-42話ー 王都復興 1
ストレージから一人の老人の死体が、皆の前に引き出された。
「こいつが、今回の首謀者の悪魔教総大司教です。北部小王国群のテッサリア王国の
国王、アイゼンガルド、シュバイツ、テッサリアですね、」
王族の娘達が、一斉に群がり蹴飛ばしている。
息子を殺された、ヘンリー公爵夫婦、
シャリオット伯爵夫婦も一緒に成って蹴飛ばしている。
メアリーも混ざって居た。
恨みは、深い。死人に対しての暴力は禁忌なのだけれど、
俺は止める事が出来ずにいた。
すると、ルビーが、
「ル もう気は済んだか、此の後こいつらには、
民の恨みの捌け口と成ってもらう。
こいつらに、女神の加護は与えない。
女神、赤き神竜のルビーが宣言する」ル
「サ ボクも女神、赤き神竜のルビーの宣言に同意する。
ボクは、黒き神竜のサファイヤだ。」サ
「フ 私も、女神赤き神竜のルビーさんに、同意致します。
私は女神、フノス」フ
「王族 は、は~、力の象徴たる、神竜様でございましたか。私共の無礼、
平に、平に御容赦、願い奉ります。は、は~」王族
は、は~って、何処の黄門様だよ~聖女も含めて、皆、土下座してるし~
「サ さて、今回の悪魔討伐は、ボク達の主である、
タカシ君の、依頼によるものだけれど、
さて、状況は、極めて悪いんだよね、此処には、
空を飛んで来た訳だけれども、
王国の、約半分と王都は、、悪魔によって、破壊されて、
瓦礫の山と成っているんだよね。
王城や、王宮も半壊している。それらを含めて、
此れから先、如何して行くのか考えて欲しい。
時間を置けば、自殺者や餓死者が出だすだろうし、
犯罪も多発する事は間違い無いと思うんだよね~」サ
「オ やはり、ヤマダ様は神様で御座いましたか。」オ
「違います。普通の人族です。
美味しいご飯を作れる能力が有るだけです。」
「オ まあ、そう言う事にしておきましょう。」オ
「オ 先ず、此の者たちの処遇で御座いますが、
死んだからと、許される物では御座いません。
王都の瓦礫の片付けが終わり次第、総大司教を始め、
司教、司祭は、吊るして晒します。
その他の信者は、山積みにして晒します。
食料は、王城に蓄えた物を供出致しましょう。
その他、無傷の地方領に王都の、実情を伝えて、協力を仰ぎます。
炊き出しの方は、教会に協力を要請したいと考えております。
ヤマダ様、何か、意見は御座いますでしょうか?」オ
『リリーどうする~?』
『リ はい、マイダーリン、復興計画は、次の通りっス~
まず最初に国家の象徴である王城と、宮殿を土魔法で再建するっス~
図面は、既に出来上がって居るっス~
その後に近くの田園地帯で、
ジュエリーの能力の一つである、
植物育成を使って、食料を確保するっス~
其の後、王都のライフラインの構築っス~、上下水道を完備するっス~
ローマ水道を使うっス~其の後、王都を再建するっス~
此処迄は、既に詳細な、図面を作ったので、実行に移すだけっス~
ダーリンは既に、グリーンを触媒に使って、
土魔法を習得して居るので、何時でも行けるっス~
其の後、王国内の国土の再建と、整備に成るっス~此れは現在、
詳細図面を作成中っス~』リ
『凄ぇ~な、AI、スパコンみたい、
でどの位、期間掛かる見込み?10年?』
『リ 王都の復興は、今日中に、
国内の復興に2日と、言う所っスね~』リ
『はい~?マジで、』
『リ ダーリンの魔力が有れば、余裕っス~図面が出来て無いだけで、
出来て居れば、今日中に、形が付くっス~』リ
『凄ぇな~俺・・・・死ぬんじゃね?・・・・
さて、何て言おうか?取り敢えず、』
「一旦、外へ出て、今迄、戦って居た兵達を掌握しましょうか?
外の現状を見て貰いたいし」
俺は、全員分の衣服をママゾンで購入、ジャージだ。
動きやすいのが良いよね~
水色のジャージと、各自の下着をストレージから取り出すと、
着替える様にと、皆に配った。
其の時に足のサイズを測って、スニーカーを購入して、其れも配った。
王族や聖女、女神に至るまで、脱ぐ事に躊躇が無かった。
堂々とした物である。
これも性に寛容なフレイヤの影響なのか?
其の為か性に関してはとてもおおらかだ。
此処は女神が実在する世界だ。
宗教家の殆どは敬虔な信者であり、神罰をとても恐れている。
「此れは、中々、着心地が宜しいですな、動き易いし、」
「王族、聖女 うん、うん」王族、聖女
う~ん、ジャージを着た王様って・・・・・
俺達は着替えると、スパリゾートを後にして、地下の拷問部屋に出て、
銭湯の扉を収納すると、階段を上り地上へと出たのだった。
外は、瓦礫に覆われて、城が、半壊して居るのが、見て取れた。
「オ おお!何と言う事だ、聞いては居たけれども、此れ程酷いとは、」オ
王族と女神、聖女が、余りの光景に言葉も無く、立ち尽くしていた。
と、俺達の所へ、生き残った兵や、騎士、魔法使いが、遠巻きに集まって来た。
皆、鎧が、半壊して居たり、剣が折れて居たり、
女性等は胸が、はだけて、居たりしている者もいた。
一人として、無事な者は居なかった。
「兵 へ、陛下、御無事で御座いましたか。」兵
と、泣き崩れる魔法使い、胸の軽装が割れて片方の胸が、露に成っている。
「オ まあ、無事とは言い難いが、一度死んでいるし、そちらの大賢者様に
助けられ、儂も、妃も、姫も命を救われたのじゃ、おまけに若返らせて頂いた。」オ
「兵 おお~!何と、おいたわしや、あれは、
大賢者様の回復魔法で御座いましたか、
本当に有難う御座います。私も、ヒュドラの一撃を胸に浴びて、
胸が、抉られて、死に掛けて居りましたが、黄金の魔方陣が見えた途端に、
抉られた胸が再生して、枯渇して居た魔力迄、復活して居りました。
他の者達も、腕や、足を失い死に掛けて居りましたが、
失った部位が生えて来て、九死に一生を得ておりまする。
王国騎士団10勇士達も、残るは4人のみと成り、1000人居た、騎士団も、
残るは、100人程と成り、200人居た、王国魔法兵団も私を入れて、20名
しか残っておりません、今、生き残った4人の10勇士達が、
王都内の兵5000人の安否の確認をしに出掛けて居りまする。」兵
「王様、騎士の皆を集めて貰えますか?取り敢えず、食事を与えないと、
3日間戦い続けて来たのですから、体力も、精神力も限界を
とうに越えて居るでしょう。」
「オ おお、そうで有りますな、ウインザー皆を此処へ、」オ
「ウ はっ、承知致しました。」ウ
王国魔法使いウインザー女子は、片手を上げて、皆に来る様に
ゼスチャーを送ると、ぞろぞろと生き残った、騎士達と魔法使いが王様の元へ、
集まって来た。
王様は、一人一人にねぎらいの言葉を掛けて行く、俺は其の後から、
ママゾンで購入した。焼きそばパンと、コロッケパンとペットボトル入りの、
コーヒーを、配って行く、
食事を受け取った騎士や魔法使いは、大泣きし乍ら、パンをほうばって居る。
「兵 美味い、美味い、生きてて良かった~」兵
生き延びた喜びを実感した様だ。良かったよね~
『リリ~もう良いかね~?』
『リ はい、マイダーリン今の内にぱぱっと建てちゃいましょうかっス~』リ
「OK~セイクリッドクリエート、シャトー!」
瓦礫が、土塊に帰ると、地面から、白亜の大きな城が生えて来た。
そう、にょきにょきっと、まるで、タケノコの様に、
建設工事を早送りして居るみたいに、
皆、あっけに取られて、口を開けてポカ~ンとして居る。
家具も、元有った物を、壊れた物は、再生して、取り付けて有る。
元城の中に有った物も、全て、新しい城に移し替えている。
貴重な、大理石と、ガラスをふんだんに使った美しい城だ。
・・・・・だが、
『リリー此れ、ネズミーランドのシンデレラ城だよね~?大きく成ってるけど~』
『リ ぺろぺろっス~』リ
『他にどんなのが在庫有るの~?』
『リ ハリ~ポテチ~の魔法学校が有ったりするっス~てへ、』リ
『ですよね~まあ良っいか~緊急支援だし~』
「次に、宮殿だな。王様宮殿に残って居る人達を此方に集めて下さい。」
「オ うむ、分かり申した。ウインザーよ王宮に残って居る者達を、
此処に集めて貰えぬか?」
ウインザー女子は兵達に流れる様に指示を飛ばすと、
宮殿に居た人達を王城前に集め集合させた。
タカシは集めた人達にも食事と服と、靴とを配って行った。
タカシは宮殿にもう誰も居ない事を確認すると、
「セイクリッドクリエート、ガーデンパレス」
元の宮殿が、土塊に帰って行く。其の後地から、俺達の拠点と同じ宮殿を
更に大きくした物が生えて来た。
白亜の城に良く合う、白亜の宮殿だ。リリー凄ぇ~
「王様、此の事は、如何か内密に、他言無用で、」
「おお~そうで有りましたな、皆の者、今の奇跡、
これから起こる奇跡は、他言無用、かん口令を敷く、良いか!」
「皆の者 は、は~!」皆の者
「さて、王様、俺達は此れから田園地帯に行き、当面の食料の確保に向かいます。
その間に兵を、掌握して置いて下さい。」
「分かり申した。しかし、今はまだ、収穫時期では御座いません、
如何なされるので御座いますか?」
「うちの家族には、ドライアドが居りますので、何とかしますよ」
「おお~女神様以外にドライアド様迄居られるので御座いますか、
何とも物凄い御仁だ、此方の方は、お任せください」
「そんじゃ~宜しくお願いしますね~じゃあ、悪いけど、ルビー
お願い出来るかい?」
「ル おう、任せて置きな」ル
ルビーは、空いている場所に赤竜の姿に成ると俺達は
ルビーの頭に飛び乗った。勿論、
俺はマリーとエメルダに乗せて貰っている。
仕方ないよね、だって俺、飛び乗れないもん。
ルビーは、静かに飛び上がると穀倉地帯に向けて飛んだ。
勿論、ホワイトの風魔法で、外気は遮断している。
10分程で、国内最大の穀倉地帯へ到着して、其の中心に着陸した。
肉は沢山有るんだけどね~穀物や野菜類が皆無なんだよね~
ルビーから降りると、ドライアドのジュエリーの手を取って、
「ジュエリーお願い出来るかい?」
「ジュ ええ、喜んで~お手伝いさせて頂きますわ~」ジュ
「じゃあ~宜しく~」
「ジュ は~い、大いなる大地の恵みを!」ジュ
ジュエリーの育成魔法の発動に合わせて、ジュェリーに魔力を
流し込む、すると、ジュエリーが、悶え始めた。
「ジュ 良いですわ~感じますわ~行きそうですわ~いっく~」ジュ
ジュエリーを中心に、緑の魔方陣が広がって行く。
主要穀物の小麦が沢山の実を付けて行く、豆類も同等だ。
早送りの映像の様に作物達が、早く収穫してくれとばかりに育ってゆく。
俺は、出来た作物をストレージに収穫して行く
そして、又、作物を育てて、収穫して行くを繰り返した。
麦に米、ジャガイモ、大根、ニンジン、
大豆に小芋、キャベツに白菜、シイタケにえのき、
ついでに、マッタケも大量にゲットだぜ~
ジュエリーは、行きまくって、恍惚とした表情で、
何とも幸せそうだった。
「ジュエリーご苦労様、」
「ジュ ご褒美ですわ~タカシ様に~抱かれるのも、良いのですが~
此れは、此れで有りですわ~濃いのがどくどくと、
注入されて行くのが~たまりませんわ~」ジュ
「い、言い方!」
「眷属 ご、ゴクリ」眷属
「・・・・王都に戻ろうか?・・・撤収~」
「眷属は~い、」眷属