-85話ー コッサリア神国 バカンス 3
『ピピピピピピピ・・・・ダーリン、
ダーリンそろそろ、夜が明けるっスよ、起きて下さいな』
『んん・・・・う~ん、お早うリリー、
昨日は、良く遊んだから、まだ眠いよ』
俺は、眠い目を擦り乍ら、
「う~ん、今日もシーツが膨らんでいるな、
まるで記憶が無いんだが・・・・・」
シーツの中を覗くと、メアリーが寝息を立てていた。
「昨日の夜は、メアリーに天の川鉄道の夜と言う物語を聞かせていた。
が、其の後の記憶がまるで無いんだよね~何でだろう?」
横で、寝て居るメアリーを起こさない様に、
ベットから出ると、一階の食堂へ、まだ暗い事も有って、
皆、まだ寝ている様だ。
『昨夜も、遅く迄、宴会していたようだね~』
『いつの間にか、フレイヤ様も混じって居たみたいっスよ』
『あの女神様、忙しいって言ってたけど、本当かね~』
『う~ん、其れこそ、神のみが知るって、事っスかね~』
食堂に付くと、ポチの他に、五人のブラウニー達が、
朝ご飯んの用意に追われて居た。
「あっ、ますた~おはよう~」
「ご主人様、お早う御座います。
朝食はもう少しお待ち下さいね」
「お早う、ポチ、ブラウン、ブラウニーの皆」
「「「「お早うございま~す!」」」」
「ブラウン、朝ご飯じゃ無くて、朝日を見に、新聞じゃないよ、
浜辺に行こうと思ってね、コーヒーを入れて呉れないかい?」
「あ、はい、直ぐに、ご用意しますね」
「ありがと、ブラウン」
俺は、ブラウンがいれて呉れたコーヒーを片手に、
浜辺へと向かった。
別荘は、高台に建ててあるが、浜辺までの距離は、
ほんの10分ほど歩くと付く距離だ。まあ、殆どが階段だね、
まあ、嵐が来ても大丈夫だね。
ほんのりと明るく成って来た海は綺麗で、見ていて飽きない。
海も黒から、濃い青色に、段々と青が鮮やかに成って行く、
遠浅の海の沖の方で、白波が見えだした。
あそこに、サンゴ礁が群生して居るのだろう。
空に赤みが差してきた。もうすぐ太陽が顔を出すのであろう。
朝焼けが始まった。入道雲が真っ赤に色ずいて来た。
『綺麗だね~』
『綺麗っスね~』
『・・・・・・・・』
『・・・・・・・・』
俺とリリーは何もしゃべらずに、穏やかな時間の流れを、
肌で感じつつ、
ゆったりとした、時間を楽しんで居た。
「あっ、海鳥が飛んで居るね~」
『飛んで居るっスね~』
「・・・・・・・・」
『・・・・・・・・』
「あっ海から、何か飛び出して海鳥を食べた!」
『あ~シーサーペントっスね~』
「怖ぇ~」
『ま~バリアリーフの外側は、深場っスから』
「・・・・・・・・。」
『・・・・・・・・』
「戻ろうか?」
『そうっスね~』
俺が別荘に戻って、朝ご飯を食べて居ると、
「タカシ~今日は、何をして遊ぼうか~」
「ルビーはテンションが高いね~」
「だってほら、ずっと雨で退屈だったんだぜ~
折角、海水浴に来たんだしさ、
思い切り遊ばないと勿体ないじゃ無いか」
「ボクもその意見には賛成かな、
ずっと復興の手伝いしてたからさ、
やっと、軌道に乗ったと思ったら、今度は雨だろう?
結構、嫌気が指してたんだよね。
此処で海水浴に来たわけだからさ、
思いっ切り羽目を外すのも、良いかなって思うんだよね~」
「遊ぶのじゃ、遊ぶのじゃ~楽しいのじゃ~」
「ぼ、ボクも賛成なんだな、朝ご飯を食べたら遊ぶんだな、
北の大地じゃ、こんなに、日差しが浴びれ無いんだな」
「ま~うちは、南部でっさかい海にも面して居るのどすけど、
南大陸との海峡ですよって、海龍が邪魔で中々遊べまへんよってな~
こないな無人島で、バカンスや何て嬉しゅうおすえ~」
「「「「わく、わく、わくなの~」」」」
「そうなんだ~体力満載の皆は、どんどん遊んでね~
そうで無い娘達もそれなりに、楽しんでね~体力に合わせて」
「皆は~い!」皆
「タカシ~俺は、島の反対側に探検を兼ねて、
狩りに行って来るぜ~」
「ぽちもいく~」
「妾達も行くのじゃ~!」
「「「おお~(な、なんだな)(どすえ~)(ですわ~)」」」
「「「「私達も御供するの~」」」」
「うん、怪我の無い様にね~ブラウン、お弁当の用意頼むね、
皆、晩御飯迄には帰って来るんだよ~」
「えっ!タカシは来ないのかよ?」
「無理~攻撃力レベル1だよ~
死ぬよ、死んじゃうよ、ルビー達に付いて行ける訳無いじゃん」
「しょうが無ぇな~何でレベル1なんだよ!
あれぐらい悪魔を退治してんだから、普通に三百は越えてる筈だぜ~
まあ良いわ無理に連れて行って、
タカシに何か有ったら、サファイアに殴られそうだからな、
俺とサファイアが、ガチでやりあったらこんな島、
一たまりも無いだろうからな」
「良い心掛けだね、もしタカシ君に何か有ったら、
ボクも、絶対許さないだろうしね」
「怖ぇ~何か、リアルハルマゲドン宣言だよ~
まあ兎に角、怪我しない様にね、ルビー」
「何だ?」
「皆の引率、お願いするよ」
「おう、任せておきな。じゃあ、行って来るぜ」
「珍しい獲物頼むよ、行ってらっしゃい」
「探検組行って来ま~す(ぜ)(なのじゃ)(来るんだな)(おすえ~)
(わ~)(なの~)」探検組
ルビー達、探検組は朝ご飯を食べ終わると、
楽しそうに森へ向かって行った。
「タカシ君は、今日は、如何するの?」
「うん、昨日はしゃぎ過ぎたから、今日は大人しく、
ヤシの木陰でまったりと、過ごすつもりだよ。
サファイアは?」
「ボクはマリンと、環礁の所から、
シーサーペントを釣ろうかと思って居るんだけど、
タカシ君、釣り道具、買ってくれない?」
「良いけど、売ってるのか?そんなでっかい、釣り道具?」
ママゾンで調べたが、売って居無かった。
ママゾンも万能では無いのだ。
「売って無いね~まあ、クジラを釣るような、
釣り具って、聞いた事無いし」
「え~っ!そうなの~楽しみにしてたんだけどな~
タカシ君~何とかなんない~?」
「何とか成んない~?リリえも~ん。」
『誰が、リリえもんっスか~ま~良いでしょう。
私には、竜鱗繊維が有るっスから、
此れで糸は出来たっス~釣り針は、竜牙でOKっス
リールは、マグロ釣り用の大型の物を、更に大型に強靭な物にして、
ロッドは、竜鱗繊維で編み込んで、樹脂を流してっと、
超強靭なロッドっスね、
後、吊り上げ用のフックと銛っス。釣った獲物は逃がさないっス。
はい出来た。海竜でも吊り上げられるっス~』
「えっ、俺でも?」
『其れは無理っス、ダーリンの力では、
逆に食べられてしまうっス~サファイアやルビー専用っス』
「ですよね~え~分かって居ましたよ、分かって居ましたとも~」
「有難う、リリーちゃん、此れで大漁間違いなしだよ~」
「皆シーサーペントフィッシングって・・・・」皆
「ご主人様、マリンも頑張ります」
「マリンも釣るの?」
「いいえ、マリンはサファイア姉様の足場です。
粘る相手には電気ショックで、気絶させる役目です」
「足場って・・・・酷い・・・・まあマリン、頑張ってね」
「はいご主人様に、美味しい食材を提供する為に、
マリンは、頑張るのです!」
「健気な娘だよね~サファイアも、マリンに余り可愛そうな事は、
しちゃだめだよ」
「心外だな~タカシ君、此れは、
マリンの為でも有るんだよね~
マリン単体では、シーサーペントに勝つ事も、
吊り上げる事も出来ないからね~ボクと二人で、
ツーマンセルで、ポイントを稼いで居るんだよ」
「いや、ま~馬力は有りそうだけど、気が弱いからな~ま~程々にね~」
「「は~い」」
「所でサファイア様、
シーサーペントを狩りに行くので有りましたら、
是非、序でにパールシェルも狩って来て欲しいのですが?」
「何其れ?美味しいの?」
「はい、味も美味しいのですが時折、
中にパールが入って居る事が有ります。
数百に一つの確率の低い物では有りますが、
パールシェルは、シーサーペントの主食でして、
パールシェルの群生地に巣を良く作ります。
すなわち、シーサーペントの巣の周りには、
パールシェルが、沢山居る事が多いのです。
御存じの通り、人族は深い海には行く事が出来ません。
海のモンスターは強くて、大きいですから、
パールシェルでさえ、人より大きくて手が出せませんし、
ですから、時々出て来るパールは途轍もない価値が有ります。
真円で傷の無いパールであれば、
昔小国をも買えたと言う記述も有ると聞きました。
大型のモンスターが居無い浅瀬にも、
時々現れますが直ぐに狩られるので、
余りパールが見つかる事は殆ど有りませが、数百に一つ程度です。
其れに、殆どの物がいびつな形をしています。
砂浜に真円の物が、時々打ち揚げられる時が有りますが、
砂に削られて、傷だらけと成ります。
パールの優しい光沢は海の奇跡、
キングオブジュエリーとも言われて居ります。
此れだけ希少な事も有り、大貴族の女性や各王家の女性達の、
憧れの品でも有るそうです。
極稀にダンジョンなんかから出る事が有りますが、
此れだけ貴重な物なので、莫大な値段が付く事もざらですね、
国家間の戦争の火種になる事も、しばしばだそうです。
あの、強大なルグレス帝国の女帝でさえ、
いびつな形のパールのネックレスしか
持って居ないと聞きます。
まあ最も、女帝はまだ十五歳なので、
結婚迄には揃えたい様で、
オパールアゲハと、トパーズアゲハの、
絹織物と共に探して居る様ですね。
結婚の条件に成るとの、噂も有る位ですわ。
どれも、国の威信を示すには丁度良いですからね」
「う~ん・・・・」
「タカシ様なら、全部持って居そうですね。
如何です?女帝の奥さんなんか?」
「もう、お腹一杯です。御馳走様」
「皆ですよね~」皆
「まあ分かったよ、釣りに飽きたら探してみるね」
「はい、サファイア様、宜しくお願いしますね。
パールを手に入れる事が出来れば、
きっとタカシ様の役に立つと思いますので」
「えっ、アロマさんが欲しいんじゃないの?」
「欲しく無いと言えば、嘘に成りますが、
私達はタカシ様の配下、タカシ様が一番ですわ」
「そう言う事なので、主人よりタカシ様の方が大事なのです」
「お、お母様、其れは酷い・・・・」
「フランカさん其れ言っちゃお終い」
「まあタカシ君、其れじゃ行って来るね」
「ああサファイアとマリン、怪我しない様にね」
「はい、ご主人様、マリンは、頑張ります。
では、行って来ます」
「はい、行ってらっしゃい」
「「は~い」」
サファイアとマリンは、楽しそうに海岸へと歩いて行った。
えっ、餌は何だ?って、オークまるまる一匹だそうだ。
「豪快だね~じゃあ、
俺達もヤシの木陰でまったりとしようか?」
「皆は~い!」皆
俺達は思い思いに、トロピカルドリンクを飲み乍ら、
まったりと過して居た。ヤシの葉の間から時折、
きらきらと日差しがのぞいたりして、
暑くなると海に入って、体を冷やして、又ヤシの木陰に、
他の娘達も思い思いに、お喋りをしたり、
ママゾンで買った雑誌を見たり、雑誌はリリーが翻訳してくれて居る。
何か腐って居る薄い本を、凄い必死で読んで居るお姫様やら、
ポータブルゲームで、対戦して居るお姫様とか、
「何か、日本と変わらないよね~
顔かたちは白人の其れで、若いんだけどグラマーな娘が多いし、
何より皆、其々に可愛いんだよね、
おまけに気に入った人には、凄い肉食系だしね、
でも元々の衣服や何かは、色気無いんだけど、かぼちゃパンツ,ドロワーズだし、
裸見られても、平~気だしね~ま~嬉しいけど~
平和だね~・・・・
あっ、サファイアが、マリンの上で釣りしてる。
お~、オークを針に掛けた。口から針を通してるよ~
有り得ね~尻から針を出したよ~えげつな~
オークを振り回して、沖に向かって投げちゃったよ~
何か、ヒユ~ンって飛んでんだけど~ヒュ~ンって
ポチャンじゃ無くて~ザバ~ンって~
ザバ~ンって音が聞こえちゃったよ~
凄い力技なんですけど~、おっ!掛ったみたいだ。
シーサーペント、
ジャンプしてんですけど~20メートル位有るんですけど~
あっ!サファイアに襲い掛かった。
サファイアが銛を出した。突き刺すのか~突き刺すのか~
殴った~あっ~れ~?
其のまま、サンゴ礁の上で、シーサーペントが、ピクピクしてるわ~
あ~あ、オークでシーサーペントを釣っちゃったよ~凄げえな~
銛で、シーサーペント絞めてるよ~
あっ、ストレージに仕舞った。次のオークを出した。
おお~入れ食いだ~次々に釣りあげてるわ~爆釣だよ~
シーサーペントの知能って、魚位なのかね~」
凄い光景なのだけれど、飽きて来ると眠気が・・・・
いつの間にか、俺は、ヤシの木陰で眠って居た。