-35話ー ナーガクイーン、アクアマリン
ピピピピピピピ・・・・・・
『リ マイダーリン、そろそろ起きて下さいッス~
もう、外は明るいっス~』リ
「うぅ・・・・ふぅあ~お、お早うリリー少し酔ってたせいも有って、
良く眠れたわ~って、」
目を開けると、全裸の、森の三大女王様と、精霊カルテットが、
俺の顔に被さって、色々と見えてはいけない物が、拡大サイズで・・・・
ポチは、こんな時でも、頭に、張り付いていた。
「やっぱり、禿るな俺・・・・」
俺は、顔に張り付いた、妖精軍団を起こさない様に、
俺が、寝ている、ソファアの空いている所に降ろして、顔を上げると、
「な、何故?俺、全裸なの?昨夜は、
酔いつぶれる前に寝たよね~服、着てたよね~?ね~」
周りを見回してみると、又、又、皆、全裸だった。
特にルビーは、俺の腰に抱き付いて、寝起きで元気な、獅子丸君を・・・・
「ちっぱいから、抱き付いているのに、気付かんかったわ~」
・・・・・・
「こ、これは、絵的に、いろいろと、ダメなやつだわ~」
とにかく、ルビーを、引き剥がして、
俺は、体をねじって、ソファアに座ると、ルビーの頭を、ソファアに置いた。
「やれやれ、」
おしぼりで、よだれだらけの、ルビーの口を拭いて、
其の後に、立ち上がって、周りの惨状を見て、
見慣れた、風景だね、朝立ちの、獅子丸君を撫ぜ乍ら、
「今日も元気だ、獅子丸君が軽い、」
なぞと、訳の分からない事を呟いて、虚しく、片付けを始めた。
店内の片付けが終わると、服を着て、皆の着替えを置いて行く、
新しく、家族に加わった、オパールとエメラルドは、オパールが、
白銀の、メイド服に、エメラルドは、黄緑色のメイド服だ。何方も、瞳の色に合わせている。
皆の服もそうなのだけど、オパールアゲハの絹糸と、
トパーズアゲハの絹糸と、竜鱗の繊維を使って作って有るそうで、
独特の光沢で、強度も、剣や、槍で突いた位では、傷一つ、付けられないそうだ。
絹糸も、とても貴重で、人の立ち入れない、森の最深部でしか、お目に掛れないもので、
貴金属や、宝石等より、貴重なのだそうだ。
最後に絹糸をもたらしたのは、300年前に現れた勇者なのだそうだ。
森の邪竜を倒した時に、妖精女王に感謝されて、オパールアゲハとトパーズアゲハの
絹の反物を十反づつ他の宝物と共に貰ったらしいのだが、
一反で、爵位が、領地と城付きで買えたらしい、
現在所有者で、一番有名なのが、レグルス帝国の女帝なのだそうだ。
皇帝衣に一つ、帝妃衣に一つ、皇帝の紋章が入ったペナントに一つの
三つを所有しているらしいのだが、
オパールアゲハとトパーズアゲハの絹の女帝衣が無い為に、
帝国は、探し求めているらしい、そして、例え繭が見つかっても、
絹にする技術が無い為に、反物に成った物を求めているのだそうだ。
「女帝さん、うちの皆を見たら、嘸かし驚くだろうね~
さて、厨房に行って、弁当と、朝ご飯でも作るかね~」
今日の弁当は、卵焼きにたこさんウインナー、ミニハンバーグにコロッケだ。
材料をママゾンで仕入れると、早速、作り始めた。
手早く、おかずを作って、ご飯は、タカシ特製、猫まんまだ。
作り終えた、弁当を、大判のハンカチで包むと、箸と、フォークを付けて、
各自のストレージボックスへ、オパールと、エメラルドのボックスも新設済みだ。
其れと一緒に、デザートのバケツプリン、を入れて、おやつは、300円迄っと、
後は、ペットボトルの、お茶と、紅茶っとね~はい、出来上がり~
全部、各自のボックスに、入れると、今度は、
朝ご飯の用意だ。
何時も道理に、ベーコンを炒めて、スクランブルエッグにトーストっと、
既にワゴンを押して、並んでいる皆に配って行く、
皆が、サラダバーと、ドリンクバーで用意している間に、
デザートだ。今朝は、皆、大好き、チョコレートパフェ、アイス、マシマシだ。
チョコパを冷凍庫に入れてから、
マリーとエメルダが準備してくれている、席に付いて、
「皆 いっただきま~す」皆
「何時も道理、うん、美味い」
皆、幸せそうな表情で食べている。新しい家族の、オパールと、エメラルドは、
相変わらず、泣き乍ら食べている。
デザートに至っては、マリーとエメルダは、何時もの様に百面相だ。
他の皆は、凄い目付きだ。オーラーが立ち上っている。
「「「「ゴ、ゴ、ゴ・・・・お前の血は、何色だ~!!」」」」
って感じ?オパールと、エメラルドは号泣している。
食後、食休み中の皆に、
「皆、今日、拠点を作るけれど、何か、意見が有ったら聞かせてくれない~?」
「はいなのじゃ~」
「はい、ティンクちゃん、」
「ティ こちら側じゃと、一々湖を越えねばならないのじゃ、」ティ
「ジュ そうですわね~ヨシュア王国は~対岸の向こうに有るので~
此処に拠点を建てるのは~不便ですわね~」ジュ
「えっ、そうなの?じゃあ、どうやって渡る?」
「ル そんなの俺が乗せてやるよ、」ル
「えっ、でか過ぎない?」
「ル 大きさの調整が出来るぜ、50Ⅿ位なら丁度良いんじゃねーか?」ル
「有難う、ルビー、助かるよ~」
「ル えっ、えへへへへ~照れるじゃね~かよ~ふふふ~ん、ふふふ~ん、
俺様に任せな~ふふふ~ん、」ル
相変わらずのちょろゴンぶりだ。
「それじゃあ、出発しようか」
「皆 は~い、」皆
俺達は食堂の外へ出て、食堂の、ドアをなおして、湖へと、
湖岸に着くと、朝霧が、湖岸を覆っていた。水面から、1Ⅿ位は、スッキリと
晴れ渡っており、ずっと先まで見渡せるのだが、1Ⅿより上は、濃い霧で覆われている。
「幻想的だね~」
「マ はい、綺麗です~」マ
「エ 夢を見ている様です~」エ
やがて、少しずつ、霧が晴れて来ると、
遠くでチン毛の様な物が、ふわ、ふわと、浮いている?んん~?
「何あれ?チン毛?」
「あっ、チン毛が光った!光るチン毛?」
数秒遅れて、どぉおお~ん~と、轟音と、震動がやって来た。
「あっ、チン毛が雷を落とした?」
「ル おう、あれは、チン毛じゃ、ね~ぜ、ありゃあ巨大ナーガだぜ、
中々の獲物だぜ、」ル
「えっ、そうなの?」
「ル ちょっと、狩って来る。」ル
バッと、ドラゴンの翼を生やすと、ルビーが飛び出した。
とルビーの姿が消えた。
と次の瞬間、チン毛の向こう側に、小さな点が見えた。
と思ったら、チン毛が、物凄い勢いで此方に飛んで来た。って、
「でかいよ~でか過ぎる~長いよ~長過ぎるわ~」
途中水面に叩き付けられたナーガが、勢いを殺し乍ら、
俺達の方へ、なんちゅう、迫力~
「ひょ~え~お助け~」
サファイヤの後ろに隠れるヤマダタカシ、
水面を跳ね乍ら、迫り来る巨大ナーガ、俺達の上に被さる様に落下、
ナーガの顔が、俺達を圧し潰す寸前に、サファイヤの裏拳が炸裂、
水飛沫をあげ乍ら、湖岸ぎりぎりの位置で止まった。
ナーガは、おしっこと、ウンチをドバ、ドバ、と漏らしている。
俺も、余りの事に、おしっことウンチを、ドバ、ドバと、漏らしている。
「ルビーの攻撃もそうだが、サファイヤの攻撃も、
な,何て出鱈目な威力なんだ。び、びっくりした~」
「サ タカシ君、もう大丈夫だよ、ボクが付いているからね、
タカシ君は、ボクが守る」サ
「有難うサファイヤ死ぬかと思ったよ~」
「サ タカシ君、其れは無いと、思うよ、リリーちゃんの防御障壁が、
幾重にも張られているからさ~ボクや、
ルビーのパンチだって防いじゃうだろうね~
まあ、何処かに飛んで行っちゃうだろうけどね~」サ
「皆 そうですよね~何処かに飛んで行っちゃいますよね~
タカシ、様、ですもの、なのじゃ~ね~」皆
そうこうしていると、何処からか、か細い声が聞こえて来た。
「ナ ・・・・ころさないで、・・・・お願い・・・・殺さないで、
お願い、わ、私を殺さないで、私、何も悪い事、していないです。
人、襲った事無い、食べた事無いです。
私お魚大好きで、他の物、食べた事無いです。死にたく無い。
お、お願い、私を殺さないで、・・・・何でも言う事聞きます。
貴方の奴隷に成ります。怖い、・・・・私、死ぬのが怖いです。
お、お願い私を、こ、殺さないで、殺さないで・・・・」ナ
口から血の泡を吹きながら、瀕死のナーガの命乞い、
殺せる訳、無いだろ~
「君は何か出来るのかい?」
「ナ 私、お魚・・・・一杯とれま・・・・す・・・・」ナ
「採用~!!」
「ルビー此の娘、殺しちゃダメだよ~」
「ル え~なんでだよ~こんな大物久し振りなんだぜ~」ル
「此の娘、魚捕るのが、得意なんだって~
美味しい、魚料理、食べたく無い~?」
「皆 食べた~い、のじゃ~ですわ~んだな~どす~ね~ぜ~」皆
なんか、全員から、返事が、帰って来た。
「ル O~K~とどめ、刺すの止めとくぜ~」ル
「は~い、ルビー良い娘だね~」
「ル えっ、えへへへへ~楽しみだぜ~」ル
『リリー』
『リ は~い、マイダ~リン、
此の娘、既にダーリンの従魔に成っているっス~』リ
『えっ、もう?此の娘治すのに如何したら良いと思う~?
胴体千切れ掛かってんだけど~内臓飛び出して、凄い事に成っているんですけど~
俺、ウンチとおしっこ漏らし切っているんですけど~』
『リ はあ~よっぽど、怖かったんでしょうね~ルビーの迫力は、規格外っスから~
ダ~リンのお漏らしは、何時もの事なんで、放置っス~
薬湯使いましょうか~
150Mは有るっスね~デカいっスわ~雨にして、全身に掛けるっス~
もう、死に掛けているんで、早速、ダーリンの魔力使わせてもらうっス~』リ
『O~K~』
でかいナーガの上に、雲が現れて、雨を降らし始めた。
ナーガの全身を雨が、濡らしている。
千切れ掛けた、胴体から、白い、煙が、立ち上る。
死に掛けていた、ナーガの険しい表情が、安らかに成って行く。
死な無いだろうね、此の娘、安らかな表情って死に顔じゃん、
違うっスよ~安らかな表情って言うのは、幼子の寝顔っスよ~
このでかさで、幼子って言うのは、無理が有る様な~
大体、でか過ぎて、顔半分も見えて無いから~
あっ、此の娘の名前考えておこ~
暫くして、煙が収まると、ナーガは、目を開いて、
「ナ 有難う御座います。旦那様、何でも言い付けて下さい。
まだ、経験は有りませんが、夜の、お勤めも、
しっかり努めますので・・・・ぽっ、」ナ
「大きさが違うので、夜の、お勤めは、要りません」
「ナ が~ん!!」ナ
「そして、青い瞳の君の名前は、アクアマリンね~」
又、俺の体から、大量の魔力が、アクアマリンに流れて行く、
すると、アクアマリンの体が金色に輝きだして、
どでかい体が、収縮して行く、やがて、人型に、
『リ ダーリン此の娘、進化して、ナーガクイーンに成ったス~
初めて見たっス~ナーガの進化系体、
言語能力だけで無く、変身能力も手に入れた様っス~』リ
『えっそうなの?凄い、水色の長い髪に、
青い瞳、泳ぐのに邪魔だろうと、言いたく成る様な、大きな胸、17歳位?』
「アクアマリン、俺の名前は、ヤマダタカシ、新米冒険者だ。宜しくね、」
「はい、タカシ様、此れで、夜のお勤めが果たせます。
今夜から、可愛がって下さい。」
「が~ん、そう来たか~」