-69話ー 難民救済8 エスカルの街拠点造営
ピピピピピピピ・・・・・・
『ダーリン、朝ですよ~もうじき夜が明けるっス~』
「う、う~ん、ふわ~・・リリーお早う~良く寝たわ~」
『疲れは、取れた様っスね~王国の復興は、順調っス~
早く旅に出れる様、今日も頑張るっス~』
「はい、はい、そうだよね~早く、此の国を安定させて、
物見遊山の旅をしたいよね~」
『そうっスよ、そんで、私の体も見つけて欲しいっス~』
「うん、そうだね~、其れでだ、考えたんだけれど、
新しく、尻の痛く成らない馬車と、オフロード用の自転車を、
今の仕事と、並行して、準備しとこうと、思うんだよね~」
『良いっスね~私も自転車で、旅をしてみたいっス~
ダーリン、早く新しい体を見つけてねっス・・・・ぽっ』
「うっ何か、可愛い・・任せて置いてよリリー」
『はい、任せたっス~馬車の方は、私が作って置くっス~
最強の馬車を作るっス~』
「いや、馬車に最強は要らないから、程々にね~」
『はい、了解したっス~』
俺は、部屋を出て、1階に行き食堂のドアを通って、
ファミレスみたいな、食堂の何時もの席に、
既に、マリーとエメルダが、席に付いて、俺を待ってくれて居た。
「「タカシ様、お早う御座います~」」
「うん、お早う、マリー、エメルダ。
今朝の朝ご飯は、何かな~」
其処にブラウンがやって来て、
「旦那様お早う御座います。今朝のお食事は、
ジャンボ、レインボウフィッシュの塩焼き定食で御座います。
食後のデザートは、イチゴタルトを御用意して居ますよ」
「お早う、ブラウン。う~ん、楽しみだね~」
「「はい!」」
「では、直ぐにお持ち致しますね」
ブラウンと、入れ替わりに、ポチがやって来て、
「ますた~おはようございま~す~」
「ポチ、お早う~」
今朝は厨房に入って居た様だ。
そうして居る内に、料理が運ばれて来た。
でっかいニジマスみたいな魚の塩焼きと、生卵と、おかずのりに、
銀の納豆だ。其れと、味噌汁だね、
ま~あれだ。朝の鉄板メニュウだね。
「うっは~美味しそうだね~では、頂きま~す!」
「「「は~い、頂きま~す!」」」
「「「「美っ味~い!」」」」
シャケの塩焼きと、どっちが旨いかと言うと、
甲乙付け難い。日本の食材が10としたなら、
此方に有る、食材で、限り無く10に近づけて来る。
ブラウン達の、食に対する熱意が伝わって来る一品だ。
「こりゃもう、免許皆伝だね」
「「うん、うん」」
「ポチもつくったよ~」
「うん、ポチ偉い!」
「えへへへへ~」
「うん?」
食堂の片隅で~何やら納豆ご飯をほうばり乍ら、
「美味い!美味い!美味~い!」
「スクルド、ご飯を飛ばさない。
でも、美味しいわ~毎日食べても、飽き無いわね~
其れに、日本酒にも良く合いますわ~ごっくん。プッハ~」
「ふ、フレイヤ様。朝からお酒はダメです~
スクルド様、口の中、糸引いてます~
女神の威厳が、女神の威厳が~!」
「う~ん、此の世界の主神様。毎日居るんだよね~
昨夜の飲み会にもいつの間にか、混ざってたし~」
「「「うん、うん」」」
「何時も、隅っこで、目立たない様には、してくれて居るんだよね~
凄っごく目立って居るんだけど~」
「「「うん、うん」」」
食後、イチゴタルトの甘酸っぱい味に浸り、
コーヒーを飲む。
「うん、至福~」
「「「幸せです~」」」
飛空艇の出発時間まで、のんびりと、
モーニング、ジャズを聴きながら、窓の外の、
今日も海なのだが、を、眺めながら、過ごした。
『ダーリン、そろそろ、良い時間に成って来たっス~』
『うん?オッケ~』
「じゃあそろそろ、王宮の飛空艇発着場に行きますか~」
「「「は~い」」」
ポチは、目立たない様に俺の、背中に張り付き、
マリーとエメルダが、俺の左右に付いた。
飛空艇も所持したので、王宮にも発着場を作った。
まあ、王宮の周りを覆って居る運河に、船着き場を
作っただけなの簡素なものだ。飛空艇は普段、ストレージに仕舞って居るので、
発着する時だけの物では有るのだが。
赤龍号は既に、出発の準備を終えて居り、
俺達が乗船すると、直ぐに発進した。
俺達は艦橋に行き、
「皆さん、お早う御座います。
今日も宜しくお願いします。」
「はい、タカシ様、お早う御座います。エスカル湖は、
王都からでも距離が有るので、早速、発進させて頂きました。」
「タカシ殿、今回の航海、どうぞ良しなにお願い申す。
ワク、ワク」
「はい王様、宜しくお願いします。
艦長今回の予定ですが、到着予定は何時頃でしょうか?」
「はい王都から、エスカル湖迄、日が傾く迄には、
到着したいと、考えて居りますわ」
「そうですね、そしたら、今日は、
代官のエリーナ、ミリオネラ子爵婦人と、
難民代表のアイーダ、ゾルエイル伯爵夫人に挨拶する所までとしましょう。
明日又、エスカルの街に、一軒拠点を作りたいと、思います。
其の後、もう一泊して、アレス王国側の倉庫に物資を搬入してから
帰途に就きたいと思います。如何でしょう?」
「まあ、其れは素晴らしいですわ。又、
見晴らしの良い物件が有ると良いですね。今から楽しみですわ」
「クルーは~い、楽しみで~す」クルー
地上1000Ⅿの高度を維持し乍ら、飛空艇は飛ぶ。
俺達は今度は、田園風景を見乍ら、お茶を飲みゆったりとした
空の旅を楽しんだ。王様は、
「お~、お~、お~」
王様らしく、こうふんして居た?
「おっ、遠くに何か飛んでるね~」
「あれは、ワイバーンですかねぇ~?」
「いや、あれは、亜竜、飛竜みたいですね~?」
飛竜はこちらに向かって飛んで居るが、此方を視認すると、
アレス王国方面へと、飛び去って行った。
やっぱり、飛竜も赤龍は怖いと見える。
ブラウンが運んでくれた、昼ご飯を食べてから暫くして、
日の光をキラキラと反射させている湖が、見えて来た。
「綺麗な、眺めだね~」
「クルーそうですね~」クルー
赤龍号は徐々に高度を下げて、エスカルの港近くで、
着水して其のまま港へ入港した。
「タカシ様、入港致しましたわ、今日は御供しても宜しいですか?」
「勿論、今日は、皆で行きましょう」
「クルーは~い!」クルー
俺達は港へ降り立つと、艦長がストレージに
赤龍号を仕舞い。港に居た役人の所に行って、
代官所の場所を聞くと、役人は直ぐに案内してくれた。
代官所は、港近くの大道り沿いに有る石造りで、三階建ての
重厚な建物だった。街は、ネズほどでは無いが、
賑わって居て、穀物や野菜を積んだ荷車が、彼方此方に見受けられた。
「中々の賑わいですね~」
「そうですね~活気に溢れて居りますわ」
「そうで、御座いますな国境の街で有り、街の近くが王国でも有数の、
穀倉地帯でも有りますからな、其処らへんも影響して居るのでしょう」
「流石は王様、良く勉強されて居ますね」
「勿論で御座います。フフフ~ン、フフフ~ン、フフフ~ン」
「我が息子ながら、チョロいですわ~」
「クルーチョロいですね~」クルー
「お、お父様・・・・」
代官所の前に付くと役人は、
「皆様、直ぐに代官様を呼んで参りますので、
しばしお待ちを」
「皆は~い」皆
役人が建物に入って直ぐ、
≪どどどど・・・・ドタ~ン!≫
綺麗な女性が、入り口から、ヘッドスライディングして来た。
「痛たたたた、う~あの~申し訳御座いませ~ん」
「あっ、大丈夫ですか~?」
「はい、鎧を着て居ますので、う~申し訳御座いませ~ん
でも、なぜ?こんな辺境に国王陛下が??」
「うむ、其れほど此度の難民救助作戦が重要な国策なのだ」
「は、は~では、貴賓室の方へおいで下さりませ」
「いや、此の後、難民の代表と話がしたいので、
行く道すがら、現状の報告を聞くとしよう」
「はっ、誰かある」
「はっ、此処に、」
「ミーナ今すぐに、アイーダ様の所に先ぶれを出して下さい」
「はっ、承知致しました」
「では、陛下、歩きながらご説明を致します。
御存じの通りアレス王国の、モンスターパレードにより、
多くの難民が、此処、エスカルの街の対岸である国境に、
集結して居りましたが、
王命により、エスカルの街に保護しようと致しましたが、
如何せん、難民の数が多く、
難民の代表であるアイーダ、ゾルエイル伯爵夫人と協議し、
街の西に難民キャンプを設営し、教会と商人ギルドの協力を得て、
アイーダ、ゾルエイル伯爵夫人の私兵に、キャンプを守って頂いて居ります。
伯爵夫人は現在、西門近くの住宅に仮住まいされて居ります」
「うむ、此方の守備兵にも限りが有るであろう。大儀である。」
「ははっ、身に余るお言葉、有難う御座います。」
大通りから、小一時間程歩くと、西門が有り、南と北に、
住宅街が広がって居る。其の少し高台と成って居る南側に
アイーダ、ゾルエイル伯爵夫人の仮住まいが有った。
「ほお~此処の庭も広いね~タイゼンさんの屋敷の敷地より、
少し広いかね~まあ、元は畑なんだろうけど~
貴族って、広い庭が好きなのかね~」
庭の入り口に、アイーダ、ゾルエイル伯爵夫人、ひらひらの服を着た綺麗なお姉さんと、
其の両脇には、白銀の鎧を着た此方も凛々しいお姉さんが出迎えてくれた。
「此れは国王陛下私は、アイーダ、ゾルエイルと申します。
此の様な、あばら家をお目に掛けてしまい、申し訳御座いません」
アイーダさんはスカートの端を摘まんで、頭を下げた。
「アイーダ殿、ご苦労成された様だな、
又、仕事を押し付ける形に成るが、お願い致す」
「は、はっ!王命謹んでお受けいたします」
両脇に控えていた女騎士達は、王様の前に跪いて、
胸に拳を当てて、騎士の礼を取った。
「アイーダ、ゾルエイル伯爵夫人この騎士達は?」
「はい、アレス王国より、何時も私を支えてくれて居る
騎士達で御座います。挨拶を」
「はっ!しらゆり騎士団、団長、サラ、アビルと申します。」
「同じく、しらゆり騎士団、副団長、レミー、ギースと申します。」
「此れはご丁寧に、俺は新米冒険者のヤマダ、タカシと言います。
早速ですがお二人は、ヨシュア王国の正騎士に成って居ますか?」
「いいえ私共は、アイーダ様の私兵で御座います」
「んじゃ王様、サラさんと、レミーさんに、
騎士叙勲して貰って良いですか?」
「ほう良いでしょう、アイーダ殿宜しいか?
勿論、アイーダ殿の側近として勤めて頂くが」
「勿論で御座います」
王様は、龍牙剣を引き抜くと、水平にして、
二人の肩に剣を当てて、叙勲した。
「二人共、此れより、ヨシュア王国の正騎士を名乗るがよい」
「「は、はぁ~」」
俺は、ストレージから、赤龍騎士団の装備を二人に渡して、
「この装備は、正騎士にのみ、渡して居ます。
伝説級の装備に成るので、盗まれない様に」
「「ははっ!」」
「所でヤマダ様、今着替えても宜しいでしょうか?ウズ、ウズ」
「えっ、此処で、裸に成るのは~不味く無い~?」
「「いえ、別に構いませんが?」」
「いや、いや、此方が構うので~
家に入ってから着替えて下さいね~」
「「はい、では、我慢します」」
「ほっ、じゃあ、マリーとエメルダ家に入ったら二人の着替えを
手伝ってあげて、」
「「は~い」」
「其れでは皆様、立ち話もなんですので、
狭いですが、家の中へ、お入りください」
「アイーダ、ゾルエイル伯爵夫人
家に入る前に、此処が難民救助作戦の司令部と成りますので、
それなりの建物に建て替えますので、
家にいる人達、皆、此方に呼んで頂けませんか?」
「はい~?構いませんが、サラ、レミー、
下働きの者達を此方に呼んで来て下さいますか?」
「「は、はっ!」」
サラさんと、レミーさんは、家へ入ると、小さな家から、
10人程のメイドさんと執事さんらしき人を連れて出て来た。
「あんなに大勢、何処に入って居たんだ?」
皆が此方に来てから、俺は、
「クリエート、パレス!」
にょきにょきと屋敷が生えて来た。
アイーダさん達は、顎が地面に付く位大口を開けて驚いて居る。
「クルーおお~!」クルー
此の後、屋敷の会議室兼居間で、打ち合わせと、
当面の費用に、王金貨、2枚を渡した。
サラさんと、レミーさんは、直ぐに着替えに行き、
「キャ~キャ~凄っごく軽いわ~此の鎧」
「キャ~何、此の鎧、真っ赤でカッコいい~キャ~」
だそうだ。其の後、アイーダさん、サラさん、レミーさん、
代官のエリーナさん、副官のミーナさんが配下に加わった。
エリーナさんとミーナさんがキラキラした目で俺を見ていた。
勿論、二人にも、赤龍装備を渡して置いた。
まあ、二人共、直ぐに着替えに行ったのだが・・・・
此の日は、此のまま宴会に成ったのは言うまでもない。