-17話ー 精霊街道
俺は大きな木を見つけて、長城とは反対側に結界を張り、食堂のドアを出した。
「今日は此処で日が落ちるまで、待機するよ~」
「「は~い」」
俺たちは食堂の中に入ると思い思いに飲み物を飲みながら
休憩して、体を休めた。
落ち着いた所で、
「ちょっと休めたね~じゃあ、ひとっ風呂、浴びるかね~」
「「は~い」」
食堂の中に、銭湯を出して、中に入って行った。
銭湯の玄関までは現在、リリーがスパリゾートに改装中で、
道の左右、真っ暗、黒?に工事中の看板が掛かっている所を
通って行く事になっている。
俺達は銭湯に入ると、脱衣籠に服を入れて、浴場へと、
マリーとエメルダは相変わらずの脱ぎっぷりだ。
もう少し、乙女の恥じらいを持って欲しいよね~
眼福だけど~
マリーとエメルダに掛湯をして貰い、風呂へ入った。
昭和の風情ただよう、風呂だね~、壁には富士山だし、
浴室は、メインの風呂があり詰めれば、10人位は浸かれそうだ、
その横に座れる浅い風呂が付いている。
其れとは、別に薬湯くすりゆと電気風呂がある。
まだ、電気風呂には入った事が無いんだよね~
今日は薬湯くすりゆに入った後にでも、
浸かってみるかね~
「ああ~落ち着くわ~、気持ち良いね~」
「はい、今日の疲れが取れて行きます~」
「気持ち良くて寝てしまいそうです~」
「ですよね~」
ポチも気持ち良さげに湯船で泳いでいる。
俺の左右では上気した、マリーとエメルダが気持ち良さげに
くつろいでいる。
ちょっと色っぽいですよ、君達、
獅子丸君が元気に成っちゃいそうです~
少し視線を逸らして、何とか耐える俺、なんか、少し悲しいよ~
温まったので、湯から上がり、マリーとエメルダに体を洗ってもらう、
「うん、大名気分!」
「タカシ様、大名って何ですか?」
「う~ん、此方の国では王様って意味かな~」
「「まあ、嬉しいです。」」
特に獅子丸君を丁寧かつ執拗に洗う二人、
あっ、止めて、そんなに、全裸の女性二人に弄られたら、
獅子丸君が元気になっちゃうよ~
「あら!」
「まあ!」
・・・・・
「「うふふふふ・・・こんなに、」」
「ふにょ~」
俺は、二人にいじ・・・体を洗ってもらった後、
「後は自分の事をしてね~」
「「は~い」」
薬湯へ入った。体がぬくもった所で電気風呂へ、
おお~ぴき~んと来たよ、ぴき~んと、
これは良いわ~
体を洗い終わったマリーとエメルダが足を漬けて口を
三角にして固まっていた。
「ここ電気風呂だよ、いきなり入ったら、びっくりしちゃうよ、」
「「はい、ぴき~んと来ました。ぴき~んと」」
しかし、根性で俺の左右に座る二人、ポチは平気そうに泳いでいる。
「電気風呂は血行促進とマッサージ効果があるんだよね~」
「そうなんですか~中々来ますよね~」
「はい、癖になりそうです。」
「うんうん」
はい、ドⅯ発言いただきました~
温まった後、
「俺は温まったから、先に出るね~
マリーとエメルダも出る前に薬湯に浸かると
今日の疲れが取れるよ」
「「は~い」」
俺は先に浴室を出ると、(ポチ付き)いつもどうり、
体を拭き終わると(ポチ付き)皆の服を替えの服に交換して、
コーヒー牛乳を一気に飲む(ポチ付き)
「クゥ~う、美味い~」
ポチも自分の体より何十倍も大きいコーヒー牛乳を触手で持って、
どこが腰かは分からないが、触手をあて、一気に
飲み干して、念話で、
くぅ~う、う、美味いと言っている。
か、可愛い~
体のほてりも取れ、服を着た頃にマリーとエメルダも出て来た。
濡れた体を拭き終わり、バスタオルを巻いた二人に、
「今日は、何飲む~?」
「「はい、フルーツ牛乳を、お願いしま~す~」」
俺は二人にフルーツ牛乳の栓を取って、渡すと、
腰に手を当てて、一気に飲み干すと、
「「クゥ~お、美味しぃ~」」
今日も綺麗にユニゾンを決める二人、
ハイ良く出来ました~
「ポチも見事に決めたんだよね~」
と言うと、肩の上で喜びながら、跳ねている。
「へ~凄いですね~ポチの何十倍も大きいのに、」
「流石はタカシ様の従魔ですね~」
とポチを撫でようとする二人、
パチッ!!
ポチに触ったとたん、何故か、感電して、ひっくり返る二人、
バスタオルだけだからね、二人共、
Ⅿ字開脚で仰向けに目を回して、ひっくり返って、
開いているから、見てはいけない物が・・・
「しゅ、シュールだ・・・・」
ポチは電気風呂で電気を貯めてた様だ。
二人は直ぐに意識が戻ると、目をぱちくりさせている。
「ポチは電気風呂で電気を貯めてた様だね~
二人共ポチに触っちゃダメだよ~」
「「電気って何ですか~?」」
「えっ、そこから?
んん~と電気と言うのは、雷の超弱いやつかな~
電気風呂に入ったら、ぴき~ん、と来ただろう、?ぴき~んと」
「「はい、凄く、痛気持ち良かったです、」」
「それは、とても弱い雷が流れているからなんだ、
ポチはそれを貯めていた様だね、
その、弱い雷をポチに触って一気に流れたんだね~」
「「はあ、そうなんですか?でも、肩にポチを乗せている
タカシ様は大丈夫なのですか?」」
「そおいや、そうだね、大丈夫だね~」
「「「不思議だね~」」」
皆服を着終わり、食堂に戻る時、通路でポチが
青白く光っていた事には、触れずにおこう、
食堂に戻って、マリーとエメルダを席につけると、
厨房へ、
どうせ、匂いにつられて来るから、同じなんだけど・・・
「さて、今日は何にしようかな?
マリーとエメルダには、良い物を・・・もとい、大変な
思いをさせちゃったからね~ご褒美・・・お詫びをしなくちゃ~」
ママゾンを検索っと、
「おお~わらじハンバーグか美味そう~
これにするか~二人共良く食べるから、2枚ずつ
8枚購入っと、
後、とろけるチーズだね、
食後のデザートは、ショートケーキにするか、」
デザートは別腹らしいので、イチゴショートと、チョコケーキでいいね、
購入すると、ストレージから出して、ケーキは冷蔵庫へ、
わらじハンバーグはでかいので、一度レンジでチンして中に熱を通してから、
フライパンで焼き目が入るまで、焼いて、皿に盛り、
とろけるチーズを乗せてハイ出来上がり、
もう一枚は、目玉焼きを乗せてハイ出来上がり、
皿に盛って、冷めない様に、いったんストレージへ入れて、
次々に焼いて行く、最後に、つき合せの粗切りポテトと、にんじんを
炒めて、ストレージに入れてた皿に盛って、はい、出来上がり、
何時もどうり、背中でヨダレを流している、
背後霊の、
「マリーとエメルダ、悪いけど、お茶碗にご飯よそってくれるかい?
そうそう、ありがとう、
じゃあ、全部、ワゴンに乗せて、サラダバーで、
サラダと果物とスープ、を付けて、
ドリンクバーでお茶入れて、から、配膳してもらえるかい、
箸と、ナイフと、フォークそうそれも、四人分付けてね、」
うん、今日は、肩の、ポチもよだれを、流している。
お願いだから、肩にかけないで、
用意が出来た所で、
「「「いただきま~す。」」」
うん、美味い!表面は良く焼けており、ナイフを入れると、
肉汁が溢れてくる。中にも良く火が良く通っている。
何と言っても、とろけるチーズに良く合う、
3人とも幸せ福笑いの顔で夢中で食べている。
ポチには表情が無いが、
念話でおいし~おいし~マスター大好き~
と言っている。
「はいそこ、マリー目の位置がずれてるから、鼻も曲がってるから、
エメルダ顔がピカソになってるよ~ゲルニカか」
こんな調子が、
デザートを食べ終えるまで続いた事には、触れずにおこう、
楽しい食事を終え、思い思いに飲み物を飲みながら、
俺達は、ピアノのスロージャズを聴き、食休みを取っていると、
ダーリ・・・マスターそろそろ良い頃合いっス~
リリー、了解、
もう、ダーリンで良いから、ややこしいから、
良しっス~
何か、リリーが、ガッツポーズを決めてる気がする。
何か、負けたみたいで悔しい、
リリー、ガッツポーズ決めて無いよね~
ん、ない、
・・・・・
「じゃあ、出発しようか、」
「「は~い」」
うん、元気いっぱいだ。
俺達は荒れ地に出ると、長城に向かって歩き出した。
すっかり、日が暮れて、夜のとばりが降りていた。
暗くなると、長城の見張りも、壁を通る事は無い、
森側が危険な為だ。
闇の中からいつモンスターが襲って来るかわからないのである。
暗闇はどんな世界でも恐ろしい物なのだ。
ランタンの灯りを頼りに、歩く事、2時間弱で壁に辿り着いた。
俺は、ストレージからアップスライダー(2段梯子)出すと、
壁にかけた。
マップを確認してから、
先にマリーとエメルダを登らせて、最後に俺が登った。
暗いので、パンツは見えなかったと言っておこう、
ってスパッツ履いてるし
壁の上は3Ⅿほどの幅が有り、その道を見張りの兵が
行き来するのだそうだ。
俺は、ストレージから、矢文を出すと、道に置いた。
細工完了、
アップスライダー(2段梯子)を一旦ストレージに戻すと、
今度は反対側に出して、設置、
マップで、モンスターが居ない事をもう1度確認してから、
先に二人を降ろして、最後に俺が降りた。
別に俺がビビっている訳では無い、しんがりを務めているだけだ。
決してビビって等いない、
原始の森から、
ギャギャギャギャギャ~!!
「ひょ~え~!!」
マリーの後ろに隠れるヤマダタカシ・・・・
「タカシ様、大丈夫ですか?私達が前衛を務めますので、
向かう先のご指示を、」
「タカシ様は攻撃力レベル1なんですから、
無理はしないで下さい。」
ストレージにアップスライダー(2段梯子)をしまうと、
マリーの腰にしがみつき、へっぴり腰で、
「こえ~よ~マリー、エメルダ~むっちゃこえ~
精霊街道はそこかしこで、モンスターが罠を張っているから、
壁から少し離れた距離で壁沿いに進んで、」
「な、何か、この位怯えられると、守ってあげたいと、
母性本能がくすぐられますね。」
「うんうん、」
俺達は、モンスターに出くわさない様、
にげ・・・・
モンスターを避けながら、壁から少し離れた所で、
ヨシュア王国に向かって歩き出した。
ギョギョギョギョギョギョギョ~!!
「しょ~え~っ!」
マリーの腰に抱き付くヤマダタカシ
うっうっ、ちょっとちびりました・・・・
すいません、駄々洩れです~
だ、だめだ、夜間の行軍は、普通に死ぬわ~
「だ、大丈夫ですよ、タカシ様、夜の原始の森は
いつも、こんな感じですから、」
「うん、うん、」
俺は大岩を見つけて、食堂のドアを出して、
「今日はこれくらいで勘弁してやるぜ、」
と言って結界を張り、さっさと中へ入った。