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-61話ー 国境防衛


ヨシュア王国と、ミシュラン王国は、


北大陸で、最も大きく、そして長い距離を誇る


ナムール大河を、国境線にして居た。


そして両国の間には、二つの湖が存在して居る。


一つは、日本で言う所の、琵琶湖程の面積が有るマシー湖、此方は、


原始の森から流れ出て、ドーラム山脈を横切り、平地を下った所にあった。



両国最大の、交易の拠点でも有る。


原始の森が近い事も有って、どちらの地方領主も、


多くの兵を原始の森に向けなければ成らない、


一方、ナムール大河を更に下って行くと、


東にアムザ大渓谷を挟んで、ハウゼン王国が有るのだが、



そのずっと手前に、


マシー湖の半分ほどの大きさの、エンカイ湖が有る。


此方は、両国にとってもかなり、田舎に成るのだが、


此方にも交易の拠点が存在する。


この辺は、ヨシュア王国の、南東部に成るのだが、平


野には、穀倉地帯が広がり、



商業も発展して居り他国には魅力的な土地でも有った。


ミシュラン王国側も、原始の森とも遠く離れて、


比較的平和な土地で在り


商業も其れなりの規模であった。



「ジャババ、ハットリ侯爵閣下、


騎士隊、傭兵隊、民兵隊、合わせて、


四千の兵が、今日にでも集合し終わりますぞ~」



「うむ、そうで有るか、なめ、


集まり次第にヨシュア王国に急襲を掛けるなめ、


略奪するなめ、犯すなめ、エンカイ湖の権益を独占するなめ、」



「いや、まあ、急襲と言うにはいささか


日にちがたち過ぎては居りますが、


傭兵、民兵を集めるのにいささか、時間も掛かりましたし、しかし、


まあ、ヨシュア王国も、まだまだ、混乱して居るでしょうから、


今がチャンスでしょう、」



「ゲッヘッヘッヘッ侯爵閣下、


今回負担して居る戦費以上に儲けさせて貰いますぜ、


平民をたっぷりと、とっ捕まえて奴隷にして、


売っぱらいますぜ、ゲッヘッヘッヘッ」



「うむ、任せて置くなめ、エチゴヤ、お主も悪よの~なめ、


所で、トンマ男爵、明日、


夜明けと共に襲撃出来る様に今日中に準備するなめ」



「はい、ジャババ、ハットリ侯爵閣下、


軍船も密かに準備出来て居るので、


今日中に物資を積み込んで明日、


早朝にヨシュア王国の交易の拠点を急襲致しましょう」



大ナメクジの様な脂肪の塊の侯爵とオークの様に、


でっぷりと、太った男爵に


見るからに悪党面の金貸し商人の三人は、


天幕の中で、襲撃の打ち合わせをして居た。



ジャババ、ハットリ侯爵軍の野営地に炊煙が上る頃に、


真っ赤な巨大なドラゴンが飛来し、


エンカイ湖の湖面ギリギリの高さに遊よくし乍ら、


侯爵軍を睨め付けると、威圧を放った。



四千に近いジャババ、ハットリ侯爵軍は、


侯爵を始め、一斉に腰を抜かして


その場にストンと座り込んでしまった。


恐怖の余り、多くの者達が、おしっこをちびり、


脱糞する者が続出した。悪党三人組も大変な事に成って居る。


ルビーは心に直接聞こえる大きな声で、



《・・我は、赤き神龍のルビー・・・・


我ら神龍が加護を与えし地に


土足で討ち入ろうとする愚か者どもよ・・・・


それ以上、土足で来るので有れば・・


おのれらを打ち滅ぼし、おのれらの王を王都諸共、


浄化の炎で消し去ってくれるぞ~!!・・・・》



ルビーの威圧に座り込んでいた兵達は一斉に引っ繰り返ってしまった。


其の心に直接届く声は、強力であり王都に迄とどろき、


国王は恐怖の余り、王座の後ろに隠れ、


四つん這いに成って頭を抱えて震える上がる始末であった。



赤き神龍のルビーは大きな口の隙間から炎を漏らすと、低い角度で、


大空に向けて、強力なブレスを放った。


放たれたブレスは大気を蒸発させ乍ら


天へ向かって一条の光と成って登って行った。雲には大穴が空き、



衛星軌道上の塵を焼いて、回りが明るくても見える位に


光の粒を撒き散らし乍、虚空の彼方へと消えて行った。


ブレスが通った後には、熱風が吹き荒れ


此のブレスがどんなに、強力な物なのかを物語って居た。



ルビーの回りの空気はなお焼けて居り赤く染まり、


ルビーの巨大な体を禍々しく、照らし出し揺らめいて居る。


見る者に更なる恐怖を刻み込んでいた。



やがて、ジャババ、ハットリ侯爵軍の兵は、


四つん這いに成り乍ら逃げ始めて、


やがて、蜘蛛の子を散らす様に逃げ出した。


普通民兵や、傭兵等は、逃げればその場で手討ちにされるが、


当の、手討ちにする側の


貴族や、騎士達が、我先にと逃げ出した為に民兵と、


傭兵達は騎士達を追う形で逃げ出したのである。


全滅寸前でも戦い続けていたヨシュア王国の騎士達とは雲泥の差だ。


指揮者が変わるとこうも違ってしまうのかと言う見本の様であった。



ルビーは、ジャババ、ハットリ侯爵軍が塵尻に逃げて、


見えなくなるのを確かめてから、


ヨシュア王国の王都に向けて飛び去って行った。


途中、ミニドラゴンに成るとスピードを上げて、


タカシの屋敷へと向かった。



ー宴会会場ー



ピピピピピピピ・・・・ダーリン起きるっス~朝ですよ~っス~



んん~うぅ~頭痛て~ん~ああ~リリーか~お早う~


昨夜は飲み過ぎちゃったよ~



そうっスね~ダ~リンのりのりで、ミニコンサートしてたっス~


昨夜も格好良かったっス~ぽっ



ぽって、リリーお前もか~



俺は、目を開けると


、何故か全裸のフレイヤ様の抱き枕にされていた・・・・



「いつの間に?」



体を起こして回りを見て見ると


俺の従魔や配下達、アニタ様一行が皆、全裸で、


雑魚寝して居た。聖女であるアニタ様迄、


其れ以外に、フレイヤ様の護衛であろう二人の



ヴァルキュリア達迄、宴会場は、


雑魚寝の全裸女性達でカオスな状態に成って居た。


王様や王様の弟達に、ヨシュア王国教会の司祭に、


ルビーも居無く成って居た。


まあ、ルビーは何処へ行ったのかは分かって居るんだが、



「う~ん、王様達お盛んですよね~


司祭もお付きの誰かと、3階へ行ったのかね~?


うん、昨夜の事は何も覚えて無いや~まあ・・・・風呂に行こうっと、」



俺は、抱き付いて寝て居るフレイヤ様を起こさない様に


ぬる、ぬる~っと、抜け出すと、



「何か、此の抜け出し方得意に成って来たわ~」



大浴場へと向かった。広い、大浴場で一人風呂に入るのも良いよね、


天上の湯気が、


お湯に落ちるぴちゃんって言う音が聞こえたりするんだよね~


此れは、此れで情緒が有ったりして、何か好きなんだよね~


掛かり湯をして、


湯気で視界の悪い風呂に入って行くと小さな人影が、



「あっ、誰か入って居た~?お早う御座います、


起きるの、早いですね~」



「あっ、旦那様、お早う御座います、


旦那様も起きるの早いですね~」



「えっ、君?ブラウン?此処、男湯だよ~」



「はい、分かって居りますよ、此の時間、


お入りに成る方も居りませんので、ぽっ、」



ブラウンは、俺の横に来て、座ると



「昨夜の、旦那様素敵でした。又惚れ直しました。ぽっ」


「何時も有難う本当に感謝しているよ、」



「そう言っていただけると頑張った甲斐が有ると言う物です。


さあ旦那様、お背中を流しましょう」


「いやいや、今日は俺がブラウンの背中を流させて貰うよ、」



「そんな、滅相も御座いません。」



「俺の独りよがりなお礼だよ、何時も良くしてくれるブラウンに、


ダメかい?」



「そう言う事でしたらお言葉に甘えさせていただきますね、」



「甘えて、甘えて、」



「はい、では、」



此の後ブラウンの背中を丁寧に流した。


俺と、ブラウンは、風呂から上がると、朝食の用意がされている、


和室の休憩場へと行き、朝ご飯を食べた。


う~ん、どこぞの旅館みたいだな~


お客さん達も、目が覚めた人からこっちに集まり出している。



其処にはルビーが既に帰って来て居り朝食を終え、


デザートの、和菓子をほうばって居た。


俺は、ママゾンで、ちょっとお高いケーキを見繕って、購入して、


ストレージから出すと、



「ルビー朝早くからご苦労様、此れは差し入れだよ、」



ケーキの入った箱を、手渡した。



「ああ、タカシか、お早う、あんなの大した事はねえさ、


行って、帰って来るのが面倒臭いだけだな、


おお、ケーキか、美味そうだな、


遠慮なく貰って置くぜ、」



「うん、食べて食べて、又何かあったら宜しくお願いするね、」



ルビーは、ケーキをほうばり乍ら、



「ほう、まかしてほけ~」



「ケーキを飛ばすな~飲み込んでから喋れ、飲み込んでから~」



「もぐ、もぐ、ごっくん、おう、任せて置きな、」



皆、朝ご飯が終わると、アニタ様の船員達はアニタ様と、


リニアで、飛空艇赤いバラ号の操船の訓練だ。



後、俺の黒龍号で、宰相のジョンさん夫妻と娘のミラちゃんは、


一泊二日の飛空艇の旅だ。


操船は、アニオタブラウニー少女戦隊なのだが、


大丈夫だろうか?・・・・護衛は、


しっかり者のサファイヤにお願いしよう、



王族女子達と、王国魔導士のウインザーさん、赤龍騎士団長のアンネさん


聖女のバニラ、後教会から修道女が5人が、赤龍号の操船訓練だ。


その他の人は、城門前広場で炊き出しだ。


王様は今日と明日、宰相さんが居ないので、お城でお仕事だ。



「くすん、わしの飛空艇なのに・・・・」



「はははは・・・・王様・・ファイト~・・・・」



そして各飛空艇には、艦長室に食堂と、


銭湯の予備のドアを付けている。


俺は、取り敢えず一番危なそうな、


赤龍号に乗って、見守る事にする。此方の護衛は、


マリーとエメルダ、赤いバラ号にはルビーに乗船して貰う事にした。



俺は王様に今朝の事を報告した。



「四千の兵で御座いますか‥‥


一地方領だけでは対応が出来無かったでしょう、


かと言って、王都にも現在兵力と言える物は御座いませんし


指をくわえて見ているより手は無かったでしょう



此れは、早く兵の拡充を図らねば成りませんな~


徴兵を行えば、民は働き手を取られる事と成り国力が下がってし舞いますし、


兵も弱兵と成るので、此れは、愚策、



と成れば、新兵の公募を致しますか、


しかし、王国の人口自体激減して居る今、


どれ程の兵が集る事やら、」



「あっ王様、其れだったら確か、


アレス王国の難民の中には貴族が、領地を捨て、


領民を守りながら、移住して居る者が、幾人か居ると聞いて居ます。


その人達の協力を得るのはいかがですか?」



「確かに私も宰相のジョンから報告は聞いては居りますが、


主人である、


アレス国王を見捨てたとも聞いて居り其の身の振り方は、


今は、保留にして居る所です。」



「そりゃ~王国に何か有った時に裏切られたら困りますよね~」



「其のとうりで御座います」



「あの時は確か、マップで見て居たのですが、


最初モンスターパレードをやり過ごして、


後背に付ける位置取りで、移動して居たんですよね、」



「ほう、其れは中々、」



「其の後、王都から、大量の人が逃げ出して行ったんですよ、」



「其れは、何でで御座いましょう?」



「俺もどお言う事か分りませんでしたので、


マリーとエメルダに尋ねた所、


アレス国王が蹂躙されて居る、農村部を見捨てた為に、


下級兵や王都民に見捨てられたのでは無いかと言って居ましたね、



騎士等は貴族ですが、下級兵や王都民等は、殆どが


農民の出だそうです。


なので、農民達を見捨てた、


国王を見限ったのでは無いかと言って居ましたし、


其の後、領主の兵達も方向転換して、


自領民を守る布陣で移動してましたね~」



「う~む、民を守る筈の王がその様な行動に・・・・


まあ、アレス国王については


良い噂は聞いた事が有りませんでしたし、


そうなので御座いましょうな、


しかし、マップって本当にチートで御座いますな、」



「はいチートです」



「うむ、大体の経緯は、理解しました。


早速、領主殿と貴族殿を王都に招き、


爵位と、領地を与える事と致しましょう、」



「そして、もう一つ、領主殿にして貰いたい事が有ります。


今尚、アレス王国内で溢れている難民の救助をして頂きましょう、


その功を持って爵位と領地を授けるのは如何でしょうか?


アレス王国内は此れから次期国王の覇権をめぐって、


内乱と成るでしょう、その前に、



毎日の様に餓死して行く人々を


出来るだけ多くの者を助けて上げて頂きたい


此れは人道上の話だけではなく、


王様の権威にも大きく寄与する事と成るでしょう、


勿論食料、物資の補給線の確保が、絶対条件と成ります。



今日から飛空艇の訓練が始まる訳ですが、


其の序でに、ネズ湖と、エスカル湖に


補給品を運び入れる事としましょう」



「そうですな、何方の湖にもアレス王国側に、


我が王国の物資の保管場所も有る事でありますし


其れを活用致しましょう。


では飛空艇に使者を同行させましょう、」



「其の使者の役目も俺がしましょう、


まあ、行き掛けの駄賃と言う事で、


其れに難民の皆さんの健康状態も見て置きたいですしね~」



「其れでは、タカシ殿必要な物は此の後すぐに用意致しましょう、」



「物資に付いては、ストレージは秘密にしたいので、


マジックバックを使いましょうか、


ジャンヌ王妃様と、メアリー王女様、お願い出来ますか?」



「「喜んで!!」」



「じゃあ、リリーマジックバック5個出して呉れる~」



は~い、了解したっス~



俺は、ストレージから、マジックバックを5個出すと、


王妃様に手渡して、


「赤龍号に5個積んでおきましょう、


赤いバラ号には既に5個積んであるので、」



「「は~い!承りました~タカシ様~」」



「さて、じゃあ、補給線の確保と、難民救助作戦を始めますか、」


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