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ー186話 カニ尽くし リバイアサン


打ち寄せる波に、時折、通り過ぎるそよ風、


午後の陽射しは強く、砂浜を焼いて居る。


遥か沖合には入道雲が伸びて居る。


美しいロケイションとは裏腹に陸上の生物は見える事はない、


北大陸の東南の端に広がる広大な砂漠は、


砂漠の国、ソリア王国の国土の大部分を占める、


ソリア大砂漠と広大なサンゴ礁の海を区切って居る、


海岸線が、遥か地平線の先迄続いている。


ほぼ人の気配はない。


此の長い海岸線には、時折通り過ぎる、


商隊のキャラバンが弱弱しい、


命の気配を醸し出して居た。


砂漠地帯には凶悪なモンスターの巨大なサンドワームと、


ビックスコーピオンが砂漠の所々で、


コロニーを形成しては砂の中で、


獲物が通るのを待って居る位だった。


砂漠の生態系はサンドワームとビックスコーピオンが、


捕食し合う事で、成り立った厳しい世界だった。


海岸線にもシーワームが隠れて居り、


時折通る商隊のキャラバンが罠に掛かるのを、


待ち続けて居るのだった。


人間のキャラバン隊もバカではない、


命の危険が有る海岸線を闇雲に通るのではなく、


何処にシーワームが潜んで居るのかを熟知して居る、


案内人が先導して居た。


キャラバン隊は、先導して居る案内人の腕次第で、


生き死にが決まるのだった。


其の海岸線の沖合1キロの


上空20メートルの空域にエレン号は遊弋して居た。


エレン号では25メートルプールの周りで、


乗組員達がバカンスを楽しんで居るのだった。



「モモよ~高級クラブはまだかの~?」



「マップでは、此の辺にコロニーが有るのですが、


さて、如何やって狩るかね~?」



「早く食べたいのじゃ~」



「うん~楽しみだね~ママ、」



「そうですわね~楽しみですわ~パパ、


何時も切り分けたお肉ばかりでしたから、


如何やって捕まえて、お料理するのかしら?」



「そうだね~確か体長5メートル有るんだよね~


Sクラスの冒険者が数十人掛かりで、


やっと捕獲できるんだったっけ~


凄っごく美味しいんだよね~ママ、」



「そうですね~捕獲するのに、大金が掛かるのと、


見付けるのが難しい、


だからこその高級クラブですよね~パパ、」



「うんうん、決して奇麗なお姉さんが居る


飲み屋じゃ無いよね~


カニですよね~デカいカニですよね~ママ、」



「はい、高級クラブの解説有難う、


パパさん、ママさん、


リリ~如何やって捕まえようか~?」



『はい、呼ばれて、飛び出て、ジャジャジャのジャ~!』



「何か、出方が古いんですけど~」



『ほっとくっス~え~っと捕まえ方でしたね~っス、


ゴブリンの死体が有るので、


撒き餌にするっス~


其れで海岸線迄おびき寄せるっス~


のこのこ出て来た所で、


女神~ズに狩って来て貰うっス~


今は春で、産卵期を迎えて居るので、


メスのお腹には幼体が、びっしり付いて居るっスよ~


元がでかいので、幼体と言っても松葉ガニ位有るっス~


超~美味しいっスよ~』



「何と~!松葉ガニ~食べた~い~!


と言う事で、女神ーズさん良いですか~?」



「「何か~美味しいカニづくしですか~?」」



「はい、松葉ガニの甲羅でお酒を温めて飲むと、


其れはもう~天界気分ですよ~」



「「やりましょう~!任せて下さいな!」」



モモタロウは特急ダンジョンで狩って、


死蔵して居たゴブリンの魔石を抜いた死体を、


数百体、高級クラブのコロニーと思われる所へ


撒き餌として撒いて、しばし待つと、


俄かに海底の所が騒めきだした。


此の後、寄せ餌として又数百体のゴブリンを撒く、


臭いゴブリンの死体は撒き餌としても、


寄せ餌としても優秀だった。


強い匂いに惹かれて次々と


高級クラブが浅瀬に誘いだされて、


興奮状態となったカニ達は


次々と波打ち際に迄、誘い出された。


其処で、女神ーズが飛び出して、カニを絞めて行く、


絞められたカニはモモタロウの


ストレージに幼体と共に収納されて行った。


ストレージには生き物は収容されないが、


如何もカニのお腹に付いて居るので、


絞めたカニの一部として認識されて居る様だ。


1体のメスのお腹には幼体が数千から数万は居るかも知れない、


中々にグロイ、高級クラブはオスが約5メートル程在るのだが、


メスは更に2回り程大きい、


更にお腹には松葉ガニ程の幼体がびっしりと付いて居る。


一狩りで2度美味しい状態だった。


そんなデカいカニが我先に餌に有り付こうと、


ドンドン波打ち際に押し寄せては、


女神ーズに絞められていった。


数時間に及ぶの漁の後、


砂浜に降りたモモタロウは、


浜に以前使った超でっかい鍋を出すと、


土魔法で、超でっかい竈を作り、鍋を乗せると、


海水を鍋に入れて、今迄取り込んで来た、


樹木の枝等を乾燥させ、


大量の薪を作って、鍋を沸騰させる。


勿論、一つでは足りないので、10セット作った。


火力は申し分なく、1時間程で沸騰しだした。


其処に絞めた高級クラブを放り込んで行くが、


何分でかいので、はみ出したりして居る、


豪快にカニを茹でだした。



「豪快だね~ママ見て御覧、


鍋からカニの足が飛びだして居るよ、」



「そうね~豪快ね~パパ、良い匂いがしてきたわ~」



「白いの、沖に居るね~」



「ああ、茶色いの、沖に居るわね~」



「沖に何か居るの?」



「「うん、でっかいエビと、


シーサーペントと海竜も居るね~


釣りがしたいな~」」



「うん、釣りね、良いんじゃね?


リリ~投げ釣りセットドラゴン用作って~!」



『良いっスよ~ハイ出来たっス、


竿は竜骨、糸はジャイアントスパイダーの糸を寄った物、


針も頑丈な竜骨っス~ほい!2組」



ストレージから出て来た投げ釣りセット、


何故か全員固まって居た。



「竿は20メートル位在るね~でかい!


リールは俺より大きいね~


糸?如何見てもロープだよね~太い~


針?錨の間違い?サイズが色々おかしいよ~


餌は如何すんの?ゴブリンじゃ小さいよね~」



「白いの餌は如何する?」



「シーワームで良いかしら?」



「え~っと?・・・あっ、あそこに居るわ!」



飛び出す土の女神様、ポ〇シェよりも早い!


10メートルを超える


シーワームを引き摺って戻って来ると、


錨の様な針に付け、半分に切って、


残りをもう一方の針に付けた。


二人は竜化して、身長を40メートル程にすると、


楽しそうに遠投を始めた。ドラゴンは豪快だ。


着水したのは何キロも先の沖合だった。


「白いの、良い所に餌が落ちましたよ、」



「私くしもよ茶色いの、直ぐに掛かりそうですわ、」



「二人とも楽しそうだね~でも何時もより体小さくない?」



「「そうですわね、3分の1位に身長を抑えておりますのよ、」」



「3分の1なんだ~」



最大身長150メートル程在る二人、


身長は自由に変えれるらしい、


白の女神様の竿がグ~ンとしなった。



「あっ!掛かりましたわ~!」



早速リールを巻き取る女神様、


沖合で巨大な何かが跳ねる!


きゃははははは・・・・・と、楽しそうに笑い乍ら、


糸?ロープを巻き取る女神様、


浜辺迄、引き摺られて来た獲物は


10メートル程有る大きなロブスターだった。



「南海の大決闘かよ~!」



「大物ですわ~締めて下さいな~」



「「「「「は~いっ!」」」」」


5人の側近のエルダードラゴン達が、


ロブスターの頭を叩き割ると、ストレージに収納した。


何時の間にかエルダードラゴン達が狩って来た


シーワームを大きな針に付けなおすと、


白の女神様は、又遠投をした。


次に土の女神様の竿がしなった。



「掛かりました~!よっと~!」



リールを巻き取り、浜辺に引き摺られたのは、


でっかいイカ、クラーケンだった。



「私も大物が釣れましたわ~締めて下さいな~」



「「「「「は~いっ!」」」」」



クラーケンは傘の内側部分に青龍偃月刀を入れられると、


擬態色から透明に変色した。



「うっわ~!面白~い、


イカって絞めるとこんな色に成るんだ~!」



クラーケンをストレージに収納すると、


又、5人はシーワームを針に付けなおした。


其のまま土の女神様は遠投をした。


今度は白の女神様の竿が又しなる、


次に浜辺に引き摺りあげられてのは、


15メートルを超える、シーサーペントだった。


まあ、でっかいウミヘビだ。


其の次は土の女神様が、海竜を釣り上げた。


15メートルは有りそうだ。


竜化したエルダードラゴン達が殴って昇天させていた。


そうこうして居る内に、カニが茹で上がって行く、


釣りを楽しむ女神ーズは、入れ食い状態で、


どんどんと、海の魔物を釣り上げて行った。


沖合から大きな長い影が近づいて来る。



「またまた引きましたわ!」



リールを巻くが今度は中々引き寄せられない、



「あらあらまあまあ、大物ですわ~


引きがとても強いですわ~何が掛かったのかしら~」



強引にリールを巻いて、引き寄せると、


浜辺に100メートルを超える


長大な白銀に光る巨体が現れた。



「あらあらまあまあ、超大物ですわ~


茶色いの、見ましたか~ですわ~」



「は~~っ、デカすぎですね~だって、


リバイアサンですものね~」



其処には涙目の残念な


リバイアサンが吊り上げられて居た。」



「あらあらまあまあ、リバイアサンですの~


久しぶりですわ~お元気だったかしら~?」



「白いのと茶色いの、


貴女達は何をして居るのかしら?」



「「何をって、釣りですわよ~」」



「ああ、釣りですか~って、


私の眷属を釣るんじゃ有りません~!」



「あらあらまあまあ、五目釣りをしていたら、


勝手に掛かったのですわ~」



「五目釣りだったんだ~」



〈しゅ~~~っ~〉



涙目で、でっかい針を外して


リバイアサンは人化けをすると、


女神ーズも何時もの人型に戻った。


釣り道具をストレージに仕舞うモモタロウだった。



「で、貴女達はこんな砂漠で、何をして居るの?


まさか、釣りに来て居るとか?」



「「いいえ、高級クラブって言うカニを狩って、


カニパーティーをする為に来て居るのですわ、」」



「で、此方の方達は?」



「「私くし達の冒険者仲間達ですわ、」」



「あら、そうですか?


私は白いのの、友人のリバイアサンと申しますわ、


以後お見知りおきを、」



〈チャララ~ン、チャララララ~ン〉



「皆 へへ~~っ!」皆


と、土下座する皆、モモタロウは、



「此れはご丁寧に、俺はモモタロウと言います。


リバイアさん、宜しくお願いしますね、」



「ん?いえ、リバイアさんでは無く、


リバイアサンですよ」



「えっ???・・・リバイアさんですよね~?」



「貴方の言い方ですと、


リバイアサンさんと成りますね、」



「ああ~!そうですか?此れは失礼しました。


リバイアさん、今からカニパーティーをするのですが、


ご一緒に如何ですか?」



「「カニはとっても美味しいそうですよ、


沢山狩れましたし~リバイアサンも如何かしら?」」



「もう、リバイアさんでいいですわ、


部外者の私が混ざっても良いのですか?」



「はい、白の女神様の


ご友人で有れば大歓迎ですよ~」



「あらあらまあまあ、


嬉しい事を言ってくれますのね、


では、ご相伴にあずからせて頂きますわ、」



「はい、カニも塩茹でが終わりましたので、


船に行きましょう~」



「皆 は~いっ!」皆



モモタロウ一行は、カンシンが点呼を取った後、


エレン号に乗り込むと、


早速、晩御飯の準備を始めるのだった。



「女子の皆は先にお風呂に入ってくれる~?」



「女子 は~いっ!」女子



「あ~エレン、リバイアさんに


お風呂の使い方を教えて差し上げて~」



「は~い、了解致しましたわ~」



「宜しくね~」



「飛空艇にお風呂が有るのですか?」



「「リバイアサン~びっくりする程、広いですわよ~」」



「其れは楽しみですね~」



モモタロウは女子がお風呂に入って居る間に、


カニすき、焼きガニ、カニ刺しの準備を始めて行く、


今回は、松葉ガニ大の幼体がメインだ。


其の外、ママゾンで、握りずしを大量購入して、


茶碗蒸し、かに玉、カニチャーハンと、


カニ尽くしだ。後、忘れちゃいけない赤だしだ。


女子がお風呂から上がって来ると、


ユキ姫を先頭にメイド達が手伝ってくれる。


男子がお風呂に入って居る間に、


晩御飯の準備が終わり、


男子が出て来ると晩御飯が、始まるのだ。



「では、頂きま~すっ!」



「皆 頂きま~すっ!」皆



賑やかな晩御飯が始まった。



「美っ味~何これ美っ味~


カニってこんなに美味かったっけ~?」



「「リバイアサン、


モモちゃんが料理したら美味しいんだよ~」」



リバイアサンは泣き乍晩御飯を食べて居た。



「今日は大量に高級クラブが狩れたし~


在庫も一杯出来たからね~た~んと召し上がれ!


ご飯の後はデザートも有るからね~


其の後のお酒もたっぷりと有るから楽しみにしてね~」



「皆 は~いっ!」皆



「新鮮な身だとちゅるっと、中身が出て来るのじゃ!


カニすきサイコーなのじゃ~!」



「うんうん、美味しいね~カニすきも良いけれど~


刺身もわさび醤油で、凄く美味しいよね~ママ、」



「あらあらまあまあ、パパ、焼きガニも良いですわ~」



今夜もモモタロウ達は美味しい晩御飯を食べ乍ら、


盛り上がって行くのだった。



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