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22/201

-22話ー 大雨


俺達が、風呂と夕食を済ませて、各自、飲み物を飲みながら、


スロージャズを聴いて、寛いでいる時に其れは起こった。



マップ上にブレスと書かれた文字が王都を越えて、モンスターの群れを


飲み込み、更に、モンスターの第2陣をも、飲み込んで、


原始の森深くまで達していた。



ブレスの通った後には、王都も人も、モンスター迄も、等しく


消えて無くなっていた。



「えっ、何じゃ~これ~!!」



俺は、思わず叫ぶと、食堂の扉の外に飛び出した。


ノル砦の方角の空が、赤く染まっていた。


血の様な、毒々しい色である。



余りの光景に、呆けて固まっている俺の後ろで、


マリーとエメルダが、呆然と、立ち尽くしていた。



「あっ、いかん、いかん、」



俺は、気を取りなおすと、先ず、状況を、調べる。


マップで見た通り、ドラゴンブレスなのだろう、第2射が来て、


直撃した場合・・・・・



結界が持つのか?



『リリー、』



『リ はい、マイダーリン、何か、凄かったっスね~


あれは、赤き神竜のブレスっスね~


直撃してたら、やばかったス~』リ



『何か、結界の外から凄い音が聞こえるんですけど~?』



『リ ええ、結界の外は、熱風が吹き荒れているっスよ~


危険なので出ないで下さいね~


大火災も起こっているようっスから~』リ



『凄いシュチュエーションなのに、何か、軽くない?』



『リ 其れが私っスから~、常に巾着冷静っスよ~』リ



『いやいや、沈着冷静でしょう~』



『リ そうとも言うっスね~』リ



『リリー、びびってる?』



『リ ・・・・・結界、後2つ位、重ね張りして置くっス~


3重の結界なら、ブレスの3発くらいなら、耐えられるっス~』リ



『あっ、ごまかした。


大火災は大丈夫なの?照り焼きになるのは嫌だよ。』



『リ 其れは、問題ないっス、ドラゴンブレスにも耐えられる、結界っス、


大火災位なら、何て事ないっス~



其れに、自然火災では無いので、じきに舞い上がった、水蒸気が冷やされて、


大雨が降りだすでしょうから、


後数時間もすれば火災も鎮火するっスよ~』リ



『あっ、それ聞いた事あるよ~核の雨ってやつ~?


放射能は大丈夫~?』



『リ まあ、違うっスけど~似た様なもんっス~


核爆発では無いので、放射能は心配いらないッス~、』リ



「なら、大丈夫か、


マリー、エメルダ聞いての通り、大丈夫らしいよ、」



「マ タ、タカシ様、いつも、リリー様と


こんな会話をなさっているのですか?」マ



「エ 夫婦漫才みたいですね~」エ



「夫婦漫才言うな・・・・・戻ろうか?」



「「マエ はい、」」マ、エ



俺達は、食堂に戻って席に着き、



「人もモンスターも沢山死んじゃったね、」



「「マ、エ はい、何か気が抜けちゃいました。」」マ、エ



「ですよね~一瞬で、終わっちゃったからね~


構える暇もなかったよね~


所で、赤き神竜って知ってる?」



「はい、神話に出て来る山の様に大きな竜で、


何でも、神魔大戦で神々の先鋒として、


大活躍したとか?」



「何でも、赤、白、黒、青、緑、の五柱の女神様で、


始まりの竜と呼ばれていますね。」



リリー、説明出来る?



『リ はい、出来るっスよ~


この地上世界が生まれた頃に、生まれた現地産の神っス~


神としては、下級神になりますが、戦闘特化した女神になるっス、


体長はおおよそ、150メートルは越えているっス~



翼を広げると、まあ、軽く300メートルは越えてしまうっス


赤は火を司り、白は、光と生、黒は死を、青は水を、緑は大地を司っているっス。



約2万年前の神魔大戦で五柱の神竜が先鋒を務めて、


暗黒大陸と呼ばれている大陸で


大暴れしたっス、結果緑豊かだった大陸の、南大陸、北大陸は、


今も人が住めない大陸になったっス、



其れが、大神フレイヤ、まあ、女神教のご神体っスね~


の怒りを買って、酷い罰を受けたらしいっス~


五柱の女神たちは、何でも其れが原因で今でも寝込んでいるそうっス~』リ



「話がでか過ぎて、理解できん、


大陸で大暴れしたら、人が住めなく成るって、


どんだけ、暴れたんだよ、



有難うリリー」



『リ まあ、ざっくりと、こんな所っス、分かったっスか?』リ



うん、ムリ、



「「マ、エ ですよね~」」マ、エ



「・・・・・寝るか」



「「マ、エ は~い」」マ、エ



俺は、すぐに、寝床の支度をして寝る事にした。



「お休み~」



「「マ、エ お休みなさ~い」」マ、エ



・・・・・俺は、美しい妖精と踊っていた。木から木へと、


花から花へと、手を繋いで、グルグル回りながら、


妖精は楽しそうに、くるくると、笑っている。


とても、可愛いく、永遠にも思える、楽しい時間、


突然、青空は、暗雲に覆われ、黒く染まり、雷鳴が響き渡る。



「うるさいよ~君達、気持ち良く寝てたのにさ~


如何してくれるのさ~」



突然大きな黒い山が動き出す。可愛い妖精は、力無く落ちて行く、


恐ろしく、大きな顔が俺を睨み付ける。



・・・・・巨大な黒いドラゴン、・・・・・



楽しく遊んでいた、妖精を殺された怒りで、


俺は、ドラゴンを睨み付けた。足はがくがく震え、


言葉を発する事も出来ない、既におしっこと、うんちは、


漏らし切っている。



「君さっきから、目の前をちょろちょろして、


鬱陶しいよ~」



巨大な黒いドラゴンは、まるで、蚊を叩くように、


俺を叩き潰した。



・・・・・俺はそこで目を覚ました。



「う~ん、せ~ま~い~」



目の前の視界がふさがれている。・・・が、柔らかい?


マリーかエメルダが抱き付いている様だ。息も苦しい、


背中にも柔らかい物が張り付いている。


後ろからも、抱き付いている様だ、



徐々に目が慣れてきた。マリーが俺の顔に胸を押し付けて、


抱き付いている。後ろからエメルダが抱き付いている。


感触からして、二人共全裸の様だ。


狭いソファーに三人横向けで器用に寝ていた。



「なんて器用な、・・・・・お前らのせいで、又


おしっことうんちを出し切る、怖い夢を見たじゃ無いか


・・・・如何してくれようか~」



二人同時に、うん~ムリ、アブノーマルでない俺は、


早々に、仕返しを諦めて、マリーの胸の谷間に鼻を入れて、


呼吸を確保した。



マリーが蚊の鳴くような、小さな声で、



「マ おとうさん、おとうさん、怖いよ~、タカシ様、助けて、」マ



「寝言か~?そうだよな~俺だけじゃない、


二人共、怖い思いをしてるんだよな~


・・・・・寝るか、」



マリーの腰の下に、腕を入れて、抱き寄せ、


ソファーから落ちない様に支えてから、又直ぐに


眠りに落ちて行った。



ピピピ・・・・・・・・・



・・・・・『リ ダーリン、そろそろ、起きる時間っス



う、う~ん、お早う~リリー』リ



目を開けると、マリーもエメルダも既に起きており、


俺は、エメルダの膝枕で目覚めた、


マリーは、俺の足を膝に乗せていた。


なぜ、足?



「お早う~マリー、エメルダ、」



「「マ、エ お早うございます、タカシ様~」」マ、エ



「マ タカシ様聞いて下さいよ~膝枕をどちらがするかで


じゃんけんに成って、負けてしまって、


仕方が無いので、タカシ様の、足を膝に乗せているんです~」マ



エメルダが、どや顔で、



「エ えへへへへ~」エ



「マ 悔しいです~」マ



「まあ、あれだ、二人共有難う」



「「マ、エ は~い」」マ、エ



ポチは我関せずと俺の頭の上で寝ている。



「・・・・あれ、なんか、ポチでかくなってね?」



「「マ、エ あら、そうですねぇ」」マ、エ



ポチが、ビー玉サイズから、餅サイズに成長していた。


窓の外を眺めると、浜辺の景色で、雨が降っている。



『リリー』



『リ はい、マイダーリン、』リ



『何か、窓の外、雨なんだけど~もしかして、


外は雨なの?』



『リ そうっス、外は大雨っス昨夜の災害に低気圧が影響された様っス


其処かしこで、濁流が、発生してるっス、


結界の中は水の底に沈んでも大丈夫っス、危ないので、


結界の外には出ないで欲しいっス~



まあ、水が引くまで、何日間は此処で足止めっスね~』リ



『リリー有難う、』



「マリー、エメルダ、聞いての通りだ。」



「「マ、エ はい、致し方ありませんね、」」マ、エ



俺は、少し、後ろ髪を引かれたが、二人の膝枕から、体を起こすと、


立ち上がって、ドアを開けてみた。



<がちゃり、>



<どどどどどどど~!>



<がちゃり、>



「何今の?」



『リ はい、濁流が、精霊街道に流れ込んで、川に成って居るっスね~


長城に近い此処は、高台ですので良かったっス~』リ



「いやいやいやいや・・・・・何か、前後ろ濁流が流れて、


何か、凄い音がしてたよね~、ね~


孤立しているよね~此処、孤立しているよね~」



『リ たぶん、大丈夫っス、何時までもこんな大雨は続かないっス


昼頃には大分弱まる予報っス、』リ



『予報って何?』



『リ 予報は予報っス、


ダーリンのマップの機能で天気予報が有るっス、』リ



『マ、マジっスか~其れは、便利ですねって、そう言う事は早く教えてよね、


気象庁が有るのかと思っちゃうでしょ!』



『リ 其れは、申し訳無かったっスって、私のしゃべり方、


マネしないで欲しいっス。』リ



「食い付く所、そこ~?」



『リ 気象庁より、正確っスよ~予報の正解、確率100%っスよ~


ちなみに、現在、大雨洪水警報が出ているっス~


予報は午前中は大雨、午後から雨脚は弱まるものの、


3日間は降り続くでしょう、っス~』リ



「マリー、エメルダ、聞いての通り暫く此処で、


足止めになる様だよ、」



「マ 夫婦漫才?」マ



「エ どつき、漫才?」エ



「ええ加減に、しなさ~い」



『リちゃん、ちゃん、っス~』リ


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