投げられ、バッシャ~ンと水飛沫をあげて、


海に沈んで行った。



海の底には、数百匹のシーサーペントが、ざるそばのそばの様に群れて居り、


俺に気付くと、一斉に俺の方を見て、我先に、俺に襲い掛かって来た。



「ああ・・・・もう駄目だ。」



走馬灯がぐるぐると、流れて行く、


シーサーペントは大きな口を開けて、俺をくわえようとした瞬間。


其のシーサーペントが引き裂かれた。



俺の目の前にはシーサーペントより、


遥かにでかい海竜が現れたのだ。


海竜は大きな口を開けると、


いただきマンモスと一口に俺を飲み込んだ。



「大物が、掛かったよ~ヒャッハ~!」



・・・・・・・・



ぱっと目を見開くと、明るい日差しと、


俺をのぞき込む影が・・・・




「タカシ様、大丈夫ですか?


ずいぶんと、うなされて居ましたが」



「マリーか有難う。怖い夢を見て居たんだ」



「はい?」



「サファイアが、餌のオークが無くなったって言って、


俺を餌にして海に投げ込んで、シーサーペントに襲われて、


其のシーサーペントを引き裂いて、海竜が現れて俺を食ったんだよ~


怖かったよ~え~ん」



俺の海パンは漏らしたウンチと、おしっこで、凄く重く成って居た。


いや、マジ怖かったし、



「タカシ様、餌のオークは大量に有りますので、


無くなる心配は無いですよ」



食いつく所、そこ~



「何を言って居るのですか、エメルダ。


タカシ様サファイア様は、タカシ様の事が大好きですので、


タカシ様を傷つける様な事は、なさいませんよ」



「そうだよね~でも、餌のオークを釣り針に付けて、


海に投げ込んでヒャッハ~と、釣りをして居るのを見て居たからね~」



「う~ん、確かに夢に見そうですね~」



「でしょ~」



「う~ん、シーサーペントも


15M、20M位、有る訳ですから、


ちょっと、考えられないですよね~


かなり、ショッキングでは有りますね~」



「でしょ~サファイアもルビーも規格外だからね~」



「「ですよね~」」



「あれ?サファイアと、マリン居無いんだけど?」



「ええ、先ほど迄、釣り糸垂らして居ましたけど?」



「中々引かなく成った様で、二人共、深場に飛び込んで行かれましたよ」



「怖ぇ~釣れなくなったら、直接実力行使かよ、


容赦無ぇ~わ~何か、シーサーペント可哀そうに成って来たわ」



「ま~シーサーペントも、其処らじゅうの海で、


暴れ回って、人を食べて居る訳ですから、自分より強い相手に、


食べられるのも、仕方ないでしょうね」



「弱肉強食ですね、一杯居ますし、他の強い海獣の餌だし」



「えっ、そうなの?」



「ええ、キラーホエールがシーサーペントを、


踊り食いして居る何て話は、良く聞きますからね」



「あんなにデカい竜種なのに?」



「はい、海には想像も出来ない様な、モンスターが、


一杯居ますからね~シーサーペントはそれらの大型のモンスターの、


良い餌ですね~、食物連鎖の下の方と言う訳ですね」



「怖ぇ~シーサーペントがアオイソメに見えて来たわ~


人族が海に出れ無い訳だよね~


絶対にシーサーペントにすら、勝てない訳だしね」



暫くすると、サファイアとマリンが楽しそうに、


海から上がって来た。



「「タカシ君~大漁(だよ~)(です~)」」



俺が引き攣って手を振ると、



「如何したのさ~タカシ君~笑顔が引き攣って居るよ?」



「はあ、タカシ様は夢で、サファイア様に釣りの餌にされて、


引き攣って居るのです」



「ああ、ビビらせちゃった~?御免~ね~


ボクが大好きなタカシ君にそんな事する訳、無いじゃ無い~


でもまあ、ボクも龍種だからね~怒りに我を忘れたら、



無いとも言えないんだよね~・・・・だ~か~ら~


余んまり、浮気しちゃダメだよ~」



「サー・イエッサー・マム!!」



「うふふふふ宜しくね、チュッ!」



「ご主人様~大漁です~マリンはサファイア様が、


倒したシーサーペントと、パールシェルを一杯回収致しました。


パールも、一杯回収出来ましたよ~」



「お疲れ様、サファイヤとマリン、お礼と言っては何だけど、


二人には、獲れたパールでネックレスでも


作ってもらおうかね~


リリーお願い出来る?」



『オッケ~っス~本当に一杯、獲って来て居るので、


女の子、全員分作るっス~此の辺は、


人の手が入って居無かったので、


パールを持ったパールシェルも、とても多かったっス。



中には、五メートルを超える様な、


大物のパールシェルもごろごろと居たっス、


其れも含まれて居るっス。


其れに、シーサーペントはパールシェルの、肉だけを上手に食べて、


貝殻を、パールと一緒に一か所に捨てる習性が有るので、



大きな貝塚を形成して居るっス。海流に研磨されずに、


貝殻に保護されて居た、無傷のパールを大量にゲット出来たっスよ~


更にオマケで、レインボウサンゴや、紅サンゴと言った、



希少なお宝珊瑚も一杯獲れて、ホクホクっス~


お宝ザクザクっス~


ホイ出来た。皆の小分けストレージに入れといたっス~』



『皆キャ~リリー様~有難う御座います~


リリー様~大~い好き~!!』皆



『褒めて~もっと、褒めて~』



「でもリリーそんなに、パールシェル獲っちゃったら、


ここら辺のパールシェル全滅しちゃうんじゃない?」



『其処ら辺はちゃんと考えて居るっスよ~


一メートル以内のパールシェル獲って居無いっス~


後、二~三年もすれば、


又獲れる様に逃がしたパールシェルには、



貝殻を削って球状にした、種を仕込んでおいたので、


更にお宝ザクザクっスね~私、あったま良い~』



『皆流石リリー様~あったま良い~!』皆



「う~ん、リリ本、養殖真珠?リリ本パール?」



『養殖じゃあ無いっスよ~自然に返した訳っスから、


大量に有っても、価値が下がるだけだし』



「こ、こすい」



『何とでも言うっス。希少価値を確保したまま、


最大の利益を得るのも又、戦略っス』



「流石、軍師」



『褒めて~もっと、褒めて~


ダーリンに褒められるのが、一番の快感っス~』



「変な性癖は無いよね~?」



『勿論、無いっス~・・・・と思うっス~』



「ねえ、マリー真珠のネックレス見せて~」



「はい、タカシ様」



マリーは自分の小分けストレージから、一つケースを出すと、


俺に手渡した。金で作られた豪華なケースだ。


表面は、左右に赤龍と黒龍が、


紅サンゴと黒曜石で見事な浮彫で描かれ、



真ん中には、竜骨で真っ白な女神フノスが


カメオのブローチの様に浮き彫りで描かれている。


此れはリリーが作ったヤマダ家の紋章だ。


そして、一番上の目立つ所に此れも竜骨で、


緻密なデザインのフレイヤ様のレリーフが描かれており、


紋章の周りには、美しい模様が描かれて居て、


美しいカットの宝石が散りばめられて居る。



ケースだけでも一財産に成ろうかと言う豪華さで有る。


ケースの蓋を開けると、10ミリを超える大粒の、


真円の、真珠のネックレスが美しい光沢を放ち、


耳飾りと、指輪がセットに成って居た。



「真珠のネックレスに此のケース豪華すぎない?」



「何を言って居られますの、此の真珠に見合ったケースですよ」



「えっ、そうなの?」



『そうっスね~此のセットであれば、


一国の国家予算に匹敵するっスね~


冒険者ギルドでも取り扱うのは無理っスかね~


商業ギルド経由で、ルグレス帝国の女帝が買える位っスかね~


売却するのに、一年位は掛かりそうっスけど~』



俺は、割れ物を取り扱う様に、そ~っとマリーに返した。


マリーは受け取ると、大事そうにストレージに仕舞った。



『ダーリン、だから余り其の辺で人に見せびらかすのはダメっスよ~


命を狙われるし、商人が寄って来て仕方なく成るっスからね~』



「それは嫌だ・・・はい、分かりました・・・・」



益々旅行がしにくくなるな~と思う、ヤマダタカシであった。



「お~い、タカシ~大漁だぜ~」



「あっルビー達、お帰り~怪我とかしてなよね?」



「勿論なのじゃ~」



「す、凄く面白かったんだな」



「珍しい獲物がわんさか、獲れましたえ~」



「ますた~おもしろかった~」



「タカシ様~ダンジョンが有りましたのよ~


楽しかったですわ~」



「「「「一杯、狩って来たの~」」」」



何か、凄く楽しかった様だ。



「皆、楽しそうで良かったよ~」



「タカシ~ダンジョン見つけたからさ~


明日、一緒に行こうぜ~」



「ルビー様、其れは無理です。人の入らない地でのダンジョンは、


中のモンスターを減らして居無いので、


強いモンスターが大量に沸いて居る可能性が高いので、



攻撃レベル1のタカシ様を入れるのは危険です。


ルビー様がいくら強くても、飽和攻撃されればタカシ様を、


守り切るのは難しいと、考えられますので」



「此の島の森にモンスターが多いのは、


モンスターがダンジョンから、


溢れて来て居るのでは無いでしょうか?」



「そうか~しゃ~ね~な~タカシを


危険な目に合わせる訳にも行かね~し、


明日は、俺達だけで行くとするか~」



「探検組は~い(なのじゃ~)(な、なんだな)(どすえ~)


(ですわ~)(なの~)」探検組



「所で探検組の皆、早速真珠のネックレス付けてるね~」



「おう、分割リリーから業務連絡が来てな、


如何だ、似合うか?」



「探検組私達も(妾達も)似合います~?(似合うかの~?)


(にあう~)(なの~)(かしら~)」探検組



「うん、皆凄く、綺麗だよ~大人の女の人って感じで、


凄く似合って居るね」



「探検組きゃ~嬉しい~(のじゃ~)(いんだな)(おすえ~)


(ですわ~)(の~)」探検組



もじもじし乍らルビーが、



「そんなに褒められたら恥ずかしいじゃね~か~


バカタカシ、愛して居るぜっ!


きゃ~言っちゃったよ~恥ずかしい~!」



と、タカシの頭を張った。


何時もと変わらない行為なのだが、一つ、何時もと違う所が有った。


遊びに夢中だった為か、はたまた、狩りで興奮して居たのか、



ダンジョンを見付けて高揚して居たのか?


何時もタカシを傷つけない様に、手加減して居たのだが、


此の時、たまたま手加減を忘れ、無意識に全力でタカシの頭を張ったのだ。



勿論、こんな事も有るのでリリーは常に、タカシにシールド結界を掛けて居り、


全力で張られた位では、ビクともしないのだが、



≪ズビシ~!!≫



「ひょえ~!!」



普通の人族であれば、


分子レベルで木っ端みじんに成る張り手であったが、


タカシは傷付かない、が、タカシは飛んで行った。


遥か沖に向かって、


誰よりも早く、サファイアが反応してキャッチしようとしたが、



其の手をすり抜けて、タカシは飛んで行った。


大きく弧を描きながら、サファイアが追い掛ける。



≪ヒュ~ン!あ~れ~~!!≫



其の時、沖合に一匹の巨大な海竜が現れて、


大きくジャンプをすると、タカシを一口に飲み込むと、


海の中へと消えて行った・・・・・


サファイアは其の海竜を追い掛けて、海に飛び込んだ。



ルビーを始め他の全員が、ただ、ただ呆然と立ち尽くして、


見て居るしか出来なかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ