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ー181話ー コンロン領管理奴隷購入 2


モモタロウの作った集会所に警らの騎士がやって来た。



「其の青龍偃月刀に掲げられて居る旗は


スタンダール家の物と思うのだが、


此処で何をして居られるのか?


責任者の方は居られるか?」



入口で警備に付いて居るアラクネのハットリくんが答える。



「はい、今回女帝陛下より領地を賜り、


其の運営に必要な奴隷を購入しに参りました。


現在主達は、奴隷商に赴いて不在で御座います。」



と帝室のメダルを騎士に手渡す。


騎士はメダルに魔力を通して確認すると、



「帝室のメダルで間違いありませんな、


何時迄此処に居られるのか?」



「今日中には此処を更地に戻して、


屋敷に帰還する予定です。」



「ふむ、了解致しました。


何分此処はスラムで不逞の輩も多いので注意して下さい。」



「ご心配かたじけない、


これでも私共は竜騎士で御座います。


油断さえしなければ、


訓練されて居ない


街のゴロツキ程度では相手には成りますまい」



「おお!一騎当千の竜騎士殿でしたか、


心配は無用ですな、しかし、油断はなさらぬ様に」



そう言い残すと警らの騎士達は去って行った。


其の頃モモタロウ達は、奴隷商に貰った紹介状を持って、


帝都で2番目に大きな奴隷商に来ていた。


今回はカンシンとコウメイと


先程購入したリリアを連れて


扉の、のぞき窓から奴隷商からの紹介状を手渡していた。



「少し待て、主に渡して来る。」



そう言い残して警備の者が其の場から離れてしばし、


扉のかんぬきが外される音がして、


扉が開くと、30代位の女性が現れた。



「私が此の商会の主です。此方にどうぞ」



女性に2階の一室に案内され、


女性にソファアに座る様に進められて、


モモタロウとエレンがソファアに座ると、


カンシンとコウメイ、リリアが後ろに立った。



「今回は獣人メイドと警備をお求めなのですね」



「はい、メイドの獣人女性を10人と、


警備の獣人女性を5人買い求めたいと考えて居ります。」



「獣人限定で御座いますか?」



「此方のエレノワ、スタンダール女子爵様が、


女帝陛下より帝国最北の地に領地を賜ったのですが、


如何せん自然環境の厳しい土地で、


人族が暮らすのには不向きでして、


ならば寒さにも強い獣人の方が良いだろうと


言う話に成りまして、如何ですか?」



「話は分かりました。


確かにコンロン地方は極寒の地、


人族には過酷すぎますね、」



商会の主は秘書に目配せをすると、


秘書は退室して行った。暫くすると、


秘書は8人の獣人女性を連れて来た。



「私共の商会には獣人メイドは


現在8人在籍して居りますが如何で御座いますか?」



「はい、で気に成るお値段は?」



「はい、全員夜のご奉仕も致しますので、


相場は一人当たり金貨50枚ですが、


8人全員購入して頂けるのであれば、


一人当たり金貨40枚とさせて頂きますが


如何で御座いますか?」



「ふんふん、2割引きで一人当たり800万円と、


で、8人で、6400万円ね良いでしょう、


全員、買わせて頂きます。」



モモタロウはやはり魔法の袋から出す振りをして、


ストレージから金貨を320枚出して


テーブルの上に並べて行く、秘書が金貨の枚数を確認すると、


主に目配せをした。



「此れで此の8人のメイドは


エレノワ、スタンダール女子爵様の奴隷と成りました。」



と店主は一人づつ丁寧に奴隷契約の魔法を掛けて行く、


8人全員に奴隷契約の魔法を掛け終わると、


秘書が8人分の契約書をエレンに手渡した。



「お求めの人数に届かず申し訳ございません。


で、御相談で御座いますが、


実は変態の主によって傷つけられて、


売り物に成らない獣人女性が5名居ります。


メイドと言う訳では御座いませんが、


メイドとしても勿論使えるのですが、


皆、大きな傷を負って居りますので、


人前には出せません。


人目に付か無い裏方専用と成りますが


如何で御座いましょう?」



「見せて頂いても良いですか?」



店主が目配せすると、又秘書が退出して、


5人の獣人女性を連れて来た。


全員深い傷跡が残って居る。


腕や足に欠損部分は無い物の、


片目が無い物や、乳房を抉られて居る者、


尻尾や耳を切り取られて居る者など、


酷い状態に成ると、性器を抉られて居る者さえ居た。



「成るほどひどい状態ですね、」



「はい、変態貴族達に私共が


押し付けられた者で御座います。」



「其の変態貴族共の名前等分かりますか?」



「えっ?皆、女子爵様より上の者達ばかりですよ?」



「私共には後ろ盾が有りますので、


名前が分かったら、事の真偽を確かめた上で、


事実であれば全員鉱山送りにしてくれます。」



「モモタロウ様は温厚ですのに怖いのですね、


しかし、私共には守秘義務が有りますので、


其れをお伝えする事は出来ませんよ、」



「そうですか残念ですね、じゃあ自分で調べます。」



店主はさらさらとメモを書き、あっ手が滑ったと言い


モモタロウの足元にメモが落ちた。



「あっ、こんな所に紙切れが~」



とモモタロウが拾い上げる。



「あっれ~メモ何処に行っちゃったのかしら~


まあ、如何でも良いメモですから構いませんけど~


変態貴族の名前が書いて有るだけですから~」



「ですよね~変態貴族何て~如何でも良いですよね~」



店主は女性だ、余程腹に据えかねて居たのだろう、


秘書が口に手を当てて、肩をプルプル震わせて居た。



「話を元に戻しますが、此の者達の値段ですが、


貴族や商人もですが、見栄えを気にしますので、


買い手も付きません、


しかし奴隷契約も必要ですので、


一人金貨4枚で如何でしょうか?」



「はい、此の娘達も


引き取らせて頂きましょう。」



モモタロウは金貨20枚をストレージから出すと、


テーブルに並べて行った。


秘書が確認してから店主は奴隷契約の魔法を、


一人づつに掛けて行く。


其れが終わると、秘書がエレンに契約書を手渡す。



「後、警備の獣人女性ですが、


元冒険者の借金奴隷が6人居ります。


全員、冒険者ギルドの依頼未達成の


違約金未払いの者達で、


博打や男に貢いでと言った者は居りません。


冒険者ギルドは依頼未達成に付いては厳しく、


違約金が発生します。


其れを繰り返えしますと、


借金奴隷に落ちる事に成ります。」



「そうですね、依頼が達成されない場合、


一般人が命を落とす危険が有りますから、


厳しいのは当然と言えるでしょう。


私達も冒険者なので、其の辺は理解して居ます。」



「あら、冒険者ですか?私も冒険者でした。


私の場合は偶々ダンジョンで、魔法の袋を発見して、


儲けたお金で此の商売を始めたのですが、


冒険者って儲からないでしょう?」



「私達はウオーマンティスが異常発生した時に、


武勲を上げて大儲けしました。」



「あ~あの・・・・・何でもヒーラーの冒険者が、


英雄級の大活躍をしたとか、そうでしたか、


女帝陛下や大貴族の覚えも目出度いとか、


う~ん、後ろ盾が気に成りますね。」



「其れはナイショでっす」



「ですよね~」



何時の間にか席を外して居た秘書が、


6人の獣人女性を連れて部屋に入って来た。


全員20歳前後の若い女性達だった。



「此の者達は全員ランクは低いですが、


獣人特有の高い身体能力を有して居ます。


ランク以上の仕事を請け負って、


何度も失敗を繰り替えすバカでは有りますが、」



「バカって言う人がバカなんだぞ~!」



一人が言い返して居たが・・・・・



「うん、確かにバカですね~」



「でしょ~何時もこんなんなんですよ~


凄っごい疲れますよね~」



「お前達、主が冒険者に優しいからと言って、


付け上がるんじゃね~!!」



「はい、御免なさいお姉様」



一緒に謝るモモタロウ、



「秘書のお姉様怖ぇ~」



「あら、お客人が謝る事なんて有りませんわよ~


ほほほほ・・・・・」



「秘書のお姉さんの変わり身も怖ぇ~よ~」



元冒険者の一人が、



「あ~!此の人知ってる~!


私の大怪我を治してくれた聖者様だ~!


・・・・・抱いて(ぽっ)」



「あ~うるせ~!!静かにしてろ~!殴るよ!」



「って、もう殴って居るし~」



「こら!お客さんの前で、


暴力を振るうんじゃ有りません!


本当にもう、


モモタロウ様お見苦しい所を


お見せして申し訳御座いません。


此の娘達悪い娘じゃ無いんです。


バカなだけで、」



「バカって言った人がバカなんだぞ~!」



又、秘書さんに殴られて居た。



「秘書さんと仲良いですね~」



「はい、冒険者時代からの友人で、


同じパーティーに居ましたから、


でも、モモタロウ様も有名人でしたのね、


冒険者ギルドで、


銀貨1枚で大怪我でも治してくれる聖者様、


冒険者の間では有名ですよ」



「いや~冒険者ギルドからは


銀貨2枚貰って居ましたがね、


あれくらい元気で有れば問題無いでしょう。


全員購入しましょう。


お幾らに成りますか?」



「はい、戦闘職なので、


一人当たり金貨50枚に成ります。


でも、本当に宜しいのでしょうか?


バカですよ?」



「あ~大丈夫です。うちのメイド達全員金級ですから、


特に警備担当は武術に優れて居ますので、


死なない様に鍛えれば、


直ぐに銀級位の実力が付くでしょう。


カンウ、ブートキャンプです。」



「戦闘メイドですか~何か憧れますね~


武術って何か分かりませんけど~」



「簡単に言うと、剣や体術を学問にしたものです。


其の型を覚えれば一定の強さを身に付ける事が出来ますよ、」



「あの~モモタロウもじもじ



「はい、秘書さんなんでしょうか?


元冒険者の頭を殴り乍ら、もじもじしないで下さい。」



「私にも武術を教えて頂けないでしょうか?」



『リリー如何する~?』



『良いっスよ~10人教えるのも、


11人教えるのも同じっス~』



「分かりました。お教えましょう。


馬車の所に見張りで、


護衛のカンウが居りますので呼んで頂けますか?


皆の師匠に成りますので、


顔合わせをして置きましょう。」



「はい直ぐに!」



秘書さんは飛ぶ様に部屋を出て行った。



「ちょ、ちょっとサクラ~・・・・・


御免なさい、あの娘、戦闘ジャンキーで、


何時も強く成りたいって、


銀級から頭打ちで、悩んで居りました。


本当にご迷惑を掛けて申し訳御座いません。」



モモタロウはテーブルに金貨を300枚並べて行った。



「良いですよ、10人教えるのも


11人教えるのも同じですからね、」



「そう言って頂けると救われます・・・


が、モモタロウ様の屋敷って何処に有りますか?」



「えっと~魔法学院の側ですね~」



「え~っ!凄っごい遠いじゃ無いですか~


如何しましょう~行くだけで1日掛かってしまいますわ~


しかも貴族街ですのね~入れませんわ~」



「其れに付いては何とかしましょう、


所で、サクラさんの休みは如何なって居ますか?」



店主は金貨を数え乍ら



「5日働いて、1日の休みに成って居ます。」



モモタロウはストレージから、


カレンダーを取り出して、



「此れは1年を14に区切った表に成って居て、


私達は此の表をカレンダーと呼んで居ます。


1日が26時間、7日で1週間と呼び、


14の区切りを月と呼んでいます。


1年で14ヶ月と成ります。


私共は7日、1週間ですね、


土曜日と日曜日を休日に充てて居ますが、


メイド達も土曜と日曜日は


交代で休みを取って貰って居ますね、


此の二日間は警備担当は修行の日として居る様で、


1日中鍛錬をして居ます。


もし良ければですが、


此の表に合わせて営業をして、


土曜日と日曜日を休みにして、


日にちを合わせて頂ければ、


効率の良い修行がして頂けるかと思います。」



「そうですね、特殊な商会ですので、


何時休みを取っても構わないのですけれど、


お客様に周知する必要が有りますね、


このカレンダーと言う物は頂いても?」



「見本ですので、どうぞお持ち下さい、


現在魔法学院と売り出すタイミングを


計って居る所ですね、


新しい物が必要に成ったら、


魔法学院か冒険者ギルドでも販売する予定です。」



「此れは凄く便利ですね、」



「後、1日の時間をはかる時計と言う器械も


売り出す予定ですので、興味が有りましたら


冒険者ギルドに問い合わせて下さい。」



「はい確かに金貨300枚頂きました。


此の元冒険者の獣人女性達はもも・・・


エレン様の奴隷と成りました。


所でモモタロウ様、頭の上の銀色の物は・・・


帽子???」



元冒険者とエレンに、


奴隷契約の魔法を掛けて居る店主に



「此の娘はポチ、メタルスライムで私の護衛です。」



にゅうっと手を伸ばして挨拶するポチ



「ちょっと可愛いかも・・・


はい、エレノワ、スタンダール女子爵様、


奴隷契約が完了致しました。


どうぞ、此の娘達を宜しくお願い致しますね。」



「はい、ご苦労様ですわ、


モモちゃん来週末から春休みじゃ無くて?」



「そうでした~店主さん、


俺達来週から春休みで、


南大陸に交易用の物資の買い出しに行くので、


1ヶ月程屋敷には誰も居なく成るんですよね~


だから修業は実際には5月に入ってからに成りますよ~」



「えっ?交易用の物資?」



「はい、俺達魔法学院の生徒なんですが、


夏休みの2か月間を利用して


暗黒大陸に貿易に出掛けるんで、


其の前準備で、暗黒大陸に持って行く、


交易用の物資を南大陸に買い付けに行くんですよ~」



「暗黒大陸について詳しく、」



「え~っと、女帝陛下が同級生でして、


女帝陛下の飛空艇、スノーホワイト号で、


海を超えて暗黒大陸に交易品を積んで、


冒険しようぜって感じですかね~」



「わたしも1枚噛ませて~」



「其れは良いのですが、店は?」



「暫く休みにします。」



「奴隷達は?」



「管理する者が居りますので、


大丈夫です。あっ、でも~地下には死ぬのを待って居る


可哀そうな娘達が・・・ほったらかしには出来ませんわ~


如何しましょうか~


・・・・・私は此処を離れる訳には行きませんね~


暗黒大陸には凄っごく行きたいですけれど~


サクラに行って貰いましょう~


モモタロウ様、宜しいでしょうか?」



「ん~地下には何人位居るの?」



「12人です。全員致命傷を負って居るのですが、


獣人ですので、生命力が強く、


可愛そうですが、せめて静かに死ねる様に、


場所と食事を提供して居ります。


クソ貴族の元だと生きたまま埋められるので・・・」



「其の12人は私が買い上げましょう。


魔法の人体実験に使わせて頂きます。


勿論、生きている間の美味しい食事と、


清潔な衣服と、寝床は保証します。


死んだ後も、ねんごろに弔わせて頂きます。


マッドサイエンティストモモタロウです。」



「こんな質問はぶしつけかもしれませんが、


如何様な魔法ですか?」



「俺はヒーラーですので、


回復魔法と蘇生魔法の実験です。」



「無料でお譲りいたします。


私はモモタロウ様の回復魔法を、1度見て居ります。


奇跡の所業でした。あの娘達に・・・・・


少しでも生きる希望が有るのであるならば・・・


奴隷契約も無料で掛けさせて頂きます。」



モモタロウ達は其のまま地下へと降りて行った。


此処の地下は掃除が行き届いて居り、


数人の女性達が死を待つばかりの


女剣闘士達の世話をして居た。


女剣闘士達に麦粥を食べさせて居る者、


女剣闘士は涙を流して食べて居る。


体を濡れた布で拭く者、


下の世話をする者、女剣闘士達は涙を流し乍ら、


皆一様に穏やかな目をして居た。



「此処の地下は掃除が行き届いて居ますね、」



「はい、私のパーティー仲間達が


此の娘達の世話を率先してしてくれるお陰ですね、


皆、元冒険者なので、大怪我をして居る者の世話は、


ダンジョンで慣れて居りますので、」



エレンは声をあげて泣いて居る。


世話をして居る女性達は明日は我が身なのだと、


親身に怪我人の世話をして居た。


店主は12人全員にモモタロウとの、


奴隷契約を結んで行く


一通りの契約の後、モモタロウは



「皆さんお疲れ様です。


此の後起こる事は決して口外しないで下さい。


・・・・・セイクリッド、エリアハイヒール!」



地下室全体が淡く優しい光に包まれて行く。


やがて淡い光が消えると、



「目が、目が、目が見えるわ・・・」



「無くなった足が生えて来たぴょん~」



「一つに成ったおっぱいが生えて来たよ~」



全員の致命傷、欠損部分が元に戻って居た。


兎に角生きてさえ居れば、


身体異常が元に戻る奇跡の御業ハイヒール、


世界でも数人の司教が成せる業、


地下に居る全員がモモタロウに


手を合わせて祈るのだった。



「何でエレン迄、手を合わせて居るの?」



「何となくですわ、でも、久しぶりに見ましたわ、


私くしの時もそうでした。」



「此処で使わなきゃ男じゃ無いでしょう、


・・・・・マッドサイエンティストモモタロウです。」


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