-48話ー 王国復興 1
ピピピピピピピ・・・・
もうじき夜が明けるっスよ~ダーリンぼちぼち起きるっス~
うん・・・・う~ん、お早うリリ~もう朝~?
お早う御座いますっス~マイダーリン、今日もやる事が沢山あるっス~
俺は、目を覚ますと、寝袋から顔を出して、周りを見渡した。
俺の周りには、寝袋で寝ている王族の女性、9人と、
聖女バニラ、王室魔導士のウインザーさん、
赤龍騎士団の騎士団長のアンネさん、
副団長の、セリーヌさん、ギルマスの、アンジェリーナさん
の15人が静かに寝息を立てていた。
昨夜、スパで疲れを癒した後、
明日も朝早いと言う事で、早く寝る為に、
部屋に戻ろうとすると、又女子達がぞろぞろ付いて来たので、
各自、部屋の用意をしてあるので、其方に行く様に言ったのだが、
一人は怖いので、一緒に寝たいと言って聞かないのだ、
うら若い乙女が男と一緒に寝たいと言うのは流石に、
世間体が悪いのでは?
と言うと、先代王妃のバーバラさん60歳、今の見た目十七歳が、
「私共は、既に、悪魔に玩具にされた身、
処女で無いと言う事よりも遥かに
忌避されるので御座います。
未婚の者は皆婚約を破棄されますし、
王家としても恥と成るので、嫁に出すと言う事は致しません、
未亡人に成った者も、嫁いだ家から絶縁されます。
本来であれば私達は・・・・
いえ、恥を承知で話しましょう、本来であれば、私達は、
王家の威厳を保つために、自害・・・致します。
が、救われた日より、夢の様な出来事ばかりで、
私達は、生きる事に執着を持ってしまいました。
ヤマダ様と、共に在りたい、
側室とは申しません、愛妾の一人に加えて頂ければ幸いで御座います。」
バーバラさん60歳、見た目十七歳の話の後、15人の女性が、一斉に
土下座して、私達をどうかお側に置いて下さいましと、懇願して来た。
しっかし、自害なんて、人の命、安っす~驚きのレベルだわ~
断れる訳無いじゃん、皆良い娘だしね、
今更助けた命を散らす訳にも行かないので、
「O~K~了解しました~此れから宜しくね~」
すると、15人全員が、子供の様に泣き出した。
実際リン何かは、12歳の子供だし~
しかし何故王族以外の女子達も泣いて居るのだろう?良く分らんな~
12、15、17、18の女の子が折角助かったのに、
又、死を覚悟するなんて、
日本と違い過ぎて、理解出来んわ~本当~過酷な世界だよね~
性に関しておおらかだし~
そういう訳で、全員、3階の俺の部屋、
ワンフロアぶち抜きの広い部屋なのだが、
畳を10枚敷いてある所で、
全員分寝袋を購入して、雑魚寝した訳だ、
畳は、コタツを置く為に敷いて有ったりする。って言ううか、
日本人には、やっぱり畳だよね~落ち着くし~
リリ~王族や、聖女バニラ、王室魔導士のウインザーさん、
赤龍騎士団のアンネさんセリーヌさんのメイド服作って貰って良い?
は~い、ダーリン、良いっスよ~王族の皆には、ティアラでも付けとくっス~
何にするっスかね~オリハルコンにでもしましょうかっス~宝石も散りばめてっと、
はい、出来たっス~
リリー有難う、此れなら、王族の威厳も保てそうだね、バニラの分も宜しくね~
は~い、了解っス~
俺は、各自の着替えを枕元に置くと、
「さ~皆~朝ですよ~今日も一日忙しいから早く起きて~
朝ご飯を食べに行きましょう~」
「女子ふぁ~あ、は~い、お早うございま~す」女子
何故か、マリーとエメルダも混じって居た。
「皆~起きたら、新しい服を用意して有るから、
着替えて、着替えて~
他の皆と一緒で、オパールアゲハと、トパーズアゲハと、
龍鱗の繊維で作った、メイド服で~す。
綺麗で丈夫だよ~王族の娘達とバニラには、
ティアラも付けて有るからね~」
「女子は~い、タカシ様~」女子
「マリー、エメルダ、悪いけど~皆の着替え手伝ってあげて~」
「「は~い、承知致しました~」」
うん、今日も女子達の脱ぎっぷりに迷いが無いわ~全員、
ぱぱっと下着姿に成ると、
枕元に置いてあった、メイド服に着替え始めた。
いつもは、お付きのメイドに
着せて貰うのだろう、なかなかにぎこち無い、
マリーとエメルダが、
上手く手伝っている。さっすが~
着替え終わった皆を見渡して、
「うん、なかなか、皆、良く似合っているね~可愛いよ~」
「皆あらあら、まあまあ、ぽっ、有難う御座います~」皆
王族の10代の皆は、淡いピンクのメイド服に、黄金色に輝くオリハルコン製のティアラだ。
王族の年長者は、青いメイド服に、オリハルコン製のティアラだ。
聖女バニラは、純白のメイド服に、オリハルコン製のティアラだ。
王国魔導士のウインザーさん、赤龍騎士団のアンネさん、セリーヌさん、
ギルマスの、アンジェリーナさんは燃える様な、赤のメイド服だ。
オパールアゲハと、トパーズアゲハの絹の光沢が、キラキラして、光の粒を
撒き散らしている様だ。オパールアゲハと、トパーズアゲハの絹が特別なのが良く分るわ~
「さて、んじゃ朝ご飯にしますか~」
「皆は~い、」皆
俺達は、ぞろぞろと、1階の食堂のドアの中に入って行くと、
ブラウニーのブラウンが出迎えてくれた。
「タカシ様、皆様、お早う御座います。食事の用意が
整っておりますので、お好きな席にお付き下さい」
「お早う、ブラウン、有難う、眷属や王様達はまだの様だね~」
「はい、もうそろそろお越しに成ると思います」
食堂の窓は、少し明るく成った海の景色が広がっていた。
静かに流れるスロージャズが何とも心地良い雰囲気を醸し出している。
空いて居る席に座ると、前の席に、マリーとエメルダが座り、
ポチが、厨房からやって来て、
「ますたーおはようございます~」
「お早う、ポチ、今日も可愛いね~」
「えへへへ~」
と言うと、何時もの様にぽんと言う音と共に、
人型からスライムの姿に変身して、
俺の隣に座りぷにぷにと甘えて来るのだった。か、可愛い~
俺達が朝ご飯を食べ始めた頃に成ると、他の皆が集まり出した。
王族は、自分の娘や、妹の姿を見て、幸せに成るのですよと、
抱き合って、泣いて居る。
そりゃ、肉親の自害した姿なんか、見たく無いよね~
きっと、親にしてみれば、
大事な娘を嫁に出してやれ無いなんてのは、
凄くつらい事なんだと思うしね~
食事の後は、デザートだ、今日のデザートは、
スイーツ担当のサンデー渾身の、ブッシュドノエルだ。
まあ、要は、ロールケーキを、枯れ木に見立てた
チョコロールの事なのだが、食べるのがもったいない位美しい出来だ、
此のブッシュドノエルを一人に、ワンホール?食べきれるかな~
彼方此方きゃ~きゃ~と騒がしいのだが、
うちの眷属達は無言で一心不乱に食べている。
甘くて、苦くて、ラム酒の香りがして、美味しいよね~
デザートを食べ終わると、ティンクが、
「タカシ~妾もティアラが欲しいのじゃ~」
すると、
「うちにも作っておくれやす~」
「ぼ、ボクも欲しいんだな」
「タカシく~んボクも欲しいよ~」
「タカシ~俺にも作ってくれよ~」
「タカシ様~じゃあ私も~」
「王妃達序でに私達も~服込みで~」王妃達
女神に女王、王妃達が、ティアラに食いついたわ~
皆、口の周りをチョコだらけにし乍ら迫って来た。
「な、何か違う方向に迫力あるわ~」
リリー良いかい?
は~いマイダ~リンほいっと出来たっスよ~
スゲ~な、有難う、リリー助かるよ~(うちのリリーは有能なのだ。)
良いって事よっス~
「は~い、じゃあ、配るよ~先ずは、ティンクから、はい」
「キャ~キャ~嬉しいのじゃ~タカシ~愛して居るのじゃ~」
と俺のほっぺたにキスをしてティアラを受け取るティンク、其の後
順番にティアラを手渡して行くと皆からほっぺたにキスされた。うん、悪い気分じゃ無いね、
リリーもう、序でに王様達に執事服作って貰って良い?王様の王冠も~
あ~はいはい、了解っス~ほい、出来たっス~
リリ~ムリ言って御免ね~
妻の務めっス~
有難う~
「じゃあ、序でに王様達の執事服も配るね~王様は、王冠付きで~」
「王様達ま、マジで御座いますか~」王様達
王様達一人一人に手渡して行った。王様にほっぺたにキスされそう成ったので、
するりとかわした。だって、男にキスされたく無いよね~
王妃達、国王達は早速、下着に成り着替え始めた。
王妃達も全く躊躇無く下着姿に成り着替えている。本当、良い脱ぎっぷりである。
男の下着姿は見たく無かったとだけ言っておこう
「王様~お金持ちで、服なんか幾らでも買える立場の人が、何で
そんなに喜んで居るんですか~?」
「何を申されるヤマダ殿、リリー様がお作りに成ったオパールアゲハと、
トパーズアゲハ更には、龍鱗の繊維を編んだ服で御座いますぞ、
刃物を通さぬばかりか、此の世の物とは思えぬ様な光沢、
正に神がおめしに成る様な、神話級の服で御座います。人の手で作る事は不可能、
ルグレス帝国の、女帝すら、手に入れる事は出来ないでしょう、
そんな一品で御座いますぞ、もう、我が家の家宝で御座います」
「えっ、そうなんだ~」
リリーそうなの?
えっへん!そうっスよ~龍鱗を繊維状にするなんて事は
私にしか出来ないっス~
凄げ~なリリ~
いや、いや、ダ~リンの能力だから、他人事じゃ無いから~
えっ、そうなの?
「全員うん、うん、」全員
リリ~
は~い、何スか~?
もう、王国の復興の図面、出来た~?
は~い、出来ているっスよ~
そしたら、炊き出し終わったら、早速始めようか~
そうっスね~ダーリンには、又、
大量の魔力を使わせて大変っスけど~
頑張ってっス~土魔法は、回復魔法よりはかなり、
魔力量は落ちるので
前よりは、体の負担は少しだけましっス~頑張れダ~リン
ううう・・・・又痛い思いするのかと思うと憂鬱だよ~
嫌な事は早くするに越した事は無いよね~
「じゃあ、皆~朝ご飯も食べた事だし~
炊き出しに向かいますか~」
「皆は~い」皆
俺達は、王城前に設置している扉から出ると、
メイド服、執事服に身を固めた
王族が姿を現すと、難民達は、
一瞬静寂に包まれて、大歓声が沸き起こった。
王族や、騎士達の光輝く服装を見て、
自分達も救われるのだと確信した様だ。
歓声が続く中、炊き出しが行われて行った。
今回の事件で、多くの民の命が奪われたが、
生き残れた王都民達は、飢えて、
やせ細る事無く、過ごせて居る。
当然大きな心の傷を抱えてだ。けれど、
俺が思うより遥かにこの世界の人々は、
タフだった。此の人が生きるには
厳しい世界で生きる人々は、
生き残れたと言う事こそが全てなのであろう、
今朝の民衆の目には、一昨日迄無かった
目の輝きが有った。其れこそ、
明日に向かって歩き出そうと言う意思の表れの様に思われた。
炊き出しが終わり、一息ついた所で、
昨日のメンバーに銭湯の依頼をして、
宰相に、集合住宅への受付を始める様に依頼すると、
「さてと、じゃ~復興のメインを始めるかね~
ルビー悪いけど又、塔の一番高い所に運んで貰えるかい」
「OK~良いぜ~」
ルビーは、食べて居た豚汁を飲み干すと、
背中に龍の翼をバッと出して、
俺を、城の一番高い突塔の上迄、運んでくれた。
俺は、両手を広げて、大きな声で、
「セイクリッド、クリエート、ランド」
と唱えると、大量の魔力が洪水の様に流れ出して、
又、俺の体に流れ込んで来た。
とんでもない量である。俺を中心に巨大な魔方陣が、
物凄いスピード度で広がって行く、
やがて、俺の体が、黄金色に輝き始めた。
強烈な熱量を発している。
黄金の輝きは、やがて白銀に変わり、
更に高熱に成って行くあちち・・・・
王都内の景色は、あまり変わらないが、
外は、土の津波の様にうねっている。
此処からでは分からないが、リリーの詳細図面の様に地理は、
激変して居る筈である。
リリーの話では、人や、動物等は、一時空中に持ち上げられて、
守られて居る筈だ、
犯罪者は別である。其のまま肥やしに成るのだそうだ。
・・・リリー容赦ね~
まあ、肥やしに成るのは、殺人者限定だけれど、
俺の体の内外は当然強烈な大火傷を負って行って居るが、
即座に治療されてもいる。
けれど痛みは別だ。強烈な体を焼かれる痛みに苛まれている。
此の痛みは、魔法が完成する迄続くのだ。めっちゃ痛て~勘弁して~
もう~無理~リリー助けて~
ダーリン我慢するっス~ちんこ付いてるんでしょうっス~
うえ~んリリーに見放されたよ~もうヤケだ、さあ殺せ~!!
うんち駄々洩れ~これぞ焼けくそだ~
ああ、おしっこと、うんちの焼ける芳醇な香りが~
痛い、痛い、痛い~
此の痛みとの戦いは、30分続いた。
・・・・・5回は死んだわ~俺