-58話ー 副艦長サニー
アニタ様ご一行とわい、わい、として居たら、
宮殿の方から乱れた衣服の一人の女性が
よろ、よろと歩き乍らやって来た。
「誰?あの娘、あっ、こけた。」
「あ~あれは、噂の副艦長のサニーですね~如何したのかしら?」
「「はい、朝、発見した時は、酔い潰れて、
便器を抱き締めて寝て居たので、
面白いから、其のまま放置して来たのですが、でござるが、」」
こけて、乱れた衣服がまくれて、ドロワーズが丸出しに、
「全然色っぽく無い~」
ゾンビの様にサニー副艦長は立ち上がると、
「酷いです~気が付いたらタカシ様は、便器に成って居るし~
誰も居無いし~置いてけぼりにされたのかと
思っちゃいましたよ~・・・・あっ、タカシ様・・・・」
サニー副艦長は、乱れた衣服をなおすと、ぱ、ぱっと汚れを払い、
背筋をピンと伸ばすと、
「お早う御座います。タカシ様昨夜は、
セリカ艦長とは如何でしたか?
さあ、次は私の番です。人の居ない所へ参りましょう」
「おお、空気読まない娘、登場だ~」
此の後皆に爆笑された後、セリカ艦長に此れ迄のいきさつを聞いた。
「そ、そんな~私も恋人にして欲しいです~
フレイヤ様の声も聴きたかったです~え~~ん!」
「あっ、そういやあ、一番笑い転げる筈のリリーが、無反応だね~
可笑しいな?いや、おかしい?リリ~・・・・・・・・」
ダーリン・・・・
「どしたの?」
私は、アニタちゃん担当の分割された分体リリーっス~
本体の元祖リリーは現在笑い過ぎて、過呼吸の為、失神中っス~
ほんとにも~困ったもんっス~転げ回って、
大笑いした挙句、白目剥いて、お漏らしして、
気を失うんだから~後片付けするこっちの身にも成って欲しいっス~
「へ~~リリーって笑い過ると気を失うんだ~ほんで、
白目剥いて、お漏らしするんだね~AIなのに~へ~~」
そうっス~何時新しい体を貰っても良い様に
仮想空間内にポリゴン3Dリリーちゃんを作って、
意識を連動させて居るっス~
何時ダーリンに抱かれても良い様に、
日々技の開発にいそしんでいるっス~そんな訳で、
三人にはまだ、分体リリーは付いて居ないッス~
「へ~そうなんだ~聞かなきゃ良かったよ~」
「タカシ様、リリー様は、体を持たないのに凄っごく
人間味が有るのですね、」
「そうなんだよね~本来AIなんだし~状況説明や、
行動判断、とか~
ピンポロパ~ン、レベルが2に成りました~
とかのアナウンスが役割なんだと思うんだけれど、
何か、人格が有るんだよね~
自分は女性の味方だ~とか、一緒に旅がしたい~とか、
抱いて欲しい~とか、怒ると、話ししてくん無いし~
みょ~にオタクがかった趣味とか~中二病だし~
あの飛空艇の魔改造もリリーの趣味なんだよね~
他にも2隻、作って居るし~
面倒くさい事はすっ飛ばすしさ~
何か抜けてるところも多いし~・・・・でもさ、
話して居て飽きないんだよな~楽しいし、」
「タカシ様の正妻ですものね~
私は好きですよAIって何か分かりませんけれど、」
「「「私達も早くリリー様と話がしたいです~でござる~」」」
「で、タカシ様、本題に入りますが、
ぎたーって何ですか?演奏しながら歌うって?
吟遊詩人様の歌う物語では無いのですか?・・・・
私も是非聞きたいです。聞かせて下さい。お願い致します」
「「私達も聞きたいです~でござる~」」
「セリカ艦長とサニー副艦長だけが聞いてたなんて、
何か悔しいです~」
「そうでござる、何か負けた気がするでござる~」
「皆そうだ~そうだ~聞かせて下さ~い」皆
本題って、じゃあ、今迄のは伏線だったの~長すぎるよね~
伏線にしちゃ~長すぎるよね~ね~
「んん~もう、朝ご飯の時間だからね~今日、
昼から会食があるじゃん
今回参加してくれた皆、招待するからさ~
スパリゾートで疲れを取った後に~
大宴会場で会食しようか~
あそこなら、眷属、配下、皆、入れるし~
風呂上がりの~ラフな格好で~気楽に~
酔っぱらえるしね~かくし芸大会とか
しようか~其処で俺もギターの弾き語りするからさ~」
「皆きゃ~きゃ~若返られる~ヒャッハ~」皆
「でも此の事は他言無用でね~」
「皆は~い、墓にまで持って行きま~すっ!」皆
アニタ様と其の一行は、一礼すると、宮殿の方へ戻って行った。
すると、ベンチの下から、ポチが、にゅうっと出て来て、
「ますた~かえろ~」
「あれ?ポチじゃんどうしたんだい?」
「うん、まり~ね~ちゃんと~えめるだね~ちゃんに~
ますた~のごえ~っていってた~」
「そうか~有難う、見守って居てくれたんだね~」
「うん、ますた~を、こ~げきしたら~みなごろし~」
「何気に怖え~よ、ポチ~」
「だって~るび~ね~ちゃんが
やっておしまい~っていってたよ~」
「う~ん、コッサリア神国壊滅するとこだったわ~」
ポチが俺の頭の上にぴょ~んと飛び乗って来た。
何時もの定位置だね~
「うん、やっぱり俺、禿るな~」
と、振り返ると、顔を引きつらせて立って居る女性が居た。
「あれ?サニー副艦長?一緒に戻ったんじゃ無いの?」
「コッサリア神国、壊滅って‥‥あの、その~」
サニー副艦長は、もじ、もじ、し乍ら
「あの~私、まだ返事聞かせて貰って無いんですけど~あの、
私も恋人に・・・・ダメですか?」
「んん?そう言や~そうでしたね~急展開な事が多過ぎて
すっかり忘れてました~」
泣きそうな顔でサニー副艦長は、
「やっぱり、ダメですよね~・・・・」
下を向いてしまった。
「そんな事は無いですよ~サニー副艦長も凄っごく面白かったし、
いじりがいも有りそうだし~」
「判断基準そこ~?でも、嬉しい~」
サニー副艦長はタカシに抱き付くと、キスをして来た。
凄っごいディープなやつだ、糸を引く位に
すると、サニー副艦長は輝きだすと、
宙に舞い天上から、光の粒が降り出して、鐘の音が鳴り、
天使が舞い降りて、サニー副艦長の回りを祝福しながら回って居る。
サニー副艦長は、感極まって大泣きしている。
「う~ん、女の子は皆、此の演出が、好きなのかね~?
皆、大泣きするし~」
祝福タイムが終わると、サニー副艦長はタカシの前に跪き、
祈る様に、手を組みにっこりとほほ笑んで、
「タカシ様、一生、尽くしてまいりますね、」
とタカシに抱き付いて、
「さあ、タカシ様、私を抱いて下さい、
今抱いて、すぐ抱いて、此処で抱いて~」
とタカシを押し倒してしまった。
すると、ポチが、タカシに抱き付いて居る
サニー副艦長の頭を触手で鷲掴みにして引き剥がした。
「だめ~、つぎは、ポチのばん~じゅんばん~」
「ええ~!そんな~」
「いっ、そうなんだ~ポチの番なんだ
~知らんかったわ~で順番って何?
サニー副艦長、御免ね~順番って何か分からないけど我慢してね~
因みに、、リリーは今、笑い過ぎて、白目剥いて、お漏らしして、
気絶してるらしいんだよね~順番って何か聞きたいんだけど、
所で、皆の所に戻らなくて良いの~?」
「はい、私がばっくれるのはいつもの事なんで、てへっ
でも、タカシ様から納得いく返事も頂いたので、
皆の所へ戻りますねっ」
もう一度タカシに抱き付くとディープなキスをして
、口から引いて居る糸をじゅるりと飲み込むと、
「今日は、此れ位で勘弁してあげるわ」
と、呟いて、立ち去って行った。
タカシは近くに有った木の幹に片手を付くと、は~~っと
大きな溜息をつくと、
「つ、つかれた~~」
と言って屋敷に入って行った。
其のままポチと、食堂へ行くと、眷属、配下が揃っており・・・・
爆笑で迎えられた。み、皆見てたのね・・・・ぐっすん
「タカシ~最高に面白かったのじゃ~妾も混ぜて欲しかったぞよ~」
「そうだよね~コッサリアの人達とは上手くやって行けそうだよね~」
「おう、中々面白れ~連中だぜ、」
「ああ、あの、聖女アニタ様が私のお姉様に~
憧れの人だったのでとても嬉しいです~」
「そうですな、コッサリア神国とは良い関係が築けそうですな、」
「眷属、配下うん、うん、」眷属、配下
「あれ?王様アニタ様ご一行の接待はしなくて良いんですか?」
「はっはっは~気を使わせても何で御座いますので、
部下に丸投げして来ましたよ~」
其れで良いのか王様~
俺は、マリーとエメルダが座る席に付くと、
「「タカシ様、お早う御座います~」」
「うん、お早う、マリー、エメルダ」
厨房からブラウニーのブラウンが朝食を持ってやって来て、
「タカシ様お早う御座います。
今朝の朝食は、焼き魚定食で御座います~」
「お早う、ブラウン美味しそうだね~あっ、そうそう、
今日の会食だけど、
スパリゾートの大宴会場でアニタ様ご一行の皆さん、
招待したからさ~お願い出来る~?」
「はい、承知致しました。王陛下とも打ち合わせを致しまして、
用意致しますので後は、
お任せくださいな、だ・ん・な・さ・ま・きゃっ言っちゃった~」
顔を赤くして、走って厨房に戻るブラウン
「う~ん、新妻モード?」
今日の焼き魚は、アクアマリンが、アッシリ湖で捕って来た
グレートサーモンの切り身を焼いた、焼き魚に、
納豆に生卵、おかずのりに、
味噌汁と言う、朝定食だ。最近の俺のマイブームだね、
食後、美味しいマロンケーキを頂いて、コーヒーを飲みながら、
「あっ、そうそう、リリ~もう気が付いた~?」
・・・・はいっス~申し訳ないっス~・・・・
「うん?何やら落ち込んでいる御様子だね~如何したの?」
はいっス~ダーリンをおっぽいといて気を失うなんて、
恥ずかしいっス~防御結界は張って有るものの、
防御以上の攻撃を受けたらダーリンを死なせてしまう所っス~
「う~ん?そんな敵現れたら、
他のリリーが知らせてくれるよね~?あっれ~?
もしかして、白目剥いて、
お漏らしして失神したのがショックだったとか~AIなのに~」
・・・・・・・・ダ~リン・・・一・辺・・死んで見る~~・・・・
「・・・・御免なさい・・・・」
ショックだったんだ~
「ところで、赤龍号と、黒龍号だけど~もう出来てんの?」
はいっス~完成せているっスよ~後は試運転するだけっス~
「じゃあ、後で、見せて貰って良い?ちょっと見てみたいんですけど~」
と、王様が、俺の横にすっ飛んできて、うる、うるした目で、・・・・
王様、可愛く無いから気持ち悪いから、勘弁して~
「タカシ殿・・・・わしも見たい~」
「はい、はい、分かりましたから、王様~顔が近い、顔が、
所で王様、赤龍号と、黒龍号、どっちが良いですか?」
「そりゃ~渋いく・・・・」
「妃、姫、赤で!!ぎろっ!」妃、姫、
「びく~っ!・・・・赤で、ぐすん・・・・」
「・・・・王様、がんば~・・・・」
朝食の後、王様は、炊き出しと、衣料品の配布を、
弟の、宰相ジョン公爵に丸投げした。良いのか~其れで~
「くすん、わしも見たいのに~・・・・く・や・し・い・で・すっ」
「ジョンさん時間の空いた時ゆっくりと、遊覧飛行でもしましょうね~
一泊二日で、ジョンさんのご家族だけでねっ」
「ま、まじ~?あ、兄上、明日、明後日は、休みを頂きますぞ~」
「妻、娘きゃ~きゃ~貴方~お父様~ステキ~!頑張って~!」妻、娘、
「おうさ~!」
「・・・・・・・・うら、いや、良いであろう、此れ迄も良く働いてくれておるし、
許可・・い・た・す・・・・ぐっは~」
血を吐き、四つん這いに成りながら、王様は、小さな声で・
「わしも、妃とろまんてぃっくな夜を過ごしたかった
・・・・ぐっは~」
「此のおっさんはほっといて拠点へ行きますか~後、
ジョンさん宜しく~」
「おう、タカシ殿お任せ有れ!」
ジョンさん張り切り過ぎ~
食堂の隅っこでは、
「うんま~、うんま~なんやねん、むっちゃ美味いやんけ~
ね~フレイヤ様~」
納豆ご飯で口の中を粘々にし乍ら、糸を引く納豆を飛ばし
御飯をかき込むスクルド、
「もう少し落ち着いてお食べなさいスクルド、見っとも無いですよ、
うん、とても美味しいですね、」
と納豆ご飯で、口の中を粘々にし乍ら、咀嚼して居る主神フレイヤ様、
「威厳が~女神の威厳が~・・・・もぐもぐ、でも、本当、美味しいわ~
しかし~威厳が~」
女神の威厳と食欲の狭間で葛藤を繰り返し乍ら、口の周りを糸を引く納豆を付けて、
納豆ご飯をほうばるヒルドだった。