ー180話― コンロン領管理奴隷購入 1
モモタロウはリリーが以前に回収して居た原油を精製して
ガソリンを作ったのに合わせて、
ママゾンで、中華バイクを購入、
改造した物を学校が終わってから、
屋敷の敷地内で遊ん・・・・・練習して居た。
モモタロウとエレンはスクーターで、テケテケと走って居る。
ちっぱい師匠は4輪バギーで石畳の上を走り、
ネコとウサギは3輪バイクで走って居る。
「何処の世紀末だよ!」
手の空いて居るメイド達や、
警備のメイド達は
オフロードバイクでレースをして居る。
「良いね~コンロンの領地で
役に立ちそうだよね~テケテケ・・・・・」
「そうですわね~馬ですと休ませないとなりませんが、
此の、ばいくと言う乗り物は
如何ですの?テケテケ・・・・・」
「そうだね~ガソリンが無く成る迄、走れるね~
道の状態が悪いからまあ、時速40キロ迄だろうね~
其れ以上スピードを出したらタイヤが滑って
コケるだろうね~
其れと、冬場は街道が雪に閉ざされて走れないか~」
『冬迄にはスノーモービルを作るっス~
雪に閉ざされても領民には食料が必要っス~
幾ら獣人が丈夫でも冬眠する訳では無いっス~
食べないと餓死するっス~
ダーリン、』
「はい何でしょう?リリー」
『領地の管理っスけれど~
何処で〇ドアが有るので、
コウメイに担当して貰うのは如何っス~?
9時から5時迄、城に入って管理して貰うっス~』
「うん良いと思う、コウメイ如何かな?」
『はい承りました。
ご期待に添える様に、尽力致します。
後、管理に必要な人員を確保するのに、
奴隷を購入して欲しいです。』
「良いよ~何人位社員が必要かな~?」
『はい城の管理にメイドを30人、警備を20人、
文官を10人でしょうか、
後、農業の専門家を10は人欲しいです。
領地も城も大きいので、其れ位の人員は必要かと思います。』
「ん~約100人だね~
今度の休日に奴隷商何軒か回ろうか~
コウメイとカンシンも来てくれる~?」
『『了解致しました。』』
『其れとご主人様、購入される奴隷ですが、
配属が極寒地と成りますので、丈夫な獣人が宜しいかと、』
「ですよね~其の辺はコウメイに任せるよ、
カンシンとよく相談してね~」
『『了解致しました。』』
「百人だと馬車は無理か~如何しよう~?」
『飛空艇で行けば問題無いっス~
黒竜二世号なら着陸場所は近くの広っぱで出来るっス~』
「広っぱって、船体50メートルは有んだけど~
まっ良いか~マップで確かめて居るなら間違いないよね~」
『任せるっス~』
「うん、任せた~」
「モモよ、話の途中悪いのじゃが、
2週間後の4月に入ると1ヶ月間の春休みに入るのじゃ、
南大陸の獣人国迄貿易用の商品の買い付けに行くのじゃ!」
「え~っ?つい此の前迄冬休みだったじゃん!
ちょっと休み多過ぎない?
一年の半分位は休みなの~?」
「休みの間もしっかり授業料は掛かるのじゃ~」
「授業料返せ~!」
「魔法学院に通って居る事自体が
帝国でのステイタスじゃからの~
仕方が無いのじゃ~
其れに妾達は既に魔法学院の教師達より強いし、
学ぶ事自体余り無いのじゃ~
授業にさえ出て居れば卒業出来る位にはのう、
実力は既に帝国正騎士の上を行って居る。」
「魔法学院の意味ね~
じゃ~休みに入ったら直ぐに出発?」
「そうじゃの、早く向こうに着いてから
ゆっくりしても良いじゃろう、
終業式が済んだら出発するぞ!」
「了解~」
「でじゃ、エレン号を出してくれぬか?」
「何で?」
「広いから~」
「スノーホワイト号造った意味ね~!」
土曜日の早朝、モモタロウはエレン、
カンシン、コウメイ、
護衛にカンウ、チョウヒ、
アラクネのハットリくん、
ラミアのシュウユを引き連れて、
黒竜二世号で、一路奴隷商が立ち並ぶ北街へと向かった。
モモタロウの屋敷から奴隷商迄は帝城を挟んで、
馬車だと朝早くに出ても、到着は夕方に成ってしまう。
帝都は広いのだ。
ちっぱい師匠も来ると言ったが、
モモタロウは其れを断った。
奴隷商の地下を見たら、
師匠が切れるのが目に見えて居るからだ。
幾ら師匠が女帝であっても貴族や商人共が陰に隠れて、
戦闘奴隷を使って、
地下格闘場で賭博をして居るのは防げない、
其の行為自体は犯罪なので、
不良貴族や不良商人達は、
警戒の網の目をくぐって其れを行う、
犯罪行為自体摘発しては居るが追い付かない、
経済規模の大きい大都市で
全てを摘発する事等不可能なのだ。
黒竜二世号が北街の原っぱに到着すると、
モモタロウは土魔法で、仮設の集会所を立てて、
アラクネのハットリくんと、
ラミアのシュウユを集会所の警備に当たらせた。
飛空艇から馬車馬を4頭降ろすと、
ストレージから大型の幌馬車を出して、飛空艇を仕舞った。
カンウとチョウヒに御者をして貰い
一路、前回訪れた奴隷商へと向かう、
北街の治安は良くない、
いわゆるスラムと呼ばれる地域でも有るが、
帝国はそんな地域にこそ力を入れて居り、
毎日騎士隊が巡回して居る為に目立った犯罪は起きない、
しかし、帝都では一番犯罪件数は多いのだ。
「ご主人様奴隷商に付きました。」
「ご苦労様です。皆は見られると不味いので、
何処か近くで待って居てね、
二人の怪我が治って居るのがばれると厄介だからね、」
「「はい、後は念話で、」」
「じゃ、エレン行こうか?」
「はいですの~」
モモタロウとエレンは大型の幌馬車から降りると、
奴隷商の建物へと行き、ドアノッカーをガンガンとたたく、
扉ののぞき窓が開き、護衛が、
「何か用か?」
「主はご在宅か?
以前にも購入したが又奴隷を見に来た。」
扉のかんぬきが外される音と共に、扉が開かれる。
「うむ、かなり前に来た客だな」
モモタロウとエレンを見て護衛がつぶやくと、
「そんな前の客を覚えて居るのか?」
「沢山の奴隷を買ってくれた上客だからな、
入って呉れ、2階に居る。」
二人は中に入ると護衛にチップの銀貨を手渡し、
2階に上がって行った。
以前入った部屋の前に来るとドアをノックする。
「何方かな?」
「以前、奴隷を購入したモモタロウと言います。
今日又奴隷を見に来ました。」
ドアが開くと、
「此れは失礼致しました。どうぞお入り下さい」
奴隷商の主人に部屋へ招き入れられると、
「今日は如何様な奴隷をお探しで?」
「うん、此方のエレンが女帝陛下より子爵位を賜って、
辺境に領地を貰ったので、
領地の管理の為の奴隷を探して居る。」
モモタロウは下手な嘘はつかずに正直に話した。
「それはそれは、おめでとう御座います。」
「領地が極寒地の為に
管理者以外は獣人が好ましいのだが、」
「何人ご所望ですかな?」
「城の管理に代官は既に決めて居るので、
代官の補佐を1名、ひつじを1名、
文官を10名、メイドを30名、
警備を20名、
農業指導者を10名を予定して居る。」
「成程、しかし人数が多すぎますな、」
「集められるだけで良いよ」
「私共の店だけでは有りませんからな、」
「先ず、城の管理で御座いますが、
没落貴族の元令嬢が居ります。
読み書きと算術、屋敷の管理、
兵の指揮も行えますが、犯罪奴隷で御座います。
貴族家の跡取りの長男が女神教の司祭と手を組んで、
他家を陥れようとしたのですが、
折しも女神教の悪僧共の一斉摘発で発覚して、
捕まり、跡取りは死罪、
お家は財産没収の上お取り潰し、
家族は犯罪奴隷と成り鉱山送りと成りましたが、
此の娘だけは優秀で有るのと、
直接犯罪には加担しておらず、
連座の罪による犯罪奴隷ですので、
まだ鉱山には送らずに此処に留め置いて御座います。
如何で御座いましょう?」
「見せて頂いても良いですか?」
主は扉の所に控えて居る秘書に合図すると、
秘書が部屋から出て行った。
「此れは又別の話に成りますが、
人体実験用の奴隷は居ますか?
マッドサイエンティスト、モモタロウです。」
「地下の死を待つだけの奴隷ですな、
今は20人程、静かに余生を過ごして居ります。」
「後で見せて頂いても宜しいですか?」
「其れは構いませんが、前回購入して頂いた奴隷達は、
ちゃんと供養して頂けましたかな?」
「其れはもう、最後迄美味しい食事と、
清潔な衣服と寝具を提供させていただきました。
亡くなられた後にも供養と墓を提供させて頂いて居ります。」
「其れは有難い、不幸な娘達ばかりでしたので、
少しは心が報われます。」
年配の女性がお茶を入れて出してくれて、
暫くすると、ドアがノックされて、秘書が麻のワンピースを着た
女性を連れて入室して来た。
秘書は女性をモモタロウとエレンの前に立たせると、
ドアの所まで下がった。
「話をさせて貰っても良いですか?」
「どうぞ、」
「私はモモタロウ、
隣が今度領地を任される事と成ったエレンです。」
女性は荒い麻のすそを摘まんで、
カーテシーの挨拶をすると、
「私はリリアと申します。
訳有って今は犯罪奴隷と成って居ります。」
「大方の経緯は聞いて居ます。
此方のエレンですが女帝陛下に
最北の辺境の地に所領を賜ったのですが、
何分私達は冒険者で、各地を飛び回って居り、
直接の管理が出来ません、
代官を置きますが、其の代官の補佐を探して居ります。
極寒の厳しい土地ですが代官の補佐として、
城と領地の管理の手伝いをして頂けませんか?」
「最北と言う事はコンロン地方で御座いましょうか?」
「よくご存じですね」
「はい、帝国の国土に付いての勉強はして居りました。
アイゼンガルド王国との国境も有りますので、
少しばかりの知識は御座います。
此の地域であれば働き手は
獣人の方が望ましいと思われます。
何分厳しい土地で有りますので、って
城って有りましたかしら?」
「城は此の間建てました。農地も開拓したので、
後は農民を受け入れるだけなのですが、
何分現在住んで居る原住民が2万人程度の獣人の方達で、
其れを纏めなければなりません。」
「・・・・・其れは凄いですね、
私は此の迄では、
鉱山夫の売春婦に成るしか道が御座いませんでした。
新しい道を示して下さって有難う御座います。
買って頂いたなら、
エレン様の奴隷として身命を捧げさせて頂きます。」
「ご主人、
リリアさんの気になるお値段はお幾らですか?」
「はい、此の様に優秀な人材で、
夜の奉仕も可能で有りますので、
本来は高額なのですが、
何分犯罪奴隷ですので貴族や
信用が第一の商人等の買い手が居りません、
ですので、金貨50枚では如何でしょうか?」
「1000万円か、はい了解です。」
モモタロウは魔法の袋から出す振りをして、
ストレージから金貨50枚を出すとテーブルに乗せた。
扉の所に控えて居た秘書が、
テーブルに乗せられた金貨を数えると
奴隷商の主に目配せをする。
「此れで、リリアはエレン様のもので御座います。
エレン様お手を拝借致します。」
リリアの手を取りエレンの手に触れると、
リリアに奴隷門が浮かび上がる。
奴隷契約の魔法が完了すると、
秘書が契約書をエレンに渡した。
エレンは受け取った契約書を魔法の袋に仕舞った。
「ほう、お二人共魔法の袋をお持ちなのですか?
此れは驚きました。
で次ですが、
と有る貴族家で執事頭をしていたのですが、
息子が放蕩息子で家を食い潰してしまい、
借金奴隷と成った者が居ります。」
「息子は?」
「はい、借金奴隷として鉱山に送られましたが、
先日落盤事故で死亡が確認されて居ります。
此の者は執事としては優秀なのですが、
家族が離れ離れに成るのを嫌がって居ります。」
「家族構成は?」
「はい、女中頭をして居りました妻と、
16歳のメイドが居ります。
娘の方は夜のご奉仕を了解いたして居ります。」
「合わせて頂いても良いですか?」
奴隷商の主人が目配せをすると、秘書が又部屋を出て、
暫くすると、3人を連れて入って来た。
男性は鷹揚に頭を下げると、女性二人はカーテシーの挨拶をした。
「私はとある貴族家の屋敷で執事長をして居りました、
セバスチャンと申します。」
「採用~!!」
「話を~」
「名前採用です~!」
「はあ?・・・・・」
「まあ、モモちゃんたら平常運転ですわ~」
「あっ御免、つい、で、就業場所がとても寒い所ですが、
問題ありませんか?」
「「「はい、家族が一緒なら」」」
「ご主人お値段の方は?」
「家族込みと言う事で、金貨150枚で如何でしょうか?」
「約3000万円ですね~了解しました~」
「3000万円とは?」
「ああ、私の国の貨幣の単位です。
銭貨1枚が10円、銅貨が100円、大銅貨が1000円、
銀貨が一万円、大銀貨が十万円、金貨が二十万円で、
計算すると私なりに分かり易いのです。」
「そんな物ですか?」
「はい、そんな物です。大蔵省のモモタロウです。」
モモタロウは金貨150枚出すと、テーブルに並べた。
秘書の女性が金貨を数えると、奴隷商の主人に目配せを送る。
「此の3人もエレン様のものと成りました。」
奴隷商の主人は又奴隷契約の魔法を使うと、
秘書の女性がエレンに契約書を渡した。
「次に獣人のメイドですが、
現在の所10人居ります。」
秘書の女性が10人のメイド候補の
獣人の女性を連れて来ると、
モモタロウは全員を買い取った。
その次に農作業が得意な
女性の獣人奴隷を10人買い取ると、
更に警備の獣人の女性を5人買い取った。
残念ながら女性の多い職場なので、
男性はセバスチャンだけだ。
予定の奴隷購入を終えると皆は地下へ行き、
糞尿と、死臭の漂う地下には死を待つばかりの、
獣人女性の戦闘奴隷達が筵の上に寝かされ、
息を引き取るの待って居る。
既に死んで居る者も居る。
20人中3人が死んで居り、残りは17人だ。
死後数日経って居て、復活は不可能な状態であった。
今回は生きて居る者だけを買い取った。
此処は奴隷契約だけの全員金貨1枚である。
モモタロウは裏に回した馬車に全員載せると、
「ご主人、今回も良い買い者が出来た礼を言う、」
「此方こそ、死に行く者達の事を
何卒宜しくお願い致します。」
「任せて下さい、では此れにて、」
御者台にはエレンとモモタロウが乗り、
護衛の皆には少し離れた所で待って貰って居る。
流石に奴隷商の主人に見られる訳には行かない、
少し離れた商店で、
皆をひろい集会所の有る空き地に向かった。
帝国で一番大きな奴隷商での奴隷購入は終わった。
今回は此の奴隷商で、46人の奴隷を購入した。
後何軒か回る予定である。