ー51話ー 飛空艇、ワイバーン襲来
王様から女教皇様来訪の報告を受けて、五日が過ぎた、
五日間マリーと、エメルダに世話をして貰っている。
毎日3回、湯治の為に
銭湯に行くのとトイレに行く時くらいしか
部屋の外に出して貰えない、
あと二日は大人しくして居無いと、リリーに怒られるのだ。
「う~ん、充分俺もリリーの尻に敷かれて要るな~
王様の事、とやかく言えないよね~」
食事は、三食、ポチと、ブラウンが、
精の付く物を用意してくれている。
その食事をマリーとエメルダが、交代で、ア~ンしてくれている。
どうだ、羨ましいだろう、
「その内爆発するな~俺」
今日のお昼は、スタミナたっぷりのレバニラ炒めを
エメルダにア~ンして貰ってうまうましたのだった。
それ以外は暇で、何をしているかと言うと、
寝てるか、ボ~っとして居る訳であるが、
ヨシュア王国の復興は、軌道に乗っていて、
配下達が頑張ってくれて居る。
既に他の町や、貴族の領地から、王都へ、
貴族軍や商人達が次々に集結して来て、
既に商売なんかも始まって居り、順調だ。
アレス王国からの難民の受け入れはと言うと、
すでに壊滅したアレス王国の治安は酷い物であったが、
国境付近の治安は、生き残った軍隊により
目立った所の治安は優れた指揮官により、
何とか平穏が維持されていた。
・・・が如何せん食料がなかった。
其のことをいち早く知ったヨシュア王国軍は、
先ず手厚い食料の援助を行った。
この事を受けて、元アレス王国の指揮官達の信頼を得ていた。
おかげで、難民の受け入れもスムーズに行われた訳だ。
既に飢えていた難民達に食料の配布等も行われて
難民がどの土地に行くのかを決めている所で、
此方も順調である。
次にコッサリア神国の飛空艇だが、此方も、隣国のミシュラン王国の
森林地帯を通過中で王都迄、後二日の所まで来ている・・・・が、
「う~ん、問題発生だな~リリー悪いけど~サファイアとルビー
呼んで貰って良いかな~」
は~い、マイダーリン既に呼び出したッスよ~
直ぐに其方に到着するっス~
「さっすが~リリー仕事が早いね、
よいしょ~!どっかの工務店みたいだわ~」
褒めて、褒めて~此れも妻の務めっスね~
其れと言うのも、飛空艇は現在、
空のドラゴンとも言われるSSランクのワイバーンと交戦中だ。
「どう逃げられそう?」
う~ん・・・
無理っスね~ワイバーン自体はそんなに大きくは無いっスけど~
15Mは有るっスね~飛空艇は風船部分を破られると後は、
レビテーションの浮遊魔法だけに成るっス、
其れだけでは、重い船体は支えられ無いっス~不時着っスね~
「ですよね~防御結界は張っている様だけど~
ワイバーン相手じゃ無理だよね~あっ、風船破られたみたいだわ~」
そうっスね~飛空艇どんどん高度が落ちて行って居るっスね~
普通であれば、飛空艇を運用する時は、
事前に航路上に障害と成るモンスターの有無を確認するのだが、
緊急に出発した様で、障害の有無を運任せにした為に、
ワイバーンの縄張りに侵入したのであろう、
ワイバーンの襲撃を受けてしまった様だった。
此の世界はモンスターがうようよ居る実に人に優しく無い世界なのだ。
ー飛空艇ー
「アニタ様~大変で~す~ワイバーンが現れて
こっちに向かって来ます~」
「アニー慌てないで、ワイバーンの大きさは?」
「凄っごく大きいです~!」
「リニア、アニーは使い物にならない様なので、
お願い出来ますか?」
「はい、了解したでござる。しかし、拙者、空は飛べぬので、
余り役には立たぬでござるよ」
「リニア、貴方もですか、落ち着きなさい、
乗組員を集めて、魔力砲と、強弩と弩を使いなさい。
其の指揮を執って下さいな」
「はっ!承知つかまつった。では、此れにて失礼仕る」
「う~ん、落ちますね、此の船・・・・
覚悟するとしましょうか、」
「え~ん!ミシュラン王国の司祭め~何も無いって言ってたのに~
恨んでやる~・・・・へっ、へっ、へっ~恨みはらさで置くべきか~」
「アニー落ち着きなさい、そう言う事は口に出してはいけませんよ、
無事にヨシュア王国に辿り着いてから思い切りやりなさい、
良いですね、」
「は~い~すみません~アニタ様~」
そこへ、リニアが部屋に飛び込んで来た。
「アニタ様~風船が破られましたでござる~!!
落ちるでござる~!!」
「リニア慌てないで、いっぺんに落ちたりしないから!
徐々に高度が下がって、不時着しますから!
其れよりも乗組員は無事ですか?」
「無事でござるよ、結界と拙者が居るでござる
ワイバーンごときに乗組員を殺らせたりしないでござる~!」
「宜しい、では不時着後、乗組員を地上に展開して、
強弩と弩、飛空艇からの魔力砲で、
けん制してワイバーンを地上に落として下さい。
後、貴方は剣で、他の者は、槍にて
ワイバーンを攻撃、撃破は、無理でも、
撤退に追い込んで下さい。」
「はっ!承知つかまっつた。早速指揮に戻るでござる」
飛空艇とワイバーンの激闘が繰り広げられていた。
ータカシの部屋ー
「タカシ君お待たせ~来たよ~」
「タカシ~待たせたな~来てやったぜ~」
「サファイア、ルビー急に呼び出して御免ね~」
「タカシ君の呼び出しなんて、珍しいよね~」
「タカシの呼び出しだ、別に構わないぜ~」
「実は二日後に到着予定の女教皇様の飛空艇が
現在ワイバーンと交戦中なんだよね~」
「「ああ、リリーから聞いて、マップを見て、知って居るよ~ぜ~」」
「うん、女教皇様は俺のお客さんなんだよね~
此のまま死なせる訳に行かないんだよね~だから~助けたいんだよ~」
「「良いよ~ぜ~」」
「有難う、二人共、先ずは、サファイヤ、
マップを使って遠隔でワイバーンの命を奪って
其のままストレージに回収して貰って良いかい?」
「OK~ワイバーン、ロックオン、殺処分、完了、
ストレージに回収、完了、終わったよ~」
「早やっ!其れからルビー現場まで飛んで、
どれ位時間が掛かるかな~?」
「う~ん、そうだな~超音速で飛べば1時間、
掛からねえんじゃ無いか~?」
「早や!其れじゃ現場に行って壊れた飛空艇抱えて拠点まで、
運んで貰って良いかな~?」
「ああ、良いぜ~行くのは超音速で行くけど~帰りは、
勿論結界張るけど、
壊れない様にすると、まあスピードはかなり落ちるからな~
まあ、日暮れ迄には帰って来れるだろ~」
「うん、其れでOK~其れと、
飛空艇運ぶ許可は事前に貰ってね~」
「おう、飛空艇を修理するからとでも言って置くわ~
そんじゃ~行って来るぜ~」
「は~い、宜しくね~」
「おう、任して置け」
夕暮れ近くにルビーは、ドラゴンの姿で、
飛空艇を抱えて拠点に戻って来た。
乗組員を地上に降ろすと、
其のまま飛空艇をストレージに仕舞った。
「エルダードラゴンのルビー様、
インベントリ(無限収納)に収納しただけで、
本当に飛空艇を修理出来るのですか?」
「おう、間違いね~ぜ、
此の俺の旦那の軍師AIのリリーって~言うのが
修理するんだぜ~
明日の朝には出来てるって言って居たから楽しみに待ってな、」
「はい、承知致しました。何から何迄本当に有難う御座います。」
「良いって事よ、俺の愛する旦那は太っ腹なんだぜ、
おっ、ジュエリーが来たな、後は任せたぜ、」
「はい~ルビー様~任されました~
皆様良くおいで下さいました~
床に臥せって居る主人に変わりまして~
皆様をご案内させて頂きますね~
私は~ドライアドのジュエリーと申します~
宜しくお願い致しますね~」
「こちらこそどうぞ宜しくお願い致します。
私は、コッサリア神国の
アニタ、ボロネーゼ、コッサリアと申します。
此方に控えるのが、側近のアニー、フランソワ枢機卿、
そして、こちらが、
護衛のリニア、フレグランス近衛聖騎士団長でございます。
でも、エルダードラゴンのルビー様やドライアドのジュエリー様を、
使いに出すだなんて、凄く名の通ったご主人様なのでしょうか?」
「いいえ~私達の旦那様は~ただの新米冒険者です~
でも~凄く優しいんですよね~」
「いっ、他にも奥様が居られるので御座いますか?」
「はい、沢山いますよ~まだまだ増えそうだし~困ったもんですね~」
「す、凄いですね、」
「はい~凄いんです~では、
此方においで下さいな~食事の用意と、
今夜の宿舎を用意して有りますので~
聖女様と側近のお三方は、
母屋の方に部屋を用意して有りますので~
食事が終わりましたら其方へおいで下さいな~
今夜の食事は~
今日倒したワイバーンの焼肉定食と成って居ます~
デザートにチョコレートパフェを用意しているそうですよ~
凄く美味しいんですよ~
羨ましいです~其れと船員の方は~
宿舎の大浴場を使って下さいね~
お三方は母屋の銭湯を使って下さいね~
スパリゾートがお勧めです~広いですよ~
温水プールも有るし~サウナで汗を流した後で~
薬湯に浸かるのがお勧めですね~どんな傷も治るし~
お三方の一番綺麗だった頃に迄若返っちゃいますよ~」
「まあ、嬉しい、御伽噺みたいですね~
・・・本当にそうなら今迄の苦労が報われるのですが・・・・」
「まあ、入った後で驚いて下さな~」
「ええ、そうですね、そうさせて頂きますね、」
一行はパレスとは別に造られた宿舎、
最近お客さんが多いので、タカシが暇を見て造ったまあ、
言えば、レンガ造りの社宅の様な宿舎だ。の食堂へ行き、
ワイバーンの焼肉定食を食べた。
此の世界、強い魔獣程、美味いのだ。
ワイバーンの肉は、
まあ言えば、国産牛並みの旨さと柔らかさである。
其のワイバーンのカルビ部分を焼いた焼肉、
(魔獣の肉も場所によって味や食感が変わるので、リリーによって、
血抜きも完ぺきで、しかも各部位に切り分けられて居る。
ホルモンに至るまで、最高の状態で保存が出来るのだ。)
更にアバラ白金のタレを使って居るのだ。
美味くない訳が無いのである。
其れを、タカシの料理の一番弟子のポチと、
二番弟子のブラウンと其の料理人達が、
腕によりを掛けて作って居るのだ。美味くない訳が無いのである。
「美味~い、何か凄く美味しいです~あっお代わりお願いします~」
「美味いでござる。美味いでござる~!!拙者もお代わりを所望するでござる~!!」
「うん、本当に美味しいですね、お肉もとても柔らかいですね、
此の、ご飯と言うのに凄く合いますね、」
最近は、何時も、食事の半分以上を残してしまうアニタも、今日は、完食した。
食後チョコパを出されると、
「なんて、美味しいの~有り得ませ~ん」
泣きながら食べて居るアニー
「うお~!美味いでござる~!!
美味いでござる~!!ござるでござる~」
もう、何が何だか分からないリニア
「あ~美味しいわ~私、甘い物に目が無いの~
な、何なの此の苦いようで甘くて、
少しお酒が入って居るのかしら、
芳醇な香りが又、たまりませんね、
何時もの焼いた砂糖菓子とは大違いです~
あ~こんな寿命がつき掛けて居る時に、余りに残酷だわ!
私もっと生きたい~こんな気持ちは初めてだわ、
寿命が尽きて死ぬのは嫌!
もっと一杯美味しい物を食べたいの~
何でもするわ私・・・・そう、お風呂!
確かドライアド様のジュエリー様が
此処のお風呂の薬湯に入ると若返ると言って居たわ
此れだけ美味しい食事をいとも簡単に出せるのだもの、
・・・・有るかもしれない、・・・・行くしかないわね。
此処に奇跡が有るかもしれないわ、
此のチョコパと言ったわね、食べ終わったら
早速、薬湯と言う物に浸かってみましょう」
三人は、食後、口の周りをチョコだらけにし乍ら、
早速ジュエリーに案内されて、
パレスの中に設置された銭湯のドアから、
スパリゾートへと入って行った。
ヤマダタカシは、夕食を終え、
今日三度目の湯治に銭湯の男湯へとやって来た。
脱衣所で、マリーと、エメルダの全裸を見て
元気になった獅子丸君に濡れタオルを引っ掻けて
上げたり下げたりピコピコ上下運動をさせ乍ら、
「俺は何時もこうやって、獅子丸君を鍛えて居るんだお~」
「「いっや~っタカシ様~下っ~品~」」
ダーリン下っ~品~っス~そんなことばっかししてたら
ちんこもいじゃうっスよ~
「リリ~それだけは勘弁して~」
などと、バカな事を言い乍ら湯気で見通しの悪い浴場へ、
マリーとエメルダに掛湯をしてもらい、
薬湯へと、皆が入る時間帯はずらしているし、
入って居る時は掛札をする様にして居るので、
誰もいないはずなのだが、其処に誰かが居た。
「あっ御免ね~掛札掛かって無かったから誰も居無いと思ったよ~
一緒に入って居ても良いかな~?」
「あっ、えっ、いえ、あの、その、」
「タカシ様~誰か先に入って居るのですか~?」
「御免なさいね~入浴中の看板掛かって居なかったから
入って来たんだけど~
タカシ様も湯治に来ているの~ご一緒させて下さいね~」
「は、はい、承知致しました。
私も、看板のこと知らなくて御免なさい」
「・・・はい~?君もしかして、今日来たお客さん~?」
目の前には、15歳位のプラチナブロンドの可愛い少女が、
ペコペコと頭を下げながら謝っている。
「も、申し訳御座いません、私、今日助けて頂いた
アニタ、ボロネーゼ、コッサリアと申します。
今日は本当に危ない所、助けて頂いて本当に有難う御座います。
ヤマダタカシ様?
おまけに、この様に若返らせて頂きまして、
何とお礼を申し上げて良いのか分かりません」
「良いの良いの、困った時はお互い様、
ましてや、ヨシュア王国の
復興支援の為に来てくれたのだし助けて当然、
もっと少し早く助けたかったのだけれど、気付くのが遅れちゃって、
御免ね~若返りは、其のお詫びですよ~
でも、他の人達が大挙して来られても困るので、
此の事は他言無用で、
まあ、知られたら知られたで、とっと逃げるだけですけど~」
逃げるんかい!っス~
「はい、承知致しました。部下達にはかん口令を敷きます。
そして、この秘密は、墓に迄持って行きますねっ・・・・・ぽっ」
「ぽっ?う~ん、墓に迄持って行きますって、
どっかで聞いたよね~此の台詞?」
「あの、その、スパリゾートの薬湯に浸かって私、
もう忘れていた一番綺麗だった頃の私に若返って余りにも感動してしまって、
此方にスパリゾートの原型と成った銭湯と言う物が有ると聞きまして、
私、是非、奇跡の元のお湯に浸かりたくて、その・・・・」
「うん、気持ち良いでしょ此処、
俺も、ここ最近魔力の使い過ぎでダウンしてたんだよね~
で、毎日、日に三回、湯治に此処で薬湯に浸かってたんだよ~」
「はい、分かりました・・・・所でタカシ様、」
「はい、何でしょう、」
「わ、私殿方の裸を見るのは初めてなのですが、
其の~腰のあたりで、タオルがその~
ピコピコして居るのですが~何なんでしょうか?」
「・・・・へっ?・・・・」
俺は、獅子丸君に濡れタオルを引っ掛けてピコピコさせたままであった。