表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/198

ー2話- 王都


輝く光に包まれ、意識が飛ぶ、


・・・・・・


フッと我に返ると、


今まで見たことのない、風景が広がっていた。



いや、しいて言うとヨーロッパの古い街並みの様な感じか、


まあどちらにしても、


ネットでしか見たことは無いのだが。



石畳に日干し煉瓦の家々遠くに見えるゴシック調の城が美しい。


俺は円形に建ち並ぶ家々の中心にある、


広場の真ん中の噴水?水は、噴き出してはいないな、


ちょろちょろと、真ん中の小さな像から水は出ているのだが、


泉といった方が良いかもしれない、そのふちに腰かけている。


暫く見慣れない街をぼんやりと眺めていたが、



あることに気ずいた。行き来する人が殆どいないのだ。


時折通る人もやせ細っていて暗い、


と言うか生気がないと言うか、


全てを諦めた、死んだ魚の様な目をしていた。


前の俺の目と同じだ。ふと我に返り、


「あかん~これはあかんやつや~


おっと、先ずは自分の持ち物チェツクしなきゃ」


独り言をつぶやくと、


頭の中でメニュウ画面をイメージした。



「あっ、本当にメニュウ画面が現れた」



一言で言うと、VRのゴーグルを掛けて、


ゲームをしている感覚である。


心の中で思うとポインターが現れたので、


持ち物のロゴマークをクリックしてみた。


すると画面が切り替わり、ストレージ画面になった。


画面には、きんちゃく袋と、剣と、盾と、小瓶と、


骨付き肉と、ゴミ箱のロゴマークが現れた。



「パソコンかよ!」



思わず自分に突っ込んでしまったわ!


きんちゃく袋をクリック。え~なになに、お金の一覧が表示された。


【共通貨幣、】えっと、王金貨X10、白金貨x10、大金貨x10、金貨x100、


大銀貨x100、銀貨x100、大銅貨x100、銅貨x100、銭貨x100。



「大金?大金なのか~?うんわからん!」



恐らくしばらくは、生きて行けるだけの、


金額を神様が付けてくれたのだろう。



「こちらの世界には干渉出来ないって、神様言ってたもんな~、


神様ありがとうございます。


お金の、価値や物価とか、色々と調べないとダメだな~」



今度は剣をクリック。え~っと聖剣x1、魔剣x1。


「凄いの?うん、いらない~」


その内誰か俺を守ってくれる人が現れたら、あ~げようっと~


グロイのは受付ません、チビっちゃいそうだし~



悪人を切ったり~とか~魔物やモンスターを、


退治したり~とか~そんな根性、


かけらも持ち合わせておりませんので、


出合っただけで間違いなくチビリますよ~、


つづいて盾をクリック。


神具の盾x1、神具の胸当てx1、神具の手甲x1、神具の具足x1、

 


「なんか、防御力高そ~」


神様意地でも死なせないつもりみたいだな、


次は小瓶をクリック。


ローポーションx100、ポーションx100、


ハイポーションx100、エリクサーx100、



「エ、エリクサーって、死んでても生き返るっつうやつですよね~


100って・・・・


神様、死んでも死ぬなって事ですか~!」



次に骨付き肉をクリック。


宮崎牛x5、神戸牛、x5、飛騨牛x5、黒毛和牛x100、



「高そう~今夜は神戸牛だなっつ」



最後に、ゴミ箱っと。


「やはり、ゴミは自分で処理しなさいってことですよね~」



画面をステイタス画面へと。



「うん、ゲームだ」



ヤマダタカシ、レベル1


「ですよね~」



HP100000、


MP1000000、



「何、これ?高いのは分かるのだが、


どれ程の物なのか良く分からん、まっ良っか」



攻撃力レベル1、攻撃魔法レベル1、


守備力レベル10、守備魔法レベル10、



「何、この差?レベル10って、カンストしてるよね~ね~~


取りあえずはこんなとこか~


後は宿屋を探して、部屋を取ってからだね。


今後の方針も決めなきゃだね」



俺は、立ち上がると、


取りあえず、城が見える方角へと、歩き出した。



「あっ、マップ出た、これは便利だ」



城門前広場を目指す事にした。



「なんか、臭いな~」



道の両側には何か、うんち落ちてるし、


尿と混ざった様な、匂いがするし~それに城の方角から、


えもしない、肉の腐った様な酷い匂いが、


風に乗って流れてくるし~


えずきそうだ。



「なんなんだこの匂いは、ありえね~」



その訳はすぐに分かった。


城門までの道が直線になった時、城門前広場の奥。


城壁の手前、20人~30人位の人が吊るされている。



「あ、あかん、これは夢に見るやつや」



俺はすぐ回れ右すると、速足で元来た道を戻って行った。


ちょっとチビッたかも知れない、



すいません、だいぶチビリました~


グロかった~人生初だわ~少し涙目かも知れない、



重ね重ねすいません、めっちゃ泣いてました~


それから速足ではなく、めっちゃ走ってます~


こけたら大惨事間違いなしです~うんちまみれ、間違いなしです~


少し落ち着いた所で又歩き出し、涙と鼻水を腕で拭い、



「・・・・はい、明日、この街を出ましょう。


取りあえず宿屋を見つけて情報収集しよう」


とマップに宿屋をけんさくして、


一番近くの宿屋に向かうことにした。



宿屋に向かう途中、


2~3人の喋りながら歩いている人たちと、すれ違う、



「あ、あかん、何を話しているのか、まるで分らん」



マップの背景がグレイになっていたので、


クリックしてみると、おっ、背景が水色に変わった。



暫く歩いていると、又しゃべりながら、


3~4人の人達が歩きながら、すれ違って行った。


おお~、今度は分かった。



なんか、戦争が始まりそうだ。的な話をしていた。


小一時間程歩いて、ようやく宿屋の前に辿り着いた。


途中、市壁と思われる近くを通った時、


街の外に出る人の列が出来ており、


何か札の様なものを門番に見せて、手荷物の検査を行っていた。


何人かは手かせを嵌められて、柱に縛られていた。


街を出るにはさっき見た札の様なものが、要るのだろう。


やはり情報を集めて作戦を練って、行動しないとダメな様である。



「宿屋の主人から上手く情報を得なくては」


まあ最初だから、


行き当たりばったりなのだが、


俺は閉まっていた扉を開けて、中へ入って行った。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ