ー167話ー 特急ダンジョン 3階層・4階層
特急ダンジョンの3階層に降りたモモタロウ達一行は、
ゴブリンやオークを殲滅した後、Aランクのミノタウロスや、
空飛ぶ怖いおっさん顔のマンティコアやグリフォン、
此の階層から出現して居る8メートルオーバーのワイバーン等を、
近くに居る順に討伐して行った。
「やっぱりグリフォンが一番当てるのが難しいね~」
「早いですし、グリフォン自体頭が良いですからね~」
「ワイバーンも亜竜系飛行魔獣ですが、体も大きいですし、
動きも其れほどでは有りません。中途半端に頑丈なので、
当てるのは難しく無いですわね~バカですし~
防御力以上の攻撃を加えれば面白い様に狩れますわね~」
「目標が大きいのは有難いですね~見付け易いし~」
攻撃に強力な連弩を使って居るので、
体が大きく、スピードも
グリフォンに比べ、
大きくて動きの鈍いワイバーンは良い標的であった。
「ドラゴン系の魔獣だから肉も美味しいですしね~
皆~今日の晩御飯のおかずは牛丼ならずワイバーン丼だよ~
一杯狩ってお腹いっぱい食べようね~」
「皆 ゴクリ、は~いっ」皆
マンティコアやミノタウロス、グリフォンにワイバーン、
どれも百数十匹単位の大規模な群れだ。
どれか一つでも世に群れで放たれれば
国が亡ぶレベルの魔獣だが、
飛空戦艦の戦闘力には及ばない、
一方的に蹂躙されて居た。
毎年、土の女神様と5人の従者の
エルダー、ドラゴンによって討伐されて居たのだから、
今回は其の何倍もの戦力で討伐されて居る訳だ。
魔獣の方が可哀そうに成って来る位だ。
漁師が魚を取って居るレベルなのだから、
此の階層も1,2,3日目と順調に討伐して、最終日を終えた。
飛空戦艦も、上空10キロの所で遊弋して、
展望レストランに300人が集まって、終礼を行っていた。
「今日も1日お疲れ様でした~
今日迄白兵戦に成る事も無く、
全員無事に過ごせた事を嬉しく思います。
しか~し、明日の1発目は、3階層の階層主である
10メート級Sランクヒュドラに成ります。
そして、フィールドは草原から荒野と変わりますし、
何と言っても、全ての魔獣がAランクから、
Sランクにバージョンアップして来ます。
更にはヒュドラも加わって来ます。
皆、群れで襲い掛かって来ますので、
油断して死なない様にしましょう~
狩りの計画は既にできて居ります。
充分に安全マージンは取っては居ますが、
相手は十分以上に危険な魔獣ですので、
何が有るか分かりません。
明日も気を引き締めて死なない様に狩りましょう~!」
「皆 皆が死んでも俺だけは(私だけは)
死なないぞ~そして金持ちに成るんだ~お~~!」皆
「其れでは冒険者ギルドの
グランドマスターのペチカさん、どうぞ~!」
「皆さんお疲れ様でした~
冒険者ギルド、グランドマスターの、ペチカ、フィンです。
今回は報酬に付いて説明させて頂きます。
皆さんもご存じの通りAランクの強力な魔獣が
有り得ない位の量が取れて居ます。
此れに付随する魔獣の素材も大量に取れて居ます。
その金額は既に帝国の国家予算を
軽く超えて居るものと予想されます。
当然、冒険者ギルドに此れだけの素材を
買い取るだけの予算は有りません。」
「皆 ぶ~ぶ~金返せ~!体で払え~!!」皆
「当然そう成りますよね~1人頭としても
大変な金額に成る事は間違いありません。
其処で、モモタロウさんから、
時間無効の魔法の掛かった魔法の袋を無償で貸して頂きました。
其処で、討伐後の一時金として各自に白金貨100枚を配ります。
此れは一財産です、後、年に1,2度ギルドが
素材の値段が上がって居る時に適時素材の換金を行い、
モモタロウ様が使った経費、
総額の2割を引いた金額を頭割りにして、配って行きます。
当然私やモモタロウ様も頭割りに含まれる訳ですので、
私も個人としてのお金は欲しいので、
一番換金率が良い時に換金したいと思います。
皆さんには帰る迄にギルドカードを作って各自に配ります。
既に皆さんのレベルは金の冒険者以上なので、
金の冒険者カードを配ります。
金のカードの冒険者であればどの国に居ても
平民であっても順貴族として扱われます。
其のギルドカードは、貯蓄も出来ますので、
カードを渡す時には既に白金貨100枚が
貯蓄されている状態に成ります。
此れはどの冒険者ギルドでもお金を下ろすことが可能なので、
大いに利用して下さい。
私からは以上です。」
「皆 ざわざわ~・・・・・バンザ~イバンザ~イ!!」皆
「私これで、家から独立出来るわ!」
「俺、隣村のベティちゃんとの結婚資金と、
マイホームが買えるよ~」
「屋敷が買えますよ~メイド付きで、」
「え~っと銀貨何枚にゃ?」
「う~ん、一杯うさ~」
「10万枚?」
白目を剥いて引っ繰り返るネコとウサギ
「またお金が増えて仕舞いまいましたわ」
「此れで妹達の結婚式が挙げられますわ、
家長としての務めが果たせますわ。」
「ズロースさんも大変だな~」
「エレンやモモ様にも出席して頂きますわよ、」
「はいはい、了解しました。」
此の日は展望レストランで、立席パーティーとした。
此れならば、300人位は入る事が出来たのだ。
既にレベルアップ酔いでゲロゲロする者も無く、
全員で喜び合った。
「いや~目出たいね~」
「本当ですわ~ローズお姉様のお家も此れで安泰ですわ~」
「う~ん、あのアホ亭主が
変な事をして居なければ良いのですけれど~
目を離すと何を仕出かすか分からないから
心配ですわ~
まあ今度何かしたら爆裂して貰いますけど~騎士爵家ごと~
みくだりはんですわ~」
「・・・・・大変だな~」
翌朝早速、ヒュドラの討伐に向かった。
最初は左舷に寄せて連弩で射撃、弧を描くように
今度は右舷に寄せて射撃した。
流石はSランクの魔獣で、短針では致命傷を与える事が出来ずに、
3本首から炎のブレスを吐いて反撃して来た。
「女神様お願いします。」
「「あいよ~おやつ期待して居ますわよ」」
「了解!」
両女神様は、左右に分かれると、青龍偃月刀でヒュドラの首を、
スパパンと飛ばした。
ヒュドラはいっぺんに首を飛ばさないと、再生するのだが、
両女神様はそんな時間は与えない。瞬殺であった。
「スゲーな女神様」
「クルー 力の象徴ですから」クルー
ヒュドラの居た岩山の台座の部分に飛空戦艦を横付けにすると、
乗組員が、一旦下船してモモタロウがエレン号を、
ストレージに入れ隊列を整えてから洞窟に入って行った。
此処でも入り口付近にゴブリンや、
オーク等の下級モンスターが幾つもの大規模集落を作って居り
其れを殲滅する事から始めた。
フィールドは一面の草原から一転、
グランドキャニオンを彷彿とさせる様な
断崖絶壁のロケーションに変わって居た。
4階層からは、奥行き1000キロ、横幅700キロ、
高さ10キロの広さに成って居た。
「広いね~ゴブリンとオークの群れを壊滅させるのに
2時間ほど掛かりましたね~」
「そうですわね~雑魚に時間をかけて居られませんからね~
此の広さですと私くしでも端まで飛ぶのに
10分位掛かってしまいますわね~」
「10分で1000キロ飛ぶんだ~」
「艦長~10キロ南にグリフォンの群れ約200匹」
「そしたらグリフォンの群れに向けて飛んで下さい」
「了解 会敵迄およそ7分」
「皆~後7分でグリフォンの群れにぶつかります。
準備は初めて~10分間攻撃したら殲滅組に殲滅して貰いま~す。
当てる事だけ考えて~相手はSランクだからね~」
「皆 は~いっ」皆
「艦長!前方にグリフォンの群れです。」
「はい、では攻撃開始~」
飛空戦艦エレンから短針が飛び交う。
グリホンにはそこそこ命中して居たが
固くて余りダメージには成らない。
10分が経ち、
「は~い、連弩隊攻撃やめ~
戦果は2割撃墜で~す。そこそこ良かったですよ~」
「じゃ~殲滅隊攻撃開始~」
女神様と、エルダードラゴンが、
細く糸の様に絞ったブレスで攻撃を始めた。
正確な狙いで、グリフォンの頭に穴をあけて行く、
ゴル〇サーティンの様だ。
「後ろには怖くて立てないです~」
ポチも攻撃を開始しだした。
流石に頭が吹き飛ぶような事は無かったが、
頭は突き抜けてはいる様だ。
「ポチの後ろに立ったらぶっころなの~」
ポチはスライムだから顔だけのゴル〇サーティンに成って居た。
「・・・・・シュールだ」
10分も掛からずに200匹全て狩りつくした。
「艦長~50キロ先にヒュドラの群れが120匹居ます。
艦をそちらに向けて、」
「了解!会敵迄、およそ40分。全速航行に移ります。」
「機関全速120%、ヨ~ソロ~」
「皆~次はヒュドラの群れだよ~
会敵迄40分有るから10分前迄休憩してね~」
「皆 は~いっ!」皆
今迄戦闘して居たメイド達が艦橋に上がって来て、
お茶の準備を始めた。流石だ。
今日のお茶菓子は長崎のカステラだ。美味しそう~
「カンシンご苦労様、君達もちゃんと休憩してね~」
「はいご主人様、私達も今から休憩に入ります。」
「はい、気を抜く時はちゃんと気を抜いて
ガス抜きをしないとね~肝心な時にポカをしちゃうからね~」
「お気遣い頂き有難うございます。」
メイド達は退室して行った。
紅茶を飲みながら、カステラをほおばって、
両女神様が、
「「メイド何人か下さいな」」
「ダメですよ、うちの大事な家族ですから~」
「「ですよね~うちの従者も此の
位気が付けば良いんですけれどね~」」
何時の間にか、
エレンが艦橋に来て紅茶のお代わりを入れて居た。
「モモちゃん順調ですか?」
「そうだね~今の所は順調だね~
エレンも10分前には現場に帰りなよ~」
「持ちのロンですわ~
絶好のレベルアップイベントですものね~
今回は臨界突破を目指して居りますのよ~」
「持ちのロンって古いな~
頼りにしているよ~前衛の鏡~」
「はい、任せて下さいまし~
カンウや、チョウヒ、チョウウンには負けて居られませんわ」
「そうだね~あの3人は
今回神界突破しちゃいそうだしね~」
「あら、ポチちゃんに続いてですの~
羨ましいですわね~私くしも頑張らないとですわ~」
「そうだね~臨界突破したらエレンにも
神話級の装備を支給するね~」
「あら、そうですの~楽しみにして置きますわ~
あっと、そろそろ持ち場に戻りますわね~」
「はい、頑張ってね~」
手を振って答えるエレン
「「羨ましいね~うちの従者も
あれ位やる気が有れば良いんだけどね~」」
「うちの元従者何てドラゴンレンジャ~とか言って、
走り回って居るしね~」
「うちもそんなドラゴンレンジャ~や何か、
羨ましそうに見て居るしね~
何処か琴線に引っ掛かったんだろうね~」
「「ドラゴンですもの~」」
ー40分後ー
「お~居るわ居るわ~クレパスの所にうじゃうじゃと、
蛇の様な習性でもあるのかね~?」
「艦長、射程に入ります~」
「皆~クレパスの所に一杯居るからね~
外さないと思うから10分間バンバン、撃っちゃって~」
1秒に1発の計算なので、マガジンの取り換えのスピードが速ければ、
一人10分で500発以上打てる計算に成る。掛ける300人だ。
理論上15万発の短針が飛んで行く訳なのだが
相手が巨大で、3本ある首を一遍に飛ばさないと
殺せないと言う事も有って、まだ1匹も殺せて居なかった。
「お~怒ってる怒ってる~ブレスが凄いわ~
じゃあ女神様、エルダードラゴンの皆よろしくね~」
「「了解~」」
「エルダー 了解~」エルダー
ドラゴン組12人は船から飛び出すと、
ヒュドラの群れに飛び込んで行き、各自無双状態になった。
皆伝説級、神話級の青龍偃月刀で
ヒュドラの首を飛ばしまくって居る。
ポンポンとクレパスの外にヒュドラの首が飛んで行く
死んだヒュドラはストレージに回収されて行くので、
死体の山が、討伐の邪魔に成る事も無い。
いざと成ったらブレスで吹っ飛ばせば良いのだから
30分と掛からずに生きているヒュドラは居なくなり、
全てストレージに回収された。
女神様が戻って来ると、
宝箱を持って帰って来た。
「宝箱が3個もあったよ~
ヒュドラも竜種だからね~守護竜をしていたんだね~」
此の日も順調に新しい討伐方法で狩りを進めて行った。
結局この日はヒュドラが多くて3000匹以上を討伐した。
恐らくは此の階層での食物連鎖の頂点なのだろう。
兎に角うじゃうじゃ居たのだ。
宝箱も17個出て来た。
勿論、守護竜が守って居た宝箱なので罠なんて無く、
お宝ざくざくな訳だ。
大きさもまちまちだ。
2M×1、5M×60CMの物や、1M×70CM×40CMの物とか
まちまちだ。中身は大きな物には古代の金貨、
宝剣、金の延べ棒など、
小さい宝箱には宝石が山程入って居た。
モモタロウは皆が見ている前で、宝箱を開けて居る。
此れは透明性を得る為だ。
「皆~儲かっちゃったね~イエ~イ!!」
「皆 バンザ~イ、バンザ~イ」皆
「此れは、商業ギルドも咬ませられますね~
基本、商業ギルドは高い資金力が有りますので、
其れも使いましょうか、
皆の換金率も上がる事ですしね、」
「よ~し、今日もお祝いだ~」
「皆 バンザ~イ、バンザ~イ、」皆
此の日は魔獣だけで無く、宝箱のお宝も大漁であった。
竜種が守護竜をして居るのが分かったので、
換金率の高いお宝が明日からも期待出来るのだ。