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-50話ー コッサリア神国女教皇アニタ


此処、北大陸の最南端に位置する、


コッサリア神国、コッサリア海峡の向こうは、


南大陸である。北大陸と、南大陸の貿易の中心地で有り、


女神教の総本山でもある。


其の聖都コッサリアの女神教大神殿の主こそ



此の世界で唯一、リザレクションの復活の大魔法を操れる


女神教、聖女で女教皇のアニタ、ボロネーゼ、コッサリア150歳、


見た目は18歳だ。其の彼女の執務室、


光沢のある白絹で出来たローマ風の衣装に身を包み、


プラチナブロンドの髪には、



緑色のエメラルドを散りばめた、希少なミスリル製の


白銀のティアラが輝いている。彼女は、今しがた、


ヨシュア王国の女神教神殿から魔法具で送られて来た。


報告書に目を通していた。読み終えたアニタは、


側近の枢機卿の、アニーに



「・・・・アニーこの報告書を読みましたか?」



「はい、アニタ様、とても信じられない事で御座います」



「そうですね、でも、真実であるならば・・・・


確かめねばならないですね、


アニー今すぐ飛空艇の準備を、今日中に発ちます」



「アニタ様、今日中に発って強行軍をすれば、


10日程で到着する事が出来るでしょう、


護衛の編成は如何いたしますか?」



「そうですね、今回は、面会と、救援が目的と成りますので、


物資を多く積み込む為にも護衛は不要です。


側近もアニーだけと致します。


その分を物資、食料は十分有るとあったので、


不足している物、衣類ですね、


其れと、復興援助金に、金貨では、かさ張るので、


一枚で、金貨500枚分の王金貨で、


そうですね、一万枚用意してくれますか?」



「物資に付いては、承知致しました。


しかし、救援に王金貨一万枚は多過ぎるのでは有りませんか?


其れと、護衛に一騎当千の近衛聖騎士団長の


リニア、フレグランスだけでも、お連れ下さい、


アニタ様に万一の事が有ったりしたら、


責任の取り様が有りません」



「復興援助金一万枚ですか?多くは有りません、


少ない位です。この案件は、


コッサリア神国の此の先の行方を左右する重要な案件です。


幸いコッサリア神国は、南大陸との貿易で裕福です。


其の潤沢な資金を今使わずいつ使うのでしょう?



私は、話が上手く進めば、更なる追加の援助も考えて居ります。


リニアの護衛の件はアニーに任せましょう、」



「はい、アニタ様承知致しました。しかし、今回の救援は


其れほど迄に重要なので御座いますか?」



「重要です。上手くすれば・・・


私の後継者が見つかる可能性が非常に高い、しかも、


恐らく能力は、私より遥かに高いでしょう、おまけに、


女神様が三柱も付いて来る。上手く行かなくとも、


よしみを交わして置いて損は有りません



こんな美味しい話、私は聞いた事が有りません、


後は此の方、ヤマダタカシ様ですか、


がどの様な性格の方なのか、何か目論んで居るのか、


・・・居ないのかによりますね、」



「そこ迄お考えの事であれば、私が申し上げる事は何も御座いません、


早速出発の準備に取り掛からせて頂きます」



側近のアニーは急いで執務室を出て行った。


後にぽつり一人残されたアニタは、



「さて私の寿命が尽きる前に


後継者を残す事が出来れば良いのですが・・・・」



と窓の外に広がる中庭をぼんやりと眺めながら呟くのだった。



・・・・・・・・



あっ、ダーリン目が覚めた様っスね~



ん~リリ~お早う~



お早うって、ダーリンまだ、寝ぼけて居る様っスね~もう昼過ぎっスよ~



えっ、そうなの?何か良く寝た気がしたんでね、



そりゃよく寝た気もするでしょう、三日間眠りっぱなしだったんスから、



そんなに寝てたの俺、其れであんなに長い夢を見てたのか~



んん?長い夢って何スか?



うん実はさ、女神フレイヤ様に魂を神界に召喚されて、


今回の悪魔との戦闘の詳細を質問されてたんだよね~結構リアルな夢で、


話の中身も覚えているんだよね~



う~ん?・・・・其れは夢じゃ無いかも知れないっス~


体から魂を抜かれれば、体は寝ている状態と変わらなくなるっス~


だから、体が動いて居る時にいきなり魂を抜かれると周りが心配するっス~



寝て居る時であれば魂を抜かれても、状態は変わらないので、


召喚しやすいのでは無いかと思われるっス、


其れに、夢の記憶は結構曖昧っス~


そんなにはっきりとした記憶が有るのであれば、


実際に話をした可能性は十分に考えられるっスね~



ふ~んそんなもんかね~



そんなもんっス~


其れとダーリンが此の世界に来てこっち、


毎日の様に大量の魔力を使って居たので、


大分体に疲労が溜まって居る様っス、


体の損傷は回復出来ても疲労迄は取れて居ない様なので、


王国の復興も軌道に乗った事だし、此処で一旦、休養を入れるっス~



一週間はベットで寝て居る事、良いっスね~


出歩いてはダメっスよ~分かりましたか~



へ~い



俺が目を開けると、ベットの横にマリーが付き添ってくれていて、


畳の上で、エメルダが仮眠していた。



「タカシ様やっと目覚められたのですね、


何日も眠ったままでしたので、心配致しました。」



とポロポロと泣き出した。


仮眠して居たエメルダも飛び起きて、タカシに抱き付いて、



「タカシ様~心配致しました~」



と泣いて居る。



「マリー、エメルダ心配掛けて御免ね~もう大丈夫だからね、


ずっと付き添ってくれて居たんだね、有難う」



「はい、エメルダと交代で付き添わせて頂いて居りました。」



と、部屋の扉がバ~ン!と開いて、


人型に変身しているポチとブラウニーのブラウンが


部屋に飛び込ん来て、タカシに抱き付いて来た。



「ますた~しんぱいしたよ~え~ん!」



「旦那様~心配しました~ひ~ん!」



俺は、抱き付いて居る二人の頭を撫ぜ乍ら、



「二人共心配掛けて御免ね~もう、大丈夫だからね~」



「ますた~おなかへってない~?」



「そうでした、何か精の付く物を作って来ます~」



二人は、急いで部屋から出て行った。



「マリー、エメルダ他の皆は?」



「はい、眷属達は、復興業務の手伝いに、」



「配下の者達も一緒です。ギルマスの、アンジェリーナは、建物を一つ借り受けて、


冒険者ギルドの再開をして居ます」



そうこうして居る内にマリンが、ティンクが、ルビーがサファイアがフノスがジュエリーが


オパールがエメラルドが飛んで、やって来た。



「タカシ~心配したのじゃ~しましたわ~したよ~したぜ~しましたえ~し、したんだな~」



「皆~心配掛けて御免ね~もう、大丈夫だからね~」



「眷属大丈夫じゃね~!!」眷属



「リリーに一週間は絶対安静と言われたんだろうが~バカタカシ~」



「そうなのじゃ~一週間は安静にしておくのじゃ~バカタカシなのじゃ~」



「そうだよ、ちゃんと一週間、安静にして居るんだよ、バカタカシ君」



「そうですわよ~リリー様に言われた通りに


ちゃんと安静にして置きなさい、バカタカシ様」



「そうですわ~ちゃんと安静にして居て下さいまし、バカタカシ様~」



「そうです~安静にして居て下さい~バカタカシ様~」



「そうどす~安静にして居ておくれやす~バカタカシ様~」



「そ、そうなんだな安静にし、して居るんだな


、ば、バカタカシな、なんだな~」



皆、心配して居てくれたんだな~有難いね~ほっこり~



「あ~い分かりました。安静にして居ます~」



此の後配下の王様達が押し寄せて来た。


皆色々と心配してくれている様で


有難い事だ。皆に心配掛けない様にしないとね~



「所でヤマダ殿、寝ている所申し訳無いのですが、


一つお耳に入れたい事が有ります。


実はヤマダ様が寝ている間に女神教神殿経由で、


コッサリア神国から親書が届いて居りまして、


王国の復興支援の為に


飛空艇を此方に向かわされるとの事でして、その~



其の飛空艇にコッサリア神国の聖女で女教皇の


アニタ、ボロネーゼ、コッサリア様が、


乗って居られるそうなのです。そして、


救世主である、ヤマダ殿と、三柱の、


女神様との面会を求めて来て居るのですが、


如何したものかと、」



「え~面倒~其れに~


リリーに一週間は寝て居る様に言われて居るし~無理~」



「お、お父様、聖女アニタ様が来られるので御座いますか?


此処数十年は、大神殿から一歩もお出にならなかったと


聞き及んで居りましたが」



「そうなのだ、大神殿は女神フレイヤ様の


神聖結界が張られて居る場所でも有り


邪悪なモンスター等は近ずく事も出来ないし、


聖女様も結構なお年と聞いて居るのだが、


確か150歳だとか、何だとか、けれど、


神聖結界の中には、神気が溢れて居り歳を取る事も無く、



今も10代のお姿のままなのだそうだ、其の聖女様が


わざわざ魔石の燃費の悪い飛空艇迄持ち出して迄、


此方に来ると言う事は余程の事なのだろう。


一昨日に出発して居るとの事でしたから、



旅程は10日程度との事でしたので、


王都に到着するのは、8日後位で御座いましょう、


ヤマダ殿、体調が許せばの話で御座いますが、


何とか面会して頂く訳には参りませんか?」



「王様、押すね~何か弱みを握られて居るとか?


お妃様に内緒で惚れて居るとか?」



「いやいや、そんなんでは御座いません、


女神教は此の世界の人族、亜人族、魔族、が


信仰する一大宗教で御座います。


其の頂点に立っておられるのが聖女アニタ様です。あの方は、


私が子供の頃、既に女教皇として、活躍して居られました。



弱者には優しく、力に屈服すること無く凛として居り、


人族、亜人、魔族、其の全ての者に平等、


そんな聖女様に私達兄弟は子供の頃から憧れて居りました。


私達は、子供乍らに、美しい聖女様を守り乍ら、


モンスターや悪魔と戦う勇ましい騎士に成る事を夢見て来たのです。」



「うん、うん、そして戦いに勝った後、良い感じでラブロマンスと、


思春期のテンプレですよね~」



すると、お妃様が、ニコニコ微笑み乍ら、


こめかみに血管を浮かべて、



「貴方、後で少しお話が有りますわ」



王様は、さ~っと青ざめて、引きつった顔で、



「いや~ヤマダ殿~そんな事は有りませんって~


私はジャンヌ一筋で御座いますよ~はっはっは~」



乾いた笑いの王様~お気の毒に既に尻に敷かれて居るのね~



「所で王様、飛空艇って何ですか~?」



「はい、飛空艇ですか、北大陸に二隻有るのですが、


一隻はルグレス帝国の女帝が保有して居ます。


もう一隻がコッサリア神国の女教皇が保有して居りますな、


上部に錬金術で精製した魔法ガスを封入した風船が付いて居り、



下に木造船の船体を付けた物で、風船部が、約50M、


船体部が約25Mと言った所でしょうか、


ガスだけでは重い船体を浮かす事等出来ませんので、船体の何か所にも


浮遊の魔法装置が取り付けて有り、


魔法でプロペラを回して飛翔すると言う物ですね、



カッコは良いのですが、魔法で、あの様な重い船を飛ばす訳ですから、


魔石の燃費が凄く悪いのです。


空気が薄く成ると能力がいっぺんに落ちるので


空高くは飛べ無いし、速度も遅い、馬車よりは、早いですがね~



良い所は、山越えの迂回を除けば、


ほぼ、一直線に目的地へ向かえます。


何でも、滅びたエルフの先史文明の遺産だそうです。


暗黒大陸に、数十隻の飛空艇が有るそうで、


北大陸で戦争をする時には、



船団を持って攻めて来るそうです。


魔族を差別した国が幾つも滅ぼされて居ます。


聖女アニタ様は、


百年程前に魔王から飛空艇を一隻、贈られたそうです。


女帝は、その曾祖母が女帝の時に資金力に物を言わせて、


法外な値段で、買ったそうです。


何方にしても私の国では買う事も、


維持する事も出来無いですね、」



「王様詳しいですね~すっごく欲しかったけど


ハードルが高すぎて諦めたとか?」



「・・・・ほ、欲しく何か無いやいっ」



「やっぱり欲しかったんだ、話聞いてるだけだけど、


カッコ良さげだしね~リリーはどう?」



・・・・ほ、欲しく何か無いやいっス~



「リリーお前もか~」



ぺろぺろ~っス~



「じゃあさ~女教皇様と交渉して、


一度ストレージに入れてコピー作る~?」



つ、作るっス~コピー取ったらもっと凄いの作るっスよ~



「おお~楽しみ~って事で、王様、面会する事にしました~


会食にしましょうか~ポチとブラウンに頼んで、


ご馳走を用意するんで、


事前に女教皇様の好み調べて置いて頂けます~」



王様は、キラキラした目でタカシを見つめて、



「わ、わしも、欲し~い~」



「分かったから、分かったから気持ち悪いからそんな目で見ないで


~リリ~王様の分も頼んだよ~」



この際ド~ンと来いッス~



挿絵(By みてみん)

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