ー185話ー 獣王国 物資の買い付け 2
南大陸獣王国5日目、
朝ご飯を食べた後にモモタロウ一行は、
王城内の宰相府へと来ていた。
「モモタロウ殿、良くおいで下された。
手書きで申し訳ないが、
此方が今回のジャングルの伐採の地図です。」
と手書きの地図をモモタロウに手渡した。
「う~ん、子供の落書きかよ~
方角を書いて有るだけましか~って、
・・・有難う御座います宰相様、
丸で、囲ってあるだけなのですが~
伐採の範囲はどれ位の距離ですか~?」
「うん?そんなもん適当で良いですよ~
10キロでも50キロでも構いませんよ~」
「良いんかい~!
じゃあ、50キロと言う事で~」
「50キロって凄い距離だよ~出来るの~?」
「魔法で伐採するので、あっという間ですよ~」
「凄ゲ~なおい、
近隣の村には此方から連絡を入れて居ますので、
御自由に伐採して下さい。
伐採の跡地は畑として使いますので、」
「獣王国の民は狩猟民族では無いのですか?」
「私達、獅子人族は狩猟民族で有りますが、
獣王国には色んな種族が集まって居りまして、
農耕種族も多数居ります。
ジャングル近辺の村々から、
開墾してくれとの要望もありまして、
丁度良かったのですよ、
農地が広がれば、食料需給率も上がりますし、
ジャングルは広大ですので、
狩猟に問題が起こる事も有りませんしな、」
「そうですか、其れでは早速伐採に向かいますね、」
「はい、宜しくお願いします。」
モモタロウ達は早速宰相府を辞すると、
王都の郊外へと向かった。
「モモよ、ジャングル近辺の村までは、
かなりの距離が有るのではないかの?」
補助輪付きのママチャリを漕ぎ乍ら、
ちっぱい師匠が聞いて来る。
「ああ、其れは大丈夫ですよ~
南門から出たら、
小型の飛空艇でジャングルに向かいますから~」
「そう言えば、リリー殿が小型の飛空艇を
こさえたと言って居ったの~
良いな~妾も欲しいのじゃ~」
「じゃ~エレン号に帰ったら、
リリーに作って貰いましょうか?」
『了解っス~』
「良いのかや?」
「良いですよ~まあ、
ちっぱい師匠の馬車の代わりと言う事で、」
「ちっちゃくないよ!
うむ、・・・有難うなのじゃ、」
南門から出ると早速、小型飛空艇を
ストレージから取り出すモモタロウ、
船部分は10メートル、気球部分が20メートル、
エレン号の10分の1の大きさだ。
乗員は10人程度、
今回はモモタロウ、
モモタロウの頭に張り付いて居るポチ、
エレン、カンウとチョウヒ、
ちっぱい師匠に、パパさんとママさん、
護衛のワンレンさんと竜騎士が一人の、
合計9人とポチだ。
えっ?護衛が少ない?
ポチは女神様よりも強いと言われて居るし、
カンウは英雄のジョブを持つ神界突破の竜騎士、
チョウヒも勇者のジョブを持つ神界突破の竜騎士、
二人共、英雄オッタルと同じ土俵に立って居る。
ちっぱい師匠は帝国を代表する魔導士で、
神界突破して居る。
ワンレンさんもちっぱい師匠に続く魔導士で、
神界突破して居る。
竜騎士も臨海突破して居る魔法剣士、
パパさんママさんも臨海突破して居る戦士で、
エレンは神界突破して居る竜騎士で、魔法剣士だ。
攻撃力レベル1なのはモモタロウだけなのである。
此の9人と1匹だけで、国家規模の旅団を、
壊滅出来るだけの戦力だったりする。
今回女神ーズはモモタロウにこずかいを貰って、
バザールでの食べ歩きに忙しいそうだ。
すっかりモモタロウの飼い犬・・・
飼いドラゴンに成って居た。
小型飛空艇の船内はクルーザー仕様に成って居て、
操船用の座席の他に広いリビングルームに成って居り、
簡易キッチン、トイレ、洗面、
シャワー室が完備されて居る。
ちょっした旅行にも使える。
動力はドラゴンの魔石で、
賢者の石により空気中から魔素を充填出来る仕様だ。
其の為に長距離飛行も可能な訳だ、
モモタロウと言う永久機関が居れば
永遠に飛び続ける事も可能で有ろう、
小型の飛空艇に全員乗り込むと、
カンウが操船を始めた。
「小型じゃが、此れは見事な船内じゃのう、」
「うん、パパと落ち着いて座れるわね、」
「ママとゆっくりとおしゃべりできそうだね、」
「豪華な造りですね、私も欲しいです。」
「うむ、個人で所有するのは難しいのう、
値段がとんでもなく成るのう、
其れこそ城が領地付きで買える位にはのう、」
「流石に私では無理そうですね、
ウインスレット侯爵家でも、
ああ、確かスタンダール伯爵家領の海側の、
沖に浮かぶ無人島を持っていますが如何でしょうか?
周囲10キロ程ですが
小さいですが川も流れて居ますよ、
城は有りませんけれど~」
「ふむ、リリー如何かな?」
『秘密基地っスね~良いんじゃないっスか?』
「冒険者心をくすぐるね~
良いですよ~ワンレンさん、
リリーの許可も降りましたし、
エレン号に戻ったらちっぱい師匠の分と一緒に、
渡しましょう。」
「マジですか~、
何だったら私も付けますが?如何かしら?」
「あっ、其れは要りませんよ、
間に合って居ますから~」
「そんな事は言わないで~
私をこんな痴女にした責任は取って下さいね!
職場で私は、既に痴女認定されて居るのですから、
お母様が、私を見る度に泣くのです。
もうお嫁に行けないのですよ、
モモタロウ様、末席で構いませんので、
側室に加えて下さいね、」
そう、ワンレンさんはリリーと
モモタロウが面白がって、
作ったネタ装備を何時も付けていた。
ネタでは有るものの、
一軍に匹敵する神話級の装備だったりする。
しかし、女を捨てないと
装備出来ないと言うのも納得で、
魔法の杖はジュリアナの大きな扇子だったり、
超ミニスカの真っ赤なワンピースに
チラチラ見える、
嫌味な位に真っ赤なエロパンだったりする」
『ダーリン、流石に責任取らないと、
ウインスレット侯爵家から刺客が来そうっス~』
「其の話は又今度ゆっくりしましょうね~
リリーも交えて、」
「はい、期待して居ますね、旦那様」
「モモちゃんたら又女を泣かせてますわ、
ちゃんと責任取ってあげないとダメですわよ」
「『あ~い~』」
「モモよ、妾との結婚の事も有るし、頑張るのじゃ!」
「いや、いやアンジュちゃん、結婚はまだ早いと
パパは思うんだ、」
「ママは賛成よ、ママはアンジュちゃんの年には、
パパと結婚して居て、お腹にはもうアンジュちゃん居たし~
ね~パパ~!」
「うん、熱愛だったからね~
でも、モモタロウ君はイ〇ポだしね~無理だよね~」
「いざとなったら、
リリー様監修の媚薬が有るのじゃ~
超強力なのじゃ~ファイト~一~発~なのじゃ~!」
「アンジュちゃんが壊されてしまう~
此処はやはり~暗部に~」
「そんな事したら~パパ嫌いに成るのじゃ~
妾一人なら壊れるかも知れんが、
エレンと二人なら?」
「あらあら、まあまあ(ぽっ)ですわ」
二人でダメならワンレン、ケイトも加えれば?」
「如何しましょう~(ぽっ)」
「それでもダメならカンウとチョウヒも加えれば?」
「「何時でもオッケ~で御座います。(ぽっ)」」
「やりようは幾らでも有るのじゃ~」
「ひ~ん可愛い私のアンジュちゃんが、
大人になって行くよ~」
「よしよし~パパ、泣かないの、
アンジュちゃんの幸せを二人で祈りましょうね~」
「うんママ~そうだね~」
「う~ん、
リリ~此れは断れば暗部に消される流れだよね~
如何しよう~困った~」
『此れはもう、纏めて全員やっちゃえば~っス~』
「ひ~リリーが投げやりだよ~」
そうこうして居る内に飛空艇は
ジャングルの淵に到着した。
「じゃ~伐採を始めるよ~」
「皆 おお~」皆
飛空艇から数キロの範囲の
原生林が消えて更地に成って行く、
飛空艇がゆっくり進むにつれて、
其の範囲が広がって行く、
50キロ地点で、半径分横に其れて、
折り返して進んで行くと、
芝刈り機で芝を狩る様に更地が広がって行く、
横幅50キロに成る迄、其れを繰り返して行くと、
縦50キロ横50キロの更地が出来上がった。
熱帯雨林の大木は根っこから取り除かれて、
切り株が残る事も無く、更地と成り、
直ぐにでも開墾できる状態と成った。
大きな穀倉地帯と成るだろう、
モモタロウ達はエレン号に向かって帰途に就くと、
「大量大量~此れで、一財産儲けられるね~」
「モモよ大儲けと言うが如何するのじゃ?
今回は熱帯雨林じゃが、
北の針葉樹林も集めて居ったろう?
こんなに沢山有っても、
如何しようも無かろう?
暗黒大陸で陸地に大量の木材を置いた所で、
アント共の餌に成るだけでは無いのか?」
暗黒大陸は魔素が濃い為に植物が育たない、
濃い魔素の影響を受けて、
魔植物やレントに成ってしまうのだ。
普通の植物の野菜や木材は貴重では有るが、
余りに多いと、保存が出来ない訳だ。
「ちっぱい師匠大丈夫ですよ~
川の汽水域にどでかい貯木場を作って
保存出来るようにしますからね~」
「貯木場って何?初めて聞くのじゃが」
「要は水に浮かばせて、虫等の害を無くして、
乾燥による木の割れなんかも防ぐ訳ですね、
木材を使用する時に貯木場から出して、
必要な乾燥を施してから、加工する訳ですね、
此の方法で有れば木材は非常に
長持ちする筈ですよ~」
「其のアイデアはリリー様が?」
「其の通~り~
他の人達と被らないだろうし~
何と言っても元手が掛かって居ないので、
丸儲けと言う、土魔法が使える俺だけの作戦ですね~
勿論必ず上手く行くのかと言えば、
交易して見ないと分からないので~
リスク分散の為に2の矢、
3の矢を用意していますけれどね~」
「流石はモモちゃん、旦那様ですわ~」
「何じゃ、エレンも一枚噛んで居るのか?」
「一枚も何も、スタンダール家と半々で、
モモちゃんと、折半して居りましてよ、
モモちゃん5割で、スタンダール家が2,5割に、
私くしが2,5割ですわ~
今回は交易の規模が大きいので、
此れでも充分な利益が出ましてよ、
もし失敗しても、又1から冒険者として頑張りますわ、」
「凄い信頼じゃな~羨ましい位じゃわい、
しかし、スタンダール家も咬んで居るのか、」
「はい、ズロースお姉様も、
モモちゃんの才覚には
絶大な信頼を寄せて居りますのよ~」
「大した物じゃの~ズロースも案外大物じゃのう~」
「はい、ズロースお姉様は、
金の匂いには敏感ですのよ~」
「銭〇バかよ~!」
獣王国、王都に戻ったモモタロウ一行は、
エレン号に戻ると、
え~っと此れがちっぱい師匠の小型飛空艇ね、
「おお~凄いのじゃ~
妾の家紋と魔法少女のイラスト入りなのじゃ~
可愛いのじゃ~モモよ~愛して居るのじゃ~」
魔法少女お宅の女帝様だった。
「そしてこっちが、ワンレンさんの小型飛空艇ね、」
モモタロウはストレージから
もう1隻小型飛空艇を取り出した。
言わずと知れたワンレン仕様だった。
「わ~いっ!ウインスレット侯爵家の家紋入りだ~
って此のイラストは何?
お立ち台に上がって、
エロパン見せ乍ら扇子振り回して
踊って居るんですけど~
エロパン丸見えなんですけど~
何か顔が凄っごく可愛いんですけど~
お父様に勘当されそうなんですけど~」
「わ~い、アニメキャラ風にイラスト作って居るね~
何処のエロゲ~なんだよ~!」
「わ~い、モモタロウ様~責任取って下さいね~
お父様に勘当されたら頼みますよ~」
「・・・・・はい、分かりました~
リリ~頼むよ~」
『つい調子に乗っちゃいました~っス、
てへぺろ~っス』
二人共魔法の袋に小型飛空艇を仕舞うのだった。
エレン号に戻ったモモタロウ達は、
「予定の買い付けはほぼ終了しちゃったね~
明日からは観光を楽しもうか~」
「モモちゃんと、異国の地でデートですのね、
楽しみですわ~」
「「私達も護衛をし乍らの食べ歩きが楽しみで~すっ!」」
「カンシンと、コウメイは?」
「「はい、私達は交易に役立ちそうな物を、
もう少し見て回りたいと思います。」
「うん、宜しくね~気づいたことが有ったら教えてね~」
「「はい、了解致しました。」」
翌日は皆、買い付けもひと段落して、
観光に勤しんで居た。
ドラゴンレンジャー達はいつも通りに、
街の中を走り回って居た。
10日目の朝、ちっぱい師匠がいきなり、
「カニが食べたい!
モモよ初めて出会った海岸に行くのじゃ!」
「良いですよ~じゃあ取り敢えず、
獣王様に挨拶に行ってから、出発しましょうか?
皆構わない~?」
「皆 少し飽きて来たので、オ~ケイで~すっ!」皆
此の日は朝から王城に出向いて、
「獅子王よ、買い付けも無事に終わったのでのう、
今日帝国に向かって出発するぞ」
「アンジュ殿、良い買い物は出来ましたかのう、」
「うむ、良い買い物が出来たのじゃ、
獅子王よ世話に成ったのじゃ」
「うむ、帰りの道も無事で有らん事を」
「皆 有難う御座いました~」皆
こうして、モモタロウ達は
エレンと出会った海岸を目指して出発するのであった。