-77話ー 犯罪奴隷 面接1
ピピピピピピピ・・・・・・・・
『ダーリン、もう直ぐ明るく成るっスよ~
そろそろ起きて欲しいっス~』
「う~んんっ!ふう~良く寝た~
あっれ~又シーツが膨らんでるよ~」
シーツの中を覗くと、
聖女アニタ様が寝息を立てていた。何で全裸なんですか?
『リリー全裸のアニタ様が隣で寝てんだけれど、どうなってんの?』
『さ~どうなってんでしょかね~っス、
寝ぼけてトイレに行った時に迷い込んだんじゃないっスか~』
『そっか~迷い込んだのなら仕方ないよね~』
『そうっスよ~細かいことは気にしないス~』
『は~い』
『あっそうそう、竜牙剣や竜牙魔剣なんかの
竜の素材の武器の下の素材を使った武器、何か無い~?』
『有るっスよ~竜の素材のモンキーバージョンっス~
亜竜牙剣千振り、亜竜牙魔剣千振り、亜竜鱗剣千振り、亜竜骨剣千振り、
亜竜鱗鎧三千組、亜竜骨鎧五千組っスね~
此れは、竜種の幼竜や邪竜、ヒュドラにワイバーン、ナーガ、
なんかの亜竜の素材で作って有るっス。
竜、ドラゴンの素材には遠く及ばないッスけど、
その次に強力な素材っス。
強度はまちまちっスが、量はタップリ有るっス。
ダーリンの軍団の標準装備にすると良いっス。
追加で幾らでも作るっスよ~
まあ、あれっス石器の槍は、青銅の剣に負けて、
青銅の剣は鉄の剣に負ける。
まあ、こんな理屈っスね~
後は、そうっスね~
竜は千年に一度歯が生え変わるんっスけど~
サファイヤと、ルビーの寝床から、
生え変わって抜けた歯を回収して
加工して神竜剣と、神竜魔剣を十振りづつ作って有るっス。
神器っスね~』
『神器って、まあ良いや、側近に配っといて~』
『は~いっス~』
神器ってこんな扱いで良いのだろうか?
リリーの作刀する竜牙剣等は、日本刀と同じ作りで、
何重にも打ち返した竜骨に芯に成る牙を挟んで、
全てを穿つ牙と、頑丈で、粘りのある骨で巻かれて居る。
しかも軽くて、魔力を良く通すので、魔剣にはもってこいだ。
しかも、リリーにしか作れない。
分解と、錬成のスキルが必要で、何方もユニークスキルで、
此の世界の人間には無いと言う事だ。
だからこその、英雄級であり伝説級、神話級、神器なのだ。
と、一つ間違い。後一人分解と錬成スキルを持つ者がいる。
メタルスライムのポチだ。
ポチはスライムの属性スキルである暴食で、
素材を飲み込むと、素材を分解して、物を錬成する
分解と錬成のスキルを持って居た。
対象物を飲み込むと、コピーのスキルで、
同じ物を作り出す事が出来る。簡単に言うと、
竜牙剣を飲み込めば竜牙剣をコピー出来るのだ。
まあ、竜の素材が居るのだが、
素材を飲み込めば、錬成できるし、
物を飲み込めばコピー出来るのだ。
ポチは、宴会の時に俺を飲み込んで居るので、
俺の能力もコピーして居る。
その為に、コピー劣化リリーを持っている。更に、
俺の従魔なので、分割リリーも持って居る。ツインリリーだな。
凄くうるさそうだが、
コピー劣化リリーは、ユグドラシルとは繋がって居無いので、
元祖リリーより能力はかなり落ちるが、
分割リリーは限定では有るが、ユグドラシルと繋がって居る。
しかも、劣化リリーと本家リリーは仲が良いらしい
当然、分割リリーとも仲が良い。
リリーは今ポチの中に有る亜空間と言う所に、疑似神界と、
ユグドラシル(世界樹)の小さな苗を作れるか研究中だそうだ。
もし出来たら、新たな神界を造るそうだ。壮大だね~
ツインリリーの計算能力は元祖リリーの上を行くらしく
不可能では無いらしい、が、結果が出るのはだいぶ先らしい。
神様に怒られないかね~?
その他、俺の家族の皆は一度は飲み込まれて居るので、
皆の能力を、ポチは手に入れている。
サファイヤに言わせれば、俺の配下や従魔の中では、
ポチが最強なのでは無いだろうかと言って居た。
「う~ん、勇者で魔王なポチ・・・・凄いな、可愛いし、
其のポチが俺の護衛なんだよな~無敵じゃね?チートだよね。」
まあ、奢りは禁物なのだが‥‥
俺は、昨夜寝ぼけて此処に来ていると言うアニタ様を起こさない様に
ベットから出るとスパリゾートへ、ひと風呂浴びてから、
風呂場で合流した、マリーとエメルダと一緒に食堂へ、
そして何故か、毎日食事をしに来る、王族の配下の皆さんや、
王国の重鎮、魔導士、竜騎士の配下の皆さんは、
家族ずれで、毎食、食べに来ているのだが、何でと聞くと、
「配下美味しいからで~すと」配下
元気に答えられてしまった。
良いんだけどね別に、分体のリリー達から、
此れ以上余り増やさない様に釘だけは指して貰っている。
此のままだと飽和状態になりかね無いしね、
流石に自分が食べれ無く成るのは困るらしく、
直ぐに、受け入れられた。まあ、あれだ。
食堂の料理は、宮廷の料理を軽く凌駕してしまって居るそうだ。
食後のデザートの、ゆずジェラートの大盛りを食べ乍ら、
時間をつぶして、
「今日も窓の向こうは、海だね~朝のピアノジャズが良いね~」
「「はい、そうですね、心が落ち着きますね、」」
炊き出しに向かう前にアニタ様が俺の所に来て、
ほっぺたにキスをすると、
「タカシ様、昨夜は素敵でした・・・・ぽっ・・」
「へっ?」
俺何か素敵と思われる様な事したっけ?
まあいいや、
そう思って居てくれて居るなら其れに越した事は無いよね
アニタ様は、
雨季には一度コッサリア神国に帰らなければならないので、
機嫌よく帰ってくれるが一番だよね、
アニタ様はリリーに難民救済の手伝いの依頼を受けた時に、
リリーに報酬をねだったらしい。
其の報酬と言うのが俺との1日デートなのだそうだ。
可愛いよね。リリーも快く了解したらしい
そしたらアニタ様は、即答で納得してくれたらしい・・・・
日程はリリーが調整中なんだとか、
何でも他の眷属、従魔の了解も得ているとの事
他の娘達の了解っているの~?
今日は、デートも兼ねてフーちゃんと、仮設の監獄へ
使える犯罪奴隷の購入に行く予定だ。
デートのコースじゃ無いよね~まっ良いけど
時間も良さげだし
「フーちゃんそろそろ行こうか?」
「はーい」
俺達は、王宮の屋敷に出ると、王城へ行った。
王城では、宰相のジョンさんが出迎えてくれて、
「タカシ様、馬車の用意と、此のジョジョ管理官が案内致します。
ジョジョ頼んだぞ!」
「ははっ!ヤマダ、タカシ大公閣下。
案内させて頂くジョジョと申します。
今日一日宜しくお願い致します」
「ジョジョさん此方こそよろしくお願いしますね」
「では、此の馬車にお乗りください」
「えっ、歩いて行っちゃあダメなの?デートだし、」
「歩いて行くなどもっての外で御座います。
気付いた、市民に揉みくちゃにされます。
其れに、領地欲しさに集まった
貴族達にも揉みくちゃにされる事、必死で御座います」
「そういやそうだった。
王宮にその為に屋敷を構えたんだったわ。
ジョジョさん宜しくお願いしますね」
俺、フーちゃん、マリーとエメルダ、ジョジョさんと、
馬車に乗り込むと、前後左右を黒竜騎士に守られて出発した。
馬車で、10分位走ると、柵で囲まれた臨時の監獄に到着した。
ワンルームの仮設住宅を回収した建て物で、
中から出られない様にされ、
ベランダからも出る事が出来ない様に改修されて居る。
俺達は、1階のフロアに用意された、長テーブルの所へ行き、
椅子に着席すると、ジョジョさんは、
「看守長、早速始めてくれ」
「ははっ、ジョジョ管理官閣下!」
看守長は早速、2階に続く階段を駆け上って行った。
「ジョジョさん、看守達は、自分の立場を悪用して、
あんな事や、こんな事はして居無いでしょうね」
「はい?あんな事やこんな事とは何で御座いましょう?
看守達は先の悪魔の軍団に家族を惨殺された者も多く居り、
囚人達を恨んでは居りますが、
ヤマダ様の悪魔討伐、外国の主犯と、其の一味の討伐と殲滅。
王都内の協力者の捕縛と後の処刑。
民を飢えさせない為の救済政策。
王城、王都、王国の復興の奇跡。
看守を含めて、
王都の民はヤマダ様が否と言う事は誰もしません。
ヤマダ様が死ねと仰ったら死ぬ者は多く居るでしょう。
其れをあんな事やこんな事等と、
看守が聞いたら自害しかねません!」
「・・・・ご、御免なさい・・・・」
「いえ、申し訳御座いません。私ごときが言い過ぎました。
ヨシュア王国は、大きく傷付きましたが、
ヤマダ様と王家を中心に一つに纏まって居ります。
特に王都の民は生きている事自体が奇跡なのです。
私達はヤマダ様、国王陛下の為であれば、
何でもする覚悟が有ります。
其れほどに信じて居るので御座います」
「ホント、御免なさい・・・・」
暫くして、二人の女性が降りて来た。
「ヤマダ様此方は、前王国宰相の妻と娘と成ります
お二人共、挨拶を」
「私は、事件の首謀者のジョゼフの妻でロゼッタと申します。
此度は、我が主人が王族の方々、
王国の民の皆様に許されざる行いをした事、
心からお詫び申し上げます。
そして、主人に平穏を与えて頂いた
ヤマダ様にお礼を申し上げます。
私達母娘は、ジョゼフの家族で御座いますので、
極刑で構いません。
出来のであれば、
屋敷の下働きの者達は何も知らない被害者で御座います。
何卒、お慈悲をお願い申し上げます」
「う~んそうですね、貴方方の能力次第ですかね~
関係者の皆さんが被害者である事も十分に考慮しますので・・・
で、ロゼッタさんはどんな
能力が有りますか?アピールしてみて下さい」
「はい、私は幼い頃より
王族に嫁ぐ事が決まって居りましたので、
読み書きそろばんは元より、主人が留守の間の領地管理、
部下や、頼子の貴族管理と
王室や中央貴族の情報管理なども習って居ります。
領地は既に全滅して居ると伺いましたので、
管理する土地は既に無いのですけれど」
「はい、中々に優秀ですね。
で、娘さんは何が出来ますか?」
「申し遅れました。私は、事件の首謀者のジョゼフの娘で、
フラワーと申します。あの事件で、お父様や家臣達に母と共に、
蹂躙され続けまして、死んでしまいたいのですが、
下働きの者達に申し訳なくて生き恥をさらして居ります。
下働きの女達もお父様や、家臣に毎日、
私達と共に蹂躙されて居たので、申し訳なくて・・・・」
「自分達が晒される事で、下働きの者達への憎悪を、
逸らしたいのですね。で、能力は?」
「あっ、申し訳御座いません。
私は、主に屋敷の管理をして居りました」
「はい、屋敷の管理ですね。
所で母娘共に父親や配下に蹂躙されて居たと言うのは?」
「はい、其れは・・・・」
ロゼッタさんがフラワーに目配せをしていた。
「其れは私共、母娘が不徳と致す所で御座います」
「ふ~ん、下働きの人達助けたいんだよね~話によっては、
犯罪奴隷は免れないけど、
厳しい物に成らない様には出来るけれど?如何します~」
「・・・・はい、では、申し上げます。
ジョゼフ、主人は、
他の御兄弟の様な突出した能力は有りませんでしたが、
温和で優しい方でした。側室も娶らず、
私が女の子しか産めなかったのにですが、婿養子を貰うと言って、
あれは、半年ほど前の事で御座いました。食事をしていたら、
主人が行き成り苦しみだして、フラワーを蹂躙し始めました。
妻である私の目の前でです、家来達も苦しみだして、
私や、下働きの女達を蹂躙し始めたのです。
主人は、私が蹂躙されて居るのを見て、
笑い乍らフラワーを蹂躙して居りました。
其の地獄は、王都陥落の日まで続きました」
「侍従長のジョニーが、
泣き乍ら主人を止めようとしたのですが、
主人は侍従長を裸にして、縛り上げて、家来が蹂躙して居た
侍従長の娘を、侍従長の目の前で笑い乍ら蹂躙したのです。
私達二人は家族です。
例え不本意であっても仕方無いと諦めますが、
侍従長や、女達に申し訳無くて・・・・」
「きっついですね~此れは、・・分かりました。
貴方方二人には、私の領地、元ジョゼフ辺境伯領の管理を任せます。
今は誰も居無いですけどね」
「か、管理って、私達は犯罪奴隷です。頼子の貴族や、
町民、農民、誰も従ってはくれません」
「従う者しか領内に入れないので、其れは安心して下さい
看守長さん悪いけど、侍従長と、その娘さん連れて来て呉れる~」
「はっ!承知致しました!」
看守長は直ぐに階段を上って行った。
俺は、二人の母娘を椅子に座らせる。
暫くしてから、壮年のおっさんと、
行き遅れと思しき女性が連れて来られた。
と、おっさんと、娘は二人の母娘の足に縋り付いて、
「奥方様申し訳御座いません!」
「お嬢様!申し訳御座いません!」
と、大泣きし出した。
「何を申されますの、私達が不甲斐無いばかりに、
皆を酷い目に合わせてしまったのに」
「何を仰います。私がお館様を止める事が出来なかったばかりに、
奥方様や、お嬢様をあんな酷い事に巻き込んでしまい、
申し訳御座いません!」
四人は、泣き乍ら、抱き合って泣いて居た。
「ちょいと、セバスチャン一寸良いですか?」
「えっ?セバスチャン?私はジョニー・・・
はい救世主様。何でもお言いつけ下さい。
私共はどんな罰でも受けます。
何卒お二方には寛大な処置を!」
「いや、犯罪奴隷はもう決定してるからね、
所で相談だけど、
下働きの者で此の二人を恨んでいる人居る?」
「居る訳が御座いません!
お館様が、悪魔に憑依されて居るのに、
何とか私共を助けようと、お二人共酷い事に成って居るのに、
私共は酷い事をされ乍らも、其の事を見て居ります。
ましてや、お館様に取り付いた悪魔の為に、
あの、お優しかったお館様が・・・・」
「で、下働きの人何人居るの?」
「はい、六十人居りましたが既に十人死亡して、
五十人と成ります」
「じゃあ皆、俺の所の屋敷で働いてもらうのだけども良い?
勿論、此の二人を代官にするけどね、
その代わり犯罪奴隷だけど、ジョニーさん」
「はい」
「早速、下働きメンバーは、仕事を覚えて欲しいから
連れて帰って良い?」
「勿論で御座います。」
「じゃあ、セバスチャン其の辺で控えて居て」
「ははっ!ヤマダ様、今日から私はセバスチャンと改名致します」
「お、おお父様・・・・」