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ー183話― 獣王国


モモタロウは奴隷商で、新たに奴隷を購入する事で、


コンロン領の運営の要と成る


新入社員のメンバーを揃えた。


管理者はカンシンとコウメイの助手として付き、


メイド達はメイド達の助手として付き、


警備は警備達の助手として付いた。


道場では、サクラとマーガレットが共に稽古を付けて貰い、


其々の職種での研修に励んで居た。


此処魔法学院のSクラスでは、マドカ先生が、



「さてみなさん、今日で3月も終わりと成りました。


明日から、1ヶ月の春休みと成り、


5月からは新学期と成ります。


この度、学長の提案したカレンダーに元ずいて、


1年の予定が定められました。


流石はハイエルフと言った所でしょうか、


帝国もアンジュ、ルグレス女帝陛下の進言により、


時間と、時計の導入、カレンダーによる


1年の計画予定の導入の計画を進めて居るとの事です。


流石は魔法学院、帝国の最先端を行って居ますね、


そしてモモタロウ様の配下である私達Sクラスですが、


明日から野外研修として、


南大陸に、暗黒大陸との交易品に使う


物資の購入に向かいます。


学院には生徒の臨界突破に伴う野外授業として、


学院の認可が下りて居ます。


学院長が同行すると言うのが面倒くさいのですが、


致し方が有りません。


何か質問は有りますか?」



「はい先生にゃ~」



「はいネコちゃん、」



「おやつは幾ら迄良いのにゃ?」



「1日当たり銅貨2枚迄です。」



「はい先生ぴょん」



「はいうさぎちゃん」



「バナナはおやつに成るぴょん?」



「バナナはイモ類とリリー様が言って居たので、


ご飯の範疇に成ります。」



「はい先生」



「はいアンザン、ガーターさん」



「生徒会のメンバー達は参加可能でしょうか?」



「事前の申請と学院長の許可が下りれば可能ですよ、


参加出来れば、出席扱いに成るので、


出席日数が増えますから、留年しにくく成りますね、


でも何故、生徒会役員が参加したがるのですか?」



「はい、毎日モモ様のお弁当を


生徒会室で食べて居まして、


ご飯を食べさせて欲しいと、


モモ様のご飯が無いと死んでしまうそうです。」



「はい、しゃぶちゅ・・ご飯中毒ですね、


私も同じなので、痛いほど分かります。


終業式の後に私から学院長に許可を貰いに行きましょう。


生徒会もモモ様の配下ですか?」



「はい、既にモモ様無しの生活は考えられないと、


リリー様ともお話して居ます。」



「影の生徒会長ですね、


魂が既に繋がって居るのであれば、問題無いでしょう、


では通信簿を配って行きます。


座学に付いては直接、生き字引と言われる


学院長から習って居ますし、


実習に付いても大魔導士と言われて居る


学院長に指導して貰って、全員臨海突破もして居ますので、


オール5に成って居ます。


既に教師の実力を軽く超えて居るので、当たり前ですね、


学院始まって以来の快挙と成って、


私のお給料もざっくざくです。


終業式の後、モモ様は如何しますか?


皆と一緒に屋敷に帰ります?


其れとも私と体育倉庫にしけこみます?」



「いやいや、保健室に行って


怪我人が居ないか見に行かないとね、」



此の後、大講堂で終業式が行われて、春休みと成った。


モモタロウとエレンは保健室で数人の怪我人を治療した後、


泣き乍ら縋り付いて来る保健のアカシヤ先生を置いて、


屋敷に帰った。


屋敷では既に出発の準備を整えた、メイド達と、


ずっと居なかったギルマス達も集まり、


何時の間にか護衛を引き連れてやって来た、


何故かちっぱい師匠のパパさんママさんも来ていた。


マーガレット、サクラの他、


生徒会のハート、レモン、ポワンも既に来ていた。



「皆 女帝陛下、モモタロウ様、宜しくお願いしま~すっ!」皆



モモタロウは飛空艇の発着場に行くと、


プールに飛空戦艦エレン号を浮かべる。



「じゃあ皆、揃ったかな?」



「皆さ~ん、点呼を行いますので、協力して下さ~い」



「皆 は~いっ!」皆



大人数で有るので、10分ほど掛かった点呼が完了すると、



「ご主人様、全員揃って居ます。欠員は有りません。


後、予定より人数は若干増えて居りますが、


想定内です。点呼と一緒に名簿を作りましたので、


此の後の点呼では、


置いてけぼりと言うような事も有りません。」



「はい、カンシンご苦労様、


じゃ皆、乗船して出発しようか~」



「皆 は~いっ!」皆



「ちっぱい師匠、帝都上空の結界は?」



「ちっぱく何てないやい!


既に通達済みじゃ、エレン号が出発する迄、


解放させて居る。」



「了解!」



全員乗船するとモモタロウ達は艦橋に昇って行った。



「全員の乗船の確認を」



「はい、既に確認済みです。


発艦シークエンスを始めます。」



「魔道ガス充填100パーセント」



「魔力動力炉出力100パーセント」



「魔力動力100パーセント、出力宜し」



「宇宙・・・・・空中戦艦エレノワ号発艦準備完了!」



「発艦!」



「発艦します。全艦上昇、離水します。」



「上空の天気宜しなお上昇します!」



エレン号は水飛沫をあげ乍ら上昇を開始した。



「上空1000メートル迄上昇!」



「上空1000メートル迄上昇ヨーソロー!」



「艦長、上空1000メートルに到達、」



「はい、では予定通り、ナム―ル大河に出て、


其のまま海上に出ます。後は北大陸の海岸線に沿って、


海上を航行してコッサリア神国の海上に出た後、


南大陸に向かいます。」



「了解しました。航路南へ、目標ナム―ル大河!


ナム―ル大河到達後、川沿いに海上へ!」



「進路南へ、目標ナム―ル大河、


到達後川沿いに海上へ、ヨーソロー」:



「現在帝都上空1000メートル、


天気は晴れ、風速約5メートル、渚ぎ、


進路南に全速!」



「航路南ヨーソロー」



「機関全速、ヨーソロー」



「艦長、機関全速です。時速約80キロ、


ナム―ル大河迄およそ20時間です。」



「了解しました。飛行魔法を使います。」



モモタロウが飛行魔法を使うと、


徐々にスピードが上がって行く、


最終的には音速の何倍ものスピードが出るのだが、


2時間後、徐々にスピードを落とすと、


行く手に大きな川が現れて来た。ナム―ル大河だ。


川幅は何キロにも成り対岸が見えるか怪しい、


エレン号は川に到達すると、今度は川沿いに進路を取る。


川自体は国家間の空白地帯で有り、


川の上空を飛ぶのであれば領空侵犯にも成らない、


他国から帝国に苦情が来る事も無いのだ。


川はゆっくりと蛇行して居り、


直線が長い所だけモモタロウの飛行魔法で飛び、


時間短縮をした。


長い距離の川では有るが、


夕方には海上へと出る事が出来た。



「うん、流石じゃのう、


妾の船ならおおよそ3日間掛かるじゃろうな、


見事な物じゃの」



海上に出ると、


直線で陸に掛からない様に飛行魔法を使って飛ぶ、


3日目にはコッサリア神国の沖、上空に到達する事が出来た。



「ちっぱい師匠、


此のまま南大陸に入っちゃって良いんですか?」



「ちっぱく何てないやい!


なあに構わんよ、此のまま獣王国迄行くのじゃ、


獣王国とは長年の友好国で、


飛空艇での直接交易をしておるでな、


王都に入る時にのみ、先触れを出して居るのじゃ、」



「でも、獣王国って南大陸のほぼ中心でしょ、


行くまでの間に通る国とかは?」



「南大陸の各部族国を獣王国が纏めているのでな、


各部族国も手出しは出来ぬよ、」



「へ~そうなんだ~」



「しかし、翼人族の国に入れば、


此の高度であれば物売りが殺到するかの~」



「南大陸に入ってすぐの所じゃからな」



「そうなんだ~何を売りに来るのか楽しみだよね~」



「まあのう、海外旅行の楽しみでもあるかのう~」



エレン号はコッサリア神国の海上から


南大陸へと渡った。


翼人族のエリアに入ると、


翼人族の一団が上空に飛んで来た。


モモタロウはエレン号の防御結界を解いて、


翼人族を迎え入れる。


代表者が会見を求めて来たので、


ちっぱい師匠が対応した。



「此れは、女帝陛下お久歳ぶりで御座います。」



「其方はセイレーン村の村長か久しいのう」



「はい、今回も船上での


商いの許可を貰いに参りました。」



「うむ、構わぬよ、獣王殿にも交易に参る故


宜しく頼むとお伝え下され」



「はい、委細承知致しました。


皆様もどうぞ珍しい珍味をご堪能下さい」



船上の甲板の上は翼人族の商人達が広げた御座の上に


珍しい商品が所狭しと並ぶのだった。



「さ~要らんかね~南大陸名物の果物の果実水だよ~!」



「飛竜の卵は要らんかね~


10年育てれば戦力に成るよ~」



「ワイバーンの卵は要らんかね~」



「コカトリスの手羽先は要らんかね~


塩コショウで焼いたら


香ばしくってほっぺが落ちるよ~


卵も有るよ~」



「マンドラゴラは要らんかね~


魔法薬の良い素材だよ~」



「翼人族の無精卵は要らんかね~


飛び切りの美人が生んだ無精卵だよ~」



「飛び切りの美人が産むんだ~~卵・・・」



「アルラウネの種は要らんかね~


魔力を注ぎ込んだら人化けするよ~」



「バジリスクの串焼きだよ~美味しいよ~」



「スーパーワタリガニの幼体は要らんかね~、


美味しいよ~!」



キングヤドカリの幼体は要らんかね~


塩茹でしただけでも美味しいよ~」



エレンが沢山買って居た。


ちっぱい師匠はカニを山盛り買って居た。


モモタロウもワイバーンの卵と、


飛竜の卵と、アルラウネの種と、


翼人族の無精卵とマンドラゴラを買って居た。


翼人族達は数時間の行商を終えると、


地上に帰って行った。



「ちっぱい師匠、あの人達って」



「ちっぱくないよ!


うむ、獣王国に敵対する者達か如何か


見極める為じゃのう、


敵対者であれば、獣王国が対処するのであろう、


今回は初見の飛空戦艦じゃからのう」



「ですよね~来る者をちゃんと判断しないと、


国家が滅びちゃいますもんね~」



「其の通りじゃな」


エレン号は其の後一直線に飛行魔法を使って、


獣王国に辿り着くと、


王都の近くの上空に遊弋し、先触れを出して、


獣王国からの返事を待った。


半日ほど待つと、


先触れが戻り王都へ入る許可が下りたのだった。


到着後早速、国王に挨拶に行くと言うので、


両女神とモモタロウ達も同行する事に成った。



「う~ん、ちっぱい師匠~馬車は有るけれど、


馬車馬が居ないですよ~」



「ちっちゃくないよ!


そうじゃの~ここ等では馬は売って居ないのじゃ、


草食性の牛竜なのじゃ、


大人しいし、力も有る、


速度も馬車馬と変わらんのじゃが、


良く食べるのじゃ1日に500キロ位かの~


飼い葉の値段がバカに成らんのじゃ」



「じゃあ、ママチャリで行きますか?」



「おっ、良いのう、其の方が楽しそうじゃ」



と言う事で、訪問の人数分のママチャリを出すと、


王城に向かって走り出した。


補助輪付きのママチャリから女帝が降りて、


城の門番に告げると、謁見の間に案内された。


かなり訝しまれたが、王城に確認してから、


通してくれ、案内もしてくれた。


謁見の間に行くと、ライオンが居た。



「アンジュ、ルグレス殿、久しいのう」



「レオン国王まだ1年も経ってはおらぬがな、


今回は暗黒大陸と交易する為の


交易品を買い求めに来たのじゃ、構わぬか?」



「勿論だ、我が国としても現金収入に成るのでな、


自由に商人達と商いをしてくれ」



「うむ助かるのう」



「時にアンジュ殿、城に来る時に


変わった乗り物に乗って居たそうだが?


ありゃ何じゃ?」



「ママチャリと言ってな、馬も連れて来て居ないのでな、


自力でこいで走る乗り物じゃな」



「見せて貰っても良いか?」



「構わぬよ、モモよ出してくれぬか?」



「は~い、」



モモタロウは魔法の袋からさっきまで乗って居た、


ママチャリを1台出した。


ちっぱい師匠は獣王に取り扱い説明を始める。



「・・・・・欲しい」



「えっ?でも獣王の巨体では壊れて仕舞うぞ?」



そう獣王様は、身長は3メートルを超え、


体重も150キロ以上有った。



「・・・・・でも欲しい」



「モモよ如何にかならんか?」



「リリえも~ん助けて~」



『リリえも~んじゃないっスよ本当にも~


え~っと~ママゾンで、有った有った~っス、


マウンテンバイクの大型、サスペンションと、


骨組みを竜骨で強化するっス~


ハイ出来たっス~』



モモタロウがストレージから出すと、


直ぐに獣王が寄って来てまじまじと


マウンテンバイクに見取れていた。



「・・・・・カッコイイ、アンジュ殿、


貰っても良いのか?」



「構わぬよ、


其の為にモモに出して貰ったのじゃからな」



「乗っても良いか?」



「練習しないとコケるぞ」



「そうか、そうで有ろうの、」



「貴方、私も欲しいですわ」



「妃もか?」



「お父様、私も欲しいですわ、」



「父上、私も欲しいです。」



「何と、姫に王子もか?」



「「「はい!」」」



「如何であろう、アンジュ殿、?」



「モモよ構わぬか?」



「良いですよ~」



ピンクのままちゃりを2台と、


青のママチャリを1台ストレージから出した。」



前かごに付いたマークは勿論、ジャン〇ル大帝だ。



「「キャ~可愛い~!」」



「カッコイイです~!」



「宰相~お客人を直ぐに持て成せ!


私達は今から庭園でママチャリの練習を致す。」



「ははっ!仰せのままに、


では、アンジュ陛下此方においで下さいませ、


ささやかでは御座いますが、


歓迎の宴の席をご用意して居ります。



獣王一家は此の後、泥だらけに成り乍ら、


日が暮れる迄ママチャリの練習をするのだった。


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