-75話ー 自転車
エスカルの街での仕事が終了して、一路王都へ、
「暇だ~俺は飛空艇のクルーじゃ無いからな~するが事無いわ~」
「ではタカシ様、暇な今の内に、
フレイヤ様にお願いされて居た買い物をされては如何ですか?
他の皆も楽しみにして居る事ですし」
「えっ!そうなの?」
「皆はい!!『はい!!』」皆
又、念話でも返事されてしまった。
「皆、何時も俺の話聞いてる訳~?」
「皆は~い!『は~い!』」皆
う~ん、元気良く返事されてしまったわ~
「艦長お言葉に甘えて、買い物でもしますね~」
「皆やった~!『やった~!』」皆
「はい、はい、楽しみにしててね~」
ほんじゃあ、ママゾンに接続してっと、
え~っと、SH-5の、ん~と、乳液?何其れ?
「あはははは・・・・分んないや~
リリーお願い出来る~?」
『は~い、了解っス~女性の場合は、基礎化粧が大事っス~
肌が荒れて居たのでは、化粧の乗りも悪く成るっス~
お風呂の液体ソープや、シャンプー、リンス迄、お肌に優しい
オーガニック素材で、弱酸性の物を使用して居るっス~
決してオーガを使って居る訳ではないっス~
此処は譲れないっス~その次に香りっスね~
湯上りのシャンプーと石鹸の香りは、
男共を発情させる武器っスからね~』
「武器なんだ~ま~確かに風呂上がりの女子の香りって、
何か良いけど~」
「皆そうなんだ~『そうなんだ~』」皆
「リリー様、勉強に成りますわ!」
『此処で大切な事を一つ、皆は誰に綺麗に見られたいっスか~?』
「皆タカシ様~『タカシ様~』」皆
「えっ、そうなの?」
『女の子の頭の中はそんなもんっス。
察しろよな~此の朴念仁っス~』
「う~、何か御免なさい」
『分かればいいっス~
ま~基礎化粧は、SH-5の乳液と、化粧水と、
トリートメントクレンザーっス。
あと、コスメボックスに化粧ポーチ、シャルルのNO5、
トラベルコ、メイクアップセットに、
ルージュは、其々の個性に合わせてっと、
まあ、大体こんな感じで選んで行くっス。
後、お酒や何かは、其々の趣味に合わせるっス。未成年の娘や、
飲めない娘には、ジュースと、ケーキ、スナックですね、
男共には、お酒の詰め合わせにするっス。
ダーリン、こんな感じで選んで行くっス~良いっスか~?』
「はい、リリー先生!宜しくお願いします」
『は~い、お願いされたッス~
後は、各個人と打ち合わせして、選んで行くっス~』
「俺は、マウンテンバイクでも見るかな~」
「「タカシ様~私達も見てて良いですか~?」」
「うん、良いよ~」
「マリーとエメルダは違う所に食いつくね~
化粧品は良いの~?」
「はい全て、リリー様にお願いしました」
「リリー様はタカシ様の事を良くご存じなので、
其れが良いかと」
「「其れよか、マウンテンバイクって何なのか
興味が有りますっつ!」」
「じゃあ、大人しく見ててね」
「「は~い」」
ママゾンを開くとマウンテンバイクと打ち込んでっと、
「おっ、出た、出た、う~ん一杯有るね~
あっ!此れ良いんじゃ無い?
何、何、アルミフレームに、21段変速、フロント、リア、
ディスクブレーキ、フロントサスペンション、
セミブロックタイヤ、26インチで、気に成るお値段は、
天界経由価格、何と、一台三万二千円のお手頃価格!
「此れは買いだね~!俺は、グリーン、パーティーメンバーは皆、
女の子なので残りは赤だね、俺のグリーンと合わせて10台購入っと、
合わせて、補修部品、工具、メンテ用品も購入っと、こんな所かね~
後24インチの赤も、10台購入、序でにママチャリを
10台購入っと、そう、そう、練習用に、
補助輪を10セット購入しようかね~まあ、取り敢えずは此れで」
「あの~タカシ様~」
「此のマウンテンバイクって、跨いで乗るのですか?」
「そうだよ~馬車位のスピードが出るし~
体力次第では馬車より、移動速度は速くなるよ~
馬車は二時間おき位に休憩させないといけないし~」
「其れだと~
メイド服のスカートでは無理なんじゃ無いでしょうか?」
「ガ~ン!そうでした~如何しよう~俺と同じ装備で~?
良いかな~?リリーは如何思う~?」
『そうっスね~其れでも良いっスが~色気が無いっス~
で、ママゾンのサイクリング、ウエアを参考にして、
女性用のウエアを作りましょうか~っス~
先ず、素材は、赤龍の鱗を繊維状にした物を赤、黒龍の物を黒、
其れに、オパールアゲハの絹糸と、トパーズアゲハの絹糸を混ぜて、
強度と光沢の有る糸を作って、此れを各色に染め上げてっと、
後は、伸縮性と、発汗性を持たせて、サドルで擦れる股間は分厚く、
肘、膝の関節部分には、龍骨で作ったプロテクターを入れてっと、
色は、そうっスね~白を基調に、水色を使った明るく爽やかな色にしましょうか?
此れで、上着とスパッツが出来たっス~
序でに同じ素材で、ミニスカートを付けるっス~
バックプリントには、ドラゴンが良いっスね~出来た。
こけた時に頭を打たない様に軽量ヘルメットも付けて、
マリーに着せてみるっス~」
すると、一瞬でマリーの着ていたメイド服&ポンチョが
明るい色合いのサイクリングウエアに変わった。
「凄い、カッコ良いね~バックに、赤龍の刺繍が、フロントには、
黒龍の刺繍が施されて居てお洒落だね~何処かのスケ番?
・・・・・き、綺麗だよ~マリー
腰のミニスカートにマリーとイニシャルが入っていて良いねっ!」
くるりと一回転すると、
何かマリーがポーズを取り出した。
「タカシ様、何をして居るのですか?」
「あっ、気にし無いで、新しいウエアを作ってたんだ~
艦長やクルーの皆は仕事続けて~」
「タカシ様、完成したら私達にも作って下さいましねっ」
「クルー、配下お願いしま~す!『私達も~』」クルー、配下
「あっ、はい、はい、了解~リリー頼むね~」
『了解したっス~』
「じゃあ、次だ」
『はいっス~後はプロテクターと、装備を取り付けて、
迷彩柄のポンチョを被せて、土埃よけのサングラスを付けて、
出来上がり~っス』
俺はモデルのマリーをまじまじと見乍ら、
ママゾンで購入したマウンテンバイクを、ストレージから一台出すと
マリーの前に置いてみて、手で四角を作って覗いて見た。
「うん、うん、中々にカッコいいね、満足、満足、
リリー有難う~」
『褒めて~もっと褒めて~』
うちの身内も褒められて成長する様だ。
あっと言う間に、手の空いて居るクルー達が集まって来た。
「きゃ~きゃ~何なんですか?此れ、
何か、カッコ良いんですけど~」
「此れはね~自分の力で動かす乗り物だよ~」
「キャ~素敵~私も乗りたいです~
どうやって乗るんですか~?」
「まだ取り付けて無いけど、此のペダルと言うのを
クランクに、こう取り付けて、馬に跨るみたいに跨いで、
ペダルに足を乗せて漕ぐと、
此のチェーン、鎖みたいなのを回転させる事で、
後ろのタイヤを回転させて、動かすんだ。
まあ、実演は、王都に戻って、晩御飯食べた後だね、
リリえも~ん、皆に動画で見せて上げて~」
『私は狸型ロボットじゃあ無いっスよ~
まあ、良いでしょう、はい、配信したっス、
手の空いて居る人は見てみるっス~』
「う~ん、正に万能AIリリえもんだ~!!
何でもドアみたいなの有るし~」
「クルー、配下うわ~!!かっけ~『素敵~』」クルー、配下
「た、タカシ殿・・・・わしも風に成りたい『わし達も~』」
「まあ乗る練習して、乗れる様に成ったらね~
直ぐには乗れないだろうし」
「は~い!『は~い、』」
「あの~タカシ様~私達も風に成りたいです~『私達も~』」
「じゃあ、王様達と一緒にね~」
「配下は~い!『は~い!』」皆
『タカシ様~私達も宜しいでしょうか?』
『うん?ブラウンも自転車に乗りたいの~?』
『はい、私達ブラウニーは体も小さく移動に
時間が掛かってしまいます。もし、私達の体にみあう自転車が有れば
乗りたいです。私も風に成りたい」
『良いよ~子供用のマウンテンバイクならいけそうだし、
ダメなら、リリーに乗れるように魔改造して貰うって手も有るからね』
『キャ~タカシ様有難う御座います~愛してる~ぽっ』
『うん、俺も愛して居るよ、ブラウン。
君には何時も感謝、感謝だ』
『嬉しいです~』
『タカシ~妾達も欲しいのじゃ~ほ・し・い・の・じゃ~!』
『流石にその寸法は・・・・助けて~リリえも~ん!』
『だ~か~ら~私は、ブタ型ロボットじゃあ無いっス~!
ま~だけど、良いっスよ~原理や、構造は簡単なので、
ティンク達の自転車も作るっス~
まあ、あの娘達は飛べるので必要は無いんスけどね』
『ですよね~俺以外のパーティーメンバーは、全員高レベルなので、
走った方が遥かに早いんですよね~
皆、無限の体力だし~、
エッチしたら骨と皮に成る位、
搾り取られるんじゃないかな~?~』
マウンテンバイクは、俺の為に買うつもりだったんだけど、
配下や、従魔の皆の食い付きが凄くて、
全員分購入する事に成ったわ~儲けたし~良いか~
『まあ、あれっス、此の世界、娯楽が余りに少ないので、
乗って楽しそうな自転車に食い付いたって事っス』
『ですよね~』
此の後、追加で、マウンテンバイク、ママチャリを追加購入して、
ブラウニー用の子供用マウンテンバイク&自転車を購入した。
いっぺんに教える事も出来ないので、
全ての自転車に、補助輪を取り付けて、組み立てて貰い、
各々の名前を入れ王侯貴族達には家紋も入れて貰い、
新しい名前&家紋入りウエアと一緒に、
各自のストレージの中に入れた。
「配下、従魔タカシ様~有難う御座います~!!
『タカシ様~有難う御座います~!!』」配下、従魔
凄く喜ばれた。
王様や、手の空いて居るクルーは、早速、甲板に遊びに行った。
艦長や、仕事中のクルー達は、自転車に乗り乍ら操船している。
大丈夫かな~マリーや、エメルダ、ポチも護衛をするのも忘れて、
自分の自転車に夢中だ。
「何か、楽しそうだね~」
そうこうして居る内に、王都に着いた頃には日も沈み、
夜のとばりが降りていた。
城の桟橋に飛空艇を係留して、皆が降りると、
艦長が、飛空艇をストレージに仕舞い王城に入る道に出ると、
皆、ストレージから、補助輪付き自転車を出すと、
其れに乗って、王城に入って行った。
門兵が腰を抜かしていた。
「御免ね、門番さん・・・・
補助輪付き自転車の一団って・・・・シュールだわ~
う~ん、楽しそうだよね~」
帰って来て、食堂に行くと、ブラウン達が子供用の、
補助輪付き自転車に乗って、
忙しそうに、食堂内を走り回って居た。
「う~ん、楽しそうだね~サイクリングウエアが、
凄く可愛いね~惚れ直すわ~
ローラースケートで配膳するウエイトレスの自転車版??
此れは、此れで有り?・・・・かも~」
此の日のブラウンのサービスは何時にも増して良かった。
とだけ、言って置こう。
何時もの倍の夕食と、2倍のデザートを食べた後に、
王宮庭園に行くと、夕食を食べ終わった配下達で一杯だった。
「皆、一生懸命、自転車の練習して居るね~」
「はい、そうですね」
「私達も負けて居られませんわ!」
「ポチもがんばる~」
「タカシー妾の此の勇士を見て欲しいのじゃ~」
「タカシ~ぼ、ボクは自転車が気に入ったんだな」
「タカシはん~うちも自転車が気に入りましたえ~」
「う~ん、此の三人と、大精霊達、空を自転車で
飛んでるんですけど~自転車の意味が有るのかな~E〇かよ~」
「ほ~っほっほっほ~其処をおのきなさ~い!
釘バットで吹っ飛ばしますわよ~!」
「ドライアドのジュエリーが、補助輪付きのママチャリで暴走してるわ~
あり得んスピードで~良くぶつかんないな~
まあぶつかっても、配下や従魔達には、シールド結界が、
常に展開されて居るんだけどね~あっ、花壇に突っ込んだ。
頭が土に埋まって尻だけ出てるわ~・・・・はぁ~
あれは、ルビーだね、生まれたばかりの小鹿みたいにプルプルしてるし~」
「俺様は天才だ~!怖く何かね~ぜっ!
走りやがれコノヤロー、うっ、うっ、足が震えて力が出ない~」
「・・・・・・・・」
「サファイヤは、楽しそうに走って居るね~」
「うん、楽しいよね~此れが、サイクリングって言うんだね、
凄く面白いや~」
「・・・・楽しそうだね~
・・・・あれ?フレイヤ様が、三輪自転車に乗ってるんだが?
俺の配下と従魔にしかまだ自転車、配って無いよね?何で?」
「此の自転車って言う乗り物、ネコ車より良いわね、
癖に成りそうだわ」
「あっ、隅っこのベンチでフーちゃんが泣いて居る?
フーちゃんの自転車、フレイヤ様に持って行かれた?
そーいやフーちゃん立場、弱かったよな~
フレイヤ姉様~フレイヤ姉様の名前入りの同じ三輪自転車、
フレイヤ様の名前入りウエアと一緒にプレゼントしますので、
その自転車、フーちゃんに返してあげて~」
「あら、タカシちゃん話が分かるわね~
じゃあ、自転車の名前は、オッタル号でねっチュッ!」
「はい、オッタル号ですね~オッケイで~す。
リリー御免、お願い~」
『了解っス~序でに頼まれて居た化粧品と、
お酒も荷台に積んで置くっス~』
「有難う、リリー、フーちゃんもこんな事位で泣かない、
こんな時は、何時でも俺に助けを求めてね」
「ばい~ダガジざま~ぶえ~ん、おがあざま~ごわがっだよ~
ひっく、ひっく」
余程おっかなかったらしい。
「さあ、何時までも泣かないで涙を拭いて」
ハンカチを渡すと、ぶしゅーっとはなをかまれた。
其のまま、ほっぺたにキスされたのだが、
ほっぺたが鼻水だらけに成ってしまった。
フレイヤ様は高らかに笑い乍ら、月に向かって、
三輪自転車を走らせ、去って行くのだった。
「E〇だな」
『そうっスね・・・・』