ー192話ー 出発 水の女神様
終業式を終えて、保健室に顔を出した後、
モモタロウが屋敷に戻ると、既に皆が集合して居た。
「ご主人様が保健室で漫才をして居る間に、
出発メンバーは、既に集まって居り、
点呼も取って、メンバー表も作ってあります。」
「流石はカンシン、やる事にそつが無いね、
それじゃ~早速出発しますか、
皆、飛空艇の発着場に集合~」
「皆 は~いっ!」皆
全員が飛空艇の発着場に集合すると、
モモタロウは、ストレージから飛空戦艦エレン号を出して、
全員が乗り込んだ。
「ちっぱい師匠、
留守の間の帝国は大丈夫なんですか?」
「ちっぱく無いやい!
うむ、宰相に丸投げなのじゃ!
留守の間に問題を起こしたら、女神様のブレスで、
帝国を灰燼に帰すと脅して置いたのじゃ、
先日のザンジ公国の一件を知っている宰相が、
真っ青に成って居たのじゃ!」
「ザンジ公国、あの後如何成ったの?」
「公国の公都は火山に成ったのじゃ、
其れはもう見事な火山なそうな、」
「昭和新山かよ~
んじゃ~カンシン出発しようか?」
エレン号はストレージに入れる時に、
直ぐにでも飛び立てる状態で、入れて有るので、
発進はスムーズだ。
ストレージ内には時間が流れて居ないので、
出来る裏技だった。
「はい、全員乗り込んだのを確認して居りますので、
早速発進シークエンスを行います。」
「魔力動力炉異常無し、臨海を維持、」
「気球、魔法ガス充填率100パーセントを維持、」
「魔力エンジン、出力100パーセントを維持、」
「空中戦艦エレン号上空1000メートル迄浮上します。」
「空中戦艦エレン号発進!」
ゴウン、ゴウンと腹に響く低い騒音と共に、
飛空戦艦エレン号はゆっくりと浮かび上がって行った。
「空中戦艦エレン号、離水します。」
巨大な水飛沫と共にエレン号は離水すると、
ゆっくり浮かび上がって行く、
「空中戦艦エレン号、離水しました。更に上昇中!
高度10メートル、20メートル、50メートル、
100メートル、・・・・・・・・・」
「帝都が、段々と小さく成って行く、
「高度1000メートルに到達いたしました。」
「本艦は此れから、ナム―ル大河に出て、
海に向かいます。」
「進路南に、」
「進路南にヨ~ソロ~」
「帝都上空1000メートル、快晴、
風速5メートル、渚、
本艦は此れから、ナム―ル大河に出て海へ、
一路、暗黒大陸へと向かいます。
暗黒大陸到着後、暗黒北大陸のガイア帝国へと向かいます。
最終目標地点はガイア帝国、帝都ガイア、
航路の決まって居ない現在、
到着予定は不明です。
何もかもが初めてなので、
決して油断する事無く、旅を続けて行きましょう!」
「クルー は~いっ!」クルー
「其れでは艦長宜しくお願いします。」
「は~い、」
モモタロウは、飛行魔法を展開すると、
徐々にエレン号の速度が上がって行く、
20分位でナム―ル大河に到着すると、
今度は海に向かってナム―ル大河を東進して行く。
大河は各国との国境でも有り、
何処の国の領土でも無く、グレイゾーンだ、
其の上空を東進するエレン号は、
どの国も侵犯しておらず、
国境侵犯の苦情が来る事はない、
海に面して居るスタンダール領と、ナム―ル大河が、
海に出る為の只二つしか無い航路だった。
モモタロウは此の後、長い直線が続く所だけ、
飛行魔法で、速度を上げて移動時間を短縮して行った。
そして、夕方には海へと達したのだった。
飛行魔法が無ければ、
海に出るだけでも数日掛かってしまうのだ。
「飛行魔法、マジ便利!
夜は危険だから昼だけにしようね~」
「夜間に付いては通常の運行速度である80キロで、
交代での運航と成ります。」
「ですよね~流石に超音速で飛んだら
何かあった時対応出来ないもんね~」
ナビシステムもレーダーも無いので、
夜間は危険なのだ。
まあ、マップが有るのだが、無理は禁物なのである。
翌日、高度1000メートルを、
モモタロウが、飛行魔法で飛んで居ると、
女神~ズが艦橋にやって来て、
「「モモちゃ~ん、退屈だから釣りがしたい!」」
「えっ?プールで遊んで居たのでは?」
「「あきた~」」
「なんとまあ、でも今は超音速で飛んでますから、
釣りは無理なんですけど~」
「「「釣りがしたい、釣りがしたい、
釣りがしたい~~」」」
「リバイアさん迄、加わって来たよ!
此の女神達は!」
仕方が無いので、休憩がてら、
時速5キロで、海面すれすれを飛んで釣りをする事に成った。
「「「よ~しっ、大間の巨大マグロを釣るぞ~」」」
「こいつ等、ステイタス画面で、大間のクロマグロ釣り
サクセスストーリーを見たみたいだ!」
「「「餌はゴブリンで居いかな~?」」」
「良いんじゃね?」
船尾に3人?柱?並ぶと錨の様なでっかい針に、
ゴブリンを5体程刺すと、
おもむろにでっかい釣り竿で、
遠投をして、トローリングを始めた。
「うっわ~めっちゃ飛んだんですけど~
数キロは飛んだんですけど~」
ギャラリーが集まる中、
3柱の女神~ズはトローリングを始めた。
待つ事30分程で、
1本の竿がギュ~ンとしなった。
「緑 来たわ~来たわ~!でっかいクロマグロよ!
一攫千金だわ~!!」緑
「白、リ キャ~羨ましいわ~!」白、リ
土の女神様の竿に当たりが来たのだが、
女神様は小魚を釣る様に、
ギュンギュンと、リールを巻き上げて行く、
「如何な力だよ~!」
と、遥か彼方で、掛かった獲物がジャンプする。
「なにあれ、でかい・・・クジラ?」
其処で、リバイアさんが説明する。
「リ あれはエレファント、ホエールですね、」リ
「いやいや、ゾウって何?クジラですよね~
50メートルは有りそうなんですけど~」
「リ 餌がくっさいゴブリンだからね~クジラって、でっかいね~
でも食物連鎖の中では海竜の方が上ですよ~
体の割に口が小さいもんですからね~」リ
因みに海竜はモササウルスに似て居て、
口が大きく、竜種で頭も良い、
体長は15メートルから20メートル程では有るが、
海の食物連鎖の頂点だったりする。
段々近ずいて来るエレファント、ホエール、
「緑 良く暴れるわね~白いの、
ショッカー準備して、」緑
「白、リ イ~ッ!!」白、リ
「ショッカーって、仮面〇イダーの怪人かよ!」
ショッカーとは暴れるクロマグロが近付いて来たら、
糸に輪っかを通して、落とし込んでマグロに接触させて、
電撃で失神させて、釣り上げるための道具なのだが、
白の女神様は雷魔法で、
エレファント、ホエールの上に電撃を放った。
どっかのパチスロの演しつみたいに、
極大の雷がエレファント、ホエールに落ちた。
遠目に見ても煙が上がって居る。
「こりゃ~即死だね~失神処じゃ無いわな~」
大人しく成ったエレファント、ホエールを、
エレン号の近く迄引き込むと、
「デカい、50メートルは有るんじゃね?」
モモタロウはお亡くなりに成った、
エレファント、ホエールをストレージに仕舞うと、
「緑 ふふん、如何ですか私のクロマグロは?」緑
「白、リ やるわね茶色いの、負けて居られませんわ~」白、リ
白の女神様とリバイアさんの対抗意識に火を付けた様だ。
次にリバイアさんが、
15メートルを超える大ザメを釣り上げた。
「リ ふふん、如何ですか~ふかひれスープの元ですね~」リ
「白 キ~ッ悔しいですわ~次こそは!」白
負けず嫌いな白の女神様だった。
其の次に白の女神様はクラーケンを釣り上げて、
「白 やっと釣れましたわ~如何ですか~
胴体は10メートル程しか有りませんけれど、
触手の長さは100メートルを超えましてよ~」白
「緑、リ イカじゃん!」緑、リ
「白 キ~ッ悔しいですわ~!」白
白の女神様は負けず嫌いだった。
此の後、リバイアさんは海竜を釣り上げて、
殴って絞めて居た。
「リバイアさん、海竜の守護者では?」
「リ 釣り上げた獲物はご飯のおかずです!」リ
「此の守護者容赦ね~」
またまた白の女神様が20メートル程在る
ロブスターを釣り上げると
「白 今度こそ如何ですか~大きいですわ~」白
「緑、リ エビじゃん!」緑、リ
「白 キ~ッ悔しいですわ~如何して呉れましょう!」白
やっぱり、負けず嫌いな女神様だった。
釣果はエレファント、ホエールが3匹に、
クラーケンが5匹に、大ザメが4匹、
ジャイアント、ロブスターが、3匹海竜が4匹、
餌の少ない外洋で、すれて居ない釣り対象、
其の為、良く釣れるのであった。
そろそろ辞めようかとしたら、
白の女神様の竿がしなった。
「白 凄い引きですわ!此れは大物よ~」白
此処から始まる釣りバトル!
今にも折れそうな電柱の様な大きい釣り竿、
きしむリ―ル、
白の女神様が海に引き摺り込まれそうな引きだ。
「白 きっと200メートルを超える大物ですわ~
大間の巨大クロマグロですわ~」白
30分を超える釣りバトルの末、
「白 茶色いのショッカーをお願い致しますわ~」白
スロットの極大、雷演出の様な、
極大雷が遠方で、炸裂した。
すると抵抗が無くなり、するすると、
糸が、巻かれて行く、
やがて獲物が釣り上げられる。
巨大な・・・・・うん?
釣り上げられたのは小学4年生位の少女であった。
が、更に尻尾が有った。トカゲの様な尻尾の先には、
イルカの様なひれが付いて居る?
「白、緑、リ りゃりゃ~此れは青いのじゃ~無いか?」白、緑、リ
「えっそうなの?千年以上寝て居るんじゃ無かったの?」
海の女神様は良く釣れる様だ。
釣り上げられた水の女神様は、
「はっ!小腹がすいたな~と思ったら目の前にご飯が、
何か齧りついたら、引っ張られて、
何かびり~っと、目が回ったのだったわ!」
針がでかいから針には掛かっては居ないが、
食い付いて離れて居ない様だった。
見上げた食い意地だった。
「青 お主ら、妾の縄張りで何をして居るのじゃ?」青
「白、緑、リ 釣りですわ!」白、緑、リ
「釣りだね~」
「皆 釣りですね~」皆
「青 釣りとな?釣りとは何じゃ?」青
「針に餌を付けて、海に投げ込んで、
魚が、ご飯だ~と食い付いたら、
針に引っ掛けて釣り上げて逆にご飯にすると言う、
極めて紳士的な遊びだよ」
「青 成るほど分かったのじゃ!」青
「何を分かったのだろうか?」
「所で、妾は小腹がすいて居るのじゃ!
何か食べさせるのじゃ!」
モモタロウは丸々バナナを出すと
水の女神様の口に突っ込んだ。
「青 もぐもぐ、うっ!美味いもう1本」青
更に1本口に突っ込むと、
「リ 水の女神様!寝て居たのでは?」リ
「青 もぐもぐ、ごっくん、おお~リバイアサンでは無いか~
小腹がすいて、目が覚めてしまったのじゃ
何か面白い事をして居るの~
妾もしたいのじゃ!やらせろ!」青
「やりたがりの男みたいだなって、
いやいや、もう終わって旅を続けようかなって、」
「青 いやや、いやや、いやや~妾もしたいのじゃ~!」青
「きかん坊かよ!あっ、寝転んでじたばたしだした、
玩具をねだる子供みたいだ~
仕方が無いな~
じゃあ~もう少しだけ釣りをしますか~」
「青 わ~い、わ~い」青
水の女神様は、女神~ズにやり方を教えて貰いながら、
ゴブリンを4~5体、針に付けると、
電柱の様な極太の竿を振って遠投をした。
「青 まだ引かないかな~まだかな~まだかな~」青
「白、緑、リ ・・・・・」白、緑、リ
「う~ん、待って居る間も子供みたいだ~」
やがて、ギュ~ンと竿がしなると、
「青 やった~来た~
明日はホームランだ~わ~い、わ~い」青
水の女神様も何も掛かって居ないかの様に、
リールをギュンギュンと、巻き上げて行くのだった。
「女神様達、何も掛かって居ない様に、
リールをギュンギュン巻き上げて行くけど、
其の先には、でっかい獲物が掛かって居るんだよね~
何処にそんな力が有るんだろうね~
不思議だね~」
「皆 不思議だね~」皆
「青 白いの~ショッカー!」青
「白、緑、リ イ~ッ!」白、緑、リ
何処かのパチスロみたいに、
極大の雷が獲物に落ちた。
《チュド~~ン!!》
暴れて居た獲物が静かに成り、
エレン号に引き寄せられて行く、
70メートルは有ろうかと言う
巨大なエレファント、ホエール、が又釣れた。
「白、緑、リ クロマグロよクロマグロ、
大間のクロマグロだわ~!!大儲けよ~」白、緑、リ
「青 クロマグロと言うのか?」青
「白、緑、リ そうですわ~」白、緑、リ
「子供に嘘を教えちゃ行けません!
クジラですから、ク~ジ~ラ!」
「青 クジラと言うのか?美味いのか?」青
「白、緑、リ 大トロが最高ですわ~」白、緑、リ
「いやいや、大トロ無いから、クジラだから~」
「女神~ズ ええ~っ!」女神~ズ
「その代わりに、尾の身が最高に美味しいから、
すき焼きにしたらA5牛並みに美味しいから、」
「女神~ズ え~っ!食べた~い!」女神~ズ
「じゃあ、今夜の晩御飯はすき焼きだね~」
「皆 バンザ~イっ!!」皆
「じゃあ取り敢えず、1000メール迄、浮上して~
日が暮れる迄、飛行魔法で飛ぶよ~
エレンは水の女神様をお風呂に入れて差し上げて~
他の皆も順番でお風呂を済ませてね~」
「エレン、皆 は~いっ!」エレン、皆
此の後、
エレン号は上空1000メートル迄浮上すると
暗黒大陸に向けて超音速で、暗くなる迄飛び続けるのだった。