ー171話ー 特急ダンジョン 7,8,9階層
モモタロウは、マップを見て、行き先を指示し乍ら、
効率優先で魔獣を狩って行く、オアシスでは、ゴブリンや、
オーク等の低レベルの魔物を殲滅させて、
順調に魔物は狩れては居るのだが、
如何せん広大なフィールドの為に、思う様には進まない、
「う~ん、ジャイアントスコーピオンや、
サンドワームなんかは一度砂漠を熱して地中から
魔獣を引き出さないとダメなんだよな~
其の分手間が掛かって、思うように狩りが進まないな~」
「其れは仕方有りませんわ、
魔獣の特性に合った狩り方を進めて行くしか有りませんわ。」
「ですよね~じゃあ、時間は掛かりますが、
地道に狩って行きましょうか~
焦った所で何も良い事なんて起こりませんしね~」
結局此の日狩った魔獣は4千匹には少し足らなかった。
「其の日に会敵する魔獣によって、
数にはばらつきが出て仕舞いますね~」
「当たるも八卦当たらぬも八卦ですわ~」
「まんまですね~」
「まあ、気長にやりましょうね、」
「そうですね~拠点が有りますので、
食料の心配も有りませんしね~休日を挟みながら、
消耗しない様に進めましょう。」
2日目は魔獣を5千匹、オークを2万匹、
ゴブリンを3万匹、其の他を1万匹狩った。
3日目には魔獣を3千匹、オークは3万匹、
ゴブリン4万匹を狩った。
「此の日差しに成れては来ましたが、
陽射しがやはりきついですね~」
「「砂漠ですから~」」
「ですよね~」
4日目が魔獣が4千引きで、オークと、
ゴブリンの集落は無かった。
「ヒュドラはそこそこ狩れては居るんですが、
宝箱が出なくなりましたね~」
「宝箱は荒地フィールド専用って事ですかね~?」
「もう充分に集めたし良いんじゃ無くて?」
「そうですね~目的はレベリングなので、
お宝や、飛空艇なんかは副次的な儲けですからね~
充分に潤って居ますし、
欲をかいたら碌な事に成らないですよね~」
6日目を完全休養日にして休む事にした。
エレン号は上空10キロの位置で遊弋して居るのだが、
防御シールドに覆われて居る為、寒く無くと言うより、
陽射しが強い為に、暑い何かもう凄く暑かった。
乗組員達は日陰に居るか、
船体に設置してあるプールに集まって居た。
25メートルの小さなプールでは有るが、
さながらオアシスの様だ。砂漠だけに、
水着は船内コンビニで飛ぶ様に売れた。飛空艇だけに、
ママゾンで仕入れた
男性用は半ズボン型とブーメラン型の競泳用だ。
女性用は、ビキニと、セパレートとの2種類で、
赤、青、緑、黄色、ピンク、白の色違いで、
各サイズを出して居る。種類を増やすとキリが無いのである。
其れに合わせて、水着の上から羽織る薄手のカーディガンや、
水着の上から履く短パンと、おしゃれな帽子、サングラス等、
サンオイルや、日焼け止め等の小物も飛ぶように売れて居た。
そして、メイド達の要望で、
プールの側には海の家ならぬプールの家を併設している。
モモタロウのメイド達は働き者ばかりなのだ。
何せ船員達は白金貨100枚の一時金、臨時報酬を貰って、
皆金持ちだった。
モモタロウとエレンも今日は水着を着て、
トロピカルドリンクを飲み乍ら
沢山並べたボンボンベットに寝転んで、
ゆっくりして居た。
「モモちゃん、
こんなにゆっくり出来る日が有って良かったですわ。
海岸で、死に掛けた時以来かしら、
心が和みますわ」
「そうだね~色々と忙しかったからね~
ゆっくりするのはドサン湖以来かな~」
「ドサン湖にキャンプに行った時はもう晩秋でしたわ
泳げる季節では有りませんでしたし~」
「いや、泳いで居たら魚の餌に成って居るし~」
エレンは横の小さなテーブルに有る
トロピカルドリンクを飲み乍ら強い日差しを手で覆っていた。
流石に元貴族の悪役令嬢で、其の所作は優雅だ。
モモタロウはペッ、プシュ~コーラと言う
くしゃみみたいな名前のコーラを口に含み乍ら、
「こんな日が有つても良いじゃ無いか~」
「そうじゃな~戦いの日々の中で、
妾もこんな日が有っても良いと思うのじゃ~」
ちっぱい師匠の横ではパパさんとママさんが、
トロピカルジュースを飲み乍らいちゃついて居た。
「ママ~見てごらん透き通る様な青空だよ」
「そうね~帝都の空と大違いね~でもパパ~
此処、ダンジョンの中よね~不思議だわ~」
「不思議だね~」
パパさんと、ママさんの横で酔いつぶれたゴンザレス爺さんが
大いびきを搔いて居た。
プールの家では、女神様~ズが焼きそばを頬張り乍ら、
ビールを煽って居た。
プールサイドではドラゴンレンジャーが走り回って居る。
晩御飯の時だけ一時プールは閉鎖したが、
夜に成って、プールバーとして夜遅く迄営業して居た。
主にオシャレなカクテル等を販売して居た。
帝国と言うより、此の大陸に水着と言う概念は無く、
男性も女性も下着に成って水遊びをするのだが、
プールと言う概念も無く、海、川、湖なのだが、
危険な魔物が多く、海水浴と言う概念がそもそも存在しない。
女性の場合肌着にカボチャパンツで泳ぐ訳だが、
なので、泳ぐ為に作られた衣服を見るのは初めてな訳で、
其の機能美と、見た目の美しさから皆、買った訳だ。
女性の場合露出度が高い訳だが、
乗組員の女性比率が高い為にどうせ、
女同士だからと気にせず水着に成って居る訳でもある。
其れに、此の世界の女性は余り
裸を見られても気にしないと言う気質も有るのだろう。
肉食系の女性ばかりだし、
此の日の夜はプールバーの強いカクテルで
酔っ払った女性乗組員が暴れて居るのを
何人か確認されている。
やはり女性は雰囲気には弱い様だ。
お洒落なカクテルをついつい飲み過ぎて仕舞うのであろう。
此の騒ぎは夜遅く迄続いた。
翌日から又、レベリングの毎日が始まるのだった。
何人かは二日酔いで大変であったようだが、
12日目にようやくフィールドダンジョンの端迄
辿り着く事が出来た。
「やっと、此の階層での狩りが終わりました~
女神様~階層主は何でしょうか?ゴ〇ラ?」
「おしい?、ゴ〇ラって分かりませんけど、
やはり此の階層でも
一番強力なのはヒュドラですね~
但しSSランクの一つ上の伝説級に成りますね~
体長は25メートルに成り、5本首に成りますね~
強いですよ~でも私達には敵いませんけれど~」
「へ~5本首のキン〇ギドラですか~
ゴ〇ラは出ないんですね~残念でっす~」
「出ませんね~ゴ〇ラって何か分かりませんけど~」
翌朝、5本首のキン〇ギド・・・ヒュドラに向かうと、
連弩組、魔法攻撃組が攻撃した後、
二人の女神様は地上に降りるて、
竜化すると、小ストレージから
リリーが今回の遠征の為に作って居た
頑丈な竜骨製の大剣を引き出し、
ヒュドラに襲い掛かった。
神竜は全長150メートル有り翼を広げると、
300メートルにも達した。
大剣は50メートル程の長さに成るのだが、
二人の神竜は巨大な剣を片手でぶんぶんと振り回している。
最早、全長25メートルのヒュドラが子猫に見えてしまう。
左右からの一撃で、ヒュドラの5本の首が飛んで行った。
今回も瞬殺であったが、土の女神様と、
白の女神様が遠征で初めて、竜化して戦った。
やはり伝説級のヒュドラとなれば
其れ位しないといけない強さなのだろう。
ヒュドラをストレージに回収すると、
今度はエルダードラゴン達が船から飛び降りて竜化すると、
前回と同じように全力のブレスを放って7階層を焼き払った。
「信じられない様な威力だよね~」
「皆 うんうん、」皆
何時もの様にヒュドラが鎮座して居た岩山の台座に
エレン号を横付けにすると皆一旦下船して、
エレン号をストレージに回収して、
隊列を作って洞穴へと進んで行く、
8階層も同じ様に12日と、
1日の休養日を入れて13日で踏破した。
9階層は段取りがたまたま上手く行かなくて、
13日と1日の休養日入れて14日で踏破出来た。
砂漠階層は探索者の体力と、精神力を削る為の階層で、
エレン号に乗って居るので、そうでは無いが、
徒歩で有れば普通に100年以上掛かるのでは無いだろうか?
って言うか普通に死ねる性悪ダンジョンだ。
9階層最終日の終礼。
「皆さ~んお疲れ様~今日で9階層も踏破出来ました~
此れもひとえに皆の頑張りによる物だと思って居ます~
明日階層主を倒したら、最後の10階層と成ります。
階層主も邪竜、ドラゴンですし、
10階層からは今迄出て来た魔獣プラス邪竜と成ります。
最後迄気を抜く事無く、
生きて屋敷で、打ち上げの宴会をしましょう~!
屋敷に辿り着くまで遠足・・・討伐遠征ですので、
油断する事無く、生きて帰りましょう~!」
「皆 お~っ!!俺だけは(私だけは)生きて帰るぞ~
そして、お金持ちに成るんだ~えいえいお~っ!!」皆
「今夜は立席パーティーの用意をしましたので~
お風呂から上がったら展望レストランに集合して下さ~い。
はい、解散!」
「皆 バンザ~イ、バンザ~イ」皆
此の夜は、皆大いに食べて飲んで、仲間達と談笑して、
明日への英気を養うのであった。
翌日、朝ご飯を食べた後に、エレン号は邪竜に向かって行った。
邪竜と接敵すると、
連弩による攻撃と魔法による攻撃を加えたが、
まるで歯が立たなかった。
一連の攻撃が終わると、二人の女神様が地上に降りて、
竜化する。大剣をストレージから取り出すと、
30メートルは有ろうかと言う邪竜に向かって行った。
150メートルの神竜に比べると
30メートルの邪竜は子犬程度の大きさしかなく
やはり、瞬殺された。
何時も通りに洞窟を抜けて行こうとすると、
リリーからストップが掛かった。
『ダーリン、まだ、洞窟には入って来ては居ませんが、
10階層がモンスターパレード状態に成って居るっス』
『リリー此の洞窟に侵入してくる可能性は?』
『其れは分から無いっス~種別違いで、
洞窟にどの種族が先に侵入するかで争って居るっス~
どの種族も戦力が拮抗して居て消耗戦して居るようっス~』
『洞窟の出口に結界を張れるかい?』
『どの種族も入って来れない様な強力な結界を張るっス』
「土の女神様、白の女神様、
洞窟の出口でモンスターパレードが起こって居て、
外に大量の魔獣が犇めいて居る様です。
此のままではエレン号に乗り込む事が出来ないので、
洞窟の外の魔獣を一掃する事は可能でしょうか?」
「ブレスなら簡単に処理出来るのだがな~
出来たら素材は欲しいんだよね~」
「其れならブレスを細く圧縮してレーザーで、
弾幕を張れば良いんじゃないかしら?」
「初撃は長大な剣の様に切り裂いて、数を減らしてた方が、
後が楽だね~」
「じゃ、其れで」
「ご主人様~ポチもやるの~」
「其れじゃあポチもお願いするね~」
「はいなの~」
「妾達も魔力が続く限り魔法を撃とうかの~」
「其れじゃ~殲滅組の皆~前に来て隊列を組んで~」
「殲滅組 は~いっ」殲滅組
モモタロウもポチを頭にのせて居るので、前衛に出て来た。
左翼の中心には土の女神様と、
ドラゴンレンジャーが中心に並んで、
右翼には中心に白の女神様と配下の
エルダードラゴン達、中心にモモタロウ、
間を縫うように、魔導士達が隊列を作って行った。
「そんじゃ~光の剣発射~!!」
レーザーの様に収束したブレスが、12本、
ポチは高水圧の水の剣を発射した。
と同時にモモタロウの結界が、解除される。
13本の剣は外の魔獣を切り裂いて行く、
前衛は其のまま出口に向かって進み、
最初鋭角であった剣は出口に向かう程、角度が広がって行き、
出口に達すると、180度にまで広がった。
剣の威力は強力で、
出口の外で争って居た魔獣達を容赦無く切り裂き、
葬り去って居た。近くで生き残って居たのは、
飛行型の魔獣だけであった。
光の剣は大きな岩なんかも切り裂いて居た。
おびただしい死骸は順次ストレージに回収されて行き
見遠しは良かった。此の後、空中に居る魔獣を、
各自狙撃した行った。
ポチは勿論頭だけのゴル〇サーティンに成って、
狙撃して居た。
魔導士組も空を飛ぶ魔獣に目掛けて、
強力な攻撃魔法を放って居た。
地上で、射線が通って居なくて生きて残って居る魔獣の残りを、
女神様達が青龍偃月刀で蹂躙して居た。
1時間程で近辺の全ての魔獣は壊滅した。
此の後飛空艇に乗り込んで、マップで調べたが、
辺りには魔獣が居なく成って居た。
先程の戦闘で、大量の魔獣を狩ったが、
レベリングは出来なかった。
「まあ、仕方無いね~
魔獣の素材が入っただけでも良かったよね~」
「そうですわね~折角の素材が消し炭に
成らなくて良かったですわ~」
「此の先約500キロ圏内には魔獣が居ないんだよね~
奥の手を使いますか~」
「奥の手って何ですの~?」
「うん、高速飛行の魔法を使うよ、」
「其れは楽しみですわ~」
モモタロウと、エレンは艦橋へ行くと、
ハイエルフのクルーに方向と全速飛行を命じると、
飛行魔法を使った。
エレン号の飛行船部分から光の羽が生えると、
猛スピードで目的地に向かった。
約30分の飛行の後、邪竜が30匹群れて居た。
「ドラゴン隊は待機、魔導士隊、連弩隊攻撃用意、」
「艦長、連弩隊攻撃準備完了しました。」
「連弩隊、魔導士隊、攻撃開始!」
短針の矢と、攻撃魔法が邪竜に向かって飛んで行くが、
全くと言って効いて居ない。
邪竜からブレスが飛んで来るが、防護結界によって
エレン号に被害は無い、
10分後、
「殲滅隊、ドラゴンアタック開始、」
ドラゴンアタックはモモタロウが付けた名前だった。
何時?さっきだそうだ。・・・・・
ドラゴン達は船からジャンプして地上に降りると、
竜化して大剣を小ストレージから引き出して、
ヒャッハ~と邪竜に襲い掛かった。
エルダードラゴンも、体長は60メートル有る。
30メートルの邪竜では大人と子供の差が有るのだ。
30匹居た邪竜を瞬殺して居た。
しかも、怪我をしやすい肉弾戦では無く、
体の大きさに見合った武器を配った事で、
ドラゴン同士の戦いでも完封する事が出来る様になった。
一方的な狩りであった。