-43話ー 王都復興 2
再び赤龍に変身したルビーに乗って、王城上空へ、
王城前広場の開けてくれている場所に静かに舞い降りた。
数万の兵士を集める事の出来る王城前広場は広いのだが、
兎に角、赤龍に変身したルビーはでかいのだ。
体長は50M程に抑えているのだが、
ゴXラが着陸した様な物である、更に王族、
生き残った、騎士に魔法使いに兵士、更には、
生き残った民衆も集まって来ている。
既に日は落ちていたが、王城前広場や、王城、空の雲に至る迄、
ルビーのオーラーで、真っ赤に染まっている。
普通の人族から見れば其れは其れは恐ろしい光景なのだ。が、
殆ど、死ぬ寸前の所を、命を救ってくれた救世主である。
此れ程頼もしい存在は無いのである。
人々は一様に怯え、震えながらも、祈りを捧げていた。
ルビーが赤龍から、人の姿に変わると、ざわめきが起こり、
人々は、女神の降臨に感謝して、更に祈るのであった。
王様達が駆け寄って来た。
若返った影響で、やたらフットワークが軽い、
其の後を騎士や魔法使い達が追って来る。
「ヤマダ殿、如何でございましたか?」
「王様、暫くの間、民衆を飢えさせない位には、
食料を確保しましたよ、」
リリー
は~い呼んだッスか~
コッペパンと、毛布人数分作れる~?
はいっス~作れるっス~はい出来たっス~材料は、
たっぷりと有るっス~
リリー何時も有難う!
ダーリン、出来る嫁は旦那様に尽くすっス~
「王様、王都内に居る民衆を此処に集めて貰えますか?
パンと、毛布を支給しようと思いますので~」
「なんと、其れは、助かります。皆、疲弊して飢えて居りますゆえ、
喜びますでしょう、イワン、直ぐに手配を」
「ははっ!承知致しました。」
騎士団長の、イワンは騎士達と兵士に、
指示を飛ばして、すぐさま、行動に移った。
「ウインザーさん、既に集まって居る人達にパンと、毛布を配るので、
手伝って頂けますか?」
「はい、承知致しました。ヤマダ様、
アンネ、残った騎士と、兵士を集めて、
ヤマダ様のお手伝いを致します。」
「分かったわ、ウインザー」
副団長のアンネが、残った騎士達を呼んで、直ぐに動き出した。
俺は、ブルーシートを何枚か出すと広げて、
大量のコッペパンと毛布を出した。学校給食で出て来るあのパンだ。
20程の列を作り兵士に騎士、魔法使い、
教会関係者、王城の召使い、貴族に、
王族に、王様迄、俺達も入れて、
皆、総出でパンと、毛布を配って行った。
生き残った人々はふらつき乍らも、
続々と王城前広場に集まって来た。
其処彼処で、すすり泣く声が聞こえて来る。
集まってくる人々は、女性が9割を占めていた。
男性は、10人に1人程しか居無い、
女性の殆どが、全裸と言う状態で有り、
そして何より、子供が居無い、老人が居無い、
王都は、悪魔に蹂躙され、壊滅したと言って良い状態であった。
パンを食べた人から倒れる様に眠って行った。
永遠の地獄の様な3日間であったのだ、
疲労は、等の昔に限界を超えていた。
民衆にパンと毛布が行き渡ると、
次に教会関係者、兵士達、召使い其の後に騎士達と魔法使い、
貴族に王族と、配られて行く、
食べた尻から、皆、死んだ様に眠りに落ちて行った。
「皆寝ちゃったね~」
「眷属寝ちゃいましたね~のじゃ~のですわ~よ
ね~ぜ~んだな~のどすえ~」眷属
皆、パンをほうばり乍ら返事をしている。
じゃあ、リリー今の内に、王都の復興やっちゃいますか?
はい、ダーリンやっちゃいましょう、
「じゃあ、ルビー悪いけど、
王城のてっぺんに俺を運んで貰えるかい、」
「ほう、ひひぜ、」
俺は、パンで、リスみたいにほっぺたの膨らんだ、
ルビーにお姫様抱っこされると、
其のまま、王城の屋根の上迄、運んで貰った。
「やっぱり、お姫様抱っこなのね~しく、しく、」
「ほい、着いたぜ~」
「んじゃあ、気を取り直して、セイクリッドメガシティ~!」
王城を中心に巨大な魔方陣が、浮かび上がると、
破壊されて、崩れた市壁や、
瓦礫と成った街が、土塊に代わって行き、
その更地の地下を下水道が幾筋も伸びてゆき、更に少し、
標高の高い近くの奇麗な水の流れる川からローマ水道が構築され
王都の中に引き込まれて行く、
上下水道が完成すると今度は、
東西南北に向かう幹線道路が整備されて行く、
広い石畳の道である。王城前広場に来る迄に、
幾つかの広場が、設置されて居る。
広場の中心には、噴水が設置されている。中々に美しい、
インフラが整備されると、建物が、地面から生えだした。
石作りの建物である。
中世ヨーロッパの街並みと言ったら分かりやすいだろうか?
ガラスは、貴重品なので、協会、各ギルド以外は、鎧戸である。
中世ヨーロッパと、違う所は、全ての建物にはトイレと、
水道が設置されて居る事だろうか?
トイレは、ぼっとん式で、後から、肥やしに出来る設定である。
水道は、1階限定で、王都内に天然の加圧装置を作ってある。
水道管は、石をパイプ状にした物を作って各建物に供給している。
土魔法は便利で、土さえ有れば、
其れをパイプ状に固めて、石のパイプを
作る事が出来るのだ本当に便利だ。
市壁は、重厚で高さが15Ⅿ有り、
敷地面積を、今迄の、2倍取って居る。
二重の市壁に、一般市民街と、貴族街とを分ける様にした。
此れで、貴族を狙った犯罪を減らすことが出来るだろう、
そして、街には、3階建てのショッピングモールを建てた。
各ギルドは、モールの中に用意してある。
貴族街にもショッピングモールを建てて有る。
此方は、高級品を扱う事に成るであろう、
そして、一般市民街には、
銭湯を何軒か作ってある。一戸建ての家には、
内風呂を作って有るのだが、集合住宅には風呂は無い、
そして、被災者には、集合住宅に入って貰う予定である。
心の健康は、清潔な暮らしが欠かせ無いのである。
貴族街は、当然屋敷と成るので、
豪華な内風呂を用意して居るのである。
こうして、2時間程で、ニュー王都は完成した。
「疲れたわ~拠点に帰って寝ますか~」
「眷属は~い、」眷属
俺は、城壁に、食堂の扉を出すと、皆と一緒に中へ入って行った。
もう疲れて居るので、料理はせずに、
駅弁を購入して皆に配った。今晩は、カニ釜めしと、牛焼き肉弁当である。
何故か、王族全員と、聖女、騎士十勇士の4人と
王室魔法使いのウインザー女子に
何故か全裸の、エルフのお姉さんが混じっていた。
何かもう良いや~と全員分、弁当を用意して皆で食べた。
王族全員と、聖女、騎士十勇士の4人と
王室魔法使いのウインザー女子に
何故か全裸の、エルフのお姉さんは、号泣しながら食べていた。
食後、カイロおじさんのチーズケーキをホールで一杯、買って、
皆で食べたのだが、騎士達は、
「「「「「我が人生に1点の曇り無し」」」」」
と言って、立ち往生していた。何処の拳Xだよ~
女子達は、皆溶けたスライムの様ににやけていた。其の中には何故か、
ポチも居たりする。デザートを食べた後、拠点の扉を開けて、
「皆、おやすみ~お客さん達には部屋は沢山有るから、
適当に何処かの部屋に入って
寝て下さいね~」
「全員は~い」全員
俺は、自室に入って、ぼふんと、ベットに倒れ込んだ。
魔力の使い過ぎで、殆ど、KO状態である。俺の後に女子達が
ぞろぞろ入って来た様だが其れを咎める気力も最早残って居ない、
其のまま眠ってしまったのであった。
ピピピピピピピ・・・・
マイダーリンもう直ぐ夜明けっスよ~そろそろ起きるっス~
うんん・・・もう朝か~・・・・お早うリリ~
はい、お早う御座いますっス~昨日のダーリンは中々カッコ良かったっス~
又、又惚れ直したッス~
う~ん有難う、所で、リリーパン以外に食事なんて作れない?
はい、作れるっス~レシピと、食材が揃ってさえ居れば、
唯私には、味覚が無いので、
味の方は、保証しかねるっス~
凄い、何処かの万能ロボットみたいだな~で何で作れるの?
其れは、ダーリンのストレージの能力に、分解と錬成が有り、其れを
熱処理できる電子レンジが有るからっス~
出来立てホカホカの食事が出せるっス~味は分からんけど~
電子レンジ出た~神様に付けて貰ったけど、料理が出来るので、
要らないスキルと思って居たのに、
縁の下の力持ちスキルだった。
じゃあ、豚汁作れる?
はい、大丈夫っス~レシピも有るし、材料も有るっス~
肉は、オーク肉のバラ肉を使うっス~良いだしが出るっスよ~味、分らんけど~
良いね~後一人あたま、おにぎり2個と器、お願いするね~
は~い、了解っス~
其れと、軍隊の再編成なんだけど~黒龍騎士団と、赤龍騎士団に分けようと思うんだよね~
魔法使いは神龍魔導士隊にして、生き残った強者兵士は、騎士見習いに格上げして、
新たに、兵隊を募集して、黒竜兵団と、赤竜兵団を立ち上げようと思うんだけど、どう思う?
良いっスね~中二みたいで、そしたら、装備を作りましょうか~?
SSランク、Sランク、Aランク、Bランク、CランクDランク、どれにするっスか~?
良いね~所で装備、ランク別に説明してくれるかい?
はい、Dランクは、ボロい鉄剣、皮鎧、Cランクが、鉄剣、に鉄の防具、Bランクが、
龍骨剣に龍鱗防具、Aランクが、龍骨魔剣に龍鱗フルプレイトメイル、Sランクが、
龍鱗剣もしくは、龍鱗魔剣に、魔法付与、龍鱗フルプレイトメイル、まあ、伝説級装備っス~
SSランクが、龍牙剣、もしくは、龍牙魔剣に、魔法付与、龍鱗フルプレイトメイル、此れは、
神話級装備に成るっス~
な、何か凄いね~じゃああ、兵士に付いては、Bランクで~魔法能力の高い者は、
魔法剣士として、魔剣を与えようか?騎士に付いては、Aランク装備で、此れも
龍骨剣で、魔法が使える者には魔法剣士として、龍骨魔剣を与えようか~
10勇士の生き残りの4人には、Sランク装備で、何でも、4人共魔剣を
使って居たそうだから、龍鱗魔剣に、魔法付与、龍鱗フルプレイトメイルを、
そして、王様には、SSランクの、龍牙魔剣、轟雷を、魔法付与、龍鱗フルプレイトメイル、
を渡そうかね~
後、騎士達のインナーだけど何か良い物作ってくれる~?
良いっスよ~龍鱗繊維を、伸縮性の高い編み方にして、スポーツシャツの様な感じにするっス~
汗をかいても直ぐに乾くっス~更に補強を入れて、上下と、下着も作るっス~
神龍魔導士隊も、守備重視で、魔法付与、龍鱗フルプレイトメイルを、そして、剣の代わりに
魔法杖をっと龍骨に、オリハルコンを使うっス~
火、氷、雷、風、の何れかを付けて、杖に魔力を貯められる様にして置くっス~
部隊長の装備は、少しだけ、賢者の石をサービスして置くっス~
大量の魔力の備蓄が出来るので、大きな魔法を打てるッス~爆裂魔法を付けるっス~
此れで、ヒュドラとでもやりあえるっス~杖に刻んだ魔法は無詠唱で、使えるっスよ~
良いね~此れで、少数精鋭の編成が組めるよ~リリー有難う~
此れも、妻の務めっス~