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-80話ー 聖女アニタ様 帰国 1

犯罪奴隷の面談も、順調に進み、


2日目、470人、3日目450人、4日目、465人と成り、


社員は1835人と増えて行き、行き成りの大所帯だ。



現在は、各自の得意分野での研修を行っている。


ヤマダ大公領は広い。


日本で言うと和歌山県位、有るのだけれど、


彼らは領内で、三ヵ所ある屋敷と、城の管理、


農民は一か所に集めて農業、其れを警備する私兵。



山や谷も有るしね、魔物が湧く所も点在して居る。


原始の森に隣接して居るし、


街は、大小合わせて二十三か所もある。


領地を纏める代官も、


犯罪奴隷の中から選ぶ事に成るだろう。



今迄そうして来て居た高学歴の、


貴族も含まれて居るのだから、


支配階級の代官には、


其れなりの権威を与えなくては行けない。


犯罪奴隷と舐められるからね、その為の役職な訳だ。



俺が、会長で、下に社長、専務、常務、部長、次長、課長、係長、


主任、社員と、分ける予定だ。


此れで、俺直属の部下なのだと、印象ずける訳だ。



上手く行くかどうかは、蓋を開けてみないと分からないが、


上手く行けば、犯罪奴隷と言うハンデは克服出来るだろう。


もっとも実力が共わなければ、意味が無いのであるが、



まあ、雨季が明けて、各自の能力に合わせて選抜する予定だ。


領地内の直営の村と、農地は既に出来て居る。


住居に付いても既に出来て居る。社宅だな、



三食付きなので、寮官や、寮母も付けるつもりだ。


作付けは既に、米と、ジャガイモを植えて有る。後、野菜や何かは、


入植してから作付けして貰う予定である。


野菜とは別に果樹園も作った。ブドウ、モモ、みかん、ナシ等だ。


今はまだ無理だが酒造りにも挑戦しようと思う。



当面の食料に付いては、各地に設置して有る穀物サイロに、


麦と、米を大量に蓄えて居る。領都の城のサイロにもだ。


サイロは、厳重にし錠してあり、盗賊程度ではどうにもならない、


まあ現在、其の盗賊は居無いのだが、



「準備は万端だな~」



『そうっスね~』



『後、何かやり残して居る事って有るかな~』



『もう、気付いた時に、対応すれば良いんじゃ無いっスか~』



『ですよね~でも、入植人数が多いから心配なんだよね~』



『何を言って居るっス~何万人も何十万人も、


領民を増やして行く事に成るっス~そんな事で悩んで無いで、


ど~んと、構えるっス~どうせ、社長に丸投げっス~』



『だよね~でも、俺って元々小市民だし~


仕方が無いよね~』



『まあ、其処の所は私に任せて置くっス~


幹部社員はちゃんと教育して置くっス~


地上最強の幹部社員に育て上げるっス~』



『地上最強って・・・・まあ、程々にね』



『了解したっス~』



と、そうこうして居る内に雨季に突入した。


今日は此処、本拠地の湖からアニタ様御一行が、


コッサリア神国に帰国する日だ。



「アニタ様。道中の御無事を」



「はい旦那様、ぽっ、ルビー様が付けて下さった。


赤竜、エルダードラゴンのローズ様が居られるので、


問題ないでしょう」



そう、此の間、何時迄もサファイヤや、ルビーを


護衛に張り付けて置く訳にも行かなかったので、


サファイヤとルビーに頼んで、


飛空艇に守護竜を付けて貰った。



赤いバラ号には、赤竜、エルダードラゴンのローズ。


赤龍号には、赤竜、エルダードラゴンのチューリップ。


黒龍号には、黒竜、エルダードラゴンのブラックマンバ。



彼女達の報酬は、美味しいご飯と、名付けだ。


彼女達も又、エルダードラゴンと一括りで呼ばれて居たのだが、


自分だけの名前で呼ばれたいのだそうだ。



そして、名前で呼ばれると言う事は、ドラゴンにとっても、


大変名誉で有るのだと言って居た。


そして俺の弟子達の、ブラウニー達が作ったご飯を食べられる事だ。



ドラゴン達はとても長生きで頭が良い、寿命と言う物が無いし、


エルダードラゴンクラスに成るともはや、神に近い存在で、


魔力によって、体を維持している。



そう、食事をする必要が無いのだ。


もし、60メートルも有る巨大な竜が獲物を必要としたら、


近くの魔物は狩り尽くされる事に成るだろう。



其れで無くても竜は、大喰らいなのだ。


正に、生物の食物連鎖の頂点である。


女神達や妖精達と同じで、


エルダードラゴンにとって、食事は嗜好品なのだ。


生きる為に摂取する必要が無い訳だ。



だから、量よりも質が大切だ。


必要も無いのにくそ不味い物は、食べないのである。


気に入った物だけ食べるのだ。



逆に言うと、美味しい物は食べたいのである。


グルメな訳だな。


食べる量も、幾らでも入るのだけれど、


人化けする事で、程よい所でご馳走様も出来る訳だ。


そして、美味い酒も、大好きなのである。



「タカシ様、コッサリア神国に到着しましたら、


神殿内に有るアニタ様のお屋敷に、どこででもドア・・・・


食堂のドアを設置致しますので、遊びに来てください」



「ひっく、ひっく、ご主人様~帰りたく無いでござる~


もっと一緒に居て、かまって欲しいで御座るよ~


ひ~ひ~え~ん!」



「お~良し々、良い娘~良い娘~


雨季の間に一度遊びに行くから~良い娘でいるんだよ~


リニア、泣かない、泣かない」



「ふぅえ~ん約束で御座るよ~ひっく、ひっく」



「「良しっ偉いリニア!!」」



「タカシ様コッサリア神国は大陸の最南端に位置して居り、


雨季の間も、明け方に一時間程スコールが有るだけですので、


是非遊びに来てください。



神国の国境線は、約三分の一が海に面して居ります。


南大陸と向かい合う、広大な海岸線は危険な海峡ですが、


砂漠地帯に広がる海岸線は、美しい砂浜がずっと続いて居ります」



「ㇸ~セリカ艦長は、


物知りだね~砂浜でキャンプなんて良いよね~


楽しみ~で、何で、海峡が危険なの?」



「はい海峡の海は、流れが速く、崖の様に深く成って居て、


南大陸との距離自体は十キロ程なのですが、


海竜の巣に成って居りまして、


其れはもう、うじゃうじゃと」



「え~っそうなの~何でそんなにうじゃうじゃと?」



「はい、其れは、海龍の大好物のクラーケンと、


南北渡り大ガニの生息地だからです」



「え~っと、クラーケンはタコだったか、だったら、


カニは大好物だよね~で、其のクラーケンを海龍が捕食っと


食物連鎖が成り立って居るのか~」



「そうなんです。海峡の崖が巨大ガニや、車大海老の、


一大産卵場所で御座います」



「そんな危険な海、どうやって南大陸と交易して居るの?」



「空を飛ぶ亜人のお陰ですね、主に、有翼人ですが、


少し頭が悪くて、何でも3歩、歩くと忘れするそうです。


後は、獣魔術師が飼って居るハーピーですね、



ハーピーは魔物ですが、とても良く人に懐きます。


卵からかえった時に見た者を親だと思うのだそうですよ、


しかも、無精卵を良く生むので、重宝するのだとか」



「それじゃあ、交易量はたいして伸びないね」



「はい、香辛料が非常に高い要因の一つですね」



「砂漠地帯の海岸線は遠浅のバリアリーフが続いて居り、


一キロの沖合に魔物除けの杭を海底に打ち込んで有りますので、


弱い魔物は近づきません。


他国と海運の航路と成って居りますが、



常に座礁の危険も有る訳ですね、


そして最も怖いのが、海は広いので、


強力な魔物も又多いのです。小さな島位の亀とかいるし」



「それじゃ、海運なんて行えないのでは?」



「はい、勿論陸路も有るのですが、砂漠越えと、


山越えに成りますね。砂漠越えでは、国の九割が砂漠のハザード王国と、


同じく砂漠の国の、ソリア王国ですね、



コッサリア神国も又、国土の一割の広さに当たる砂漠が、


広がって居ます。


その他山越えが有りますが、此れが一番難しく、



国土の二割に当たるコンロン大山脈が立ち塞がって居ります。


山越えをすると、シュバイツ帝国の領土に入れるのですが、


難所続きと成るので、キャラバンを組んでの砂漠越えが陸路では


一番主流と成りますね、海路は、神都に一番近い砂漠の港の、


バイから、ナイロン大河を越えて、ナムール大河を目指して行きます。


一路ルグレス帝国を目指す訳ですね、



海流や季節の風によって、航行できない季節が有るので、


とても時間が掛かりますが、船が一番大量の交易品が運べますね、


まあ、そんな事情で、とても高く付く訳です。あ~長かった。」



「成程ね~長い話を有難う。アニーちゃん」



「いえ、旦那様の疑問に答えられて、嬉しいですわ」



「まあ、今迄の話で、交易路を整備出来れば、


香辛料を、結構お安く手に入れる事が出来る訳ですね」



「其の通りですね」



「食堂のドアさえあれば、世界のどの国の特産品をも、


手に入れる事が出来る訳だ。まあ、一度行かないといけないけれど


ママゾンが有る時点で必要無いのだが、お金も沢山有るし、


選択肢の一つとして覚えて置く位かな?」



「皆ですよね~」皆



「じゃあ、皆、気を付けてね~後、ローズ、宜しくね~」



「皆は~い!」皆



雨が降る中、アニタ様御一行は帰路に付いたのであった。


空路は、一部原始の森、南部大森林を通過する。


迂回しないので、ほぼ、一直線のルートだ。かなりの時短ルートである。



普通は、危険な原始の森の上空は飛ばないのだが、


原始の森の三大妖精女王により、


俺の身内の者は通過OKと成って居る。


更に強力な守護竜が付いている訳で、過剰戦力な・・・・



「さて、こうしてアニタ様御一行が帰った訳だが、


此の雨季の暇な時間をどうしよう、将棋でもするかな?」



「ヤマダ様将棋とは?」



「う~ん、ボードゲームの一種~?」



「ボードゲームの一種とは?」



「其処から~」



俺は、ママゾンで買った将棋盤と将棋を王様に教え始めた。


此の世界には、ボードゲームが無かったのだ。



「う~む、中々に奥の深い遊びで御座いますな」



「でしょう」



そして、王様は中々強かった。



「うっ、其の手は、ちょつと止まった!」



「ヤマダ様もう三度目で御座いますぞ、もう諦めなされ」



「うっう~参りました」



「兄上、次は、私と勝負です!」



傍で見て居たジョンさんが、王様に勝負を挑みだした。



「ヤマダ様、此の将棋と言うゲームはとても面白いですな」



「でしょう、王様、帰りに持って行きます~?」



「是非に!」



「あの~私も宜しいでしょうか?」



「「「あの~私も~」」」



男性陣は、何か琴線に触れた様で皆、将棋を欲しがったので、


人数分ママゾンで買って渡すと、皆、夢中に成って、


将棋を指し始めるのであった。俺を含めて、



「タカシ様~私達はお風呂に行って来ますね~」



女性陣は、最初は興味ありげに、見て居たのだが既に飽きた様で、


其々に散って行くのであった。


そして、長く、退屈な雨の季節を迎えるのであった。

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