-18話ー 矢文
食堂の中に、にげ・・・入った。外には、強結界を張り、
食堂のドアは結界の外からは、見えなくしている。
「やれやれ、これで一安心、ねえ、二人は何時もこんな、恐ろし気な所で
狩りをしていたの?」
「いえ、普通は、村などの近くに湧いた、モンスターを
狩りますね~、情報はギルドが出してくれるので、
モンスターに合わせた、人員、と装備、をして、後、罠を仕掛ける事が多いです。」
「村等から報酬が出ている所は、ギルドが仲介して、
依頼しますね、」
「モンスターって、湧くの?」
「はい、魔法の元である、魔素は世界中に空気と同じ様に、
有るのですが、まあ、所々に魔素だまりが、有りまして、
特に深い森の奥なんかに、多いですね、そこから、湧きます。」
「ダンジョンなんかは、ダンジョンその物がモンスターで、
中は、魔素が濃くて、普通の人は入れなくて、
ダンジョン専門の鍛えた、探索者がモンスター討伐を行っていますね。
まあ、ダンジョンの中はモンスターだらけですね、」
「ダンジョンがあるんだ~」
「はい、この国には有りませんが、世界中に幾つもありますね、
又、ダンジョンからは、モンスターの素材や、魔石が取れますので、
危険ではありますが、多くの探索者が、命懸けで狩りをしています。
そして、ダンジョン自体は、国が管理していますね、」
「話がそれましたが、この国はダンジョンは在りませんが、
モンスターが湧く深い森が幾つも有ります。
普段は、そこから湧いた、モンスターを狩りますが、
数が少なくなって行くと、
原始の森迄遠征しますね、かなり、リスクは有りますが、
私達は命を削ってモンスターを狩っていました。」
「魔石って?」
「はい、モンスターの核になっている石で、魔素の塊ですね、
魔法薬の素材や、国を守る、魔力砲の魔法に使われることが多いですね、」
「魔石って魔力の塊って事?」
「はい、そうです、タカシ様程の魔力持ちには、
余り関係ないと思いますけど、」
「へ~そうなんだ~まあ、今日は、これ位にして、
歯磨きして、寝ようか~」
「「は~い」」
・・・・・
恐ろしい姿のでかいモンスターの群れに追い掛け回され、おしっこを漏らし、
ウンチを漏らしながら、逃げ回る・・・・俺、
もう駄目だと、思った時、巨大な炎の塊が、
モンスターを全て焼き尽くした。
振り返ると、山のように大きな真っ赤なドラゴンが俺を睨む、
俺はおしっことウンチを全て漏らし尽くし、
その場に、へたり込んだ。
その巨大なドラゴンは足を上げると、そのまま、
俺を踏み潰した。
・・・・・
俺はそこで、目を覚ました。
「お、重い~」
全身冷や汗にまみれた俺の上に全裸のエメルダが、
被さって、抱き付いている。
お前か~おかげで、大、小、全部出し切る、怖い夢を見たじゃ無いか~
「どうしてくれようか~」
エメルダは、幸せそうに、俺に抱き付いている。
幸い、マリーは少し離れた所で、尻を掻きながら
熟睡している様だ。
なれば、悪夢の仕返し有るのみ、
その後、俺に抱き付いて、幸せそうに寝ている、
エメルダの鼻に指を突っ込んでふがふがと言わせてやりました。
「ざまあ!」
ピピピピピピピピ・・・・
マイダーリン、そろそろ夜が明けるっス~
んん、もうそんな時間?スタッフルームはまだ~?
今図面を起こしている所っス~
もう暫く待つっス~
は~い、出来るだけ早くね~
頑張るっス~
ところで、リリーは恋人に別に彼女が居ても良い派?
この世界は一夫多妻が普通っスだから、
ダーリンにいくら愛人がいてもOKっス
元の世界だったら、しばき回している所っスけどね~
私はTPOに合わせた行動が出来るっスよ~
う~ん何か意味が違うようにも思えるのだが?
まっ良いか、
所で話は変わるんだけど、リリー俺達自身に結界を張って
姿が見えない様には出来るの?
出来るっスよ~
一つの結界の中に三人が入れば、お互いは見えるので、
他の二人の姿が見えないよ~何て言う本末転倒な事にはならないッス
ただし、ダーリンを中心に5M以内に集まって欲しいっス、
5M以内だね、OKじゃあ、荒れ地に出たら結界張ってくれるかい?
OKっス~
皆を起こさない様に、厨房に行った。
「さて今朝は何を作るかね、早く出発して、
出来るだけ、距離を稼ぎたいしね、簡単なもので済ますかね~」
ベーコンを焼いて、スクランブルエッグを作り、
トーストを焼いて、出来上がり、三人とも良く食べるので、
ボリュームを持たせて有るのは愛情だね、
ハイ出来上がり、
背中に張り付いている背後霊のマリーとエメルダに
「マリー、エメルダ、悪いけど、配膳を頼めるかい?」
「「はい、承知致しました。」」
「後、サラダと果物とスープと飲み物もお願いしますね、
俺はホットコーヒーで」
「「はい、了解致しました。」」
配膳を二人に頼んで、食後のデザート、今日はイチゴパフェにした。
4人分作ると、冷蔵庫に、
厨房から、顔を出して、
「皆~顔を洗ってから、朝食にするから、
全員集合~」
「「は~い」」
俺達は顔を洗ってから席に着き
「「「いただきま~す。」」」
うん、今日のご飯も美味しい、三人とも
幸せ福笑い顔で食べてくれている。 うん、満足だ。
さっき迄、少し鼻を触っていたエメルダも
幸せそうに食べている。よしよし、
食事が終わり、デザートを食べ始めると、
二人は顔の並びがなんか変に、
マリーは、目の位置がぐいちに、鼻も何か変な方を向いている。
エメルダはピカソ顔に、ポチはトロトロに溶けている。
「新しい能力?」
ま、幸せそうなので、良し、
食後食休みもそこそこに、出発した。俺を中心に結界を張っているので、
距離が在ればモンスターも、俺達に気付く事はまず無く、結構、楽に
荒れ地を進んで行った。
「タカシ様の結界は凄いです。
見える距離に何度かモンスターに遭遇しましたが、
全く気付かれていません、普通ではあり得ない事です。」
「うんうん、」
「えっ、そうなの?」
「モンスターも野生の生物です、非常に敏感で
勘も鋭いのですが、まるで、気付いていません、
私達が空気にでも成ったかの様ですね。」
「うんうん、」
「そうなの?何か凄いね~」
「「いやいや、タカシ様の能力なんですから、」」
「まあ、普通の生活で使う事は無いからね~」
「「それもそうですね、」」
俺はマップを見ながら、安全な、進路を導き出して、
先頭のマリーに指示しながら進んでいる。
途中、長城の物見の兵が通り過ぎた。
「マリー、エメルダ、今物見の兵が通り過ぎたよ、」
「うまく矢文を見付けてくれると良いですね、」
「うんうん、」
「そうだね~」
俺達は更に進んで行く、
俺達が、ゼオ砦を通り過ぎて、暫く行った所で、
物見の兵達が、矢文の所に着いた。
「あっ、物見の兵が矢文の所に着いたよ、
あっ、二手に分かれた。一方はノル砦へ、
もう一方はゼオ砦をへ、動きが早くなった。
矢文を見つけた様だね、」
「「うんうん、」」
「これで俺たちが出来る事は果たしたね、
後は、両砦の指揮官次第だね。」
「はい、でも両砦とも、バカな指示は出さないでしょう、
砦はモンスターと戦う最前線です。
自分や部下の命が掛かっている以上、愚かな指示は
出せませんね、部下に殺されちゃいますから、」
「うんうん、」
「えっ、殺されちゃうの?」
「当たり前です。バカな指揮官を殺したところで、
モンスターと戦って戦死したと報告すれば済む話ですから、
別に王都から監視官が来る訳でも無いですし、」
「うんうん、」
「そうなの?異世界こぇ~兵隊の命、やっす~」
ゼオ砦から、ガハ砦に向かう荒れ地でこちらの方にも変化が、
あれほど罠を張っていたモンスターが、突然いなくなった。
マップを見ても、ゼオ砦からヨシュア王国に向かって行く精霊街道や
原始の森の浅い部分には、ほぼモンスターがいなくなっている。
「あ~れれ~この先モンスターがいないよ~」
「「へっ?」」
「「「何でかね~?」」」
「あっ物見の兵が、ノル砦に着いたよ」
「「うんうん、」」
「あっ、ノル砦から偵察の兵が5人?・・・かな、
原始の森に向かって進みだした。一人ずつ間隔を開けて、物陰に
隠れながら進んでいるね~」
「「うんうん、」」
「あっ、先頭の一人がモンスターの待ち伏せに掛った。
あっモンスターに捕まったよ~何か原始の森から、
だ~っとモンスターが出て来たよ、」
「「はらはら、」」
「あっ、他の偵察の兵が一目散に砦の方へ逃げ出した。」
「「はらはら、」」
「あっ、又一人捕まったよ~」
「「はらはら」」
「あっ砦から矢が放たれた。」
「「えっ!何でそこ迄分かるのですか?」」
「ん~何か、矢って文字がモンスター目掛けて、飛んでるから?」
「タカシ様ですね~」
「タカシ様ですものね~」
「あっ他の兵は何とか砦に逃げ込んだ、モンスターも
二人を連行して、森に向かっている。
矢の放たれた所に10匹程モンスターの死骸が・・・」
「「ほっ」」
「・・・・・・じゃあ、お昼にしますか?」
「「は~い」」