-83話ー コッサリア神国 バカンス 1
昨日はコッサリア神国の、二十人委員会の乱入で、
ひと月後にコッサリア神国での、
婚約の儀が決まってしまった。
「いや~昨日は参ったね~結局二十人委員会の人達、
ひと風呂浴びて、若返って大騒ぎしてたからね~
其の後宴会に成るし~大変だったわ~」
「そうですね~おばさん達、若返って、タカシ様に迫りまくるし、
本当に、参ってしまいました」
「旦那様が居られる方も居りましたのに、
一夫多妻が有るなら、
一妻多夫も有りだ~と騒いでおりましたね」
「いやいや、一夫多妻は男が異常に少ないからだったよね~
流石に、一妻多夫は問題でしょう?」
「「ですよね~」」
昨日の宴会の時に、酔った勢いで、
今日からコッサリア神国の海辺で、
海水浴ア~ンド、キャンプに行くって言って有るんだよね~
「皆、準備は出来たかな?」
「王様達、男連中は、居残りで仕事ですけどね~」
「まあ王都でも、管理職は大変忙しいですから」
「俺は雨季で、する事も無いからね~」
「「出来る事は、やっちゃいましたからね~」」
「まあ、取り敢えず朝ご飯、食べに行こうか」
「「は~い」」
今朝も、食堂は、賑わっている。
「あっ、旦那様お早う御座います。直ぐに朝食をお持ち致しますね」
「うん、ブラウン忙しくさせちゃって、御免ね~」
「いえいえ、お仕えする、ブラウニーの人数も増えて居りますので、
問題御座いません。ばっち来いです」
「そう言って貰えると助かるよ」
「いえいえ、此れも妻の務めです。あの~
私も婚約式楽しみに、して居りますので、ぽっ」
たたたたたたた~っと恥ずかしそうにブラウンが走り去って行った。
「う~ん、俺って、何人と婚約するのだろうか?」
「「さ~あ?」」
『ダーリン、大丈夫っス~私が管理して居るので、
ばっちりっス~任して置くっス~
ウェディングドレスも皆と打ち合わせ中っス~』
『うんリリー宜しく~って、俺のお婚約者さんって、何人居るの?』
『・・・・・・・・任せて置くっス~』
『分かって居ねえのかよ!』
「まっいっか、兎に角朝ご飯にしよ~っと」
「「「いっただきま~すっ」」」
「今日も朝定食は、ご飯、生卵、納豆、味噌汁、に、
焼き魚は、おっ、シャケだね~美味しそう~」
今朝もフレイヤ様と、其の一行は目立たない様に、
隅っこで、朝ご飯を食べて居た。
「納豆ご飯、美味ぇ~もう、最高~!!」
「スクルド、口の中が粘々で糸引いて居ますよ、
もう少し静かに頂きなさいな、ひっく」
「フレイヤ様~朝からお酒は飲まないで~!
スクルド~納豆を飛ばさないで~!女神の威厳が、女神の威厳が~!
あら此の焼き魚、美味しいですわね!もぐ、もぐ、もぐ」
「目立ってる~目立ってるよ~」
食後、美味しいデザートのフルーツ蜜豆を食べて居ると、
「タカシ様~お早う御座います!」
「え~っと・・・・誰?」
「もうアロマ、独身の十七歳ですわ、お忘れですの?」
「あ~って、独身って未亡人じゃん、十七歳って・・・・
二十歳の娘が居るじゃん、何時生んだのよ~?」
「もう、未亡人でも独身に違いありませんわ、アニーは私の妹って事で、
だって誰が見ても十七歳ですわ~!」
「お、お母様~!」
「・・・・ど、どっかの女神様と同じことを言って居る。
良いのだろうか?昨晩もきっちり、混ざってたし」
「其んな事よりよりタカシ様、
今日の海水浴用のエロイ水着と下着を、
ママゾンで買って有りますのよ、
三十二日間で金貨一枚と言う縛りはきついですが、
リリー様と相談して」
「え~っと~昨晩の宴会の後、帰ったのでは?」
「まさか~こんなに楽しい所、お家に帰りたくありませんわ、
出来たら、ずっと此処で暮らしたいですわ、
貴方のお・そ・ば・で・うふふふふ」
「お、お母様~!」
「アニー、騒がしいですね、貴方を立てて側室は諦めます。
でも愛人枠は譲れないわ、私はまだ若いし、
独り寝が寂しいのよ、分かって頂戴ね」
「お、男だったら少ないとは言え、公爵家の立場を持ってすれば、
幾らでもつばめを囲えるのでは?」
「あら、行けず後家だったアニタ様に言われたくは無いわね」
「だって、男は数が少ない上に、貴族の子弟はバカなくせに、
尊大で如何しようも無い奴ばっかりで」
「でしょう?タカシ様を知ってしまえば、
他の男なんて、鼻くそだわ、
ちょっと、良さげな男には、誰かの唾が付いて居るし
であれば、私が最高と思える殿方を、
持てる力の全てを使ってでも、GETするわ、
例えどんな手を使ってでもね、全てを捨ててでもよ、
私はもう、家の為の役目は果たしたのですもの、
残りの人生は、恋に生きるのよ~」
此の世界の女性はやはり、肉食系だった。
「タカシ様~寂しい夜は、何時でもウエルカムですわ~」
「そ、そんな事、リリー様がお許しに成りませんよ!」
「リリー様には、タカシ様が寂しいと仰る時は、OKっと、
許可を頂いて居ります。その代わりに、
側室に成るのは諦めたのですから」
「あ~っ、私の為じぁ無かったんだ~!」
「いえ、貴方の事も有って承知したのです。少しだけ、
タカシ様を悩殺出来る様に、
ママゾンで買った。はいれぐと言う水着。
此れで、勝負、致しますわ」
「ううっ、私はフリフリの可愛い系の水着だわ」
「ふっ、甘いわねアロマ」
「な、何を言って居るのフランカ貴方、御主人が居るでしょう」
「私、リリー様に聞いたのよ、主人が居る身で、
そんな事をするのは、不倫と言うそうよ、
とても、殿方が興奮するそうですよ~
此れは、大きなアドバンテージじゃないかしら、
今回の海水浴での秘密兵器!まいくろびきに!!
見えそうで見えないのが、そそるとリリー様に聞いたのよ!
タカシ様にだけ見せる水着!此れで勝負よ!」
「お、お母様~お父様に言いつけますわよ~!」
「ふ・ふ・ふ・ふ・構わないわよ~主人は、どうせ婿養子。
貴方が生まれた時点で、お役御免ですのよ!」
「お父様、種馬~!酷い~!」
「ポニー此れは弱肉強食なのよ、女はより良い血を残す為に、
悪魔にでも成れるものなのよ~」
「其れでは私が、タカシ様との子を残します。
お母様!お父様に酷い事をしないで!」
「ポニー、貴方では無理だわ、競争が激し過ぎます。しか~し
私のてくにっくを持ってすればきっと!」
「フランカ、てくにっくで如何にか成る方では無いですよ、タカシ様は」
「あら、年齢=彼氏居ない歴のアニタ様、其れは如何いう事ですの?
一度だけタカシ様に可愛がられたアニタ様?」
「まあ、確かにまだ、一度だけですけれどね、
タカシ様のてくにっくは、
私でも、もう、偉い事に成って仕舞いました。
150年間、聞き続けて来た。耳年増の私でも、
流石リリー様の・・・・薬です。
聞いた事の無いような、あんな事や、こんな事を、
フランカ貴方、向こう側を見た事が有りますか?
若干、十五歳であり乍らタカシ様は・・・・」
「・・・・ごっくん、私の主人は早いですから・・・・」
「いえ、早い遅いの問題では有りません
其処に至る迄に、異次元に飛んでしまうのですから・・・・」
「「そんなに凄いのですか?」」
「凄いのです」
「アニー」
「天界が見えました」
「「・・・・ごっくん・・・・」」
「本人が居る前で、そんな話はやめて欲しいのだが・・・・」
『で、リリー如何言う事なの~?異次元って~?天界って何?
アニタ様にそんな事をした記憶何て無いんですけど~』
『其れはダーリンの空耳っス~記憶が無いのがその証拠っス~
アニタちゃんの妄想っス~夢の出来事っス~』
『妄想か~じゃあ仕方ないね~』
『そう言う事っス~』
「「うん、うん」」
気を取り直して~
「じゃあ、皆~海水浴に行きますか~!」
「皆は~い、やんや、やんや~」皆
海水浴組は列を作って、コッサリア神国のアニタ邸へ、
「では、二十人委員会の殿方達、結婚の儀の準備をお願い致します」
「男え~っ!わしらも、ばかんすに行きたい~(でござる)」男
「「「結婚の儀の準備をお願い致しますわねっ!」」」
「男ひ~はいです~(でござる)」男
「では、タカシ様、海水浴に参りましょう」
「う~ん男は俺だけ?」
「はい、私達に水着と言う物は基本的に有りません。
男尊女卑ですから、
ま~下着ですね、色気の無いシャツと、
かぼちゃパンツ、ドロワーズですの、
其れが、行き成り、際どい水着・・・・
流石に、タカシ様以外の殿方に見せるのは、憚られますわ」
「えっ、俺なら良いの?」
「はい、其の気に成って頂けたら、儲け物ですわ」
「素っ裸でも構わないのですが、流石に引くでしょうし」
「それはまあ」
「見えそうで、見えないのが良いのだと、
リリー様にも聞いて居りますし」
やっぱり、此の世界の女性、物凄い肉食系だ!
「で、お願いなのですが、他の人が居無い海岸で、
海水浴がしたいのですけれども」
「何処っか静かで、良い場所有ります?」
「基本、砂漠沿いの海岸線に成りますが、
キャラバンが通るかもです~」
「お母様~何処っかの島が良い~」
「シーサーペントに襲われますよ」
「シーサーペントって?」
「はい、凶暴な海竜の一種ですね、とても大きいのですが、
海岸線から1キロ以内であれば、モンスター除けの結界柱が有るので、
シーサーペント程度のモンスターは来ないのですけれど、
其れを越えると、とても危険に成ります。
海岸線からは見えませんが、10キロ程沖合に無人島が有るのですが、
飛空艇でしか行けませんし、
ジャングルには危険なモンスターが跋扈して居りますし、
沖合にはシーサーペントの巣が有ると言う噂ですね。
ですから人は一人も居りません」
「良いね~無人島~お洒落だね~
青いサンゴ礁だね~じゃあそこでキャンプしようか~」
「皆は~い」皆
俺は、アニタ邸の泉の桟橋へ行くと、
黒竜号をストレージから出した。
早速クルーが乗船して、出発の準備に取り掛かった。
「タカシ様、此の飛空艇は?」
「ああ、俺の船、黒龍号だよ~」
「「「ス・テ・キ・私も欲しい!」」」
「軍事バランスが崩れるらしいから、ダ~メ
リリーに止められてんの、既に赤いバラ号が有るからね~」
「「「タカシ様のいけず~」」」
『リリー無人島の場所分る~?』
『は~いマイダーリン、此処から砂漠に向かって、
100キロ程行った沖合20キロの所に有るっス~
周囲約、20キロのバリアリーフに囲まれた無人島っスね~
熱帯性気候で、植物や果物が豊富っス~
島の中心に高い山が有って、水源も豊富っスね~
それだけに、モンスターも一杯居るっス~狩り放題っス~
海も遠浅で、星の砂っス~サンゴの周りには沢山の魚が居るっスね~
その為にシーサーペントの巣に成って居る様っス~
外周には、水竜が居るっスね~
此れじゃあ、船で渡るのは無理っぽいっス~
島内のモンスターと浅瀬のシーサーペントを狩れば、
楽しいキャンプが出来るっスね~
島迄の所要時間は、約二時間っス~』
「だって~皆~聞いた~?」
「皆は~い」皆
「じゃあ、出発しようか~」
「皆は~い」皆
俺達は、早速乗り込むと、出発した。
ずっと、内陸の空ばかり飛んで居た俺達にとって、
海岸線の上空千メートルからの景色は絶景で、
地平線の彼方迄広がる砂漠と、海岸線、
海は遠浅で、バリアリーフが続いて居る。
エメラルドグリーンの海には時折、
横帆船がゆっくりと進んで居る姿が、見受けられる。
更にその沖合には、
細長い蛇の様な物が海の中で蠢いて居るのが分かる。
此れが、シーサーペントなのだろう。でかい!
こんなのに、船が襲われれば、一発で沈められそうだ。
交易品の香辛料がバカ高いのが頷けると言う物だ。
命を削って運んで居るのである。高価に成るのが当然である。
「あの船、良く座礁し無いね~もう、
バリアリーフのすぐ傍を通って居るよ」
「そうですね~、あれよりも深い所には、
シーサーペントが居ますからね~」
「だから、
あれより大きな船は使え無いんですよね~危険で~」
「だよね~船よりの沖あい、
三キロ位の所にシーサーペント泳いで居るしね~」
「おっかね~気付かれたら、終わりですよね~」
「皆ですよね~」皆
「しかし、シーサーペントは、大きいですよね~」
「いや、海のモンスターの中では小さい方ですよ~
海竜や、グレートホエールや、サタンシャーク、にクラーケン、
果てには、リバイアサンなんてのも居ますからね~」
「海怖わ~!」
「海は広いですから、私達の知らないモンスターで一杯です」
黒竜号はやがて、沖合に向かって進みだした。
「おっ、島が見えて来たよ~」
「大っきな島ですね~」
「高い山が見えますね~」
「じゃあ~悪いんだけど、サファイヤ島のモンスター
狩ってくれる?」
「OK~じゃあタカシ君の魔力を借りるね~」
「は~い」
「海岸付近の魔獣検索、ヒット、殺処分、完了、ストレージに回収。
終わったよ、海岸付近の魔物は居なくなったよ、
森と山の奥地は手つかずにしといたよ」
「有難うサファイヤいつも仕事が速いね。」
黒竜号は、やがて、無人島の砂浜に着陸した。
と、言っても、船体を傷付けない様に少しだけ浮かんで居る。
タラップを降ろして、全員、砂浜に上陸すると、黒竜号を、
ストレージに仕舞った。
其処は見渡す限り、エメラルドブルーの海と、スカイブルーの空と、
真っ白な入道雲が湧きたつ別世界だった。
「さ~バカンスだ~!!」