ー169話ー 特急ダンジョン 5階層 休日
翌朝、朝ご飯の後、階層主のヒュドラの元へと行くと、
10分間の連弩での攻撃の後、
両女神様が左右からヒュドラの首を神話級の
青龍偃月刀でスパパンと、吹っ飛ばした。
今回も瞬殺だった。
飛空戦艦エレンはヒュドラが陣取って居た
岩山の台座の部分に横付けにすると、
乗員が下船して、飛空戦艦をストレージに仕舞う、
そして隊列を作って洞窟に入って行く、
乗員ももう慣れたもんで、素早かった。
此の後にゴブリンやオークの殲滅作業が有るので、
余りゆっくりとは、して居られないのである。
1キロ程歩いてトンネルを抜けると、
此処も荒野が広がって居り、
此処5階層も4階層と同じ様な作りと成って居た。
「マカロニウエスタンだね~」
乗員が急いで乗船すると、又周囲に集まって居る、
ゴブリンとオークを壊滅させて行く、
勿論素材と、魔石の回収は行うが如何せん数が多い為、
一旦回収したら、ドラゴンブレスで掃討して行った。
其れでも粗方壊滅させるのに、
2時間ほど掛かってしまった。
其の後はSランクの魔獣狩りが始まるのだが、
魔素が濃い為か魔獣の数は4階層よりも濃い。
「此れは3日ではキツイかな~」
昨日、一昨日の狩りは能力一杯であったので、
1日に魔獣6千匹が、モモタロウパーティーの
限界だろうか?
「女神様、昨日一昨日の魔獣を狩った数が
今回の討伐数の限界だと思うのですが、
5階層は4階層の
約1,5倍程の魔獣が居るみたいなので、
此の階層からは討伐期間を3日から
5日に伸ばそうと思います。
其れと、連日の戦闘で皆
そろそろ疲れが出て来ると思いますので、
明日1日休養日を設けようかと思って居ます。」
「そうですね、明日1日休養するのは良いですね、
私も丁度飽きて来た所ですし、良いですね、
5階層からは魔素も濃いので、
じっくりと討伐するのは有りですね、
討伐最後の日に仕上げに私達のブレスで、焼き払って、
新たに発生した魔獣を殲滅しましょう。」
「止めを刺すんだ~容赦ね~」
「そうする事で、魔素もある程度薄まりますからね、」
「そうなんだ~難しいね~それじゃあ今日も1日、
頑張りますかね~
皆~そろそろ、疲れが溜まって来たと思うので~
今日の狩りが終わったら1日休養日を挟みますね~
此の階層は魔獣が多い様なので、
5日間狩りをしますので、
皆、自分の体調管理はしっかりと行うようにしてね~」
「皆 は~い」皆
此の日、やはり狩った魔獣の数は6千匹程であった。
依然食物連鎖の頂点であるヒュドラが
4階層と同じく一番多く、約半分がヒュドラであった。
頂点捕食者であるヒュドラは、勿論隠れる事も無く、
堂々と姿を晒して居る事も有り、沢山狩れたのだ。
女神様や、エルダードラゴンにとって、10メートルが
15メートルに成った所で余り変わりは無い様で、
ほぼ瞬殺して居た。
「やっぱりドラゴン強いわ~流石は地上最強種だよね~」
終礼時に何時も道理展望レストランで、
「皆~今日も1日お疲れ様でした~
今日の宝箱の数は~」
「皆 数は~?」皆
「30箱でした~4階層と同じく、
入口近くは比較的少ない様なので、
奥に進むほど期待が持てますね~
じゃ~蓋を開けて行きますね~」
「皆 わ~い!」皆
とモモタロウは宝箱を一つ一つ蓋を開けて行った。
もう恒例と成った宝箱の中身は、
やはり、大きな物程金貨率が高く、
小さな宝箱程宝石率が高かった。
変わった所では、魔導書ばかり詰まった宝箱や、
飛空艇にお宝満載の宝船なんかも出て来た。
勿論、飛空艇は稼働可能な状態だった。
その数何と3隻!其の内1隻は
スノーホワイト号の船部分全長50メートルと同じだった。
「ペチカよ、流石に飛空艇は市場に流す訳にも
行かないので、
全て、帝国が買い取る事にするぞ!
異論は認めぬぞ、良いか?」
「はい女帝陛下、途轍もない金額と成りますので、
市場で買い取れる者も居ないかと、
帝国の予算は大丈夫なのですか?」
「そんなに金が有る訳が無かろう!
全て年金にして、ローンで支払うに決まって居る。
船自体は南大陸貿易に使うから、
そんなに期間が掛からずにペイ出来るのでは無かろうかの~
モモよ、又船の改修を頼んだぞ!」
「ちっぱい師匠~了解~」
「ちっぱく何て無いやい!」
「皆さん、冒険者ギルドのペチカです。
今聞いた通りなので、買い取りの年金は、
数世代に渡って支払って行く事に成りますよ~」
「皆 バンザ~イ、バンザ~イ」皆
「又お金が増えて仕舞いましたわ。」
「って言うか~宝船まだまだ出て来るんじゃね?」
「クルー そうかも~?・・・・・」クルー
「そうじゃな、大型の飛空艇であれば国内に
流通経路が構築出来るやも知れぬ。
そうすれば人、物、金を上手く回転させれば、
帝国の暮らしは豊かに成るの~
借金も悪くは無いの~」
「え~っ、お金は国債を発行して、
大商人に買って貰ったら良いんじゃ~無いですか~?」
「モモ其処の所詳しく!」
「は~い、償還期限付きの国債を発行します。
ま~商人に対する借金ですね~
普通は期限に対して利益を付ける訳ですが、
今回に限っては利潤では無く
南大陸貿易に一口嚙ませては如何ですか~
こっちの方が分かり易いですし~
商人の利益も大きく成るでしょうし、
要は、貿易船に同行させるという事ですね~
飛空艇に魔法の袋があれば幾らでも、
物品は入る訳ですし~帝国にとっても、
直接商人が貿易に参加する事で手間が省けますよね~」
「其れじゃ~!
おお~良いぞ~金の匂いがするぞ~
早速宰相に金を集めさせよう。」
「と言う訳で又儲かっちゃったね~」
「皆 バンザ~イ、バンザ~イ、結婚して~」皆
「と、言う訳で今日もお祝いの立席パーティーだよ~
お風呂から出て来たら、此処に集合ね~
後、明日1日休養日だから~
今日は思い切り飲んじゃってね~はい、解散!」
「皆 は~いっ!」皆
此の日も、立席パーティーを夜遅く迄開いた。
乗組員は食べて、飲んで、
仲間と語らい合い楽しい時間を過ごすのだった。
翌朝、朝ご飯の後乗組員達は、思い思いの時間を過ごした。
物思いに耽る者、読書をするもの、散歩をする者、
友人と語り合う物、
ドラゴンレンジャーの衣装を着て走り回る者・・・・・
モモタロウは警戒の見張り当番が2人居る艦橋でぼ~っと、
地上を眺めて居た。
「モモ様、今日はお一人ですか~?護衛の人は?」
「ああ、護衛にはポチが、
頭の上に乗っかって居るからね~ヒュドラが来ても大丈~夫」
「ポチちゃんって、
白の女神様が自分よりも強いと仰っていた、
ポチちゃんですね、そう言えば
何時も頭の上に居ますよね~禿ません~?」
「うん、今の所はでも其の内、禿げるかもですね~」
艦橋のドアを開いてエレンが入って来た。
「モモちゃん此処に居りましたのね~
も~っ探しましたのよ~
私くしを一人にするなんて酷い人ですわ~」
「いや、お姉さんのズロースさんと二人にしてあげようかとね、
お話したい事も沢山有るだろうしさ~」
「ん、もう~私くし何時までも子供では有りません事よ、
大人の女ですのよ~愛しい殿方のお側に居たいのですわ~
其れに最近はポチ様に焼餅ですわ~
私くしのおっぱいの置き場所が占拠されて居るのですわ~」
「おっぱいの置き場所って俺の頭かよ~
んじゃ~此の後一緒に船の中散歩しようか~?」
「あら、デートですのね~嬉しいですわ~」
此の後モモタロウとエレンは船の中の散策に出掛けた。
艦橋を出ると、気球部分の一番前から
最後尾までを貫くデッキに出ると、最後尾に向けて歩き出す。
途中、左右に有る海兵用の男湯、
女湯50人収容の大浴場を超えて、
左右に広がる300人用の食堂を抜けて行く、
食堂は海兵達の談話室も兼ねて居り、
今日は皆思い思いに過ごして居た。
モモタロウ達が通ると海兵達が挨拶をして行く、
「艦長、ちゃ~っす。」
「はい、今日はゆっくりしなよ~」
「は~いっ」
「うん、屋台村だよね」
「屋台村って何ですの?」
「色んな屋台のお店が入った建物の事だね、」
「ふ~んそうですの?あそこでソフトクリームを売って居りますわ、
モモちゃん私くし食べたいですわ~」
「ああ、昨日冒険者カードを全員に配り終えたので、
ギルドカードの貯金で、
買い物が出来るようになったコンビニだね~」
全員金の冒険者と言う事で、
カードの端末をギルドから借り受けて、
日用品から、お菓子、ジュース、軽食等を時間限定で、
買える様にしたのだ。
某原子力空母の丸パクりだ。
特にお菓子と、生理用品とアクセサリーが人気だ。
女子が多いしね、
値段もモモタロウが仕入れた値段の2倍だ。
艦内価格である。
普通に帝都や、大きな町でも買う事は出来ないので、
飛ぶように売れた。2倍の値段でも安いのだろう。
「う~ん、もっと吹っ掛けときゃ良かったかね~」
「皆命を張って居るのだから、安くても宜しくてよ」
「ですよね~エレンは其処の所良く理解して居るよね~
又思い付く事が有ったら意見してよね~」
「持ちのロンですわ~」
「持ちのロンって古いな~と、ソフトクリーム如何にする?」
「そうですわね~私くしはやはり、バニラですわ、」
「じゃあギョクレン、バニラと、チョコでお願いね、」
「はいご主人様、お金は結構で御座います。」
「ダメだよ其処はしつかりと清算しないとね、
其の分の時給も出て居る訳だからね」
「はい、有難う御座います。
其れではこの端末に通して頂けるでしょうか?」
「はい了解、二人分ね」
「はい受けたまりました。」
二人は大盛りにしてくれたソフトクリームを受け取ると、
其の場を離れて、
空いて居るテーブルに付くと美味しそうに食べ始めた。
今回のギルドカード発行で
モモタロウのメイド達も軒並み金の冒険者と成り、
カードの預金、白金貨100枚預金されている。
彼女達は奴隷なので、
当然自分を買い取る事が出来る訳なのだが、
魂の繋がりが切れる事を嫌がって、
誰一人として奴隷解除しなかったのだ。
モモタロウに配下として今迄通りだと言われてもだ。
その代わりにダンジョンから出たら皆、人頭税を払って、
市民権を得るという事で、モモタロウも納得した次第だ。
「皆の忠誠に感謝だね~」
「皆、女の子ですわ、奴隷契約を解除したら、
魂の繋がりが薄れてしまうのでは無いかと恐れたのですわね、」
「ええ娘や~皆ええ娘や~泣けて来るわ~」
「そうですわね、大切にしてあげないと行けませんわね」
「・・・・・はいっ」
美味しいソフトクリームを食べ終わると、
モモタロウと、エレンは最後尾に向けて歩き出すと、
左右に分かれた男女別、カプセルホテルを通り過ぎて、
後部展望室に到着した。200メートルの散歩であったが、
結構時間が掛かった。
展望室は開放して居たので、
海兵のカップルが所狭しといちゃついて居た。
正に爆発案件だった。
手にはコンビニで買ったジュースを片手に、
お菓子を食べ乍ら、
「全くけしからん!爆発しろ~!!」
「モモちゃん、そんな事を言って居たら、
爆発して仕舞いますわよ」
「そうでした~一番の爆発案件は俺でした~」
二人は長くは居れないので其のまま船部に向かった。
船部分には3本のマスト兼用の中空の柱で結ばれて居り、
後ろと、前部分が上り専用、真ん中が下り専用だ。
300人の乗組員が居る為、混雑を避ける為に決めて居た。
真ん中の柱迄歩いて行き梯子を下りると、
丁度船の最上階に降りて行く、
船部分の形状は帆船と言うよりは、
豪華客船のそれだった。全長約100メートル、
豪華客船の大体3分の1位のミニチュア版だった。
最上階に出たモモタロウは、5階の展望レストランを過ぎて、
レストランに併設して居るコンビニも過ぎて、
下の階へ、4階部分だが客室に成って居る。
一番見晴らしの良い此の階は主に女神様や、其の従者、
女帝一家も此の階だ。船長であるモモタロウやエレンもそうだ。
後ゴンザレス爺さん、孫娘2人、
エレンの姉ちゃんのズロースさんは女辺境伯だ。
各部屋は8畳程度で、バスはジャグジー、洗面台、クローゼット、
冷蔵庫、簡単な料理が出来るキッチンも付いている。
トイレは勿論ウオシュレト付きで、
ベッドはダブルサイズで、低反発マットレスが敷かれている。
掛け布団は羽根布団と成り寝具には拘って居た。
コンパクト&高機能を目指して居る訳だ。
コンパクトな分だけ部屋数を増やせるのだ。
3階部分も高級士官、貴賓用の部屋に成って居る。
2階からは中級、下級士官用の個室だ。
中級士官で、6畳位の部屋で、ユニットバス、洗面台、
セミダブルベッドに低反発マットレス、羽根布団だ。
トイレ(ウオシュレット付き)、ミニ冷蔵庫、
簡易キッチン、が付いて居る。
下級士官用も個室に成って居て、4,5畳位の広さで、
シングルベットに低反発マットレス、羽根布団だ。
全階層低反発枕も付いて居る。安眠に拘った仕様に成って居た。
シャワー室、トイレ(ウオシュレト付き)
簡易キッチン、ミニ洗面台、ミニ冷蔵庫等が付いて居る。
皆ちょっとしたホテルの様な仕様だ。
1階は下級士官用の部屋が集まって居た。
居住区は、ちょっとしたシティホテルの様な感じに成って居た。
B1には男女別に50人収容の大浴場が有り、
屋上中央部には、25メートルプールが取り付けて有った。
モモタロウと、エレンは1日を掛けて
ゆっくりと散策するのだった。
その間何度も、ドラゴンレンジャーが
衣装を着て走り回って居た。
プールにはドラゴン組が寛いで居る。
殺伐とした日々の中での久しぶりの休日は皆、
ゆっくりと寛ぐのであった。
メリークリスマス! 私の場合はメリーさんがクルシミマスですよね~
作者は、休日にする事も無いので、1日中作品の制作に当たって居たりします。
悲しいね~