ー168話ー 特急ダンジョン4階層
翌日も順調に狩りは進んで行く、
此の階層の食物連鎖の頂点である
ヒュドラとの遭遇率が非常に高かった。
と言っても餌と成るゴブリンや、
オーク等の低レベルの魔物も多く、
ヒュドラも狩りにくい高レベルの魔獣を狩る必要も余り無く、
フィールドも1000キロ×700キロ×10キロと
非常に広い為にヒュドラ等は宝箱の在る所を中心に、
自分の好きな所を縄張りとして、
他の魔獣は、其れを避ける様に縄張りを展開して居た。
「私達が毎年魔物狩りをして、
魔獣が増え過ぎない様に管理して居ますからね、」
「と言う事は、もしフレイヤ様が人に対して怒って
魔物狩りを辞める様に言って来たら?」
「勿論辞めますよ、魔物狩り何て面倒臭いし、
逆らったら、私のお尻が危険ですし、
ボランティアで魔物狩りをして居る訳では有りませんので、」
艦橋には殲滅組の女帝のちっぱい師匠や、
人族を代表する様な高位魔法使いが居たが、
皆一様に蒼白と成って居た。
「此れは偉いことを聞いてしまったのじゃ、
帝都に帰ったら早速、女神教の保護をして、
不正に金儲けを行って居る不届き者の
生臭坊主の処断をするのじゃ!」
「そうですね、もしそんな悪徳僧侶が居たら、
其れを帝国が放置して居たとフレイヤ様が聞いて、
お怒りに成ったら、
大陸の人族が滅亡しかねない事態に成りますね、」
「冒険者ギルドとしてもそんな事に成らない様に対策しないと、
冒険者に情報を集めさせましょう」
「そうじゃのう、帝国が其の件では金銭的な面で援助をしよう。」
「其れは助かりますね、
今回の討伐報酬で冒険者ギルドも暫くは資金不足で、
身動きが取れないでしょうから」
「任せるのじゃ、妾も宰相に丸投げなのじゃ、
其れと、暗部ではなく、新しく情報機関を設立させるのじゃ、」
「ちっぱい師匠も大変ですね~」
「ちっぱく何て無いやい!
全部、宰相に丸投げなのじゃ」
「丸投げにされる宰相さんって・・・・・
所で女神様、こんな特急ダンジョンって他にも有るの?」
「うん有るよ~原始の森のグレートダンジョンだね~
後は別大陸だから余り気にしないで良いよ~
原始の森のダンジョンは妖精女王が、管理して・・・・・?
居るのかな~?でもまあ、溢れる事は無いでしょう、
兎にかく広いですから~
大昔に起こった妖精大戦争で、
3大妖精女王が大暴れしたのに怒ったフレイヤが、
配下のヴァルキュリアを派遣しましたが、
一早く妖精女王達はダンジョンに逃げ込んで、
其れを追いかけたヴァルキュリア達はダンジョン内で道に迷って、
100年程出られなかったそうですよ、
怒ったヴァルキュリア達が入り口で千年程見張って居た様ですが、
ざまあですね。」
「な、何か聞いた事が有るような・・・・・
ダンジョンで出た宝石ですが、何か凄っごく古臭い様な、
透明度や色の濃さ何かは良いみたいなんですけど~?」
「其れは冒険者ギルドのグランドマスターの私が答えましょう。
宝石は商業ギルドに渡ると宝石商に渡る前に、古いデザインで、
余り高く売れそうに無い物は、カットと、
商品のデザインをやり直して価値を上げて売ります。
何処其処ダンジョン産の付加価値も有りますし、
何処其処ダンジョン産である事は間違い有りませんので、」
「と言う事は、此のダンジョンで出た宝石に付いては
例えば私が古臭いデザインのものを、
斬新なデザインとカットをしたら?」
「そうじゃのう、モモに貰った宝石は宝石商に見て貰ったが、
価値が付けられなんだぞ、
素晴らしく、複雑で美しいカットを、
透明度の高い金剛石に施した物で、
帝国の技術では再現出来ぬらしい」
「モモちゃん、そんな事が出来るの?
私も欲しいわ、エンゲージリングと言う事で、」
「まあ、宝石は価値も分からないので、
一杯有りますよじゃあ此れプレゼントしますね、」
モモタロウはストレージから白金の指輪に、
透明度の高い1,5カラットのダイヤをブリリアンカットで、
両脇に0,5カラットのダイヤを付けた指輪を出すと、
グランドマスターのペチカの薬指にはめた。
「流石はリリー様、指のサイズもピッタリですね、」
ペチカは指輪を艦橋のLEDライトに反射させ乍ら、
まじまじと見つめて居た。
其処に女性陣がわらわらと集まる。
皆ペチカの薬指に釘付けと成って居た。
「モモちゃん貴方の気持ちは分かりました。
今直ぐに結婚しましょう。えっ式場?
ほんなもんは要りませんよ、
女神様が二柱も居られるのですよ。
教会の結婚式場なんて、鼻クソですよ、
其の後直ぐに寝屋に、えっ?立たない。役立たずですね、
仕方有りません。お触りだけでも・・・
言え、何でも有りません。つい欲望が・・先走りました。
今はモモちゃんの腕の中に居るだけで我慢しましょう。」
「ペチカさん何を言って居るんですか~
リリーの宝石のカットを見たいって言うから
用意したんですよ~」
「ああ、そうでした。余りにも本気度の高い
金剛石のカットについ我を忘れて仕舞いました。
其れにしても、美しいカットですね~
宝石は皆固くて、カットが難しいのですが
金剛石は其の中でも群を抜いて居てカットが難しく、
磨くのが精一杯の状態なのですが、
此の指輪は見事の一言に尽きますね、
大して大きくも無い金剛石に此処迄での細工を施せる
リリー様の技術。本当に素晴らしい。
指輪の価値に付いてですが、付けようが有りませんね、
現状リリー様にしか作れない超貴重な宝石です。
此れ一つで城が領地付きで買えるとだけ言って置きましょう。」
「えっと、私くしモモ様に宝石一杯、頂きましたよね~?」
「はい、ズロースさん、皆こんなカットを施した物ですよ」
「はい、有難う御座いますね、
今からパンツを脱ぎますので好きにして下さいませ、」
「いや、人妻が何を言って居るんですか~
旦那さんは如何するんですか~」
「穴掘って埋めます!」
「穴掘って埋めるんだ~」
「「モモちゃん私も欲しいから~頂~戴~
呉れないと殲滅しに行かないよ~!」」
「はいはい、」
二柱の女神様に渡そうとすると、
「「薬指に嵌めて優しい言葉を掛けてくんなきゃか嫌だ~」」
モモタロウは二柱の女神様の薬指に指輪を嵌めて、
「今日も頑張って魔獣を狩りましょうね、」
「「う~ん・・・まっ今は此れで良っか」」
「クルー 私達も欲しいの~指輪を嵌めて、
優しい言葉を掛けて欲しいの~」クルー
此の後クルーの皆に指輪を嵌めて行くモモタロウだった。
其の間全く狩りに成らなかった。
ダイヤの指輪のプレゼントの後、
クルー達のモチベーションは爆上がりと成り、
何か凄く張り切って居た。
「皆、プレゼント貰った事が無いんだね~(しんみり)」
「クルー ・・・・・」クルー
此の日の狩りは結局Sランクヒュドラは
3000匹を超えて居た。宝箱も24箱を数えた。
殲滅組の力が凄いの一言だった。
魔獣との遭遇率も高く、常に狩っている状況だ。
狩る時間が、連弩組10分に殲滅組が5分程度、
会敵時間が短ければ、30分程度で2つの群れを撃破出来た。
1時間で4つの群れ、10時間で、40の群れを撃破出来る。
1つの群れで、平均150匹魔獣が居れば、掛ける40と成る。
6000匹の魔獣を狩った事に成る訳だ。
其の内の3000匹がヒュドラと言う事は、
遭遇率5割と言う事で、如何にヒュドラの濃い階層か分かる。
国崩しとも言われるヒュドラ、
「こんなの外に出たら大陸が亡んじゃうよね~」
「其の為に私達が狩って数を調整して居るんですよ、」
「地の女神様そんな器用な事が出来るんですか?」
「出来る訳無いじゃない、
取り敢えず入口に入ったら、全力のブレスで焼け野原に、
其の後、洞窟や、地下に隠れている奴を見つけて、
ブレスで、蒸発させるんですね~
時々残ったお宝を地竜の里で、貯めて居るんですよ~」
「今回みたいな繊細な狩りも出来るんですね、」
「今回は特別ね、美味しいご飯の為、美味しいデザートの為、
モモちゃん、女の子はね美味しい物の為なら
如何な苦労も厭わないのよ」
「流石は女神様ですね~
美味しいご飯一杯作るので、
此の後の狩りも頑張って下さいね~」
「任せてよ~ん~モモちゃんと居るとね~楽しいわ~」
「緑の~其れは私くしも感じて居りましたわ~
ともすればセピア色に成りがちの私くし達、長命種ですが、
此処最近、総天然色の美しい世界が広がって居りますのよ~
恋する乙女と言う事で御座いましょうか?」
「そうですね~恋する惑星ですね~」
1日の狩りを終えて今日も終礼の時に、
「皆~今日も宝箱大漁ゲットです~
その数何と24箱有りました~
今から蓋を開けて行きますね~
今回も大きい宝箱からは、古代金貨や延べ棒、
宝剣に伝説の武具、小さな宝箱からは、
沢山の宝石が出て来た。其の中に、
呪いの呪物や猛毒の入った宝箱が出て来て、
「此れは危険なので、私が世に出さない様に管理しますね~
其の代わりに今回発見した宝石の中で、
古臭く、材質は良いのに値段が安い物に関して、
私のスキルの分解、組み立てで、
緻密なカットとデザインを施してから、
商業ギルドに売りたいと思いま~す。」
「モモ様~」
「はい何でしょうか~女騎士の貴女」
「はい、分け前を減らしてくれて構わないので、
モモ様の作った宝石が欲しいで~すっ!」
「えっ?そうなの~?」
「皆 欲しいで~すっ!!」皆
『リリー如何しよう~?』
『あげれば済む話っス~ば~んと、あげちゃいなさいっス~
え~っと、ダイヤとルビー、エメラルドの指輪と、
ネックレスのセットと、全員分のティアラ、ブレスレットを
宝石を散りばめたモモタロウマークが入った宝石箱に居れて、
ワイバーンの皮のブーツとコートと外套、
ヒュドラの皮で出来た、ブーツとコートと外套、
グリフォンの毛皮のコートに、怖い顔のおっさん、
マンティコアの毛皮のコートを、
オマケで、ヒュドラの骨の紅茶セットも入れて置いたっス
専用のヒュドラの骨で作った長持ちに居れて配るっス』
モモタロウは全員に名前を入れた宝石箱と、
長持ちを配って行く、全員に配った後に長持ちは大きいので、
ストレージに一時保管と言う事で、
討伐終了後渡すとして、回収
「皆 有難う御座います~一生付いて行きます~
纏わり付きます~」皆
「纏わりつくのかよ~
今回の配給は今回狩った魔獣の素材や
宝箱から出た宝石や金、
白金を使用して居るので、
今回のパーティーのみの記念品として、
無料配布しますね~いや~
儲かっちゃったね~」
「皆 バンザ~イバンザ~イ」皆
「ってこ~と~で~今夜も立席パーティをするので、
皆には取り敢えず荷物を置いて、お風呂に入ってから、
又此の場所に集まって下さいね~」
「皆 は~い」皆
「後何かありませんか~?」
「は~いっ」
「はい、ちっぱい師匠ちゃん」
「ちっぱく無いやい!モモよ、盗難は大丈夫なのかのう?」
「はい、長持ちは各自のネームを入れて、
魔法の袋に保管して居ますし、(本当はストレージ)
宝石箱はカプセルホテルに入れて置けば魔法で、
本人以外に明ける事は出来ませんし、軍規で、
盗難は発覚、簡易裁判の後死刑です。
此れだけの財産を手にした今
そんな愚かな真似をする者は居ませんよ、」
「そうじゃの~何かセキュリテイー
異常に高く無いかの~?」
「えっ?こんなもんでしょう
屋敷のセキュリテーはもっと高いですよ、
無断で侵入したらゴーレム達に
問答無用に敷地の肥やしにする仕様ですから~」
「そう言えば、冒険者ギルドのギルドマスターと、
あの間抜けな受付嬢が行方不明に成って居たわね、
今は夜勤をして居た受付嬢が
仮のギルドマスターをして居るらしいわ」
「良いんじゃ無いですか、あの受付嬢の人、
結構しっかりして居たし、」
「そうですね、行方不明のギルマスも、受付嬢も、
職場放棄で既にクビに成って居ますしね~」
此の夜も立席パーティーで、
300人の絆が強くなって行くのだった。
翌日、最終3日目夕暮れに1000キロに到達して、
何とか討伐に成功した。討伐数はやはり昨日と余り変わらずで、
限界数なのだろう。
「女神様、討伐数は如何ですか?」
「うん、良いんじゃない?」
「結構曖昧なんですね」
「何時も倒した魔獣の数を数えて居る訳じゃ無いですからね~
何時も階層ごと焼け野原にしてたからね~曖昧なんだ~」
「うっわ~適当~良いんですかね~」
「「はい、良いんですよ~だってドラゴンですもの~」」
「さいですか~」
「私達に細かい作業を望まれてもね~」
「大雑把こそがドラゴンの矜持ですわ~」
「凄い矜持やの~!其れで、階層主は?」
「「はいヒュドラですが、
大きさは15メートル位に成りますよ、」」
「大っきいですね、3階層が10メートルでしたから、
大物ですね、」
「「そうですね、首も3本から4本に成りますし、」」
「何か注意する事が有りますか?」
「「いいえ、今回と同じですわ」」
「5メートルも大きくなるのに、流石は力の女神様だな、」
3日目の終礼でも、
「皆~今日も生き残れたかな~」
「皆 は~い、結婚して~」皆
「う~ん、其れは良かった~4階層、
最終日の討伐お疲れ様~さて今日の宝箱の数は~
何と~35箱で~すっ!!皆儲かっちゃったね~」
モモタロウは一つ一つ宝箱を開けて、皆に見て貰って、
狩りの結果の透明性を担保して居た。
面倒臭くても此れをしないと、信頼度は下がる物だ。
逆に、何時も皆に全て見て貰う事で、信頼感と、達成感と、
モチベーションを上げて居たのである。
「皆 やった~バンザ~イ、バンザ~イ」皆
「明日の朝一番に階層主の15メートル級のヒュドラを倒して、
5階層に進みます。
同じSランク級の魔獣の討伐をしますが、
皆体が大きく成って危険度が増しますので、
皆死な無い様に狩りをしましょう~」
「皆 は~い」皆