-79話ー 犯罪奴隷 3
犯罪奴隷を面談して一日目、
500人中、450人を雇用した。
俺は其の450人を引き連れ、
応援に来てくれた黒龍騎士達と王城へ、
俺が馬車から降りて歩くのは問題が有るので、
馬車の後ろを五百人程の列が出来ている。
「目立つ!」
「仕方が有りませんね」
「早速、明日から本拠地での研修を行いますので」
「ですよね~人権が有るからと言って、今の状況で、
三食は食べさせてもらって無いでしょうし、
服も着たきり雀だしね~
うちに就職するからには、福利厚生は手厚くと言うのが、
俺のもっとうです。
今日中に本拠地に宿舎と研修施設を作ります」
「「「「おお~パチパチ~」」」」
「ヤマダ様、既に彼らは奴隷商人により、奴隷紋を付けられて居り、
人権は、剥奪されて居ります。
殺されても文句が言えない立場と成って居り、
食事なんかも規定道理に、日に一度、
黒パンとスープと成って居りますが、
牢番達は、ヤマダ様の奴隷になるかも知れないと、
大変に気を使って居ると聞き及んで居ります。
売れ残った者達も王国の人間が激減した事も有り、
王国から酷い事はしない様にと、触れが出て居ります」
「へえ~もう、奴隷商人なんかが入って来て居るんだね~」
「はい、胡散臭い奴隷商人とは違い、
王国が認めた奴隷商人達で御座います。
其れと、被害の無かった大貴族や貴族達、大商人や、商人達も、
続々と王都に集まって来て居ります」
「へ~其れは凄いね~」
「そうですね~貴族達は、中央の大貴族が壊滅したので、
後釜や、次男、三男等は、空白に成った領地を求めて、
目端の利く商人達は、
物資の不足した王都での大商いを目指して」
「活気が出そうですね~」
「物と金が動けば人も動く事と成りましょう。
王都は今ヤマダ様のお陰で、有り得ない程のスピードで、
復興して居ります」
「まあ、俺は、お手伝いしただけなのですがね、
宰相のジョンさん以下、重鎮達の頑張りでしょう。
マリー、エメルダ、フーちゃん。
王宮に付いたら、社員達皆、
スパリゾートの薬湯に入れて上げて、
元気に働いて貰わないとね、其の後、
大宴会場で、食事と説明会するからね、
押し込めば500人位なら入れると思うから」
「「「は~い」」」
「ほ~其れは、何とも羨ましい限りですな~」
「えっ?羨ましいの?」
「御存じないので御座いますか?」
「何?」
「ヤマダ様の若返りの魔法と、女神様も驚く至福の料理の数々。
貴族や家臣の間で、噂に成って居りますぞ?」
「えっ、そうなの~?口止めして有るんだけどな~」
「そうなんですか?しかし、国王陛下以下、王族様方の若返り。
其れに、宮廷でお食事なさいませんので、バレバレで御座いますよ」
「え~そうなんだ~まあ良いけど~
じゃ、ジョジョさんもお風呂、入ってく~?」
「宜しいので御座いますか?」
「ん、良いよ~面談の期間だけ、新入社員の引率って事で」
「有難う御座います」
「その代わり他言無用で」
「委細承知!」
『ダ~リン』
『ん、リリー何~?』
『どうせバレてんならスパリゾートを利用するっス』
『どう利用するの~?』
『王国に貢献の有った貴族10家、及び民間から10家を、
年末にスパリゾート、温泉パーティを開いて招待するっス~
大宴会場なら余裕っス~』
『おっ、良いね~有力貴族や、大商人の協力を得られれば、
更に復興が早まるね~』
『早速、ジョニーとジョンに伝えるっス~』
『『オッケーで御座います!』』
『返事、早やっ!』
『はい、毎日王都に入った貴族や商人達が、
謁見の時に、何処から聞き付けたのか、
タカシ様との面談を求められて困って居りました』
『私の方も大貴族や、貴族、大商人と、協力は惜しまないから、
食わせろ、食わせろと其れはもう。
領地を呉れと言って来るのと同じ位に
人口も減って、
少ないのに何言ってんだ~こいつはと、思うのですが』
『まあ農地、開発しましたからね~直ぐに作付け出来る位に~
農家の次男、三男が直ぐに独り立ち出来ますからね~
領地は固定なので、今の内に確保しておきたいのでしょう』
『そうですな~余り大貴族に力を与え過ぎては成りませんが、
分けねば成らないでしょう。
其の分王家の直轄領も増やさねばなりませんが』
王城に戻ると、マリー、エメルダ、フノス、ジョジョさんに
引率をして貰って、スパリゾートへ、ジョジョさんは初めてなので、
ブラウニーについて貰って居るのだが、
俺は、皆が入浴中に、本拠地、原始の森の拠点に戻って、
宿舎の建設だ、各個室にすると、一時入居なので、
規模が大きく成り過ぎるので、カプセルホテル形式にした。
ちゃちゃっと建てて、スパリゾートに戻り大宴会場に行くと、
ブラウニー達が準備を終えて居り、暫くすると、
新入社員がぞろぞろと入って来た。
薬湯の効果で、色んな年代の人が居たのだが、
一律に、15歳から二十歳位の体力や、
容姿が一番充実して居た年代に若返って居る。
「ヤマダ様、スパリゾートの効果は凄いですな」
「ビックリしたでしょう」
「其れはもう!」
40歳位のジョジョさんは18歳位に若返って居た。
女性達は全員、大宴会場に入る時に、ジャージの裾を摘まんで、
挨拶をすると、口々にお礼を述べていた。
もう、誰が誰だか分んない、が、一人だけ分かった。
「お~っほほほほ~タカシ様~
私のお婿さんにして差し上げますわ~
お~っほほほ~」
と、8歳位の少女がのたまって居た。
元セブンススター家の、悪役令嬢であった、リーュウだ。
「う~ん、精神年齢の歳になるのかね~?」
リーュウは、若返った妹達に引きずられて行った。
男達は跪いて、臣下の礼を取って居た。
「ヤマダ様、一から人生の、やり直しが出来ます。
我ら、此の命を持ってお使いさせて頂きます」
「う~ん、ハリヤーさんですね、宜しくね~」
「はっ!」
「ヤマダ殿~我が主よ、何でもお命じ下され~!
ハ~ハハハハハ~!」
「此のうざさは、ハウルだね~宜しく」
ハウルも10歳位に迄若返って居た。
「うん、やっぱり、精神年齢に比例するんだわ~」
皆が席に付くと、
「お腹減ってるよね~」
「皆は~い!」皆
「食べ乍らで良いから聞いてね~」
「皆は~い!」皆
「皆・・・・・・・・」皆
皆、一心不乱にご飯を食べ始めた。誰も一言も発しない。
今日の晩御飯は、筑前煮定食だ。俺は舞台に上がると、
「今日から、君達は有限会社ヤマダ大公に入社しました。
我が社は、透明性のある前途有望な会社ですので、
しっかりとした社員待遇と、より良い暮らしを目指して居ります。
君達はご存じの通り、悪魔による大虐殺の近親者と、
其の家で働いて居たと言う事で、
王国の法により犯罪奴隷と成って仕舞いました。
残念な事では有りますが、
此れが今現在の君達の状況です。
普通の鉱山や、プランテーションでは、恐らく普通に働いている人達に、
犯罪奴隷として差別される危険が有る事はご承知の通りです。
で、そうならない様に俺の直属の社員として雇用する事にしました。
農業をして貰う者も、差別されない様に俺が、直接雇用して、
かたまって働いて頂きます。今日の面接で落ちた人は、
能力的に問題のある人や、素行の悪い人で、
残念乍ら、我が社では雇う事が出来ませんでした。
君達には、領地運営に協力して貰いますが、
もし君達の中で、素行の悪い者が居れば、
退職して貰う可能性も有りますので、
其処は十分に配慮して、領地の発展の為に努力して下さい。
さて君達の給金に付いてでありますが、
犯罪奴隷と、普通の社員との差別化を計らねばならず
ハッキリ言って、安いです。
一般社員に付きましては、月換算での支給と成ります。
1週間が7日、ひと月が32日、一年が、14か月と成ります。
7日の内、5日働いて貰います。残り2日が休日と成ります。
給金は、15日締め切りの25日支払いとします。
で給金の方は、ひと月に銀貨一枚です。
そして、年二回のボーナスを支給します。
夏のボーナスは、銀貨4枚、冬のボーナスが、
銀貨4枚と、大銅貨2枚です。
休みは、週休二日と、夏に一週間、冬に正月休みを一週間です。
休みに付いては、給料から日割り計算で、削除します。
有給に付きましては、入社3か月後に20日間。
一年毎に一日追加しますが、新しく20日間更新されると、
前の年の有給は消えますので、更新される前には、
使い切って置いて下さい。
労働時間は、基本明るくなってから、日が沈むまでです。
休憩は昼に1時間、3時に15分休憩とします。
事務職に付いては、其の日の仕事が終わるまでとします。
職種と各役職に付いては、明日からの研修で決めるので、
我こそはと思う人は頑張って良い職種に就いて下さいね、
重要な職種には、給金も上がって行きます。
有限会社ヤマダ大公は、実力至上主義なのです。
生まれは関係有りません。どんどん這い上がって行って下さい。
犯罪奴隷は王国政府の許可が無い限り、死ぬ迄付いて来ますが、
優秀な人は俺から王国に働きかけて、犯罪奴隷から奴隷、一般人の所、
一足飛びに、一般人に成れる様に働き掛けますので、頑張って下さい。
一般人に戻れたら、給金も上がりますので、
希望を持って、頑張って下さいね~」
「皆お~!!」皆
450人が一斉に叫んだ。凄い迫力だ。
舞台が揺れている。既に晩御飯は食べ終わって居た様だ。
「さて、今から本拠地の寮に行きますが、本拠地には、
寮官が居ますので、部屋番と鍵を受け取って下さいね、
カプセルホテルの小さな部屋ですが、
着替えも用意してあります。
仮住まいなので、我慢して下さいね、
明日から、研修に入りますので、今日は、
今迄の疲れを取る為にも、早めに就寝して下さい」
「皆は~い!」皆
人権を持たない犯罪奴隷に落とされた彼等は、
自分の努力次第で、
一般人に戻れると言うチャンスを与えられて、
さらに努力すれば、其れ以上も有り得る。
突出した存在の英雄、ヤマダタカシの家臣なのだと、
明日への希望、そして何よりも、
自分の希望を捨てずに済む、若い体を得て燃えていた。
「いや~ブラウニー達を増員して置いてくれて、
ホントに良かったよ~
有難う、ティンク、オパール、エメラルド」
「うん、恋人の務めなのじゃ、
(務めなんだな~)(務めどすえ~)」
「はい~今日も~お勤め~ご苦労~様~」
「おう、そんな事よりも飲もうぜ~」
「そうだね~飲もうか~」
「「「は~い」」」
「まあ、明日も有るから、程々にね、」
「皆カンパ~イ~(なのじゃ~)(だぜ~)(だよね~)
(ですわ~)(な、なんだな~)(どすえ~)」皆
「タカシ様、今夜は、ギターの弾き語りが聞きたいですわ」
「おっ、良い事言うね~メアリー」
「うん、ぼくも聞きたいや~」
「「「私達も~」」」
「拙者も聞きたいで御座る」
「うんじゃあ、歌いますか~」
「皆は~いっ(なのじゃ~)(だぜ~)(だよね~)
(ですわ~)(な、なんだな~)(どすえ~)」皆
何時もの面子に、王族シスターズ、コッサリアシスターズ
フレイヤシスターズが加わった飲み会が最近の標準であった。
此の所忙しさも山を越えて来たからね、
「王様」
「何で御座いますかな、タカシ様」
「黒竜、赤竜の騎士達の方はどんな感じですか?」
「うむ、ヘンリーどんな感じだ?」
「はい、兄上、サファイヤ様、ルビー様、ジュエリー様の
手ほどきも有り順調に武術の習得に励んでおり、
既に型も叩き込んで居りますれば、そろそろ良いかと」
「うん、良いね~雨季が終わる迄は、
其のまま、型稽古と乱取りで、経験値を上げましょう。
雨季が終わったら、マリー、エメルダ、サファイヤ、ルビー、
とジュエリーお願いするね」
「眷属は~い、お任せください(任せてよ~)
(任せな~)(任せて~下さい~まし~)」
「はい、任せた!」