-73話ー 難民救済12 拠点完成焼肉パーティー
エスカルの街の、冒険者ギルドの受付のアンジュさんから受け取った
白銀に輝く新しいカードは、俺のメニュウ画面には、鉄では無く、
ミスリルのカードと出て居るのだ。
「アンジュさん、此れ、鉄じゃ無いですよねえ、ミスリルですよねえ」
「あら、良く分りましたね。確かに材質はミスリルですよ、
でもほら此処、鉄って書いて有るでしょう?」
カードの端に鉄って書いて有った。
分らんよ~普通~
「うっ、た、確かに、
鉄のカードって、ミスリルで出来て居るのですか~?」
「そんな訳無いですよ~鉄は鉄です。
ヤマダ様のカードは特別です。プレミアカードですよ」
「何で、又?」
「ヤマダ様を他の冒険者と同じに出来るが訳無いでしょう?
材質が、ミスリルに成ったのは、ミスリルは魔法特性が高く、
より多くの情報を集積出来るからです。
全ての冒険者カードには倒した魔物や、活躍、犯した犯罪等を、
記録する魔方陣が描かれており、魔法具で記録として、
見る事が出来ます。カードの中には、小さいですが、
魔力電池の魔石が埋め込まれて居るのです。
半年に一度はギルドに来て、カードに魔力を充填しなければ成らないですが、
そんなカードにも情報容量と言う物が有ります。
既にヤマダ様の木のカードは、容量限界が近いのですが、
鉄のカードでも直ぐに、容量が一杯に成りそうですので、
ミスリルとさせて頂きました。
まあ、魔道具に記録を転写すると、
カード容量は又1から貯められるのですが、
ミスリルですと、木のカードの何百倍も記録できます。
此れで幾らでも活躍できます。やったね!」
カード、凄げぇ~流石魔法の世界。
「映像で記録されて居るのですか?」
「無理無理、映像は情報量が大きすぎて、全て文章にに成ります」
映像が情報量が多いって、パソコンじゃん~
「ほら、此処、触ってみて下さい」
「あ、はい」
言われた通り、名前の前に描かれた冠ロゴを触ると、
ドラゴンのロゴが、現れた。
「あっ、ドラゴンの絵が出ました」
「もう一度、触ってみて下さい」
さっきより、大きいドラゴンが、映し出された。
「此れは、倒した魔獣を表示します。
ヤマダ様は多くの成龍と、エンシェントドラゴン、エルダードラゴンを、
複数倒して居るので、真、ドラゴンスレイヤーに成りますね~
そして其れは、ヤマダ様の二つ名とも成るので、
くれぐれも、しょうも無い犯罪は犯さない様に、例えば、
可愛い、女の子のパンツを盗んだりなんかしたら、
パンツスレイヤーヤマダ、タカシと成りますので」
「其れは、嫌な二つ名だな~」
「私のパンツ被ってみます~?ドロワーズ、
かぼちゃパンツですけど~」
「そんな、いいですよ~遠慮しときます」
マリーとエメルダのカードを受け取り、
二人に渡して居ると頭の上からファサ~っと、
「えっ、何此れ?」
かぼちゃパンツを頭に被せられて居た。
「はい~??」
「はい、良いっておっしゃいましたので、
面白いから、やってみました!」
「って、何処から出したの、此のパンツ??」
「うふ、ふふふ、内緒です」
「ふ~ん、其れと、魔獣倒したの俺じゃ~無くて、
従魔達なんだけど~?」
「はい、従魔達の実績は全て主の物と成りますよ~」
「そうなんだ~」
ふとカードを見ると、
俺は、パンツスレイヤーに成って居た。
「あっ、あっれぇ~」
ガックリと項垂れた俺は、マリーとエメルダに肩を抱かれ乍ら、
冒険者ギルドを出るのだった。
俺達が屋敷に帰り着く頃、日が傾き始めて居た。
「皆、只今帰りました」
「皆お帰りなさ~い」皆
今日、到着予定であったアニタ様一行も、
此方に到着して居り。
「タカシ様、アレス王国側に物資の搬入も終わり、
エスカルの街に来て、此方に居ると聞きましたので、参りましたよ」
「おう、たまにワイバーンとか、近くまで来るけど、
此の船を見るや否や、尻に火が付いたみたいに逃げて行くぜ」
「アニタ様、ルビー、お疲れ様でした。今夜は、屋敷の完成披露をするので、
美味しいお肉で、バーベキュウをしましょう。
と其の前に、屋敷の、浄化をお願いしても良いですか?」
「はい、承知致しましたわ、では、浄化と、神聖結界を張りますので、
結界維持用の魔石を頂いても宜しいですか?」
何其れ、凄い。
「え~っと、何の魔石が良いでしょうか?ドラゴン?」
「いいえ、そんな大それた魔石で無くても大丈夫ですよ、
でも、結界維持の為の電池と成りますので、そこそこの物は必要ですが」
「じゃあ、ヒュドラでは?」
「いや、其れも大概ですが、まあ良いでしょう」
「じゃ、此れで」
俺は、S級ヒュドラの魔石を取り出すと、アニタ様に手渡した。
「うっ、凄く大きいですね、ヒュドラの幼生じゃ無いのですね、
此れだけの物であれば、此の町全体を結界で包む事が出来ますわ」
「ヒュドラの幼生って?」
「はい、冒険者の狩れるヒュドラは、大抵5M程度のヒュドラで、
三つ首ですね、で、此の魔石の主はどれ位だったのですか?」
「え~っと、確か15M位?」
「S級じゃ無いですか~!国の首都を守る結界の魔石に相当します。
何処でそれを?」
「原始の森で、多分サファイヤとルビーが狩って来たと思います。
30匹位?後、ヒュドラだと、SS級が、6匹に、
神話クラスの物が5匹?」
「タカシ殿、王都の守りに大きいの一つ欲しい!!
いや、其の、ゴホン」
「えっ、王様、欲しいの?」
「はい、王都を守る結界の魔石は、何百年も前に遺跡で発見された。
既に骨と成ったヒュドラの成体の魔石を使って居ります。
が今、タカシ殿が手に持って居る魔石の方が、遥かに赤色が濃く、大きい、
ワールドクラスの秘宝と成りましょう」
「えっ、そうなんですか~?まじ?」
「まじです。今、王都で使って居る魔石も国宝で御座います‥‥が、
悪魔の侵入を阻止できませんでしたが‥‥」
「魔石の強さで、結界の強さが決まる訳?」
「結界の強さもそうなので御座いますが、
例えば、コッサリア神国であれば、勇者オッタルが倒したと言われる。
ドラゴン、成龍の魔石が使われて居りますが、
ドラゴンの魔石は最上級であります。其の魔石一つで、
女神フレイヤ様の聖域結界が、神殿を覆い、
更に神聖結界と、物理結界が神都を覆って居り
難攻不落の都と成って居ります」
「ふ~ん、複数の結界維持が出来るのか~ふ~ん、
良いね~王都は此の国での俺達の本拠地に成る訳だし~
リリー、一番いい魔石、王様に渡して良い?」
『良いっスよ~良い考えっス~竜の墓場からエンシェントドラゴンや、
エルダードラゴンの魔石も沢山手に入って居るし、
ヨシュア王国が人間界での
活動拠点成るっス~強力な守りは必須っス~
因みに、フレイヤ様に結界張って貰うのがお勧めっス~』
俺は、天に向かって、
「フレイヤ姉様、王都の結界、張って貰っても良いですか?」
と、甘える様にお願いすると、
光の粒が天井から舞い降りて、広い居間に降り注ぎ、
天上突き抜けてフレイヤ様が現れ、俺に抱き付くと、
「良いに決まってんじゃん。可愛い弟の為だしね~」
「皆は、は~は~」皆
皆土下座して居た。
フレイヤ様は気さくな主神様だった。
「じゃあ、タカシちゃん、先ず其の魔石貸して、
アニタちゃん私が、魔石の浄化と結界を張るけど、良い?」
「はい、フレイヤ様の神聖魔法、
この目に焼き付けます~!」
「ん、良い返事だね、タカシちゃん、今回の報酬は、
此れから、私もこの家を利用させてね~
後、今夜のバーベキューパーティー私も入れて頂戴な」
「勿論ですよ、若くて綺麗なフレイヤ姉様」(棒~読み)
「うふふふふ、だから、タカシちゃん好きよ~」
フレイヤ様は、気に入った相手だと、凄くちょろかった。
と抱き締められるタカシ。
「い、息が出来ない~」
「じゃあ、タカシちゃん魔石貸して、そう、国王に渡す分もね。
はいじゃあ浄化するね、えいっ。ハイ出来上がり。
何方も、結界魔法入れて有るからね、はい」
俺が渡した魔石は、禍々しく赤い、ヒュドラの魔石と、
其の何倍も大きい炎の様に激しく赤い赤龍のエルダードラゴンの魔石だ。
が、何方も無色透明の、水晶よりも透き通った清浄な魔石と成った。
「す、凄い、初めて見ました。フレイヤ様有難う御座います」
「アニタ様、どお言う事ですか?」
「はい私では、邪気は抜けますが、色は赤のままです。
色は性質ですので抜けませんが、情報として、魔石に蓄積されて居ます。
フレイヤ様はその情報をリセットして透明にしてから魔方陣を、
刻まれて居ます。其れも、より多い情報を一瞬で、
凄いです。憧れます。私も、より一層努力して、
少しでも、近付きたいです。」
「ほほほほ・・・・褒めて~もっと褒めて~」
「はい!心から尊敬致します」
フレイヤ様は、褒められて伸びるタイプの様だ。
「あ~其れと~此の魔石、私の眷属か、
タカシちゃんの眷属にしか触れ無いからね~
他の人が触ると、塵に成る呪いが掛かって居るから注意してね~」
「まじですか~凄い防犯対策ですね~リリー御免、
死人出したくないから、魔石に結界掛けといて~」
『は~い、了解したっス~』
「タカシ様其の結界、私の国の魔石にも掛けて頂けませんか?」
「うん?リリーに頼めば掛けてくれるけど、何で?」
「はい、新米のシスターが掃除しようとして、ちょくちょく、
塵に成りますので」
「何其れ、怖ぇ~リリー可愛そうだから、助けて上げて~」
『はいっス~』
「じゃあ、王様はいっ、此の魔石使って、」
「す、凄く大きいのですが、唯の赤龍では御座いませんな」
「はい、赤龍のエルダードラゴンの魔石ですよ」
「ですよって、神話級では有りませぬか、その様な貴重品、
買い取れるだけの富は私には無いのですが~」
「いやいや、良いから、俺の拠点の国だから、
俺の居無い間に滅びても困るから、王都限定で王様、使って」
「はは~有難う御座います。此れで、
悪魔も王都への侵入は出来ないでしょう」
「じゃあ、王様其れと、街の代官さん、此の指輪を付けてね、
結界を発動させる魔道具だよ~」
「「は、は~」」
「結界の準備もしたし、今からバーベキューの準備するから、
その間に皆、お風呂に入って来て~
最高のお肉出すから楽しみにして居てね~」
「皆は~い」皆
俺は、手伝いに来てくれたアイーダ邸のメイド達と
庭園でのバーベキュウパーティーの準備をした。
メイド達の洗練された動きは、流石、と言って置こう。
今日も、ママゾンで、大量のお酒を買い込んで、冷やすと、
エルダードラゴンの霜降り肉を、惜しげも無く出して居ると、
執事のおじさんが、
「此れは、見事な肉で御座いますな~
何の肉で御座いますか?」
「うん、エルダードラゴンの霜降り肉ですよ~
手持ちの中では最高の霜降り肉ですよ~」
「ひょえ~、その様な高価な食材、王侯貴族のパーティーでも、
出された事は有りませんぞ!」
「でしょうね~狩れる人も居ないだろうし~
たっぷり有るんで皆も、手が空いたら食べて、飲んでね~」
「メイドは~い、有難う御座います~」メイド
砕いた氷に、ボットンプリンや、果物ゼリー、ケーキや、
お菓子も、たっぷりとね、
「殆どが、女性だからね~甘い物は、必要だよね~
フルーツポンチも作って置くかね~」
寸胴に、缶詰フルーツをたっぷりと、冷やしてっと、
別荘だし~トロピカルな、ブルーハワイにマイタイ何かも良いね~
ママゾン最高~!何か調子に乗り過ぎたきらいは有るけど、
良いよね~沢山儲けたし~
「皆、揃ったね~」
「皆は~い!」皆
「じゃあ、今日は、拠点の新築祝いだから、皆~
一杯食べて、飲んで、楽しんでね~無礼講って事で、そんじゃ~乾杯~!」
「皆プロウジット~!」皆
此の夜は大いに、食べて飲んで、お喋りして歌って、踊って、
酔っぱらって、楽しんだ。楽しい夜であった。