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ー176話― スタンダール辺境伯領 領地開発


晩御飯の後、何時もの飲み会が始まったのだが、



「ズロースさん、明日から領地開発に向かいますが、


人口とか村の数とかどんな感じですか~?良さげですか~?」



「良さげであれば、


毎年多くの奴隷を排出したり致しませんわ。」



ローズはひつじに地図を持って来て貰うと、



「此の城はデスバレーの北端と


アルモス平野の西の端を繋ぐ位置に有りますわ、


領内の人口は約8万人、此の領民の殆どが、


此の城から約30キロ程北東の、


西アルモス山脈と東アルモス山脈の間に有ります、


アルモス平野に居りますの、


其の中心には唯一の


1級河川のモナミ川が流れて居りますのよ、


此の川を中心に農村が点在して居り、


街は城の周りの領都だけですの、


住民の殆どが農業を営んで居りましてよ、


しかし、デスバレーの影響か


非常に地質が悪いのですわ、


雨水はバケツの底を抜いた様に直ぐに抜けて仕舞い、


乾燥して居る上に


土地も痩せていて農業には適さない為に、


殆どの農地は川の周辺だけと成って居りますが、


此方も土地が痩せて居る事も有り、


作物は余り育ちませんの、


アルモス平野の幅は約30キロ程ですが、


長さが70キロ程ありますわ。


其の先端に帝国で唯一の


海に面した地域が30キロ程在りますが、


農道位しか無くて不便な為に、


幾つか漁村が有る位ですわ。


気候は温暖で、降水量も多いですね、


冬でも1,2度位しか雪は積もりませんの、


東アルモス山脈はデスバレーの影響をもろに受けて居り、


北側斜面と言う事も有り、荒地が多いのですが、


西アルモス山脈はデスバレーの影響は余り受けておらず、


モナミ川の水源でも有ります。


植生も豊かで森も深いのですが、魔素が濃く、


魔の森と言う魔物が多く居る危険地帯に成って居りますわ、


川の北側は主に冒険者が多く集まって居りますわね、」



「うんうん、先ずは土地の改良からですね~」



モモタロウはローズに地図を見せて貰い、



「全体的に、雨水の持ちがよく成る様にしないとな~


ズロースさん、


今は農閑期で作付けはして居ないのですよね~」



「はい、今の時期農家は主に川魚を獲るか、


川の北側へ狩猟か魔物退治をして居ますね、」



「うん、じゃあ地下に板状の岩盤を敷いて、


雨水の持ちを良くして、川の北側の森から土を回収して、


客土に、其のついでに人口の湖を作ろうか、


周囲10キロ位だね~


後は、運河を3本通して


碁盤の目状に用水路を作りますか~


リリー計画してくれる?」



『はい了解っス~・・・・・ハイ出来たっス~


ダーリンの体に無理が無い様に、明日は人造湖の作成と、


川の堤防工事だけにするっス~』



「ズロースさんリリーの話聞いてくれました~?」



「・・・・・はい聞きましたが、


その~可能なのでしょうか?


湖を作るとか規模が大きすぎて、


話に付いて行けないのですわ~」



「あ~大丈夫です、俺魔力量だけは大きいんで、


リリーが上手く負担が掛からない様に


調節して呉れますんで、


土木魔導士のモモタロウです。」



「・・・・・」



翌日朝ご飯の後、パンティと、結婚式の準備の為


ガーターベルトさんと、キャミソールさんは、


屋敷に残り、


他の皆はモモタロウと一緒にエレン号に乗り込んで、


アルモス平野に向かった。


モナミ川の西アルモス山脈側に到着すると、


早速モモタロウはモナミ川北側の土砂を森事、


周囲10キロに渡ってストレージに回収した。


更に其の周囲5キロの


森の木をストレージに回収し湖の湖底に成る部分を、


圧縮して岩盤にすると、


予め水が入らない様に堰で囲って居たが、


湖底が完成した時点で堰をを取り除くと


川の水が一気に人造湖に流れ出した。


人造湖に水を貯めている間にモモタロウは、


川の堤防を作り始めた。


川底を深く取り2段式の堤防を


20キロの下流迄引いた。


圧縮した土の強度は自然石と変わらず硬い、


あたかもコンクリートで固めた様だ。


地下に水が漏れると言う事も無い。


人造湖に水が溜まると景色が一変した。


川のすぐ近くまで来ていた


魔の森は川や湖の岸から約5キロ後退し、


人族のエリアが広がっていた。


モモタロウは最後に湖の流水を調整する


水門を3ヶ所に設置して完成した。



「私くし夢でも見て居るのかしら・・・・・」



スタンダール家の家族達は目を剥いて、


口をあんぐりと開けて固まって居た。



「相変わらずでたらめな魔法ですわ。」



「メイド 流石です! ご主人様なら当然ですね!!」メイド



「ちっぱい師匠 ・・・・・」ちっぱい師匠



「皆 ・・・・・」皆



「ドラゴン まあまあ、ですわね~」ドラゴン



「わ~い!!」



と走り回って居るドラゴンレンジャー達・・・・・



「土木魔導士のモモタロウです。」



『ダーリン、今日は此の位にして後は、


もう少し魔の森の木をストレージに取って、


後5キロ程森を後退させるっス』



「了解~皆~船に乗って~


魔の森を後5キロほど後退させるからね~」



「皆 は~いっ!」皆



モモタロウと其の一行は船に乗り込むと、


高度50メートルの低空飛行で、


魔の森の木と腐葉土を更に回収して行き、


魔の森を更に5キロ後退させて行った。


大量の木材と、腐葉土を仕入れたモモタロウは



「うん、大量大量~」



「へッ?モモ様どう言う事ですの~?」



「うん、大量の木材をゲット出来たからね~


暗黒大陸での交易するの資材の一つですね、」



「私くしも一口噛ませて欲しいのですわ!」



「良いですよ、エレンと3人で分けましょうか~」



「又儲かりましたわ、」



「川の改修と、魔物対策に湖の開発!木材の輸出!


何重に儲かりますの~バラ色の未来が見えて来ましたわ~」



「これこれ、パンツを脱ごうとするんじゃ有りません。」



「モモ様~愛して居りますわ~


私くしを自由にして下さいな~


私くし~子沢山の血筋ですので~


沢山子供を作りましょう~!」



「ズロースお姉様~私くしが先ですわ~って、


モモちゃんはイ〇ポでしたわ~」



げはっ!



吐血するモモタロウ



「何と!そうでしたわ~役立たずでしたわ~」



ごばっ!!



更に吐血するモモタロウ、



「此れは私くし興奮して仕舞いましたわ~


素直な気持ちが溢れ出て仕舞いましたわ~」



「今日は此れ位で勘弁してやるぜ!


ズロースさん、明日は土地の改善と、


運河を3本通して用水路と溜池と農家の家を作るので、


20キロ圏内の農民を明日全員集めて貰って良いですか?



「はい、承知致しましたわ、


竜騎士サントワース、


20キロ圏内の農民達を全員集めなさい。」



「閣下、馬が御座いません!」



「走れ~!!臨海突破して居るんだから走れ~!


領主命令ですわ~!


伝令が終わったらその村の村長宅で


一泊させて貰いなさい良いですわね、頼みましたよ!」



「モモタロウ様のご飯が~」



「明日仕事が終わったら、


晩御飯の時に1品多くおかずを作りますよ、


デザートも一品多くして珍しいお酒も付けましょう」



「皆 わ~い!!」皆



「何で皆が喜ぶの?」



「直ぐに行って来ます。其れでは御免!」



話すや否や騎士サントワースは風の様に走って行った。



「其れじゃ~屋敷に帰りますか~」



「皆 は~いっ!」皆



モモタロウ達は今日の予定を終えて、


屋敷に帰って行った。


翌朝、朝ご飯を終えたモモタロウ一行は、


改修したモナミ川護岸に集合した農民に向かって、



「え~っ土木魔導士のモモタロウです。


今日は、運河を作って農業用、


用水路と溜池と農家の建屋を作りますので、


危険が無い様に皆さんに集まって貰いました。


改修が終わり次第解散するので、


暫く待って居てね~」



「農民 は~いっ!」農民



モモタロウは護岸から降りると、地面に手を当てて、



「セイクリッドファーマース」



と、唱えると、前もってリリーが


プログラムして居た魔法が発動した。


先ず下流に向かって幅10メートルの


運河が3本下流に向かって伸びて行き、


10キロ地点で深さが5メートルの1キロ四方の


四角い溜池が出来其処から


碁盤の目状の用水路が四方に伸びて行く、


運河や用水路は、


板状に敷き詰められた石板が配されて、


漏水を抑える様に成って居り、


各所に水門が配置されて居た。


1メートルの深さの土砂が取り除かれて、


ストレージの中で、腐葉土と混ぜ合わさり、


20キロの長さに渡り、農地は山の手前迄で、


土砂を入れ替えて居た。


腐葉土を適切に混ぜた土はふかふかで、


適度に肥えた良い土と成って居た。


取り除かれた下地には適度に石板が配置されて、


水の流失を抑えて居る。


各村の掘っ立て小屋と言って良い家屋は解体されて、


使ってる道具は其のままで、


新たに石造りの3LDKと言える家が生えて来た。


キュービック状の家は屋上が有り、2階建てだ。


1階部分には土間が有り、


釜を3つ並べる事が出来るかまどを備えて居る。


家の中は土間から50センチ程高い所に板間を敷き詰めて、


其の中心に囲炉裏を配して居る。


大昔の日本の農家のような造りで、


土間にはもう一つ、


間仕切りの向こうに五右衛門風呂も有るのだ。


村の各所にはぼっとん式の公衆便所を配して、


肥料を確保出来る様にして居た。



「皆~出来たよ~」



護岸の高い位置から見て居た領民達は目を剥いて、


顎が外れそうな程口を開けて居た。



「新しい家は土間で靴を脱いでね~」



「領民 は~いっ!」領民



「3つ口の竈を付けたから付属して居る薪で煮炊きしてね~


麦と米と野菜も付けたからね~」



「領民 有難うございま~すっ!」領民



「其れとオマケで、五右衛門風呂も付けたからね~


此れも薪で沸かしてね~其れと底は熱くなって


焼けどをして仕舞うから~


底ブタをちゃんと敷いてから入ってね~」



「領民 有難うございま~すっ!」領民



「最後に作付けは村長さんと相談してね~」



「領民 は~いっ!」領民



此れでモナミ川の上流から


20キロ下流迄の農地開発が終わった。


翌日に20キロ下流より更に


20キロ下流の地域を開発して行き、


其の翌日には又下流20キロを開発した。


4日目には10キロ開発して、


汽水域の手前に又人造湖を作って、


漁港を作ってしまった。


5日目に海側に外国と交易する為の


大型船が着岸出来る港を作り、


領都から海まで続く石畳を敷き詰めた街道を作った。


こうしてライフラインを含めての基礎開発は終わった。


6日目に全域に村単位で、


餓死者防止用のジャガイモを作付けして、


日当たりの良い所に桃ノ木と、ブドウ畑を作り


山手の南斜面に柿の木と、


栗の木とミカンの木を植えて行った。


更に7日目に海水から塩を作る為の塩田を作った。


体育館程度の広さの建屋の、


天井にウォーマンティスの


半透明の内羽を張り合わせて、


ビニールハウス仕立てにして、


室内の温度を上げる事で海水の蒸発を促す、


海水から水分を飛ばして塩を作る為だ。


原始的な方法では有るが塩田を作ったのだ。


此処は魔法のある世界なので、


ビニールハウスならぬ、マンティスハウスの


プールに海水を貯めてファイヤーボールで、


海水を蒸発させて、海水が少なく成ると、


又海水を入れて蒸発させると言う事を繰り返した。


最終的にはミネラルたっぷりの荒塩が完成した。


此れ等の製法はまだ北大陸では


確立されて居ないので、


スタンダール辺境伯領のトップシークレット扱いで、


スタンダール辺境伯家が直接塩作りに勤しむ事と成る。


港には代官は置かずに


直接4女のガーターベルトが塩田と共に


管理する事が決まり、モモタロウが屋敷も立てた。


そして果樹園の管理には、


5女のキャミソールさんが代官として


赴任する事と成った。


此れは二人が嫁ぐ事に成った騎士爵家が貧乏な為に、


ズロースさんが収入源を


確保させる為に取った処置だった。


すると、貧乏騎士爵家に嫁いだ次女の


ブラジャーさんが私にも仕事頂~戴と言って来たので、


内陸側の人造湖のモナミ湖のマスの養殖場の


責任者に成って貰った。


8女のショーツちゃんも私も、


将来の為に仕事がしたいと言う事で、


人造湖に名前を決めて無かったので、ショーツ湖にした。


決っしてシッコでは無いのだ。


此処では汽水域で捕れるエビの養殖をする事にして居た。


モモタロウは姉妹達の為に、


各代官屋敷兼用の屋敷を立てて居た。


本家屋敷と全く同じ家なのだが、



「いや~やっと農、漁業開発が出来たね~


街道も城から貿易港迄大きい道を通して、


帝都にも繋げたからね~


此れで、外国との貿易も盛んに成りそうですよね~」



「いやいや、


帝国でも有数の貿易港に成って居ますから~


色んな領地から


どんどん品物が流通する様に成るから~


街道沿いの警備が大変に成るから~


騎士を2倍に増やさないと、警備が追い付きませんわ、


帝都からも一直線の街道を


モモ様が作って呉れましたから~」



「ズロースさん国内で唯一の海岸線の有る


領地を持って居るのですから、


ちゃんと開発したら発展するのですよ~


いや~儲かっちゃったね~」



「帝国内でも


第2位の都市に成りそうなのですけれど~


如何しましょう~」



「良いんじゃ無いですかね~


将軍の器の臨界突破騎士が5人も居る訳ですからね~


臨界突破した従者の女性と一緒に、


屋敷と平行に建てた道場で


カンウが鍛えて居ますからね~楽しみですよ~」



こうしてモモタロウのチート、領地開発~


は終わったのであった。


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