-46話ー 王都復興 5
「王様、不味い事って?」
「はい、実は、私も配給された豚汁とおにぎりを頂いて、
食してみたのですが、
私の国には無い味で、美味し過ぎるのです。
王宮晩餐会であっても出す事は不可能でしょう、
此のままですと、民は働かず、
食を炊き出しに依存する様に成るのでは無いかと、」
まさかの、美味過ぎてダメと言うダメ出しとはね~
こりゃあ参ったね~
「う~ん困りましたね~じゃあ~豚汁の
レシピの公開と~味噌の作り方の公開、
米、ご飯の作り方の公開しましょうか?」
「あの~味噌と言うのは?」
「豚汁のダシ、スープに使って居る素材の事ですね、」
「あの~その~其の味噌の作り方と言うのを、
王国の専売として頂けると有難いのですが、
此の国自体農業国で、大河と山と森に囲われた、
田舎国で御座いまして、特産品と言えば、
ワイン位なものでして、何方かと申しますと、
貧乏国の仲間と成り申す。
一つでも多く、国の特産品が出来れば、
其れだけ職に付ける者も増え、
王国の復興にも寄与すると、思いますれば、何卒、」
ほう、国の特産品か~良いね~どう思う、リリー
そうっスね~良いと思うっス~味噌を作るなら、
醤油も作っちゃいましょう、
料理のバリエーションが増えるのは、喜ばしいっス
醤油か~万能調味料だね~
良いね~何方も大豆で出来るしね~
菌はママゾンで買った物を培養すれば言い訳だし、
見ただけでは真似出来ないからね~
良いじゃん国の経済にも貢献出来んじゃね?
「では、王様、味噌の作り方と、
同じ材料で、出来る、万能調味料の
醤油の作り方を教えますので、其れを王国の秘伝として生産して、
美味しい米と、果物?ここの気候だと、ん~そうですね~
巨峰と~桃と~柿と~幸水なしかな~後、
又思いついたら追加しましょうか
其れと民衆の餓死率を減らすために、ジャガイモとトウモロコシも
生産する事にしましょうかね~そんで、人気商品が出来たら、
他国に輸出しましょうか?」
「そう言って頂けると誠に有難い事で御座います。
利益の配分に付きましては、
後程、相談と言う事で宜しいですかな?」
「はい、了解しました其れで行きましょう・・・・
其れと、王様、俺達の拠点は、
原始の森に有るのですけれど、此の国にも一つ、
屋敷を構えたいのですが、宜しいでしょうか?」
「其れは、是非にお願い申し上げたい。そうで御座いますな~
ヤマダ様の噂を聞きつけた者達が、
押し寄せるのは、必至、貴族街でも、
貴族達が押し寄せる事と相成りましょう、」
「其れは、遠慮したいですね、自分の家位は、
静かに生活したいですし、」
「其れでは、如何でしょう、
王宮の敷地の中に建てると言うのは?
先ず、訪問者は、王家を通さないと、面会出来ませんし、
防犯面でも万全で有ります故、
其れに、敷地内は広う御座います。
立派な宮殿が幾つも建てる事が出来ますれば、」
「えっ、良いんですか?俺の様な何処の馬の骨共、
分からない様な余所者を近くに置いて?」
「何をおっしゃいます。王族の命の恩人であり、
救国の英雄では御座いませんか、
私も此れからの国の事を色々相談させて頂ければ有難いし、
近くにお住まい頂ければ、足繁く通えると言う物で御座います」
「兄上、私も、王宮内に、屋敷を建てたい。」
「王族私も!」王族
「おお、其れは素晴らしい、我ら親、兄弟が、一つに纏まれば、
王国の危機も乗り越える事が出来よう、早速、計画致すとしよう、」
「王族はい!」王族
リリー
はい、何スかマイダーリン
王宮内に、俺達や、王族の屋って建てられる?
はい、拠点と同じ建物で有れば、直ぐにでも建てられるっス~
OKじゃあお願いするね~
「王様、屋敷の方は、俺の拠点と同じ建物であれば、
直ぐにでも人数分建てる事が出来ますよ?」
「誠でございますか?」
「マジです」
「王族よろしくお願いいたします」王族
「では、早速、建てに行きますか~」
「王族は~い、」王族
俺達は、王城を抜けて城の後ろに広がる宮殿の広大な
敷地へと向かった。
城の裏手には、大きな白亜の宮殿が立っている。
宮殿の裏手には、美しい庭園が広がり、
更にその向こう側には、王宮農園が広がっている。
俺は、リリーの指示で、庭園を円形に囲む様に、
土魔法、クリエートパレスで、
拠点と同じ小さな宮殿を1邸ずつ建てて行った。
1時間程で、国王の住む立派な宮殿の庭園を中心に小さい乍らも、
美しい白亜の宮殿が、王族の人数分と俺達の分建てる事が出来た。
「うん、中々の出来だね、皆さん気に入って頂けました~?」
「王族ヤマダ様有難う御座いまする。
ヤマダ様の宮殿と同じ宮殿とは、これ以上名誉なことは御座いません」王族
「は~いお粗末様~名誉なんだ」
「おお!此れは素晴らしい、早速、下働きの者を手配しなければな、
ジョン、頼んでも良いか?」
「王命、承りました。城に戻り次第に手配致しましょう、
しかし、貴族が激減して、更に、此れから取り潰す事を考えますと、
些か時間が掛かるやも知れませぬ」
「そうか、仕方あるまい、」
「宰相さん、取り潰すとは?穏やかでは有りませんね~」
「此れはヤマダ様、今回の国家転覆の大事件、
実際に国王陛下やお妃様は、一度殺されました。
我ら王族に対する拷問、大逆罪でも、最も重い罪と成りましょう、
増してや、罪も無い民衆の虐殺、
此れに加担した者は、本人以外にも罪が及びます。
家族、親、兄弟以外にも、
本人の家の下働きに至る迄、罪が及ぶ事と成りましょう、」
「そうですね~沢山の人々達が、無残な殺され方をしましたし、
遺族の事を思えば、罪は正さないといけませんよね~」
「はい、其の通りで御座います。
しかも、王族迄も事件に加わって居ります。
その為に、加わって居る貴族も又多いと言う事なので御座います。
我ら王族は、連座の罪に問われる事は御座いませんが、
貴族達は問われる事と成ります。
今回の一件で取り潰される貴族は、恐らく、
全体の半分は越えると、見込んで居ります。そして、
王家の下働きは、貴族の子弟が行儀見習いとして、
修行に来る訳で御座いますが、」
「なるほど、行儀見習いに来る貴族の子弟が、
激減してしまうと言う事ですか?
罪に捕らわれた人達は、?」
「はい、死罪で御座います」
うっへ~直接犯罪を犯した訳でも無く、
下働き迄、死刑とは、人の命安っす~
「宰相さん、余所者が言う事では有りませんが、
今の国の現状を考えますと、
死刑と言うのはちょっと、直接事件に関与していれば別ですが、
王様、どうですか?」
「そうで御座いますな~確かに、我が国にも、
希少な貴金属を産出する鉱山も御座います。
ジョン、人手は、多いに越した事は無い、
無為に死刑にはせずに、犯罪奴隷として
生かして使う方が賢明なのでは無いか?」
「はい、賢明な判断だと私も思います。
王国民が半分に迄減った今、
無暗やたらに殺すべきで無いと私も考えて居りました。
今回の連座の罪は、犯罪奴隷に落として、
国の為に役に立って貰う事と致しましょう
当の事件に関与した者は、既に悪魔と成って滅んで居ります。
そして、元凶である悪魔教徒は既に死んで居り、
ヤマダ様のアイテムボックスに納められ、晒されるのを待って居ります。
後は、どう此の王国を復興して行くかで御座います。」
「そうですね~復興の一番の問題は、
王国民が激減した事ですよね~
其処で、一案、
今回の事件で、活躍した人を新しく貴族に据えては如何ですか?
多くの貴族が失われて、領地も空いている訳だし、
全てを直轄地にするには人手が足りていないのでは?
其れと耳寄り情報、
隣の国のアレス王国が先日のモンスターパレードで王都が壊滅、
国内は、荒れに荒れて居ると思われます」
「ヤマダ様、我が国は現状此の有様で、他国に侵攻するなど
とてもでは無いが出来はしませんぞ、」
「王様、戦争の話では無くて、アレス王国の難民が、恐らくは、国境近くで、
集まって居ると推測されますので、難民を受け入れては如何ですか?
人口問題は、解決しないまでも、緩和されるのでは?」
「そ、其れは誠で御座いますか?私共の知らない情報で御座います。
渡りに船、早速、使者を向かわせて、現状を把握致したいと思います。ジョン頼めるか?」
「はい、承知致しました。早速、
今回の事件で活躍したものを調べて、
譲爵を行いましょう、そして、その貢献度あわせて、
法衣貴族、領地貴族と致しましょう。
そして早速、国境に使者を向かわせることとましょう、」
おっ、13時だな、
「王様、そろそろ、お昼ご飯にしましょうか。」
「おお、もうそんな時刻で座いますか?其れでは、
ヤマダ様のご相伴に預かるとしましょう、皆の者、良いか?」
「皆の者はは~」皆の者
俺は、宮殿の壁に食堂のドアを出すと、皆で中に入って行った。
中では、ブラウニー達が、昼食の準備を終えて、待って居てくれた。
「ブラウニー達皆様、お疲れ様で御座います。
お好きな席へお付き下さいませ」ブラウニー達
「皆は~い」皆
今日のお昼はわらじハンバーグ定食だ。
「うん、美味しいよ、ブラウン有難う、」
「はい、旦那様、美味しいと言って頂けるのが、私共にとって、
一番のご褒美で御座います」
いや、いや、掛け値無しに美味い、
俺も楽が出来るしね、最高~!
他の皆も無言で食べているし、良きかな、良きかなですわ~
食後、今日のデザートは、チョコパだった。
皆、口の周りをチョコだらけにして、
食べていた。やっぱり、
女子は甘味に弱いよね~顔までとろけていた。
食後俺は、アイスコーヒーを片手に王様の席へ行き、
「王様、王都の箱物の復興はほぼ終わりました。後、
民衆を集合住宅に入って貰う手続きを行って頂けますか?」
「そうで有りますな、ジョン済まぬが此方に来て貰えぬか?」
「はい国王陛下、何で御座いましょう?」
「うむ、ヤマダ様に建てて頂いた集合住宅に
王国民を入居させて貰いたいのだが、」
「はい、承知致しました。
ヤマダ様集合住宅の図面などは御座いませんでしょうか?
出来れば王都の新しい地図も頂ければ
有難いので御座いますが、」
「あっ、はいはい、集合住宅の建築図面ですね、其れと、
王都の地図っと、
え~っと、あ、有った有った、はいどうぞ、」
机位の羊皮紙に書いた、3階建ての集合住宅の詳細な図面と、
王都の詳細な地図を宰相のジョンさんに手渡して、
「此方が集合住宅の見取り図です。3階建ての集合住宅に成りますね~
集合住宅事態は、全て同じ造りに成って居ます。
建物に番号を打って有るので、
間違う事は無いと思いますよ、そして、此方が、
王都の地図と成ります。
集合住宅ですが、一般の人達に入居して貰います。
此れは、貴族を含む平民達ですね、
緊急避難も兼ねて居りますので、
取り敢えず、貴族、平民、一緒くたと言う事で、
後に、他に移り住める様に成ったら、
集合住宅を引き払って貰います。
取り敢えず、3年間は家賃は無料としましょう、
3年を超えたら、格安の家賃を徴収すると言う事で如何ですか?」
「何とも、至れり尽くせりで御座いますな、
ヤマダ様は、王都の建築物に関しての
実質のオーナーで御座いますが、
3年間家賃無料では儲けが無いのでは?」
「いや、いや、儲けなんて、最初から期待なんかしていませんよ、
今回は、完全、復興援助と思って頂いて構いません、ですので、
建物の賃料や、売価に付いては王家に一任しますよ、」
「では、そう言う事で、建物の、賃料、売価、ヤマダ様の取り分に付いては、
王家に一任と言う事で宜しいですか?」
「はい、構いません、宜しくお願いしますね、」
「はい、お任せ下さい、精一杯の事は、させて頂くつもりで御座います」
「所で、ヤマダ様、一つ相談で御座いますが、宜しいですかな、」
「はい、王様、何でしょう?」
「今回の、事件が落ち着いたら、国王を引き継いでは下さらぬか?」
「は、は、い~?」